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マチェーテ・キルズ

第34回ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)が発表になりました。
ラジー賞は前年の最低作品に贈られる映画賞ですが、
映画ファンが投票で決めるため、悪ノリが発生するケースが多く、
本当に最低な映画に贈られないのが残念です。
映画ファンの本心からの「NO!」を突き付け、制作サイドに反省を促すような、
本当に最低な作品を決める映画賞が誕生してほしいです。

本年度のラジー賞最低作品賞は『ムービー43』ですが、
あの映画は意図的に駄作として作っているので、最低映画賞を受賞しても
全く痛くないどころか、むしろオイシイくらいですよね。
ボクとしては候補の中だと『アフター・アース』に受賞してほしかったです。
でも『アフター・アース』からはジェイデン&ウィル・スミス親子が、
それぞれ最低主演男優賞と最低助演男優賞を受賞しています。
これは悪ノリではなく、映画ファンからのガチのダメ出しだと思いますが、
ジョーク受賞が多いだけに、スミス親子も真に受けず反省なんてしないでしょう。
主演女優賞と助演女優賞は共に『A Madea Christmas』からですが、
タイラー・ペリー主演作は、日本では劇場公開もビデオリリースもされないので、
どんな酷い内容なのか確認することができず、逆にちょっと観たいです。
でもタイラー・ペリーが男なのに主演女優賞を獲得するパターンは、
2年前にアダム・サンドラーですでにやっているので、
もはやジョークとしても面白くないです。
「女装したら受賞」みたいな流れを作らないでほしいと願います。

ということで、今日はあえてB級映画として製作された映画の感想です。

マチェーテ・キルズ
Machete Kills

2014年3月1日日本公開。
ロバート・ロドリゲス監督のB級アクション『マチェーテ』の続編。

アメリカ大統領(カルロス・エステベス)から、メキシコの極悪人マッドマン(デミアン・ビチル)を倒すよう依頼された元捜査官マチェーテ(ダニー・トレホ)。しかし、マッドマンは多重人格者である上に、停止すると同時にワシントンをターゲットにしたミサイルが発射されるという恐ろしい連動機能を備えた心臓の持ち主であった。それを解除できるのは、世界一の武器商人として悪名をとどろかせているヴォズ(メル・ギブソン)のみ。だが、彼も宇宙からの地球総攻撃というとんでもない計画を進めていた。(シネマトゥデイより)



ロバート・ロドリゲス監督とクエンティン・タランティーノ監督が、
30~40年代の2本立て興行するB級映画の雰囲気を再現してみようと製作された
2本立て映画『グラインドハウス』ですが、その中でネタとして使われた
嘘の予告編を本当に長編映画化してしまったのが前作『マチェーテ』です。
嘘から出た実(まこと)を地で行く、面白い企画ですが、
作品の出来自体も、内容は当時のエクスプロイテーション映画丸出しですが、
映像やキャストは超豪華で、とても面白い作品になってました。
前作の最後には、続編『Machete Kills(殺しのマチェーテ)』の
告知もありましたが、これもネタで、どうせ嘘の告知だろうと思ったけど、
まさかまさかの、またしても長編映画化されたのが本作です。
まぁこうなるんじゃいかとは、ちょっぴり期待してましたけど。

本作の冒頭には「新作の紹介」という名目で、
シリーズ3作目『Machete Kills Again ...In Space』の予告編が流れます。
前作の最後にも『Machete Kills』の告知に続き、
『Machete Kills Again(続・殺しのマチェーテ)』の告知もあったので、
それを踏まえての演出だと思います。
ダニー・トレホ演じる主人公マチェーテが宇宙を舞台に大暴れする内容で、
これはいくらなんでも大風呂敷を広げすぎで、長編映画化が実現するはずはなく、
今回こそは完全なネタの嘘の予告編だろうと確信しました。
…が、本作の本編を観てみると、終盤にかけてどんどん内容がSF化していき、
まるで『Machete Kills Again ...In Space』の繋ぎみたいな超展開で、
本当にこの予告編まで長編化するつもりなのか?…と思っちゃう内容です。
まぁこれは予告編を伏線にするという斬新なネタなので、
本当に実現するとは思っていませんが、二度あることは三度あるというし、
悪ふざけの達人ロドリゲス監督なら、本当に実現させかねない気も…。
ちょっぴり期待しちゃうけど、マチェーテが宇宙で大暴れしたところで、
物語としては面白くなさそうな気はするかな。
それならばむしろ違う形のシリーズ第三弾が観たいくらいですが、
もう続編の選択肢は『Machete Kills Again ...In Space』が実現か、
実現せずに本作でシリーズ終了のどちらかしかないと思われ、少し残念かも。
以下、ネタバレ注意です。

