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ロボコップ

昨年大ヒットしたデアゴスティーニのロボット組立雑誌『週間ロビ』が
再刊行されたと知って、ちょっと欲しくなりました。
毎号ついてくるパーツを組み立てると、会話したり歩いたりできる、
かなり高性能なロボットが完成するようで、とても面白そうです。
創刊号は790円で、2号以降は1985円(税抜)なので、
それくらいの金額なら捻出できなくもないかなと思えたし。
でも調べたら全70号もあるとわかり、やっぱり断念しました。
総額15万円以上にもなるそうで、この性能ならそれは納得できるけど、
1年半も完成しないのは、飽きっぽいボクには無理そうです。
それにボクは極度の機械音痴で、ミニ四駆でも失敗するくらいなので、
そんな精巧なロボットがちゃんと動いてくれるか心配です。
なので更に高くても、完成品のロボットを買った方がいいかも。
まぁそんな金があったら、まずPS4買いますけど。

ということで、今日は製作費26億ドルのロボットが活躍する映画の感想です。

ロボコップ
RoboCop.jpg

2014年3月14日日本公開。
大ヒット映画『ロボコップ』をリメイクした近未来SFアクション。

2028年、アメリカのデトロイト。巨大企業オムニコープ社がロボットテクノロジーを牛耳っていた。警官のアレックス(ジョエル・キナマン)は愛する家族と幸せな日々を過ごしていたが、ある日、車の爆破に巻き込まれる。かろうじて命を取り留めたアレックスは、オムニコープ社の最先端のテクノロジーによってロボコップとして生まれ変わり……。(シネマトゥデイより)



昨今のリブートブーム、特にヒーロー映画のリブートブームの中で、
当然のようにリブートされることになった『ロボコップ』ですが、
その道のりは険しく、相次ぐ公開延期を経て、漸く完成しました。
満を持しての公開でしたが、全米での成績はパッとせず、初登場3位。
それでも旧作の興行成績はギリギリ上回ったみたいですが、
旧作は低予算映画でしたから、大金を注ぎ込まれた超大作の本作としては、
やはり期待外れな結果だったと言えると思います。
ただ海外での興収はかなり好調なようで、特に中国で大ヒットしており、
世界興収では大きくプラスになっているみたいです。
本作は中国市場を睨んで、ロボコップをメイド・イン・チャイナにしたのが
功を奏したのかもしれませんね。
日本人のボクからすると、中国製であることは物語上必然性がないし、
むしろ不愉快ささえ感じてしまう設定ですが…。
まぁ旧作の3作目なんかも日本に対して敵愾心剥き出しの内容だったし、
中国製と言っても米国企業の中国工場で作られたってだけで、
設計開発したのはアメリカ人技術者ですけどね。

ボクも『ロボコップ』のリブートを楽しみに待っていましたが、
本作のロボコップのビジュアルが公表された時には、
かなり強い懸念を感じてしまいました。
旧作のロボコップはメタリックなカラーで、正直チープでしたが、
そこに味があり、ダサカッコいいデザインだったのに、
本作のロボコップは全身ブラックで、たしかにスタイリッシュではあるけど、
これにツノつけてマント付けたら完全に『ダークナイト』のバットマンで、
まるでスーツ着たアメコミヒーローで、ロボっぽさに欠けます。
このチャコールブラックなカラーリングは、ソニー製品を彷彿させ、
本作をソニーが配給することになったことの影響かなんて思ったりもしたけど、
実際に本作を観てみて、その理由が少し理解できました。
本作のロボコップも当初はメタリックカラーなのですが、
開発したオモニ社の判断でブラックに変更されます。
劇中で言及されている変更理由は、ブラックはミリタリー感が強く、
かっこいいので、市民から人気が出るだろうという商業的判断によるものですが、
実際は本作のロボコップは恐怖の対象でもあり、純粋な正義のヒーローではなく、
ダークヒーロー的なので、悪者っぽいデザインにしたかったのでしょう。
本作のラストでは、ロボコップのカラーは再びメタリックに戻されますが、
これはロボコップが正義のヒーローになったことのメタファーでしょう。
本作を観ればその意図は理解できるけど、ビジュアルだけを公開するのは、
あまりいい判断ではなかったように思います。
全身ブラックにビジュアルは旧作ファンを中心に概ね不評だったし、
本作の全米興収が伸び悩んだのその影響は大きい気がするので…。

