ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

鷹の爪7 女王陛下のジョブーブ

何年か前になると思いますが、某バラエティ番組に出演した若手芸人が、
先輩芸人には食事も旅行もおごってもらうけど、
映画だけはおごってもらわない、という話をしていました。
おごってもらうと映画の内容に対する不満が言えなくなるからだそうで、
たしかにその通りだなと感心したのを覚えています。
ボクは映画に誘ってばかりなのでおごられたことはほとんどないですが、
やはり女の子や歳下の子の分は出すことが多かったけど、
その若手芸人の話を聞いて以来、映画は自腹で観てもらうようになりました。
たしかにその方が、鑑賞後の感想の言い合いも盛り上がる気がします。

ボクは映画を酷評しがちですが、代金には文句を言う権利も含まれているので、
金を払った以上はいくら罵っても心は全く痛みません。
だからこそ、無料で観た映画に対して文句を言うような行為は、
ちょっと違うんじゃないかと思うんですよね。
日本アカデミー賞の選考員って、映画を全て無料で観られるんですよ。
こんなやつらが選考した映画賞に価値はありませんよね。

ボクはおごってもらう機会がないので、無料で映画を観ることは少ないけど、
稀に映画前売券が当たったりするので、それで観ることはあります。
(なお、ポイント鑑賞は実質ポイントを買っているので無料ではないです。)
その時の感想は、比較的優しい評価になっているはずです。
意図的にそうしているというよりも、無料で観るとハードルが下がるので、
満足しやすい状態になっているんだと思われます。
別に無料に限らず、そのハードルは価格に比例するので、
代金が1000円と1500円なら、1000円の作品の感想の方が甘くなりますし、
約250円のレンタルビデオで観た作品なら、もっと甘くなります。
だから消費増税で映画料金が実質100円アップした今後は、
その分ハードルも上がるので、酷評も更に増えるかもしれません。

ということで、今日はおごってもらった映画の感想です。
おごってくれたのはジョブーブさんです。

鷹の爪7 女王陛下のジョブーブ
鷹の爪7 女王陛下のジョブーブ

2014年4月4日公開。
人気ギャグFlashアニメ「秘密結社 鷹の爪」劇場版の通算7作目。

ある日、仕事に憧れを抱くジョブーブは、小泉鈍一郎というハンドドライヤーの風圧点検師に出くわす。ジョブーブは彼と一緒に満足のいく勤労生活を過ごしていたが、突然彼らがエコな世界征服を標榜する「鷹の爪団」という組織だと宣告される。無事組織の仲間入りを果たしたジョブーブだったが、鷹の爪団は取引先で事件の巻き添えを食い……。(シネマトゥデイより)



前述のように、本作は「ジョブーブのおごり」での上映、
つまり無料で上映されている作品です。
客から一切代金を取らないなんて、かなり豪儀な企画ですが、
やはりなかなか大々的には上映できなかったみたいで、
関西ではTOHOシネマズなんばとTOHOシネマズ梅田の2館のみで、
1日2回、1週間限定の上映となりました。
『秘密結社 鷹の爪』の劇場版は、ボクも好きで欠かさず観ていたので、
普通に金払ってでも観に行っていたところですが、本作は無料。
それは嬉しい気持ちもある反面、ちょっと厄介でもあります。
そんな大都市で無料の限定公開なんてされたら、
連日満員になるのは間違いなく、下手すると席が取れない惧れが…。
しかもネット予約も前日予約も不可能というシステムなので、
当日早い者勝ちで予約することになるのですが、
なぜかなんばも梅田も上映開始時間が遅いんですよね。

ボクはいい席を取るために、午前中に梅田の劇場まで行って、
夕方の回を予約したのですが、なかなかいい席は確保できたものの、
そのせいで貴重な休みが一日潰れました。
実際に席を予約したのは、上映開始の6時間も前でしたが、
そこから梅田で6時間も時間を潰すことになるのが辛かったです。
梅田なんて、ショッピングするくらいしかできないところで、
金を落とさなければ楽しめない街ですから、
6時間も梅田で時間を潰せば、せっかくの無料上映が無駄になります。
とにかくなるべく金を使わずに時間を潰す方法として、
別の映画を観ることにしました。
それでも1本では潰しきれないので2本も観てしまいました。
うち1本はいずれ観るつもりだった作品でしたが、もう1本は全く想定外で、
それが前回感想をアップした『平成ライダー対昭和ライダー』です。
はっきり言って金の無駄だった出来で、せっかくのジョブーブのおごりが、
その駄作によって相殺されてしまったような感じです。

とはいえ、その予約した回もやはり満席になっていたので、
早めに予約しておいたのはよかったと思います。
経験上、『秘密結社 鷹の爪』の劇場版を普通に上映していたら、
客入りはキャパの半分にも満たないはずです。
FLASHアニメを大スクリーンで観たいなんて奇特な人はあまりいませんから。
でもやはり無料だとこれだけ客が入るんですね。
ふだん映画も観に来ないようなやつらが、無料に惹かれて集って来たかと思うと、
苦労して予約した映画ファンのボクとしては、ちょっとイラっとするけど、
そもそも本作が無料なのは、ふだん映画館にあまり行かない人たちに、
映画館に来てもらう意図があるため、むしろお呼びでないのは映画ファンの方か。
ちなみに本日が上映最終日ですが、まだ未鑑賞の人はもう観れません。
…と思いきや、なんと明日から本作をYouTubeで垂れ流してしまうんだそうで、
梅田で6時間も時間潰さなくても誰でも無料で楽しむことができます。
所詮FLASHアニメなので、大スクリーンで観ることにあまり意義はないし、
YouTubeで見れば十分だと思いますが、それを知った時には愕然としました。
ちょっと先行して観るだけのために、貴重な休日を使ってしまったと…。
本当に『秘密結社 鷹の爪』の劇場版は、予想の斜め上を行きます。
なにしろ前作『鷹の爪6』は『鷹の爪GO』の来場者特典でしたからね。
今回の無料上映やYouTube垂れ流しも含めて、そんな奇抜な上映方法が、
本シリーズの魅力でもあるのですが…。