前作で汚職知事と麻薬カルテルを潰した元メキシコ捜査官マチェーテは、
恋人の入国税関管理局(ICE)捜査官サルタナの捜査に協力し、
汚職軍人が麻薬カルテルにライフルを横流しする現場に踏み込みます。
しかしライフルだと思っていた品は実はミサイルだと判明。
その直後、マスクの武装集団が現れ、軍人もカルテルも一斉掃射され、
その集団のリーダーと思われるレスラーマスクの男に、
サルタナ捜査官が射殺されてしまうのです。
恋人が殺されたマチェーテはショックを受けますが、ボクもショックでした。
ジェシカ・アルバ演じるサルタナはめちゃめちゃ好みのタイプで、
本作にも彼女が続投することがとても嬉しかったので、
まさかこんな序盤で殺されてしまうなんて残念の極みです。
でも前作で射殺されたと思ったら実は生きていたルースの例もあるし、
きっと彼女も生きていて、どこかで再登場するのだろうと思ってたけど、
そんな展開にはならず、その希望的観測は儚く打ち破られました。
まぁマチェーテは特定の恋人がいない方が映えるキャラなので、
本作を製作する上でサルタナのことが邪魔になったのかもしれません。

マチェーテは現場に駆け付けた保安官に捕えられ、絞首刑になるも、
しかし大統領から緊急の任務の依頼を受け、恩赦されます。
その電話は刑執行後だったので、普通なら手遅れのところだけど、
伝説の男マチェーテは首吊り程度では死なないので助かりました。
ホワイトハウスに呼び出されたマチェーテは、前科帳消しと引き換えに、
メキシコの元麻薬カルテルで革命家のメンデスを調査する依頼を受けます。
メンデスがワシントンにミサイルを撃ち込もうとしていると情報があり、
それが本当なら彼を始末してほしいという話です。
大統領を演じるのはカルロス・エステベス。
名前だけだと「誰?」って思われそうですが、チャーリ-・シーンです。
ヒスパニック系だらけの本作なので、本名で出た方が合ってると判断したとか。
大統領の連絡役のミスコンの女王ミス・サンアントニオの指示で、
メンデスと通じている娼婦セレーナに会いに行ったマチェーテですが、
彼女の母親のSM女王マダム・デズデモーナに殺されかけながらも、
セレーナを連れ出し、メンデスの居場所に案内させます。
いやー、ジェシカ・アルバにしてもそうだけど、
ヒスパニック系の女性って、みんな綺麗で魅力的ですよね。
このシリーズはヒスパニック系女優が多く登場するのも楽しみのひとつです。

セレーナはマチェーテを連れてきたことで、メンデスから裏切りと見なされ、
粛清されてしまうのですが、彼女も主要登場人物だと思っていたのに、
こんなあっさり殺されちゃったのは意外な展開でした。
さすがエクスプロイテーション映画、キャラの命が軽いですね。
メンデスの前に連れてこられたマチェーテは、そこでミサイルを発見します。
メンデスによるワシントン攻撃計画の情報は真実だったわけですが、
マチェーテがすぐに彼を殺すことはできなくなってしまいます。
なんとメンデスの心臓にミサイル発射装置が取り付けられており、
彼の心臓が止まると発射するベタな仕掛けになっていたからです。
こんなベタさも、エクスプロイテーション映画らしくて面白いです。
装置を解除できるのは開発したアメリカの軍事企業ヴォステック社だけ。
マチェーテはメンデスを拉致し、アメリカに連れ帰ろうとします。
逃げる途中、メンデスの右腕サロールに襲われますが、
マチェーテはアーミーナイフ仕様のマチェーテ(鉈)で、彼の腹を切り裂き、
腸を引っ張り出してヘリのプロペラに絡めて殺します。
斬新で半端なくエグに殺し方ですが、こんな過激なバイオレンスこそが、
エクスプロイテーション映画の最大の魅力ですよね。

