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エージェント:ライアン

日本は8年前のトリノオリンピックは金メダル1個だったし、
4年前のバンクーバーオリンピックは金メダルをひとつも獲れなかったので、
冬季オリンピックには何も期待しないでおこうと思って、
今回のソチオリンピックも全く意識しないようにしていたのですが、
ニュースで男子フィギュアの羽生結弦選手が金メダルを取ったと聞いて、
やっぱり嬉しくなってしまいました。
ちょっと観戦したい気持ちも湧いてきたのですが、やめておきます。
日本人選手を応援したい気持ちはあるのですが、
他国の選手に「失敗しろ」と念じている自分に自己嫌悪を感じるので。

ということで、今日はソチオリンピックの開催国である
ロシアを舞台にした映画の感想です。

エージェント:ライアン
Jack Ryan Shadow Recruit

2014年2月15日日本公開。
クリス・パイン主演のスパイ・アクション映画。

ウォール街にある投資銀行のコンプライアンスと経済テロ阻止を目的としたCIA情報分析班のアナリストという、二つの顔を持つジャック・ライアン(クリス・パイン)。ある日、モスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不審な動きをキャッチし、上官ハーパー(ケヴィン・コスナー)にエージェントの現地派遣を要請する。しかし、彼から返ってきたのはライアン自身による調査命令だった。チェレヴィン・グループへの監査を装ってモスクワへと飛んだライアンだが、そんな彼に同グループの警護員が襲い掛かってくる。(シネマトゥデイより)



劇場で予告編を観て、面白そうなスパイ映画だと思って観に行きましたが、
実は本作はシリーズもの第5作目となる作品だったみたいです。
『レッド・オクトーバーを追え!』、『パトリオット・ゲーム』、
『今そこにある危機』、『トータル・フィアーズ』に続く、
トム・クランシー原作の「ジャック・ライアン」シリーズの最新作でした。
たしかに予告編でも「キャラクター原案 トム・クランシー」となってたけど、
シリーズものであることは匂わせてなかったので全く気付かなかったです。
それを知らずに観て、帰宅後、公式サイトを見て初めて知りました。
シリーズものですが続編ではなく、いわゆるリブート作品だったので、
その事実を知らなくても支障なく観ることができたのは幸いでした。
そもそも前4作も、いくつかは鑑賞したと思いますが、
主演も時系列もバラバラなので、シリーズものだと思って観てませんでした。
「ジャック・ライアン」シリーズというものも、今回初めて知りました。

なので本作は、同シリーズを知らない一見さんでも大丈夫な作品ですが、
同シリーズを知っているのと知っていないのとでは、印象は大違いでしょう。
本作はジャック・ライアンがCIAエージェントになった経緯を描いた、
いわゆるビギンズものですが、そんな経緯に関心を持つことができるのは、
本作を「ジャック・ライアン」シリーズとわかって観ているファンだけで、
ボクのようにジャック・ライアンに特に思い入れがない観客にとっては、
普通のスパイ映画としてしか味わうことができません。
物語自体はテロを食い止めるためにCIAエージェントが奮闘するという、
よくあるタイプのスパイ映画なので、キャラに愛着がなければ、
ちょっと退屈な作品なのではないかと思われます。
なのでやはり予告編やポスターでも、シリーズものであることは
明示しておいた方が観客のためにはいいと思います。
せめてタイトルを原題のまま『ジャック・ライアン:シャドーリクルート』に
しておいてくれたら、シリーズものだと勘付けたかもしれませんが…。

まぁシリーズ前作から12年も経ってるようで、
ジャック・ライアンという名前にピンとくる人がどれだけいるか疑問だし、
新シリーズとしてリブートするつもりだったみたいだけど、
遅きに逸した感は否めず、全米でも初登場4位とイマイチな結果でした。
ジャック・ライアンでピンとくる人は、おそらく小説のファンでしょうが、
本作は「キャラクター原案 トム・クランシー」でもわかるように、
キャラだけ借りて、小説を原作としないオリジナルストーリーなので、
原作ファンもあまり観る気が起きないんじゃないかと思います。
たぶん日本でも厳しい結果になると思われますが、それを見越してか、
本作は予告編等で「あの池上彰がズバリ字幕監修!」と、
大々的にアピールされています。

ただそれはボクにとっては、全くプラスのアピールにはならず、
ニュースをわかり易く解説することでお馴染みの池上彰ですが、
彼がわざわざ字幕を監修するということは、
つまり本作がかなりややこしい内容なのではないかと懸念しました。
スパイ映画でたまにあるような、複雑な世界情勢ネタや、
小難しい経済用語が連発される内容なのではないかと…。
ボクは賢い方ではないので、物語についていけるか心配で…。
懸念を抱きつついざ観てみると、やはりちょっとややこしい話だったかも。
米露の経済戦争が題材になっており、金融に関する内容も多く、
正直ちょっと理解できない部分もありました。
池上彰の監修力がどれほど効果があったのかわかりませんが、
ボクの所見では、誰が監修しても大差ないような気がして、
字幕に池上彰らしさは微塵も感じることができませんでした。
そもそも字幕は、内容を正確に伝えながら極力短くするのが腕の見せ所なので、
難しい内容を噛み砕いて丁寧に教えてくれる池上彰の持ち味を
活かすことなんて出来ないのではないかと思います。
単なる客寄せではないかという疑念が湧いたので、池上彰のお陰で、
字幕のどこがどう変わったのか教えてほしいくらいです。

