ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊

この冬クールはテレビアニメを当初10本ほど見始めたのですが、
ほとんど3話と持たず視聴を打ち切ったため、
結局未だに見続けているのは秋クールから継続している『弱虫ペダル』だけに…。
テレビアニメを見続けるのはなかなか難しいです。

でも4月からの春クールは今から気になる作品が多いです。
特にアメコミ映画ファンなので、MARVEL制作の和製テレビアニメ
『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』に大注目していますが、
どうもホビーアニメっぽいので、期待より懸念が強いかも…。
これを見たチビッコが映画『アベンジャーズ』シリーズや
アメコミに興味を持ってくれたら嬉しいけど、
その出来次第では逆にアメコミ離れが進む虞もあり…。
アメコミ系ではニコロデオンの『ミュータント・タートルズ』も始まり、
これは海外アニメを輸入したものなので、まだ安心感があるかな。

アメコミ系以外では『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』
『ドラゴンボール改 -魔人ブウ編-』『蟲師 続章』あたりは見る予定です。
どれも原作を知っているので安心して見れますが、
やはり新しいものも開拓したいので、アニメに詳しい知人に聞いて、
春クールも10本ほど見始めようと思っています。

ということで、今日はテレビアニメの劇場版の感想です。
原作は知っているので安心して観に行ったけど、
それが逆効果なこともあると思い知った作品でした。

映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊
ドラえもん2014

2014年3月8日公開。
テレビアニメ『ドラえもん』の長編劇場版34作目。

夏休み。前人未踏の秘境を探す大冒険に思いをはせるのび太たちは、探検できる場所を模索していた。そんなある日、空き地で一匹の子犬を見つけたのび太は、犬をペコと名付けて飼い始める。するとペコが大量の航空写真の中から、ジャングルの奥地に立つ謎の石像が写った写真を見つけ出す。巨神像の謎を解き明かすため、のび太たちはジャングルへ向かう。(シネマトゥデイより)



『ドラえもん』の映画シリーズ第34作目となる本作ですが、
もう声優交代後の第二期シリーズとしても9作を数えるんですね。
第二期ではオリジナル作品をやる年もあれば、
声優交代前の第一期作品のリメイクをやる年もありますが、
今年は都合4度目のリメイク作品となり、1982年に公開された
映画シリーズ3作目『ドラえもん のび太の大魔境』のリメイクになります。
ボクは旧作頼みのリメイクは安易に思え、オリジナルで勝負すべきと
ずっと思っていたのですが、リメイク3作目となる
『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~』が
オリジナルを超える出来どころか、シリーズ最高傑作だと感じたので、
それ以来はリメイクもありだと思うようになり、本作にも期待しました。

そしていざ観たのですが、本作はリメイクとしては完璧だと思います。
しかし完璧すぎて最悪です。
オリジナルのストーリーを忠実に再現しすぎて、全く工夫が感じられません。
オリジナルは30年以上も前の作品になるので、ボクも観てないはずですが、
原作本は持っていて、オリジナルはそれに忠実に作られているはず。
本作はその原作本の内容と寸分違わぬ内容になっているのです。
映像化にあたり、詳細には描かれているのですが、内容は99%同じです。
原作に忠実に映像化することは、むしろ褒められるべきことですが、
ことリメイクに関してはそれではダメです。
ビデオで旧作も簡単に観れるご時世に、全く同じことをするなら、
旧作を観れば済む話でリメイクをする意味なんてありません。
たしかに絵柄や声優は変わったけど、そんなのは些末な違いでしかなく、
物語を脚色して、オリジナルより面白できる場合や、
時代に合った内容にモダニゼーションすることがリメイクの意義です。
実際に大抵のリメイク作品は、オリジナルを超えることはできませんが、
それでもオリジナルとの差異を作って、
リメイク作品独自のオリジナリティを演出しようとするのが普通です。
本作はその努力を全く放棄し、作画は頑張っているかもしれないが、
脚本面では完全に手を抜いていると思います。
『新・のび太の大魔境』なんてタイトルだけど、どこに「新」の要素があるのか。
大胆な脚色で名作となった『新・のび太と鉄人兵団』を見習うべきです。

なぜこんな脚色ゼロの手抜きの脚本で制作されることになったのか不思議。
今までのリメイク3作は、中には改悪もあるけど、大胆に脚色されていました。
オリジナル作品も、リメイクとは銘打たないまでも、
原型を留めないほど脚色された旧作のリメイクだったりしたのですが、
本作ほど脚色しなかった作品は、第二期以降ありません。
もしかすると、夏公開の『STAND BY ME ドラえもん』に注力するあまり、
本作の制作を疎かにしてしまったのかもしれません。
もうひとつ考えられる原因は、リメイクはオリジナルより興収が低くなるので、
「どうせ客は入らないし」と手を抜いた可能性もあります。
リメイクに客が入らないのは、旧作を観ていた親世代の客が、
「知ってる話だし」と鑑賞を避けるためだと思われますが、
そのために「子供しか観ないから気付かれないだろう」と、
そのままの内容で再映像化してしまってるんじゃないかな?
こんなことをしていたら、本当に大人は観なくなり、
リメイクを制作することができなくなってしまいますよ。