メンデスが安全装置を外したため、彼が死ななくても24時間後には、
ミサイルが発射されるので、急いで国境を越えなくてはいけませんが、
メンデスの組織からメンデルの首に1000万ドルの懸賞金が掛けられるのです。
メンデス自身は早く殺されて、ミサイルを発射したいみたいです。
…いや、殺されたがってるのはメンデルではなく、マッドマンですかね。
メンデスは二重人格で、比較的まともな革命家としての人格と、
「マッドマン」と称する麻薬カルテル再興を目指すサイコな人格を持っていて、
それがコロコロ入れ替わるのです。
もうひとつ、諜報員(特別捜査官)としての人格もあるみたいですが、
彼が多重人格になったのには悲しい物語があったりして、
凶悪なテロリストでもながら、なんだか憎めない敵キャラですね。

国境へ向かうマチェーテとメンデスですが、
麻薬カルテルの他にも、彼らの命を狙って追ってくる人物がいます。
ひとりは娘を粛清された娼婦ダム・デズデモーナ。
マシンガンを内蔵したブラジャー「ダブルD」を武器に襲ってきますが、
股間部分にもちょっと下品な面白い武器を装備してるんですよね。
もうひとりは懸賞金目当ての殺し屋カメレオンです。
その名の通り、人種性別問わず、いろんな人物に変装できます。
特に注目なのは白人女性に変身した姿でしょうね。
なんとその姿のカメレオンを演じるのはレディ・ガガです。
『メン・イン・ブラック3』でカメオ出演の経験はあるものの、
本格的な女優業はこれが初めてだそうで、その初めての舞台に、
本作のようなB級映画をあえて選ぶところが彼女らしいですね。
でも普通にブロンドのセクシー美女の姿なので、
奇抜な衣装やメイクが持ち味の彼女としては、意外と地味かも…。
それでも個性的なキャストの中で、十分存在感を発揮していますが、
もっとビジュアル的に攻めてほしかった気もします。
カメレオンがヒスパニック系男性に変装した時の姿を演じたのは、
アントニオ・バンデラスです。
本作は本当にヒスパニック系俳優の『エクスペンダブルズ』って感じですね。
しかしカメレオンはヒスパニックに変装したのが仇となり、
メキシコからの不法入国者と間違われて、自警団に殺されます。
殺されそうな時に変装を解けばいいと思ったけど、
結局彼の本当の姿は謎のままで、ちょっと気になりますね。

なんとか国境の壁を越えたマチェーテとメンデスですが、
そこで待ち受けていたのは無残に死んだはずのメンデスの手下サロール。
あんな死に方をしたら絶対に生きてるはずない、と思ったのも束の間、
サロールはメンデスの首を斬り落としてしまうのです。
そしてサロール率いる武装集団により、マチェーテも蜂の巣にされます。
絶体絶命のまさかの展開に驚きましたが、次のシーンでマチェーテが目覚めると、
彼はヒーリングプールに浮かべられ、蜂の巣だった傷が完治しています。
更にメンデスの心臓も生命維持カプセルに入れられ、まだ動いていました。
エクスプロイテーション映画なので、デタラメな設定も受け止められますが、
ここまでSFチックな設定が出てくるのは予想外で、ビックリしました。
その場所は、彼らが目指していたヴォステック社の研究室で、
マチェーテは発射装置開発者のヴォズと対面することになります。
ヴォズを演じるのは、暫く干されていたけど最近復帰したメル・ギブソンです。

宇宙開発に力を入れるヴォズは、未来を見通す能力があり、
その力を使って、現代の科学力では不可能な未来の発明品を作れます。
死んだはずのサロールは、実は彼が作ったクローンで、何体もいるみたいです。
彼はもっと強いクローンがほしくて、最強の男マチェーテにサンプル提供を依頼。
マチェーテは拒否し、未来の武器「分子ブラスター」を持ち出して逃げます。
この武器はたぶん分子レベルで人体を破壊することができるものでしょうが、
まだ未完成なので、撃たれると内臓が飛び出して死ぬのですが、
その死に方が北斗神拳の実写版みたいで面白かったです。
ヴォズの私設軍隊に追われるマチェーテですが、前作から引き続き登場した
密入国組織の女性リーダー、ルース(ミシェル・ロドリゲス)に救出されます。