たしかに社会情勢や経済絡みの、少々取っつきにくい物語ですが、
本質は娯楽アクション映画なので、そんな小難しい設定は添え物のようなもの。
ニュアンスさえ捉えれば、完璧に理解しなくても特に問題ないかも。
結局は敵のアジトに忍び込んだり、ドンパチしたり、カーチェイスしたり、
最後は大爆発で終わる、いつもの娯楽アクション映画のパターンです。
特に知的な戦いを繰り広げるわけでもないので、気楽に観ても大丈夫です。
以下、ネタバレ注意です。

ロンドン大学で経済学を学ぶアメリカ人学生ジャック・ライアンは、
テレビで911同時多発テロを見て、海兵隊に入隊します。
アフガニスタンでの任務中に、彼の乗ったヘリが攻撃を受け墜落。
彼は重傷を負い、海軍の医療施設でリハビリします。
入院時は、よく生きてるなと思えるほどの重症で、
脊椎まで損傷していたので、これは完治は無理だろうと思ったけど、
けっこうあっさり回復しちゃうんですよね。
ちょっと後遺症はあるみたいで、たまに腰に痛みを感じたりするのですが、
クライマックスとか大暴れする時には全然平気そうで…。
ライアンは頭もよくて運動神経も抜群の完璧すぎる男なので、
何というか、「体の一部に爆弾を抱えている」くらいの設定があった方が、
主人公としては面白かったように思えるのですが…。

リハビリ中、ハーパー海軍中佐がライアンに会いに訪れます。
ハーパーは実はCIAでもあり、ライアンをCIAにリクルートするのです。
ハーパーの指示で博士号を取ったライアンは、その10年後、
表向きはウォール街の証券会社でコンプライアンス責任者として働き、
裏ではCIAの情報分析官になり、ハーパーの下でテロ対策に従事します。
なんだか展開が急すぎてビックリしましたが、後にビギニングものとわかり、
この端折りまくりな駆け足な展開にも納得しました。
ライアンは証券会社での業務中に、顧客のロシア企業が保有していた
巨額の金が消えたことを発見し、経済テロの可能性を疑い、
調査のためにモスクワへ飛びます。
その金は資産家チェレヴィンの隠し資金だったのですが、
彼はその金でアメリカの為替市場に不胎化介入し、
第二次世界恐慌を起こそうとしていたのです。
その裏ではトルコの天然ガスのパイプラインの建設で、
アメリカと対立するロシア政府の大臣が糸を引いていました。
苦手な金融的な話なので、よくわかりませんでしたが、
ロシアが大量に保有した米国債を売ることで、世界中が追従し、
ドルを大暴落させ、アメリカ経済をぶっ壊してやろうという、
ロシアの意趣返しのようですが、実際そんなことが可能なのかな?
日本は世界二位の米国債債権国ですが、ロシアが米国債を売っても、
日本は立場上売れないと思うしね。

それ以前に、米露の経済戦争の話ですが、冷戦時代でもあるまいし、
ロシアを敵視するなんて、なんだか時代錯誤な題材な気がしてしまいます。
トム・クランシーの小説「ジャック・ライアン」シリーズは、
その時々の世界情勢を取り入れた内容だったそうですが、
オリジナルストーリーの本作も、もっと最新の世界情勢を題材にするべきです。
まぁクランシーは知露家だったらしいので、ロシアを題材にしたのは、
彼の作品に対するオマージュかもしれませんけど。
クランシーは去年亡くなったらしいけど、本作にはノータッチなのかな?

モスクワに着くなり、チェレヴィンの手下に命を狙われ、
反撃で相手を殺したライアンは、なりゆきでCIAエージェントになります。
(情報分析官は内勤なのでエージェントとは呼べない。)
テロの情報を探るため、チェレヴィンに接近するライアンですが、
彼の浮気を疑った恋人のキャシーもモスクワにやってきてしまい、
仕方なく自分がCIAであることを彼女に告白し、
キャシーにも、チェレヴィンを騙す計画に協してもらうのです。
人妻が大好きなチェレヴィンは、ライアンの婚約者キャシーに興味津々。
チェレヴィンがキャシーに夢中になっている隙に、
ライアンは彼のパソコンからテロ計画のデータを盗み出すのです。
「スパイ経験ゼロの男がCIAエージェントへ…」というコピーの本作ですが、
ライアンは海兵隊からCIA情報分析官を経てCIAエージェントになってるので、
スパイ経験はゼロでも素質は十分だったと思いますが、驚くべきはむしろ、
完全に一般人だったのに、見事にハニートラップを成功させたキャシーです。
ハーパーは彼女もすぐにCIAにリクルートすべきですね。

盗んだテロ計画によると、18時間後にウォール街で自爆テロを起こすつもりで、
その実行犯はチェレヴィンの息子アレクサンドルだと判明します。
モスクワから急いでウォール街に戻ったライアンは、
アレクサンドルの乗る爆弾を積んだ車両が地下に入っていくのを発見し、
追いかけて車両を乗っ取り、川に突っ込み爆発させます。
テロ計画が失敗したチェレヴィンは、大臣から粛清され一件落着です。
「今そこにある次世代テロに挑む」なんてコピーの本作でしたが、
結局最後はお馴染みの自爆テロを阻止する展開になりましたね。
でもウォール街を自爆テロで崩壊させて、ロシアが米国債を売れば、
本当にアメリカ経済はダメになり、世界恐慌になったりするのかな?
むしろリーマンショックなど世界金融危機や世界同時不況なんて、
ウォール街の連中の責任だし、無差別な自爆テロは絶対ダメだけど、
ウォール街の投資家なんて全員死んでくれた方が世界のためな気がします。

この微妙な出来では、全米初登場4位の微妙な結果も納得で、
せっかくリブートしても、こんな微妙な成績では続編はまず無理でしょうね。

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