そもそも本作が無料なのは、ジョブーブのおごり、
つまりリクルートが製作費を全額負担してくれているからで、
民放のテレビ番組と同じ仕組みで上映されているということでしょう。
ただそういうことであれば、前作『鷹の爪GO』だって同じだったはず。
本シリーズの特徴として「プロダクト・プレイスメント」というシステムがあり、
これは劇中で露骨に企業や商品の宣伝を挟むことで、
その見返りに企業から製作費を提供してもらうというものですが、
つまり今までも、企業に製作費を負担してもらっていたはずなのに、
なぜ今まで無料じゃなかったのか、逆に不思議なくらいです。
まぁ今までは企業以外にも出資者がいて、配当を渡す必要があったのでしょう。
本作は完全なリクルートの一社提供なので、他に出資者もおらず、
儲ける必要が全くないため無料が実現したんだと思います。
配当も望まないリクルートに何の得があるんだということですが、
それはテレビ番組と同じで、もちろん宣伝です。
本作自体がジョブーブがマスコットを務める「タウンワーク」の宣伝なのです。
でも本作は「タウンワークを読めばいい仕事に就ける」的な露骨な宣伝ではなく、
仕事することへの意義や価値を説いた啓発的かつ道徳的な内容で、
それでいて全く説教臭くも押しつけがましくもないのが素晴らしいです。
これを見てタウンワークを読みたくなる人はまずいないので、
サービスの宣伝としての効果は薄そうですが、全く嫌味がないため、
ジョブーブやリクルートに対するイメージはアップしたかも。

ある日、仕事というものに興味を持った妖精ジョブーブは、
長老のチョローブから「仕事をすれば"いいもの"がもらえるらしい」と聞き、
それが何なのかを確かめるために人間界にやってきます。
一方、鷹の爪団の総統は、バイトを全てクビになってしまったのを機に、
ハンドドライヤー調節業「鷹爪コンツェルン」を起業します。
しかし全く需要がなく営業で悪戦苦闘する中、求職中のジョブーブと出会い、
ひょんなことからジョブーブを雇うことになる、という話。
求人雑誌の宣伝なら、その雑誌で仕事を見つけそうなものですが、
そうならないところが普通の宣伝とは違いますよね。
ジョブーブの不思議な力で調節されたハンドドライヤーは、
感動するほど快適に生まれ変わり、それが評判となって鷹爪は大繁盛します。
その評判を聞きつけた電機会社「クイーン・エレクトロニック」の藤堂社長は、
鷹爪に新商品の共同開発を依頼し、携帯型ハンドドライヤを開発するのです。
クイーンにはライバル「黒鯰電機産業」のスパイが紛れ込んでいるため、
鷹爪との共同開発は社内にも極秘で行われます。
しかし社内のデザイン部も使えないため、製品のパッケージデザインができません。
そこでジョブーブは、知り合いの同社の受付嬢・木原を推薦するのです。
彼女はデザインや広告の仕事に興味があったのですが、
受付に配属され、今の仕事にミスマッチを覚えていました。
求人雑誌の宣伝なら、その雑誌で転職しそうなものですが、
そうならないところがまた普通の宣伝とは違いますよね。

極秘開発(というかほぼハカセひとりの力)により、スマホや食洗器、
更には「なかなか言い出せない秘めた思いを告白する」機能まで搭載した、
超高性能携帯型ハンドドライヤーが完成し、社長は会議で発表しようとするが、
鷹の爪団を甚振るのが趣味な正義のヒーロー、デラックスファイターにより、
鷹爪が悪の秘密結社・鷹の爪団だとバレてしまい、社長は立場を失い、
新製品の設計図も黒鯰のスパイ豪徳寺副社長に奪われて、
黒鯰の新製品として発表されてしまうのです。
悪の秘密結社なんて言っても、実際は人に地球にやさしい世界征服を目指す、
全く無害な秘密結社なんですけど…。
むしろ鷹の爪団がそこまで危険視されていたのは意外でした。
黒鯰の新製品発表で、黒鯰社長がパクった携帯型ハンドドライヤーを使うと、
あの機能がまさかの効果をもたらし、黒鯰の悪事が世間にバレてしまいます。
いやー、単なるネタのひとつだと思っていたあの機能が、
まさかこの伏線だったとは、全く予想外の展開で感心してしまいました。
さらにクイーンは、木原の発案で鷹の爪団(というかハカセ)が開発した、
携帯型ハンドドライヤーの価値を根底から覆す新製品を発表し、完全勝利します。

後日、藤堂社長が謝罪とお礼のため謝礼1億円を用意して基地を訪れますが、
総統は「契約にはないご褒美は受け取れない」と謝礼を断るのです。
それを見たジョブーブは、"いいもの"が何かわかった気がして、
自分の世界に帰っていくのでした。
チョローブの言っていた仕事で得られる"いいもの"とは明らかに"金"ですが、
ジョブーブは違うものを"いいもの"だと認識したようです。
それが一体何だったのかは、YouTubeで本作を見てください。
無料だし、面白い作品なので損はしないはずです。

-関連作の感想-
秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jpは永遠に~
鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1266-079eb8c9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad