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ラヴレース

TBS火曜10時に放送していたダウンタウンの新番組『100秒博士アカデミー』が
1クールで終了となるようで、『R100』で松本人志は終わったと確信したボクは、
ダウンタウンの人気低下は当然だし、いい気味だとも思っていましたが、
どうやら火曜10時からは撤退するものの、水曜10時で新番組を始めると知り、
愕然としてしまいました。
ダウンタウンの凋落を実感しながら、ダウンタウンを切ることができない
TBSの腰抜けっぷりにもガッカリですが、この際そんなことはどうでもよく、
問題は水曜10時にダウンタウンのクソ番組が始まることで、
貴重な地上波の映画枠『水曜プレミアシネマ』が終了することです。

日テレの『金曜ロードSHOW!』も、フジの『土曜プレミアム』も、
テレ朝の『日曜洋画劇場』までもがまともに映画(特に洋画)を放映しない中、
最も新参者の『水曜プレミアシネマ』には期待をしていたのに残念です。
これで日本人の映画離れもますます進むと思われます。
視聴率が取れなかったみたいなので終了は仕方ないけど、
ダウンタウンの新番組だって視聴率取れるはずないのに…。
まぁボクも『水曜プレミアシネマ』はほとんど見てませんけどね。
はっきり言って地上波で流せるような映画(特に洋画)は、
ブロックバスターなアクション超大作ばかりなので面白くないです。
地上波は規制も厳しいし、視聴率も取らなきゃいけないので仕方ないけど、
逆にそんな状態だから視聴率も取れるはずないんですよね…。

ということで、今日は地上波では絶対放送できないR18映画の感想です。
まぁ地上波で流せない映画が全て面白いわけでもないんですけど。

ラヴレース
Lovelace.jpg

2014年3月1日日本公開。
ポルノ女優リンダ・ラブレースの半生を描いた伝記ドラマ。

21歳のリンダ(アマンダ・セイフライド)は、敬虔(けいけん)なカトリック教徒の父(ロバート・パトリック)と母(シャロン・ストーン)とフロリダで生活していた。ある日、彼女はバーの経営者チャック(ピーター・サースガード)と知り合い、誘われるままに付き合い始める。そのまますぐに彼と結婚したリンダはセックスの喜びを徹底的に教えられ、性的に成熟していくが……。(シネマトゥデイより)



劇場で予告編を観て面白そうだと思って観に行った本作ですが、
本作で描かれている実際のポルノ女優リンダ・ラヴレースについては、
名前も聞いたことがありませんでした。
なんでも1972年のポルノ映画『ディープ・スロート』の主演女優で、
その映画は社会現象になるほどヒットし、
世界で最も成功したポルノ映画と言われているそうです。
ボクは当時まだ生まれてないし、ポルノ映画も観たことがないので、
当然『ディープ・スロート』がどんな作品かも知りませんが、
『ウォルト・ディズニーの約束』を楽しく観るためには
『メリー・ポピンズ』を観ておいた方がいいだろう的な感じで、
本作を観る前に『ディープ・スロート』を観ておこうかと考え、
レンタルビデオ店を探し回りました。
ところが(AVはあるのに)ポルノ映画なんて扱っている店はなかなかなくて、
結局、レンタルできないまま、日本公開から1週間以上経ってしまったので、
あきらめて『ディープ・スロート』未鑑賞で本作を観ることにしました。
そんな史上最も大ヒットした世界的な作品であれば、
たとえポルノ映画だったとしても、もう少し容易に手に入ればいいのに…。

『ディープ・スロート』も観れなかったし、
ラヴレースについて知る機会もないまま本作を観たわけだけど、
やはり知らない人物の伝記映画には興味が湧きにくいです。
それでも数奇な人生であれば、興味深くも観れるでしょうが、
ラヴレースの人生はそれほどドラマチックなものでもない気がします。
そもそもポルノ女優なんて下賤の仕事に望んで就こうなんて思う女性はおらず、
それでもポルノ映画やAVに出演してしまう女性は、
家庭環境や金銭問題とか已むに已まれぬ事情があるものです。
ラヴレースの場合もそうで、家庭や金銭的事情からポルノ女優に堕ちますが、
それはポルノ女優としては特段珍しい経緯でもないと思うんですよね。
たまたまその出演作が、異常にヒットしてしまったから、
結果的に彼女が注目を浴びただけのことでしょう。