主人公ロボコップのキャラデザはイマイチですが、その意図は汲めるし、
物語自体はとても興味深いものだったので、なかなか楽しめる作品です。
旧作の単なるリメイクではなく、新しい切り口でリブートされており、
旧作ファンも新鮮な気持ちで楽しめると思います。
簡単に言えば、捜査中に(ほぼ)殉職したマーフィ刑事が、
オムニ社の思惑により、サイボーグ「ロボコップ」として生まれ変わり、
デトロイト警察に配備され、犯罪を取り締まるという物語ですが、
旧作のロボコップが徐々に生前の記憶や人間の感情を取り戻すのに対し、
本作のロボコップは徐々に人間としての感情を失っていくという真逆の展開です。
どちらが好みかは人それぞれでしょうが、ボクは本作のロボコップの方が、
はじめから人間的な感情を持っているので、感情移入しやすかったです。
悲惨さで言えば、旧作のマーフィの方が可哀想な気もするけど…。
旧作が大人気映画だっただけに、なかなか脚色するのも勇気がいるでしょうが、
単純なリメイクにしなかったのは評価できると思います。
それでいて旧作のテーマ性も踏襲しているのが素晴らしいです。
以下、ネタバレ注意です。

2028年、米軍はオムニ社の戦闘用アンドロイド兵士「EM-208」を、
米兵の代わりに世界中に配備して、治安維持活動をしていました。
しかしアメリカ人は極度のロボット恐怖症なため、
自国での治安維持にアンドロイド兵士を用いることに否定的な世論が強く、
「ドレイファス法」により、国内でのアンドロイド兵士使用は禁止されます。
ロボット恐怖症、いわゆるフランケンシュタイン・コンプレックスですが、
アメリカ人って本当にロボットを惧れていますよね。
アメリカ人はアイザック・アシモフのSF小説『アイ、ロボット』などで、
自律するロボットはいつか人間を脅かす存在だと信じられているようで、
たしかにハリウッドのSF映画でもロボットを脅威として描くことが多いです。
日本人は『鉄腕アトム』や『ドラえもん』などの影響もあり、
昔から「ロボットは友達」と刷り込まれているので、
ロボット恐怖症という感情はイマイチ理解に苦しいですが、
警察にアンドロイド兵士が配備されるのは、やっぱり嫌かな。
アンドロイドが暴走してターミネーター化するとは思わないけど、
警察も政治家も信用できないし、そいつらがアンドロイド兵士って
市民の生活に干渉することには懸念を感じますもんね。

かなり近未来の2028年に、米兵の代わりに配備されるほどの
アンドロイド兵士が誕生するとは思えませんが、
本作にも登場するXT-908ような無人偵察機は実際にあるし、
人間の代わりに戦闘を行うロボットは、どんどん開発されるでしょうね。
まぁわざわざ人型にする理由なんて全くないから、
本作のEM-208のような人型アンドロイド兵士は開発されないでしょうけど。
どうやら本作の監督は、戦争に無人兵器を持ち込むことに懸念があるらしく、
本作はそれを風刺する意図もあるようなのです。
米兵がロボットになれば、米兵が犠牲にならないから、
戦争をいたずらに長期化させてしまうと考えているようで、
たしかに一理あるけど、やはり人命には変えられないし、
ロボットで済むならロボットを配備するべきだとボクは思うけど…。
まぁ敵国の人間の兵士はちょっと気の毒だけどね。

自社のアンドロイド兵士が警察に配備されたら大儲けできるオムニ社にとって、
ドレイファス法は邪魔ですが、上院で同法の廃止を求める投票が行われることに。
しかし世論は同法を支持しているので、上院議員も廃止に賛成はできません。
そこでオムニ社は、「アンドロイドではなくサイボーグなら合法だ」と、
サイボーグ警官ロボコップを開発することにします。
まず市民をサイボーグに慣れさせて、ロボットに対する世論を軟化させ、
ドレイファス法の廃止法案を通して、本命のアンドロイドを投入するつもりです。
100%機械のアンドロイドとは違い、サイボーグは体の一部を機械化した人間。
市民のロボット恐怖症は自律した人工知能のロボットへのものなので、
たとえ体がほとんどロボットでも、脳が生の人間なら問題ないのです。
本作の冒頭ではテヘランの治安維持に配備されたEM-208が、
パトロール中にイスラムのテロリストに襲撃され反撃しますが、
人間的な感情がないアンドロイド兵士は、武装した相手であれば
たとえ子供でも躊躇なく殺すが、そんな人間味のなさを世論は危惧しているので、
人間味のあるサイボーグなら受け入れられるわけですね。
他国であれば人間味のないサイボーグを配備してもいいと考えるのが、
如何にも傲慢なアメリカ人らしい考え方ですが、もし治安維持に配備するなら、
EM-208のような禍々しいデザインにはしないと思いますけどね。
あんなの現地の人々のアメリカに対する疑心を煽るだけですもんね。

