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ジョバンニの島

まだパラリンピックが残ってるけど、ソチオリンピックが終わって、
しばらく経ち、世間もちょっと一段落したように思います。
ボクはあまり観戦できませんでしたが、意外といい大会だった気がします。
日本は金メダルは1つしか取れず、値千金の銀や銅メダルが多く、
いや、メダルには届かなかった選手も素晴らしいパフォーマンスで、
記録よりも記憶に残る大会でした。
特に女子フィギュアの浅田真央選手には感動しましたね。
神の悪戯としか言いようのない展開でメダルには届きませんでしたが、
逆に女子フィギュアの上位では今もなお醜い争いが続いているので、
そこに彼女が巻き込まれなかったのは不幸中の幸いかもしれません。

韓国代表キム・ヨナ選手の銀メダルに納得いかない韓国人が、
国際スケート連盟の抗議するだけでは飽き足らず、
金メダルのロシア代表ソトニコワ選手に誹謗中傷や嫌がらせを繰り返しています。
確かにフリーの結果は微妙な判定だったとは思いますが、
スポーツではホームタウンディシジョンは避けて通れないものです。
次の平昌オリンピックではそれが韓国に有利に働くんだから、
ここは静観した方が後々韓国のためになると思うんですけどね。
サッカーW杯日韓大会での欧州各国と韓国の試合でもわかるように、
世界一ホームタウンディシジョンが酷いのは韓国なのは間違いありません。
世界一の反日国だし、日本人選手は韓国人選手と争わない試合でも
不利を受けるのは間違いなく、平昌オリンピックは目指すだけ無駄かも。
浅田真央選手をはじめ、多くの日本人選手が今季限りで引退するのは、
残念な反面、賢明な判断だとも思えます。
若い選手には8年後のオスロ(?)オリンピックを目指して頑張ってほしいです。

ということで、今日はソチオリンピックの開催地ロシア絡みの映画の感想です。
ちょっとだけ韓国(朝鮮人)も絡んでいます。

ジョバンニの島
ジョバンニの島

2014年2月22日公開。
北方領土における実話をもとに描いた長編アニメーション。

父・辰夫、祖父・源三と一緒に、北方四島の一つである色丹島に暮らしている10歳の淳平と7歳の寛太の兄弟。1945年に太平洋戦争が終わり、日本がポツダム宣言を受諾することに。その直後、ソ連軍が、択捉島、国後島、歯舞群島、色丹島に上陸して進駐し、淳平と寛太が通う学校にも兵士がなだれ込んでくる。やがて、二人はロシア人少女と心を通わせるようになるが……。(シネマトゥデイより)



本作は太平洋戦争直後に北方四島で起きたソ連軍進駐を題材にしたアニメです。
先達て、安倍晋三首相が、北方四島の領土問題を解決するべく、
プーチン大統領と会談を行うため、ソチオリンピックの開会式に出席しました。
もちろん北方領土問題で譲歩するのはあり得ないことですが、
竹島問題や尖閣諸島問題を抱え、日韓、日中関係が冷え込む中、
ボクも日ロ関係はとても大切だと思います。
そんな時期に、こんなセンシティブな問題を題材にした映画を公開することに、
いささか懸念を感じますが、どんな内容か気になるので観に行きました。
中国や韓国の下劣な反日映画のような、ロシアの反日感情を刺激しかねない
反ロ映画ではないことを祈りながら…。

いざ観てみると、反ロ映画と言えるような内容ではなかったです。
しかし、強奪や強制労働などソ連軍兵士の横暴が描かれており、
更に「露助」というロシア人に対する別称も連呼されるシーンもあり、
ロシア人が観たらどう思うかはわかりませんが、
ヒロインはロシア人少女だし、優しいロシア人将校も出てくるので、
日本人のボクからすると、比較的フェアに描かれている気がします。
下劣な反ロ映画ではないことは安心したものの、逆に言えば中途半端で、
そんなセンシティブな題材を描くのであれば、もっと攻めてもいい気も…。
あまりロシアを刺激するのは賛成できないものの、
日本人の北方領土の問題意識を啓発するような内容でもよかったです。

