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ハリケーンアワー

最近のニュースはソチオリンピックの話題と大雪の話題ばかりですね。
ソチオリンピックは別にいいんだけど、大雪の話題はうんざりします。
うちの地域でもたしかに雪は降ったし、少しは積もったけど、
騒ぐほどのことはなかったし、まるで大災害のような報道に温度差を感じます。
報道するのが在京テレビ局だから、東京に雪が積もれば殊更騒ぐけど、
東京の天気の話なんて、単なるローカルニュースです。
それを全国区の放送で馬鹿みたいに騒がれるとちょっと鬱陶しいです。
てか、東京って雪に弱すぎで、こんなところを首都にしていることが不安です。
20年に1度と言われた大雪が2週続けて降るなんて、
あの新しい都知事は呪われてるんじゃないのかな?

といことで、今日は大雪どころではない大災害を題材にした映画の感想です。

ハリケーンアワー
Hours.jpg

2014年2月15日日本公開。
ポール・ウォーカー主演のサバイバルサスペンス。

2005年8月、ノーラン(ポール・ウォーカー)は、早産のため救急車で病院に搬送された妻(ジェネシス・ロドリゲス)に付き添っていた。彼は前代未聞の大型ハリケーンカトリーナが接近しつつあるニューオーリンズで、妻と子どもの無事を祈っていた。だが、結局妻は命を落とし、娘も生命維持装置がなければ生きられない状態だった。(シネマトゥデイより)



昨年11月30日に俳優ポール・ウォーカーが交通事故で他界。
大好きな俳優だったので、とてもショックで、その哀悼の意を込めて、
先月末、彼の主演作『スティーラーズ』を観に行きました。
なかなか面白い映画だったものの、アンサンブルキャストのコメディで、
ポール・ウォーカーは主演というほど出演シーンも長くなく、
追悼作としては、あまり相応しくない作品で…。
そんな中、公開された本作は、またしてもポール・ウォーカーの主演作。
しかも今度は彼の単独主演作で、これは当然観に行くでしょう。

『スティーラーズ』もそうでしたが、本作もウォーカーの他界を受けて、
日本での劇場公開が急遽決定したのです。
劇場公開は決まったものの、公開規模はあまり大きくなく、
東急、コロナ系シネコンでの上映になるので、関東や東海では上映館は多いけど、
ここ関西では109シネマズHAT神戸のみでの上映です。
『スティーラーズ』も関西ではシネマート心斎橋のみで、
せっかく追悼公開するなら、もっと大々的にしてほしいものですが、
その訃報がなければ、未公開のままスルーされるはずだった作品なので、
劇場公開されただけでも、ありがたいのかもしれません。
そんな書き方をすると、お情けで公開された作品で、
面白くないんじゃないかと思われるかもしれません。
実際ボクも哀悼の気持ちが鑑賞の動機で、内容は二の次だと思ってました。
ところがいざ観てみると、これが未公開のままだったかもしれないなんて
信じられないほどの面白い作品で、ウォーカー云々は別にしても、
是非多くの人に観てほしいと思った超オススメ映画でした。
知人にオススメしても、公開規模の関係で観に行きにくい現状が悔しく、
関西でももっと拡大公開してほしいです。

とはいえ、関西では109シネマズHAT神戸の1館だけだというのに、
観たのが日曜日だったにも関わらず、客足はかなり少なく…。
あまり期待されていない作品だった感がヒシヒシと伝わります。
ボク自身、内容は二の次だったので、あまり下調べもせずに観に行ったけど、
ウォーカーが拳銃を持った日本版広告画像(※)から、
どうせB級アクション映画だろうと予想していました。
巨大ハリケーン「カトリーナ」を題材にしたディザスターもので、
ウォーカー演じる主人公が家族を守るために奮闘する話なのは知っており、
きっとスマトラ島沖地震を題材にした『インポッシブル』のような、
被災地の大混乱の中で、生き別れた家族を父親が必死に捜す物語ではないかと
勝手に思い込んで観に行ったのですが、これが全く見当ハズレな予想でした。
実際には主人公はずっと娘と一緒だし、被災地を動き回れない状況で、
舞台もほとんど病院内だけという、シチュエーション・スリラーでした。
よく考えたらそれも当然で、ライオンズゲートの子会社の独立系映画が、
予算の掛かるディザスター・アクション映画なんて製作するはずありませんね。
ちなみに本作の主人公は拳銃をぶっ放したりもしません。
日本版広告は明らかにアクション映画と誤認させようという意図があるけど、
ちゃんとシチュエーション・スリラーとして売り出した方が、
本作に興味を持つ人は多かったんじゃないかなと思います。
以下、ネタバレ注意です。