…いや、本当ならラヴレースの人生は、とても特殊なものだったはずです。
その特殊さは彼女がポルノ映画に出た経緯にあるのではなく、
ポルノ映画を引退してからの行動にあると思います。
世界一有名なポルノ女優の彼女ですが、引退後は反ポルノ活動家になったそうで、
そんな人生の元ポルノ女優なんて、かなり特殊な人生だと思います。
本作でもそれをちゃんと描けばいいと思うのですが、
本作の大半は彼女がポルノ映画『ディープ・スロート』に出演し、
それが大ヒットして社会現象化するまでの裏側を描いた内容で、
反ポルノ活動をしていた人生の後半についてはほとんど描かれません。
てっきり元ポルノ女優でありながら、反ポルノ活動をすることの矛盾による、
彼女の苦悩や葛藤を描いたドラマだと思っていたのに、
これでは単に『ディープ・スロート』の再現メイキング映画みたいなもので、
その作品を観ていない人が楽しめるはずはありません。
彼女の人生の後半にこそ、彼女の人生の特異性、面白味があるのに、
彼女を題材にしながらそこを描かなかったなんて勿体ないと思います。

ボクも男なのでエロは嫌いではないけど、草食系で性欲が薄いためか、
ポルノ映画どころかAVすらほとんど見ないし、特に見たいとも思いません。
ただ違法行為とか裏社会との繋がりの噂も聞くことがあるので、
ポルノ業界に対しては、正直悪いイメージを持っていて、
ボクもどちらかといえば反ポルノ思想なので、
本作も反ポルノ活動家の物語としてちゃんと描いてくれたら、
とても興味深く観れそうな気がしたのに残念です。
ポルノ業界に対する理解がないので、そこに堕ちる人の心境も理解できませんが、
普通の女性だったラヴレースが、ポルノ業界に堕ちる過程を描いた本作も、
ヒロインである彼女の心境をちゃんと理解することができませんでした。
というか、彼女の心境そのものが、かなりいい加減に描かれていて、
ただ事実を追っただけのドラマ性の薄い伝記になってしまっている気がします。

あと構成も悪く、前半でラヴレースの表面的な成功を描いた後、
後半で回想を使って、成功の裏にあった悲惨な出来事が描かれますが、
時系列がバラバラになるため、ただでさえ理解に苦しい彼女の心情の変化が、
更に捉えにくくなってしまってます。
以下、なるべく時系列に沿った感想ですが、ネタバレ注意です。

1970年、21歳のリンダは友達のパッツィとローラースケート場に遊びに行き、
そこのステージで、飛び入りでダンスを踊るのですが、
それを見ていた男チャックにナンパされ、交際することになります。
チャックははじめは紳士的ですが、ストリップバーの経営者だし、
かなり怪しい風体の男で、普通なら警戒しそうなものなので、
ボクには理解できないけど、なぜかリンダは彼に惹かれるんですよね。
リンダと交際中なのに、彼女の友達パッツィにも手を出そうとするし、
ロクでもない男なのは間違いないが、なぜリンダは気付かないのか…。
パッツィも友達ならリンダにちゃんと教えてあげればいいのに…。
リンダはその前年に未婚で望まぬ妊娠と出産を経験しており、
赤ちゃんを養子に出さなければならない辛い経験をしているので、
付き合う相手や交際することに対して、もっと慎重になるはずなのに…。
結局、あれよあれよという間に結婚してしまいます。
そのころにはチャックの紳士的な態度も化けの皮がはがれ、
セックス中に彼女の嫌がることを平気でするような暴力夫だとわかります。
そのくらい結婚する前に気付けないものかな?

結婚から半年、チャックは留置所に入れられるのですが、
どうやら経営するストリップバーで違反行為があったようです。
それとどういう絡みかはわからないけど、金に困った状況になり、
嫌がる妻リンダをピストルで脅し、彼女に売春させるようになります。
リンダは実家に逃げ帰りますが、敬虔なカトリックである母は、
離婚を絶対に許さず、「妻は亭主に服従しろ」と娘を追い返すのです。
カトリックの融通の利かなさにも驚きますが、性に保守的な教えのせいで、
逆にポルノの道に進むことになるというのが本末転倒で少し面白いかも。