密入国組織(ネットワーク)は、仲間が突如消える現象に頭を抱えていますが、
それはどうやらヴォズが宇宙ステーションの労働力として、
密入国者をキャトっているようなのです。
更に大統領の連絡係のミス・サンアントニオもヴォズの仲間だと判明します。
ボクは前作同様、てっきり大統領も陰謀に加担しているかと思ってましたが、
それは考えすぎだったみたいです。
マチェーテとルースは仲間を連れてヴォステック社のパーティに潜入し、
ヴォズからメンデスの心臓を奪還しようとします。
奪還しても発射装置が解除できなければ意味ないですが、
そのために爆弾解除の専門家(というか爆弾魔)オサイリスを連れて行きます。
このオサイリスですが、前作でマチェーテの兄の神父を殺した男です。
こんなところで彼が再登場したことは意外でしたが、
前作で死んでなかったのはもっと意外でした。
改心して仲間になったようで、結局彼には発射装置の解除は無理でしたが、
マチェーテを庇ってヴォズの分子ブラスターの餌食になってしまいます。

ヴォズがメンデスの心臓を撃ったので、発射装置が起動し、
残り5分でミサイルが発射されてしまうことに…。
ヴォズは終末を起こして、自分はシャトルで宇宙に移住するつもりなのです。
オサイリスが殺された後、マチェーテはヴォズと戦いますが、
マチェーテは武器はマチェーテ(鉈)だけど、ヴォズの武器はなぜか日本刀です。
あれだけ未来のハイテク武器を持ってるのに、なぜ日本刀?
というか、前作のセガール演じるボスキャラも日本刀でしたよね。
監督はマチェーテ(鉈)と日本刀の戦いが好きなのかな?
未来が読めるヴォズに苦戦し、窮地に立たされたマチェーテですが、
そばにあった火炎放射器を利用して反撃し、ヴォズは顔面大火傷で退散します。
その後、ヴォズはどこかで見た鉄仮面を被るのですが、
この鉄仮面は冒頭の偽の予告編で登場したボスキャラの仮面じゃないですか。
なるほど、この後宇宙に逃げたヴォズを追って、マチェーテも宇宙に行き、
それが幻のシリーズ3作目に繋がるんだなと理解しました。
でも、予告編では鉄仮面の男はディカプリオの予定って言ってたのに、
これじゃ実現しても確実にメル・ギブソンですよね。

一方、ルースはミス・サンアントニオと戦い、左目を撃たれてしまうのです。
前作で彼女は右目を撃たれましたが、それでも生きていたので、
この程度では死なないとは思いましたが、これで両目とも失ったことに…。
それでもなんとかミス・サンアントニオには勝利するものの、
ヴォスからカーヴォネイトされて、まるでハン・ソロのように石化し、
シャトルに乗せて宇宙に連れて行くのです。
ヴォズのシャトルが発射した頃、ミサイル発射もタイムリミットになりますが、
マチェーテはミサイルに飛びつき、飛行中にミサイルの導線を切断し、
爆発を解除することに成功します。
うーん、ミサイルの方がそんなに簡単に解除できるなら、
心臓の発射装置の解除にこだわらなくてもよかったような…。
大統領はワシントンを救った英雄マチェーテを、
スペースXのロケットに乗せ、ヴォズの宇宙ステーションに行く任務を与え、
マチェーテのロケットが発射されるところで本作は終了となります。

いやー、本当に絶対にこんな展開になるのはありえないと思われた
冒頭の予告編と繋がっちゃいましたね。
物語としては尻切れトンボなのに、ちゃんと繋がったことに感心させられ、
なんだか満足感を覚える幕引きでした。
満足したので、この続きの映画化は実現しなくても別にいいです。
それに万が一実現したとしても、日本での劇場公開は無理そうだし…。
公開初日で映画サービスデイで週末という絶好の日程だったのに、
本作の上映スクリーンはガラガラだったので、
きっと日本には本シリーズの需要がないんでしょうね…。
映画館自体にはお客さんは沢山いたのに、みんな『ホビット』の客かな?

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