2005年8月29日、ハリケーン「カトリーナ」が接近する中、
主人公ノーランは妻アビゲイルの出産に立ち会います。
午前7時、予定日より5カ月も早かったものの、女の子が生まれますが、
残念ながら妻は分娩手術に耐えきれずに亡くなってしまいます。
悲しむノーランは、生まれたばかりの娘にアビゲイルと命名。
未熟児のアビゲイルは人工呼吸器と点滴の付いた保育器に入れられ、
少なくとも48時間はそこから動かすことはできません。
普通ならそんな未熟児はNICUで治療を受けるところですが、
生憎、NICUはいっぱいで、個室でノーランが世話をすることに。
NICUが定員オーバーなんて、どんだけ繁盛している病院だって感じですが、
なんと遺体安置場所も不足し、妻の遺体も廊下に転がしてあるんですよね。
こんな病院、ちょっとあり得ないなと思いましたが、
さらにあり得ないのは、保育器の恐ろしい欠陥です。

午前10時、ルイジアナ州に再上陸したカトリーナが病院を直撃し、
医師や患者の多くは別の病院に避難しますが、
娘の保育器を動かせないノーランは、この病院に残ることに。
正午、ポンチャートレイン湖が決壊し、ニューオリンズの大部分が水没。
午後2時には病院も発電室のある地下が浸水し停電してしまいますが、
その時、保育器の人工呼吸器の予備バッテリー残量が3分と表示され…。
ノーランは運よく手回し式の充電器を発見し、ハンドルを回して充電するも、
予備バッテリーは老朽化でフル充電でも3分しかもたないようで、
彼は3分毎に充電する必要があり、病室から動けない状況になり、
誰もいない病院に取り残されることになるのです。
予備バッテリーが役立たずなんて、とんでもない欠陥保育器ですね。
しかも老朽化はどんどん進み、午後4時にはフル充電でも2分40秒ほどになり、
時が経つにつれて、さらにバッテリーの寿命は短くなっていくのです。
でもこの状況はかなり斬新なシチュエーションで、
娘を保育器から出せるまでの48時間、次々と発生するトラブルを乗り切ろうと、
娘のために父親が奮闘する、緊張感あふれるシチュエーション・スリラーです。

午後7時、バッテリー残量は2分半ほどになり、充電の頻度が増す中、
困ったことに娘の栄養補給のための点滴まで切れてしまうのです。
ノーランは点滴を求めて、夜の病院内を探しまわりますが、
2分半毎に充電のために病室に戻らなくてはならないのが大変です。
点滴の保管場所を見つけたと思ったら、一度病室に戻って充電し、
また保管場所に往復して必要な点滴を探すという、ヤキモキする状況です。
何袋か点滴を見つけて一安心ですが、充電は待ったなしなので、
夜だけど彼は当然寝ることは許されません。
翌朝、彼は助けを呼ぶために無線機を探し回ります。
ケータイは持ってますが圏外で使い物になりません。
ケータイって災害時とか本当に必要な時に使い物になりませんよね。
病院玄関前に停めてある救急車を発見した彼は、車載の無線機を使いますが、
せっかくどこかと繋がったと思ったら、充電する時間になって病室に戻り、
その間に通信は途絶え、以降無線機も使い物にならなくなります。
本当に保育器の欠陥さえなければ…、というもどかしさに襲われます。
この時、バッテリーの寿命は2分を切っていました。

やっぱり最大の問題はバッテリーで、ノーランも何とかしようと、
腰あたりまで水没した発電室から、発電機を持ってこようと考えます。
発電機はたしかにあったのですが、かなり重いようで、
充電のために2分弱ごとに2階の病室と発電室を往復しながら、
発電機を少しずつ運ぶ、気の遠くなる作業になります。
なんとか発電機を水の中から引き上げることに成功し、
これで少しは楽になるかと思いきや、水没していた発電機はショートし、
今までの地道な努力が全く無駄になってしまうのです。
しかもノーランも感電して、一時失神してしまい、
ギリギリ意識を取り戻すも、あわや充電時間に間に合わないところでした。
なんという踏んだり蹴ったりな状況でしょうか。

発電機作戦も失敗し、バッテリー寿命も1分半ほどになり、
もう打つ手なしで落ち込んでいるノーランの耳に、ヘリの音が聞こえます。
どうやら外では水没で取り残されている人々の救助が始まっているようです。
彼も救助ヘリに気付いてもらおうと、発煙筒を持って屋上へ上がりますが、
充電のために屋上にいられる時間はほんの僅かで、
更に横のビルの屋上の被災者が、「こちらを先に助けろ」と言わんばかりに
ヘリに向かって発砲してアピールし、お陰でノーランは気づいてもらえません。
そんな行儀の悪い被災者は見殺しにしろよと腹が立ちましたが、
人質を取って救助を要請するような輩もいたようで、みんな必死なのでしょう。