本作における政治的メッセージの弱さもさることながら、
根本的に、一体何を描きたかったのか、いまいちわかりません。
その原因は、北方領土という題材の他にもうひとつ、
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』も題材になっているためです。
『銀河鉄道の夜』は誰もが知ってる童話ですが、
抽象的で解釈が人によって異なる難解な内容であるため、
それを題材にすると、どうしてもテーマ的に抽象的になってしまいます。
そもそも序盤は北方領土の物語と『銀河鉄道の夜』の関連性がわからず、
なぜ『銀河鉄道の夜』を物語に露骨に絡めてくるのか理解に苦しみました。
終盤で、宮沢賢治が死んだ妹と更新するために樺太を訪れ、
『銀河鉄道の夜』を執筆したというエピソードが紹介され、
少しだけ関連性がわかりましたが、「だから何?」って程度の関連性です。
ところどころで、『銀河鉄道の夜』へのオマージュシーンが挿し込まれますが、
それが本作の致命的なネタバレにもなってしまっています。

タイトルの『ジョバンニの島』の「ジョバンニ」は、
もちろん『銀河鉄道の夜』の主人公ジョバンニのことですが、
本作の主人公である幼い兄弟は、『銀河鉄道の夜』が大好きな両親に、
それぞれジョバンニから淳平、カムパネルラから寛太と名付けられます。
ジョバンニから淳平はいくら何でも強引だろ、…というツッコミは置いといて、
問題は寛太の方で、カムパネルラから名付けられた彼が、
カムパネルラ同様に死ぬことが予想できてしまうのです。
終盤で実際に寛太は死ぬのですが、死ぬとわかっている人が死んでも
いまいち感動できないんですよね…。
それ以前に、死ぬことが明白すぎて、生き延びてほしいとも思えず、
「あぁ、やっぱり死んだか」としか思えませんでした。
それでなくても(実際には戦後だけど)戦時中の幼い兄弟の話なので、
『火垂るの墓』を思い出してしまって、弟が死ぬことは予測できます。
『火垂るの墓』では後を追うように兄も死んでしまいますが、
本作では兄の淳平まで死ぬかどうかはわかりません。
…と思っていたら、冒頭で60年後の老いた淳平が描かれてしまい、
淳平が生き残ることも明確になってしまいます。
こんな構成では幼い兄弟の無事を願ってハラハラドキドキもできません。

北方領土へのソ連進駐を題材にした物語に、
無理やり『銀河鉄道の夜』を絡めているのも謎ですが、
最も謎なのは、本作の製作動機にあります。
例えば本作が「北方領土ソ連占領70周年作品」とか、
「『銀河鉄道の夜』初稿90周年作品」で製作されたならわかりますが、
本作は「日本音楽事業者協会創立50周年記念作品」です。
なぜ芸能事務所の業界団体である音事協が、こんな題材の映画を製作するのか?
声のキャストに所属タレントを起用し、市村正親、仲間由紀恵、北島三郎、
八千草薫、仲代達矢など無駄に豪華だけど、こんなセンシティブな題材の作品、
はっきり言って誰も見たがらないと思いますよ。
実際に客もほとんど入ってなかったし、そんなメモリアル作品なら、
所属タレントを動員して、お祭り的な実写映画を撮った方がよかったのでは?
メモリアル作品だからこそ、真面目な作品にしたかったのかもしれませんが、
それならばもう少しメッセージ性を強めてもよかったんじゃないかな。

どうにも中途半端さが否めない本作ですが、決して駄作ではありません。
北方領土問題は竹島や尖閣に比べても日本人の関心が薄い問題で、
北方領土を舞台にした作品なんて滅多にないので、とても興味深いです。
どこまで実話を基にしているかわかりませんが、
戦争映画をよく観るボクも知らなかったことが多く描かれています。
以下、ネタバレ注意です。

1945年の終戦直後の色丹島に、ソ連軍が急にやって来て、島が占領されます。
北方領土の歴史に無知なボクは、戦時中に四島が占領されたと思っていたので、
まさか日本が降伏して戦争が終わった後に侵略されていたとは驚きました。
ソ連軍は軍艦で威嚇して上陸し、小学生まで銃口を向け、
家々から金品を略奪しますが、戦時中ならまだしも降伏したそこまでするとは…。
それ以来、ソ連が崩壊しても北方四島は日本に返還されていませんが、
もし北方四島もソ連ではなくアメリカに占領されていたら、
今頃は返還されていたかもしれませんね。
ソ連兵の家族が移住してくるので、小学校の教室も半分明け渡しますが、
淳平と寛太の家も母屋を奪われ、馬小屋での生活を余儀なくされます。
島を出ることは禁止され、漁師の祖父も漁ができなくなりますが、
叔父の英夫は、こっそり密航し、本土と色丹を往復しており、
淳平は寄港時の見張り役を任されています。