素人考えだけど、ジャイアンとペコの関係をもっと深く描けば、
それなりに面白くなりそうな気がするのですが、
きっと脚本家や監督の脚色能力が低いに違いないので、
原作を忠実に再現するしかできないのは仕方ないとしましょう。
でも、せめてモダニゼーションくらいはするべきです。
オリジナルが30年以上も前の作品だから、今の時代にそぐわず、
子供たちが理解できないところも多くなっています。
例えば、冒険に飽きたジャイアンをやる気にさせるために、
ペコが宝の地図を書いて彼に渡すのですが、それを見たのび太は、
「わら半紙にサインペンで書いてある」と言うんだけど、
今のご時世、品質の悪いわら半紙なんて流通しておらず、
わら半紙という言葉を知ってる子供がどれだけいるのか。
また、川を船で進む時に、舵を取っているスネ夫が、
「リビングストンやスタンレーになった気分」と言いますが、
それも当時ならまだしも、今の子供たちに伝わるとは思えません。
セリフもほとんど弄ってないことがわかりますが、時代錯誤が甚だしいです。

唯一、モダニゼーションされていると感じたところは、
どこでもドアを使えなくなる経緯です。
原作では空き地に放置してあるどこでもドアを、
神成さんが不法投棄されたゴミと思って燃やしてしまうのですが、
本作ではバラバラに切り刻んでしまうように変更されています。
今だと空き地で物を燃やすのは法律違反だからでしょうね。
いや、オリジナルではワニにドアを潰されたようなので、
たぶん当時も法律違反だったのかもしれません。
オリジナルに比べると本作の方が原作に忠実と言えますが、
燃えカスになったならまだしも、切られた程度なら、
別の道具で治せそうな気がしますが…。

そもそも『のび太の大魔境』自体が、いくらモダニゼーションしても
どうにもならないほど古臭い作品なので、リメイクには不向きです。
コンゴ民主共和国にあるという「ヘビー・スモーカーズ・フォレスト」に
前人未到の魔境があるという設定の物語ですが、
「ヘビー・スモーカーズ・フォレスト」は実在しません。
今のご時世、そんなことは調べればすぐにわかることですが、
なぜ原作者がそこに魔境があるという設定を思いついたかといえば、
当時そこはザイール共和国という独裁国家だったので、日本人にも馴染みがなく、
魔境があることにするには持ってこいの場所だったからです。
しかし今となっては、コンゴ民主共和国に魔境があるなんて話は、
モケーレ・ムベンベくらい眉唾で、子供でも真に受けませんよ。

しかも魔境にあるのは「バウワンコ王国」という犬の国ですが、
何十万年か前に地殻変動で外界と隔絶され、外界では猿が進化したが
王国では犬が進化したというトンデモ設定で…。
『のび太と竜の騎士』では恐竜が進化していたし、
百歩譲って犬が進化したのは許すとして、問題は王国の規模です。
ヘビー・スモーカーズ・フォレストは大きく見積もっても半径数十キロなので、
その中にすっぽり隠れる王国の広さなんて、たかが知れています。
ペコ以前に王国の外に出た者はおらず、外界と接触したことは一度もないのに、
5000年前に人間より高度な文明を持っていたなんて、無茶苦茶な話ですよ。
その古代文明の兵器を使って、王国の悪い大臣が外界支配に乗り出しますが、
たかが「火を吐く車」や「空飛ぶ船」では、世界征服どころか
周りを囲むコンゴ民主共和国にさえ軍事力で負けてしまいそうです。
まさに「井の中の蛙」で、外界から隔離された魔境らしいとは思いますが、
脅威として弱すぎるので、いまいち盛り上がりに欠けます。
長編シリーズでは過去にも地球上の高度な文明を舞台にした物語がありますが、
海底や地底や雲の上など、前人未到であることが納得できるものだったけど、
本作の舞台はあまりにあり得ないため、世界観の出来が悪く感じられ、
初期の長編の中でも最悪な作品だったと思います。

他にも、なぜコンゴの原住民(ピグミー族?)とは
翻訳コンニャクを使わないと話すこともできないのに、
(日本語を覚えたペコは別として)バウワンコ国民とは普通に話せるのかとか、
サバンナにいるはずのシロサイがなぜ密林にいるのかなど、
ツッコミどころ満載のいい加減な設定のオンパレードです。
せっかくリメイクするなら、そのあたりの設定も筋が通るように
改変してあげてもよかったんじゃないかと思います。

ラストのタイムパラドックスの展開も、原作を初めて読んだ子供の時は
ちょっと感心したような記憶があるけど、今観直すと酷いもんですね。
帰宅後、すぐにタイムマシンでバウワンコに向かえば、
新しいどこでもドアを持っていくことはできませんよ。
まぁ未来デパートに寄ったと考えれば済む話だけど、
電光丸の電池も入れ替えとけよと思います。
ちなみに電光丸が電池切れになるのは本作独自の展開で、
数少ない独自の展開が改悪になってるんだから救いようがないです。

原作や旧作を知らない人ならそこそこ楽しめるかもしれないけど、
何も工夫する気がないなら、金輪際リメイクなんてやめた方がいいです。
幸いにも次回作はオリジナルだと思われるので、本作よりはマシでしょう。
その前に初のCGI化である『STAND BY ME ドラえもん』があるけど、
それは山崎貴監督・脚本なので、面白い作品になるんじゃないかな?

-関連作の感想-
ドラえもん 新・のび太と宇宙開拓史
ドラえもん のび太の人魚大海戦
ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~
ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマルアドベンチャー~
ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1249-375ddbeb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad