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エヴァの告白

だいたい観る映画の半分はTOHOシネマズで観ているので、
もちろんシネマイレージ会員になってるし、
6本観ると1本招待のポイントもちょくちょく使用していましたが、
TOHOシネマズの割引料金が来年度から100円上がるため、
今はポイントを使わず貯め、値上げ後に招待されようと考えてます。
とにかく映画を1円でも安く観ることに余念がありません。

そんなボクは、もちろん毎月14日は映画1000円のTOHOシネマズデイも、
可能な限り、というかほぼ欠かさず映画を観に行ってますが、
一年で最も行きにくいTOHOシネマズデイが2月、つまり今日です。
理由はもちろん、2月14日がバレンタインデーだからで、
こんな日に映画をひとりで観に行くと「寂しい奴」って思われてそうで…。
でも実際行ってみると、映画館はそんなにカップルがいるわけでもなく、
いつもと何ら変わりないんですけどね。
カップルもこんなイベントの日に、わざわざ映画なんて観ないのか、
カップルが少ない分、他の月のTOHOシネマズデイより空いてるかも。
ただ一応用心のために、カップルが少なそうな作品は選びますけど。

ということで、今日はカップルが観なさそうなシリアスな映画の感想です。
本当は先行上映の『エージェント:ライアン』を観たかったけど、
アクション映画は意外とカップルが多いので…。

エヴァの告白
The Immigrant

2014年2月14日日本公開。
マリオン・コティヤール主演のヒューマンドラマ。

1921年、エヴァ(マリオン・コティヤール)と妹マグダ(アンジェラ・サラフィアン)は戦争の影響で情勢が不安定な祖国ポーランドを離れ、ニューヨークに到着する。だが、入国審査で医師に肺病と診断されたマグダは隔離され、二人は離れ離れに。入国を拒否されたエヴァは、ブルーノ(ホアキン・フェニックス)という見知らぬ男性のおかげで強制送還を免れる。(シネマトゥデイより)



本作は米仏合作映画ですが、まだ全米公開はされていません。
いつもは最後の草刈り場として、後回しにされがちな日本ですが、
本作は日本の方が全米よりも公開が早く、なんだかお得感があります。
ワールドプレミアは第66回カンヌ映画祭のコンペ部門だったみたいで、
『そして父になる』や『藁の楯』とパルムドールを競った作品です。
結果はフランス映画の『アデル、ブルーは熱い色』(4月5日公開)が受賞し、
本作は敗れたわけですが、批評家の評価はかなり高く、
特に主演のマリオン・コティヤールの演技は絶賛されています。
(ホアキン・フェニックスの演技もかなり好評です。)
なんでも本来は2013年末に全米公開される予定でしたが、
興収面で2014年春に全米公開した方が儲かると配給会社が考えたそうで、
日本よりも遅い全米公開日になったわけですが、
もし昨年中に公開していれば、オスカーにも絡んだかもしれません。
特に主演女優賞のノミネートは固かったと思われます。
それだけなかなかいい作品でしたが、カンヌを基準にするなら、
審査員賞の『そして父になる』よりも評価は低いということになるかな。
ボクとしては、カンヌ絡みの作品はハズレが多い印象が強い中、
本作はかなり楽しめたので、期待以上の出来で満足です。

本作の原題は『The Immigrant』で、「移民」という意味です。
1921年に戦火を逃れてポーランドからアメリカに移住してきた女性の物語で、
アメリカンドリーム的な希望を抱いてアメリカに着いたものの、
移民たちを待っていたのは非情な扱いで…、というような内容。
まずボクが「失敗したな」と思ったのは、当時のポーランドについて、
何の予備知識もなく観に行ってしまったことです。
ヒロインのエヴァは、アメリカで本当に酷い目に遭いますが、
それでもポーランドに送還されるのを恐れているのだけど、
当時のポーランド情勢を理解してないので、彼女の心境を汲みきれず、
アメリカでこんな扱い受けるなら、送還された方がマシじゃないか、
なんて思ってしまったんですよね。
帰宅後調べてみたら、1921年はロシアからポーランドが独立した直後で、
ポーランド・ソビエト戦争という戦争の真っ最中だったみたいです。
ポーランドがソ連に侵攻する干渉戦争だったらしいので、
なぜ攻めている側の国民であるエヴァが亡命するのかわかりませんが、
とりあえず両親も兵士に殺されたそうで、悲惨な状況だったのでしょう。
それでもアメリカでの酷い扱いを我慢するほどの状況だったのかは、
今でもよくわかりませんが…。

移民船でアメリカのエリス島にやって来たエヴァと妹のマグダ。
彼女たちは入国審査を受けるのですが、マグダが結核を疑われ、
彼女は入国を認められず、エリス島の隔離病棟で治療を受け、
半年後に強制送還されることになります。
エヴァも審問で、国内に身寄りが確認できないため、送還されることに…。
せっかくアメリカまで逃げてきたのに、気の毒な気もしますが、
アメリカの側に立てば、身寄りのない女性を移民として認め、
彼女に生活保護を受給されたら税金の無駄遣いになるし、
送還するのは当たり前の判断かもしれませんね。
日本でも在日コリアンの生活保護受給の増大が社会問題になってるし、
簡単に移民を認めないのは当然の決定でしょう。
まぁ在日コリアンの場合は、帰化する気がないなら、さっさと帰れと思うけど、
戦争で亡命してきたエヴァは、人道的には受け入れてあげるべきかな。

送還が決定したエヴァのもとに、旅行者援助会を名乗る男ブルーノが現れ、
彼はコネでカネで、彼女の送還が見送られるように計らい、
彼女をニューヨークまで連れて帰り、住む場所と仕事を世話してくれます。
なんて親切な紳士だろう、などと思うはずもなく、下心見え見えです。
ブルーノは美人なエヴァに恩を売り、彼女を自分のものにしようと考えたのです。
しかも最悪なことに、彼は売春斡旋業者で、この手口で移民女性を手に入れ、
劇場で踊り子として働かせ、客を取らせていたのです。
エヴァにも初めは「お針子の仕事を紹介する」と言っておきながら、
彼女の弱みを掴んで、劇場で踊り子をやらせるのです。
(エヴァは自由の女神のコスプレでしたが、あのミス日本の踊り子は…。)
更に顧客の資産家のバカ息子の筆おろしを無理やりさせるのです。
困っている移民を騙して食い物にするなんて鬼畜の所業ですが、
正直、弱みを掴まれるようなことをしたエヴァの自業自得なところも…。
彼女はブルーノの踊り子のひとりから、金をネコババするんですよね。
それだけなら彼もまだ目を瞑っていたでしょうが、
彼がちょっと抱擁しようとしただけで、「私に触らないで」と拒絶。
仮にも送還から救ってくれた恩人なのに、もっとヤンワリと断ればいいものを、
これでは「恥を知れ!」と怒鳴り散らされても仕方がないです。
その時はビビッてブルーノの言う通りにしたエヴァですが、
その後も懲りずに彼に対して「あなたは大嫌い」って言うんですよね。
なぜかその時はブルーノも怒らずにショックを受けてましたが…。

なんだかんだで売春はエヴァにもメリットがあります。
彼女は結核でエリス島の病棟に隔離されている妹マグダの治療費のため、
お金がいるので、普通の仕事より儲かる売春は好都合です。
もっと看守に金を積めば、マグダを連れ帰ることも出来ます。
エヴァは何よりも妹が大事なので、そのためなら体を売るのも厭いません。
敬虔なクリスチャンなので、はじめは生娘なのかとも思いましたが、
どうもそうでもないらしく、終盤で判明するのですが、
移民船の中でも食べ物を得るために、男たちに輪姦されていたみたいです。
そんな状況ならますますブルーノを拒む理由がわかりませんが…。
まぁ本人も好き好んで体を売っているわけではなく、
生きるために、妹のために仕方なくやってるだけですが、
考えようによっては、体を売れるだけ恵まれているのかもしれませんね。
もしブスだったらブルーノの目にも止まらず、問答無用で強制送還ですから。
なんだかんだで美人は得です。

でもエヴァは美人すぎて、ちょっと困ったことにも…。
ブルーノと彼の従兄弟のオーランドが、彼女を取り合うんですよね。
エヴァはブルーノのことは大嫌いだけど、オーランドのことは満更でもなく、
ブルーノはオーランドがエヴァに近づくたびに激怒し、
オーランドを殺す勢いで大ゲンカになります。
ブルーノは売春斡旋業者、オーランドは人気マジシャンですから、
同じ劇場でショーをする2人ですが、どう考えてもオーランドがいいよね。
劇場でもオーランドに殴り掛かったブルーノは、
劇場のオーナーにも愛想をつかされて出入り禁止になります。
するとブルーノはエヴァたち踊り子を連れて、街娼を始めるのです。
エヴァたちはてっきり劇場付きの踊り子だと思ったら、
ブルーノ自身が雇っている踊り子だったんですね。

エヴァもブルーノを見限って、オーランドのもとに行けばいいと思うのですが、
ブルーノはエリス島の病棟にコネがあるため、彼女は妹のために残ります。
ところがある日、オーランドがギャンブルでボロ儲けして、
その儲けた金で妹を病棟から引き取ってくれると言います。
それを聞いたエヴァは喜びますが、その直後にブルーノも、
妹の面会証を取ったから、いつでも妹に会えるようになると言い…。
そこでまたブルーノとオーランドは大ゲンカ、…なんて生易しいものではなく、
オーランドはブルーノに拳銃を突き付け、「エヴァを自由にしろ」と脅します。
とはいえオーランドはブルーノを殺す気はなく、拳銃も弾は入ってません。
でも拳銃を突き付けられたブルーノはテンパってしまって、
いつも携帯しているナイフでオーランドを刺殺してしまいます。
それを目撃した踊り子が警察に密告するのですが、
彼女は「エヴァがオーランドを殺した」と嘘の通報をするのです。
エヴァからは蛇蝎の如く嫌われているブルーノですが、
他の踊り子からの信頼は厚く、そんな彼がエヴァを寵愛するのを、
面白くないと感じている踊り子もいるんですね。
しかしブルーノがエヴァを匿ったため、彼は警官から私刑され、
警官に全財産も巻き上げられてしまいます。
踊り子はエヴァを嵌めたつもりが、大切なブルーノを追い込むことに…。

警察から追われるエヴァは叔母から金を借りて、
満身創痍のブルーノと一緒にエリス島へ行き、
その金を賄賂にして妹マグダを釈放してもらいます。
再会した姉妹は、ブルーノの用意した切符でカリフォルニアに向かい、
めでたしめでたし…、というラストでした。
最後で妹マグダの釈放に尽力してくれたブルーノに情が湧いて、
「一緒に逃げよう」と言ったエヴァですが、その気持ちは理解できないかな。
やっぱりブルーノはエヴァを騙し、オーランドを殺した憎むべき男だし…。
ブルーノは自分はニューヨークに残り、自白すると言いますが、
彼が自白するならエヴァの疑いは晴れるわけで、
彼女がカリフォルニアまで逃亡する理由もなくなると思うんですけどね。
なんだかんだで、ブルーノは自白するつもりなんてないんだと思います。
まぁ逮捕されなくても、あの瀕死の重傷では、命も長くなさそうですが…。

何にしてもエヴァが妹マグダと再会できたのはよかったです。
でもよく考えてみれば、マグダは別に不当に拘束されていたわけではなく、
検疫に引っ掛かったから隔離されていたのです。
そんな彼女を賄賂で不当に連れ出し、アメリカ本土に上陸させるなんて、
もし彼女のせいで感染症が蔓延したら取り返しのつかないことですよ。
まぁ再会した彼女は元気そうだったので、その心配はなさそうですが、
あまり褒められたことではない気がしました。
とはいえ、姉妹二人で、新天地での希望を感じさせるラストで、
鑑賞後感は決して悪くなかったと思います。
やはり物語よりもエヴァ演じるマリオン・コティヤールと、
ブルーノ演じるホアキン・フェニックスの演技の印象が強く残る作品で、
緊迫感があって、なかなか見応えのある作品でした。

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