淳平の母屋はソ連軍将校に取られますが、彼の家族は友好的です。
特に娘のターニャはいい子で、淳平と寛太とも仲良くなり、
淳平はターニャに恋をしてしまいます。
自分の家を占領している相手を好きになるものなのかとも思うけど、
ターニャは青い目にブロンドの、まさにロシアの妖精って感じの子で、
淳平が思わず見惚れてしまうのもわからないでもないかな。
彼らだけでなく日ソ関係なく子供同士は仲良くなりますが、
純粋な子供たちには戦争も関係ないんですね。
ある日、淳平とターニャがデートしていると、
山の中の洞窟で、淳平の父・辰夫と担任の佐和子先生を目撃。
淳平は「イケないものを見た」と動揺し、ターニャにも口止めします。
どうやら辰夫は、そこで逢瀬していたわけではなく、
村の消防隊長である彼は、暁部隊(日本軍)が洞窟に隠していた備蓄食料を、
ソ連軍に見つからないように、小学校を通じて島民に配給していたのでした。
その夜、淳平は叔父・英夫が密航するための見張り役をしますが、
そこにターニャも同行するも、彼女の軽はずみな言動により、
危うくソ連の監視艇に英夫が捕まりそうになります。
そして英夫から「ソ連将校の娘には気を付けろ」と警告されるのです。

ある日、備蓄食料のことを知った英夫は、持ち出して本土で換金しようと企むも、
途中でソ連軍に逮捕されてしまいます。
それを聞いて、慌てて洞窟に向かった父・辰夫もソ連軍に逮捕されてしまい…。
淳平はターニャが洞窟のことを喋ったのではと疑い、彼女を詰問するが、
彼女は「知らない」と淳平を平手打ちし、ふたりの友情は終わってしまうのです。
その後、島民全員が本土に送られることになり、その島民の中には英夫の姿も。
英夫はソ連軍から尋問を受けて洞窟のことを喋ったと告白します。
英夫って根はいい人なんだけど、軽率なんですよね…。
「お国のためになんて死ねるか」とか公言する非国民ですが、
なぜか憎めないところが不思議です。
淳平はターニャを疑ってしまったことを後悔しますが、
彼女はそんな淳平を見送りに来ていて、それがふたりの今生の別れとなります。

島民を乗せた船は色丹を出発しますが、色丹と本土なんて
英夫が何度も往復できるくらいだから簡単に行けるはずだけど、
船は嵐の中を何日も航海し、ついた先はやはり日本ではなく…。
どうやらそこは、樺太の西にあるマオカというところで、
島民は全員そこの収容所に入れられるのです。
日本からの迎えの船が来るまで一時的にそこに集められたという建前ですが、
収容された大人たちは極寒の伐採現場で強制労働させられ、死人も出ます。
戦時中ならまだしも、終戦後に敗戦国民をそんな奴隷扱いしていたなんてね。
戦後も武装解除した日本軍捕虜をシベリアに抑留し、
強制労働させたって話はよく聞くけど、まさか民間人まで奴隷にしたなんて、
それが本当だったらとんでもない話で、俄かには信じられないほど驚きです。
うーん、やっぱり北方領土を不当に奪ったことを非難する反ロ映画なのかも?

弟・寛太もあまりの寒さと劣悪な環境に(たぶん)肺炎になってしまいます。
完全な死亡フラグで「いよいよか」と思っちゃいました。
そんな時、迂闊な英夫が寛太に「兄貴(辰夫)は山の向こうの収容所にいる」と
言ってしまい、当然寛太は「お父さんに会いに行こう」と言い出します。
淳平と寛太はこっそり収容所を抜け出し、極寒の山を越えようとしますが、
途中で寛太がダウンし、ふたりを捜しに来た英夫と佐和子先生に助けられます。
普通はぶん殴ってでも子供たちを連れ帰るべきですが、
何を思ったのか佐和子先生が「私も辰夫さんに会いに行きたい」と言いだし、
何故か英夫も渋々承諾して、4人で辰夫の収容所を目指すことに…。
無茶にもほどがあり、これはいくらなんでも考えにくい展開ですよね。