午前11時頃、ヘリも行ってしまい、病室で項垂れるノーランの耳に、
病院内での物音が聞こえ、彼は誰か来たかもと確認しに向かいます。
そこにいたのは、漂流物の紐に引っ掛かって動けなくなったシェパード犬で…。
「なんだ、ただの犬か」とガッカリしてしまったボクでしたが、
ノーランはそうでもなく、犬の紐を切って自由にしてあげ、
更に貴重な食料まで分けてあげるのです。
犬はノーランに懐き、彼は犬にシャーロックと名付けます。
午後6時頃、ついに念願の人が病院にやってきます。
その男にノーランは助けを求めますが、男は「知ったことか」と
僅かな食料を強奪し、彼に拳銃を突きつけるのです。
実際にカトリーナの際には、被災地は混沌と化し、略奪や殺人が横行しましたが、
災害時は助け合うものと考えるのは、世界でも日本人くらいのものなのかも…。
絶体絶命のノーランを救ったのは、シャーロックでした。
シャーロックに噛みつかれ、追いかけられた強盗は退散します。
その時、点滴袋を落としていくのですが、なんと強盗はノーランに会う前に、
彼を助けにやってきた優しい看護師を射殺し、荷物を奪っていたのです。
どこまでも最低な野郎で、許せませんね。

強盗は逃げ切ったようで、どうやら外の仲間に病院のことを話したようで、
午後7時頃、武装した強盗2人が、薬品室からドラッグを盗みにやってきます。
その頃ノーランは、全く寝ていないのでフラフラでしたが、
アドレナリンを注射し、ハイな状態になっていました。
強盗に気付いた彼は、最後から近づき2人とも殺害します。
強盗たちもノーランを見つけ次第、撃ち殺すつもりだったので、
殺されても当然だったとは思いますが、理由はどうであれ、
娘のために頑張るノーランが殺人を犯してしまったのは残念でした。
展開的には、別に殺さなくても気絶させるか追い返せばいいと思うんだけど…。
まぁノーランもアドレナリンでまともな精神状態ではなかったでしょうが。
どうせ殺すなら、こんなアホな火事場泥棒の若造よりも、
看護師を殺した強盗の方を地獄に落としてほしかったですね。

やってくるのはロクでもない奴ばかりで、救助は絶望的。
でも深夜12時を回る頃には、保育器から出せるようになる48時間まで、
あと数時間となり、その間だけ充電を切らさなければ、
娘と一緒に避難できるようになるかもしれません。
ところがこの期に及んで、これまでで最大のピンチが到来。
なんと手回し充電器のハンドルが折れてしまうのです。
充電不可能になり、人工呼吸器も止まり、焦るノーマンは、
咄嗟に保育器を開け、娘に口移しで人工呼吸を施します。
しかし丸2日以上寝てないノーマンは、ついに倒れてしまうのです。
そんな彼を救ったのは、またしてもシャーロック。
強盗を追いかけて行って以降、姿が見えなくなったので、
強盗に撃ち殺されでもしたのかと心配していましたが、
なんと救助犬のシャーロックは、救助隊を呼びに行っていたのです。
受けた恩を忘れない、なんて賢い犬でしょうか。
ボクは犬好きなんで、めちゃめちゃ感動してしまいました。

シャーロックが連れてきた救助隊に発見され、タンカで運ばれるノーマン。
ところが救助隊は保育器には気付かず、ノーマンだけを搬出しようとします。
このままではせっかくノーマンが守ってきた娘が置き去りになってしまう…、
と心配したその時、娘が泣き声を上げ、救助隊も彼女に気付くのです。
産声を上げたということは、自力で呼吸している証拠で、
ノーマンと娘アビゲイルは仲良く搬送されて、めでたしめでたしでした。
最愛の妻の死を乗り越え、娘を守り切った父ノーマンの家族愛に感動です。

また、そのノーマンを演じたウォーカーの好演も素晴らしく、
もともと好きな俳優だったけど、ぶっちゃけ彼の生前は、
カーアクション映画のアクション俳優くらいにしか思ってないかったのに、
マヌケな青年を演じた『スティーラーズ』も含め、
死後に彼の演技の幅の広さに気付いてしまうなんて皮肉なものです。
そのせいでますます好きになったし、惜しい人を亡くしてしまったと、
更に悲しくなってしまいました。
本作自体はハッピーエンドで幸福感のあるラストなのに、
エンドロール中に無性に悲しくなってくる妙な感覚です。
でも彼の勇士が観られるのは本作が最後ではありません。
夏には主演作『ブリック・マンション』が公開される予定で、
来年は遺作『ワイルドスピード7』が公開になるはずです。
本当の喪失感はその時に感じるかもしれませんが、楽しみに待ちたいです。

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