更にチャックは一攫千金を目論み、リンダをポルノ映画に出演させることに。
だけどリンダは大根だし、ポルノ女優はブロンドの巨乳が持て囃されるようで、
面接したプロデューサーから「向いてない」と言われます。
ところがチャックが仕込んだ彼女のフェラを見たプロデューサーは、
どんな巨根も根元まで咥えこむテクに驚愕し、一転して出演を快諾。
そして彼女主演で撮られたポルノ映画が『ディープ・スロート』です。
『ディープ・スロート』は単なるポルノ映画ではなく、
35ミリフィルムで本物の映画のように撮られた本格的な作品らしく、
彼女が面接を受ける前から、すでに分厚い脚本も用意されているらしいのですが、
なんでも喉の奥にクリトリスがある女性が、オーガズムを得るために、
フェラをするという物語なので、絶対にリンダありきで書かれた脚本のはずで、
先に脚本があったなんて展開は嘘くさく、伝記としての信憑性が疑われます。
しかし、無茶苦茶な内容のポルノ映画ですね。
これではポルノ映画というよりはカルト映画じゃないかと思ってしまいますが、
劇中の上映会では大爆笑が起きていたし、
実際に当時の客はコメディ映画として観ていたんじゃないのかな?
ただ全く面白そうに思えないので、本作を観る前は頑張って探したけど、
今となっては全く見たいとは思えなくなりました。

『ディープ・スロート』は公開されるや、雑誌『プレイボーイ』でも絶賛され、
社会現象が巻き起こる超話題作になり、リンダはセレブになります。
一方、夫のチャックですが、『ディープ・スロート』の出資者に対して、
2万5000ドルもの借金があるみたいで…。
妻リンダのギャラは彼が全部受け取っているので、作品がヒットしたから、
すぐに返済できそうなものだけど、なんでも興収6億ドルも稼いだのに、
リンダのギャラはたったの1250ドルだったみたいで…。
当時1ドル360円だったとして、今だと45万円程度のギャラだったのかな。
うーん、そんな金額でポルノに出演するなんて安すぎますね。
でも今の日本のAVは数万円らしいし、もっと自分を大切にした方がいいです。
チャックは借金を返済のため、リンダをモデルにした大人の玩具を売りますが、
債権者の出資者はリンダをポルノ映画に出演させるように求めます。

ところが、リンダは作品の好評なことには満更でもないみたいですが、
「本物の映画に出たい。もうポルノ映画には出ない」と言い始め…。
どうやら両親が作品を観て、「(娘の育て方の)何がいけなかったのか」と
後悔していることを知り、ショックを受けたみたいです。
親なら娘がポルノに出演したら悲しんで当然ですが、
何がいけなかったかは明白で、カトリックのせいでしょうね。
チャックはポルノ映画に出ようとしないリンダに
無理やり売春させ、DVもどんどんエスカレートします。
顔にアザができるほどの暴力ですが、ポルノ映画に出演させたいのに、
その商品に傷がつくようなことをするものですかね?
ついに耐えかねたリンダは家出をして、例の出資者に泣きつき、
彼女を気の毒に思った出資者は、チャックを脅して縁切りさせます。
出資者にとっても彼女がポルノ映画に出演してくれないことには、
借金を回収できなくて困りそうなものだけど、なぜ彼女を助けるのかな?

その後リンダは再婚し、子供にも恵まれます。
そして『ディープ・スロート』から6年後、自叙伝を書き出版するのです。
出版にあたり、出版社からポリグラフ(嘘発見器)を受けるように言われますが、
リンダは全く信用されてなかったということでしょうね。
まぁそれが一般的なポルノ女優に対する見方かもしれません。
出版後テレビのトークショーに出演したリンダに司会者が
「ポルノへの出演が生涯の烙印になりましたね」という話をしますが、
実際にポルノ映画やAVなんかに出たら、その映像は一生残ってしまうんだし、
人生を捨てるようなものなので、安易に出演するのはやめるべきでしょうね。
リンダも正味17日間しかポルノ女優ではなかったと言ってましたが、
一度出たらもう一生、…いや死んでもなおポルノ女優の烙印は消えません。
まぁ晩年の反ポルノ活動家としての彼女が幸せだったかはわかりませんが、
普通に考えればそんな矛盾に満ちた人生が幸せとは思えないし、
現状を見る限りでも反ポルノ活動が実を結んでいるとは思えません。
それに少なくとも彼女の両親は不幸になってしまったし…。
アマンダ・サイフリッドのセミヌードしか見所がない作品だと思ったけど、
そういう意味では、性風俗に堕ちる可能性が高い
若い女性にこそ観てもらいたい作品かもしれません。
特に安易に誘惑に流されがちな未成年の女の子に観てほしいけど、
R18指定なので、あまり観る機会はないでしょうね。

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