サイボーグ化する被験者に選ばれたのは、デトロイト警察のマーフィ刑事。
彼は麻薬王バロンの組織に潜入捜査中でしたが、署内に裏切り者がいて、
組織に身元がバレてしまい、自動車に爆弾を仕掛けられてしまいます。
奇跡的に一命は取りとめたものの、左の手足を失い、全身の80%を火傷し、
このままでは死んでしまう状態でした。
そんなマーフィに目を付けたオムニ社が、彼の妻の了解を取り付け、
彼をサイボーグ化し、ロボコップにしてしまうのです。
まぁオムニ社の目的はどうあれ、命が助かったのは幸いな気もするけど、
サイボーグといっても、ほぼ全身ロボットで、マーフィの自前の部位は
頭部と右手首だけなので、そんな状態でも生きたいかは微妙です。
鏡でバラバラに解体された自分の姿を見たマーフィも尊厳死を望みます。
結局は説得を受け入れて思いとどまりますが…。
(自殺しないように抗うつ剤も使用されます。)
でも脳のある頭部の他に右手首だけ残しているのは、ちょっと変ですよね。
スマホを使うのには便利そうだとは思ったけど、ビジュアル的にも変だし、
何の目的で右手だけ素手なのかよくわかりませんでした。
あとで調べてみたら、どうやら人間味を残した方がいいとのオムニ社の判断で、
握手などスキンシップ時に温もりを感じられるように考慮したようです。
でもその温もりは、どうやら血が通っているわけではなく、
人工的に体温を発生させる装置によるものらしいのです。
目的をわかってみると面白い設定ですが、そんな技術があるのなら、
全身も生体パーツにして、もっと人間らしくも出来たはずですよね。
まぁもし出来たとしても、あまり人間らしくしてしまうと、
アンドロイド導入のクッションとしての意味がなくなるからダメなのかな。

オムニ社の依頼でロボコップを開発したのは、
リハビリ施設に勤めるロボット義肢の権威ノートン博士です。
単にSFでお馴染みのサイボーグというだけではリアリティがないけど、
実際に研究され実用化もされている医療目的のサイボーグの延長線上に
ロボコップがあるという設定には、ちょっと現実味を感じてしまいます。
博士は戦闘用サイボーグの開発には否定的でしたが、
研究欲求に負けてしまったのか開発に同意し、なぜか中国で制作開始します。
サイボーグは(ほぼ脱法だけど)合法なので、
わざわざ国外で開発する必要なんてないと思ったのですが、
テストのためにEM-208も使うので国内では無理だったのかな?
ロボコップは性能テストのため、EM-208とシュミレーション対決しますが、
やはり人間の感情を通しているため、反応速度はアンドロイドに劣り、
それが大きな課題となるのです。
でも、別にその程度の性能差はどうでもいいことですよね。
ロボコップが戦うのはアンドロイドではなく人間の犯罪者だし、
アンドロイド導入の布石でしかなく、市民から人気さえ得られたらいいので、
そんなに高性能である必要はないはずです。
でも博士は真面目に改善に取り組み、知覚を操る仕組みを導入します。
これは戦闘モードになると、マーフィ自身も無意識のうちに、
人間的な感情がシャットダウンされる仕組みです。
これはもう完全にアンドロイドで、本来の目的を見失ってます。
これによりマーフィはどんどん人間性を失っていくことになります。
その結果、模擬訓練で複数体のEM-208相手に勝利しますが、
感情を失いアンドロイド化しても、もともとアンドロイドのEM-208の性能を
これほどまでに凌駕するのはちょっとおかしな展開です。