4人は途中でソ連軍に発見され、英夫は自分が囮になって3人を逃がします。
ところが3人も力尽きて倒れ、そこを収容所で働く朝鮮人に助けられるのです。
ボクは急に朝鮮語を話すやつが現れたことに驚いたけど、
在樺朝鮮人という人たちらしいですね。
南樺太が日本領だった時に、日本領だった朝鮮半島から出稼ぎに来て、
戦後、樺太がソ連に占領されてもそのまま抑留された朝鮮人だそうです。
つまり本作の在樺朝鮮人もつい1年ほど前は日本国籍だったってことかな。
カタコトでも日本語が話せるのはそのためでしょうか。
朝鮮人が日本人を助けたなんて、左翼の喜びそうな美談になりそうですが、
あの性根が腐った朝鮮民族が、無償で日本人を助けるはずもなく、
佐和子先生はお礼として大切な懐中時計を在樺朝鮮人に渡します。
在樺朝鮮人自身もわざわざ「日本人助ける義理ない」って言ってるし、
全く美談とは感じさせない演出に好感が持てます。

その在樺朝鮮人の手引きで、淳平と寛太と佐和子先生は、
収容所の有刺鉄線越しに辰夫と再会するのです。
感動の再会も束の間、寛太が吐血し、ソ連兵により収容所に担ぎ込まれます。
そこのソ連兵の粋な計らいで、3人は港のあるボルムスクまで移送され、
そこから日本行の船に乗って本土に帰れることになります。
ところが移送中に寛太は絶命してしまうのです。
寛太の遺体を日本に持ち帰ろうと背負って船に乗ろうとする淳平ですが、
遺体とバレると捨てられるので、何とか生きているように見せかけようと、
『銀河鉄道の夜』を暗誦して、読み聞かせているフリをします。
動かない弟に必死に語り掛ける姿は、何だか逆に怪しく見えましたが、
なんとか誤魔化せたみたいで、無事に日本に帰国します。
なぜだか知らないけど、囮になってソ連兵に撃たれたと思われた
叔父の英夫もその船で一緒に帰国するんですよね。
足に被弾して労働力にならないから収容所送りにならなかったのかな?
マジで不死身かと思うほどの強運の持ち主です。

そして50年以上時は流れ、たぶん北方四島交流事業で、
故郷の色丹島を訪れる年老いた淳平と佐和子先生。
淳平は交流会の会場でターニャの娘と孫娘に会います。
残念ながらターニャ本人は1年前に亡くなったそうで…。
ターニャと再会して、あの時のことをちゃんと謝罪した方が
感動の展開になる気がしたんだけど、ちょっと心残りな幕引きですね。
あと、結局父の辰夫もどうなったのか、本作では描かれず気になります。
収容所で死んだと考えるのが自然だけど、そんな展開を描いてしまうと、
いたずらに反ロ感情を煽りかねないと考えたのかも?
ラストは交流会で地元のロシア人と日本人訪問団が仲良くダンスして、
なんとなく日ロ友好をアピールしている印象を受けましたが、
絶対に忘れてはいけないのは、北方四島は日本固有の領土であり、
取り戻して初めてハッピーエンドになるわけで、
色丹島に一時帰省できるだけで満足してはいけないということです。
本作もその日本のスタンスはしっかりと明言するべきだったと思います。

メッセージ性が中途半端だけど題材は興味深い作品で、
観て損はないと思うけど、あまり観たがる人はいないだろうな…。
せめてもう少し訴求力のあるキャラデザだったら、
アニメファンくらいは動員できたかもしれないけど…。

コメント

百田尚樹さんが「そこまで言って委員会」でべた褒めだったので、偉大なるしゅららぼんを観る予定を変更して、ただいま鑑賞を終えたところです。
泣ける映画との紹介でしたが、泣くような内容ではないかな。
確かに興味深い題材です。紹介ではモデルとなった人物がいるそうですので、実話を基にはしているようです。
いずれにしても、しゅららぼんの感想を拝見して、自分自身の好判断を褒めたくなりました。褒めませんけど。

  • 2014/03/10(月) 21:38:27 |
  • URL |
  • 通りすがり #-
  • [ 編集 ]

本作を観たことよりも、『偉大なる、しゅららぼん』を避けたことは、
自画自賛してもいいくらいの、好判断だと思います。

ほー、百田尚樹が本作をべた褒めしてましたか。
右派論客のイメージが強いので、領土問題に踏み込みきれてない本作は、
彼だとちょっと物足りなく思いそうですが、意外ですね。
でも本作は芸能界の絶対的権力のひとつである音事協が製作しているので、
テレビやマスコミで活躍する人は、本作を酷評することは不可能です。
実際に錚々たる芸能人が本作を大絶賛していますが、
中には「おまえホントに観たのかよ」と思う輩もいます。
まぁ本作は悪い作品ではないから、それで観る人が増えても害はないかな。

  • 2014/03/11(火) 22:27:47 |
  • URL |
  • BLRPN #-
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