完成し帰国したロボコップは配備に向け、警察のデータベースをダウンロード。
しかし、自分の死に関する事件のデータを照合したことで、
マーフィの感情が高まり、ソフトウェアが暴走し始めるのです。
簡単に言えば、常に戦闘モードになってしまい、人間性を失ったわけですね。
それにより家族や元相棒のルイス刑事のことも無視するようになります。
オムニ社も暴走を懸念して、マーフィを家族と会わせないようにします。
そんな人間味ゼロのロボコップですが、発表記者会見の場で、
その客の中に紛れ込んだ殺人犯を逮捕し、市民の人気者になります。
テーザー銃とはいえ、あんな人ごみの中で発砲されたら、
人気が出るどころかますます危険視されそうなっものですが、
世論は軟化し、72%だったドレイファス法の支持率も、賛否半々になります。

ところがオムニ社にとって都合が悪いのは、
ロボコップが、自分を殺した麻薬組織の捜査を最優先し、
ついに麻薬王バロンを倒し、組織を壊滅させたまではよかったのですが、
その現場の証拠から、その組織と警察本部長の癒着にまで気付いてしまい、
警察署に乗り込んで本部長を撃とうとしたのです。
オムニ社は慌てて緊急停止させますが、それは別に本部長を守るためではなく、
ロボコップが殺人や強盗や麻薬など凶悪事件だけでなく、
汚職事件まで捜査されてしまうと、汚職政治家も戦々恐々で、
ドレイファス法反対に投票してもらえなくなると考えたからです。
困ったオムニ社CEOセラーズは、ロボコップを殉職させたと見せかけ、
始末してしまおうと考え、開発者ノートン博士に協力を依頼します。
ノートン博士はその企てに同意すると見せかけて、
ロボコップの緊急停止送信機を外して、マーフィを自由にし、
彼はセラーズを倒すためにオムニ社に乗り込むのです。

オムニ社で待っていたのは殺人マシーン「ED-209」。
旧作にも登場した巨大二足歩行ロボットです。
普通に国内にロボット兵士持ち込んでるけど、これは合法なのかな?
人型アンドロイドじゃなければ、問題なかったのでしょうか?
ED-209は、おそらくEM-208の後継機なので高性能だろうし、
マシンガンやランチャーを標準装備していて、戦闘力も段違いです。
そんなED-209を複数体投入しても、ロボコップは止まりませんが、
この時のロボコップがそんなに強いのはおかしいですよね。
マーフィの感情が活きていることからも、おそらく博士によって
知覚操作装置も外されているはずなので、反応速度は落ちているはず。
それだとEM-208にも勝てないはずなのに、
なぜED-209の大群と渡り合えるのか不思議です。
反応速度は落ちても、ロボットにはない人間の応用力が活かされているとか?

乗り込んだ際には、相棒のルイス刑事の協力も得るのですが、
ルイス刑事も序盤の潜入捜査で死線を彷徨う重傷を負ったはずなのに、
全く後遺症もなく現場復帰しているのが意外です。
てっきり彼もロボコップ2号的な展開になると思っていたので…。
ちなみにルイスという名の相棒の刑事は、旧作では女性でしたね。
本作では彼女の役割の一部がマーフィの妻クララに移されて、
ルイス刑事は黒人男性になっています。
そのため脇役感が強まったけど、最後に活躍の場があってよかったです。

ついにCEOセラーズを追い詰めたロボコップですが、
セラーズは自社アンドロイドから攻撃を受けなくなる
赤いマーカーが付いたリストを嵌めているのですが、
どうやらそれは自社サイボーグにも有効なようで、
ロボコップはセラーズに発砲することができません。
…と思ったら、最後は発砲できちゃうんですよね。
その前に戦ったアンドロイド兵士の司令官マトックスは、
赤いマーカーのせいで撃てず、代わりにルイス刑事に撃ってもらったのに、
なぜセラーズだと急に撃てるようになったのか謎ですが、
ロボコップの制御をマーフィの感情が上回ったってことなのでしょうか?
それとも銃を持った右手が素手だったので、完全に制御できなかったとか?
何にしても、ノートン博士はこの制御プログラムも解除しとくべきですよね。

その事件をキッカケに、オムニ社の親会社はロボコップ計画を見直すことに。
ドレイファス法も議会で一度は廃止が決まるも、
大統領の鶴の一声で存続することになります。
でもたぶんサイボーグの警官自体は禁止されていないので、
人間性も取り戻し、カラーリングもシルバーに戻ったロボコップは、
今後も警察に配備され、デトロイトの治安維持活動を続けるのかな。
世界的には十分ヒットしているので、きっと続編も製作されるでしょう。
より中国色の強い内容になりそうですけど。

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