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ウルフ・オブ・ウォールストリート

今日も映画の感想です。

ウルフ・オブ・ウォールストリート
The Wolf of Wall Street

2014年1月31日日本公開。
マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の伝記ドラマ。

学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。(シネマトゥデイより)



本作は第86回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞、
助演男優賞、脚本賞の5部門でノミネートされている話題作で、
その前哨戦である第71回ゴールデングローブ賞では、主演のディカプリオが、
見事に主演男優賞(コメディ部門)を受賞しており、
オスカーでも本作の受賞の期待は高まっていると思われます。
でもボクの予想では、オスカー主演男優賞の受賞は難しいかな。
ゴールデングローブ賞はドラマ部門とコメディ部門に分かれていますが、
今回は明らかにコメディ部門のノミネートが弱かった気がするし、
コメディもドラマも一緒くたになるアカデミー賞では、
ディカプリオは箸にも棒にも引っ掛からないと思います。
いや、顔芸やら挙動やら滑稽で面白くて、何度も笑わされたので、
コメディとしては最上級の素晴らしい演技だったのは間違いないけど、
ちょっと極端すぎて、あまりアカデミー賞向きの演技ではないですよね。
ゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)を受賞した
『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォーの方が、
アカデミー会員ウケしそうな気がするし、そちらが最有力でしょう。

まぁ主演男優賞が無理でも、他にも4部門でノミネートされてるし、
その中には善戦する部門もあるかもしれません。
受賞するかどうかは別にして、今回の作品賞候補が発表された時に、
ボクは候補9作品の中で、本作に最も関心が持てませんでした。
候補作は全て観るのが恒例なので、観に行くことは決まっていたものの、
正直、それほど観たいとは思えない作品で…。
マーティン・スコセッシ監督と主演レオナルド・ディカプリオのタッグは、
本作が5度目で安定感はあるし、出来はある程度担保されていると思うけど、
どうも題材が面白くなさそうで…。
ボクは金融業みたいな虚業が好きではないので、そんな業界の物語は苦手。
中には楽しめた作品もあるのですが、打率は決して高くはなく…。
証券マンの物語ですが、ボクは財テクもしていないのであまり馴染みがなく、
専門用語など頻出したら出たら内容についていけるかも不安です。
しかも本作は上映時間が約三時間もある超長編映画で、
ただでさえ観るのに覚悟がいる上映時間ですが、苦手な金融業映画で、
もし肌に合わない作品だったら、苦行状態になってしまいます。

かなり覚悟を決めて観に行ったのですが、そんな心配は全くの杞憂で、
普通に楽しめる、面白いコメディ映画で安心しました。
難しい展開も全くなく、とにかくハイテンションなドタバタ喜劇で、
最後まで飽きることなく観ることができました。
いや、やはりいささか尺は長すぎますかね。
いくら面白いコメディでも、3時間もあると中弛みは避けられません。
特に本作は本当に軽薄な人物の回顧録が基になっている物語なので、
その内容も薄っぺらく、本来なら3時間ももつ題材ではないです。
それをスコセッシ得意の長回しと、ディカプリオの滑稽な演技で、
引き延ばしても飽きないようにしているのは見事ですが、
「このシーンにこんなに尺は要らないだろ」と思うところも多く、
もっとシャープに、テンポよくしてくれると更にありがたかったかも。
映画は2時間が理想的だけど、コメディ映画は90分がベストですから、
本作はいくらなんでも長すぎます。
スコセッシほどのベテラン監督なら、それくらいわかってるはずなのに、
盟友ディカプリオの頑張りに、ハサミを入れるのが忍びなかったかな?

本作は実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回顧録を基に、
彼の無茶苦茶な半生を描いた伝記映画です。
学歴もコネもないまま22歳でウォール街の証券会社に飛び込み、
巧みな話術と非合法な手段で大成功し、「ウォール街の狼」と呼ばれた彼が、
思わぬ落とし穴に嵌り、最後はFBIに逮捕されてしまうという物語ですが、
そんなサクセスストーリーや転落人生を主に描いているのではなく、
主人公の苦悩や悲しみなんかのドラマも一切なくて、
有り余る金で彼がドラッグとセックスに狂乱する様が描かれ続けます。
上映時間の半分は乱痴気騒ぎで構成されているといっても過言ではないです。
一般人としては、人生を謳歌しまくりの彼が羨ましくもありますが、
彼のあまりに下衆で低俗な成金っぷりをみんなで笑おうという作品でしょう。
以下、ネタバレ注意です。

22歳でウォール街の証券会社に入社したジョーダンは、
電話番で働きながら外務員の資格取得を目指します。
(外務員資格がないと有価証券の売買の勧誘をしてはいけません。)
その会社の上司から、証券マンとしての生き方を学ぶのですが、
この上司がかなり破天荒な男で、そのせいで弟子のジョーダンも、
あんな無茶苦茶な証券マンになってしまったのでしょうね。
マシュー・マコノヒー演じる上司ですが、出演時間は短いものの、
かなりインパクトのあるキャラで、本作のツカミとしては最高でした。
晴れて外務員資格を取り、やっとブローカーになった初日の1987年10月19日、
ブラックマンデーで証券会社が倒産し、ジョーダンは失業してしまうのです。

彼はすぐに求人広告で見つけたロングアイランドの証券会社に入社します。
そこは店頭株しか扱わない小さな会社でしたが、
あまり裕福じゃない客に、ペニー株と呼ばれるクズみたな株を買わせて、
手数料を50%も搾取して儲けている、おそらく違法な会社です。
そこでジョーダンはウォール街仕込みの口八丁で、
客を騙してペニー株を大量に買わせて大儲けし、月収はなんと7万ドル以上に。
そしてちょっと変人な隣人ドニーと、自分の証券会社を設立。
近所のマリファナの売人たちを営業マンとして雇い、
風説の流布で荒稼ぎし、どんどん会社はデカくなっていきます。
経済誌『フォーブス』からも取材を受けますが、その記事では、
アブナイ株を売って自分たちだけが儲ける「ウォール街の狼」と批判されるも、
逆に急成長する新興企業として、注目も浴びます。
しかし悪目立ちしすぎで、証券取引委員会やFBIからも睨まれるようになり…。

とにかくジョーダンの会社「ストラットン・オークモント」は無茶苦茶で、
週末はオフィスにストリッパーやら売春婦やら呼んで、乱交騒ぎ。
就業中でも酒やドラッグの使用は当たり前で、
社内では時間や場所を問わず同僚同士でセックスしています。
パーティの余興では、小人症の芸人をダーツのように投げて遊ぶなど、
企業倫理などどこ吹く風で、今では考えられないカオスっぷりです。
いや、当時でもそんな無茶苦茶な会社があるわけない気がするけど、
ジョーダン本人の回顧録が原作なんだから、まるっきりデタラメでもない?
カネ転がしなんて下衆野郎しかいないとは思ってたけど、
ここまで下衆の極みだと、笑いを通り越してドン引きしますね。
しかしあんなに頻繁にドラッグを服用して、よく死なないものですね。
逆に「レモン714」とかいう強烈な非合法睡眠薬で酩酊状態になっても、
コカイン吸引したらシャキっと正常になるくらいですから無茶苦茶です。
彼らにとってドラッグはポパイのほうれん草みたいです。
それにしても「レモン714」を服用してグニャグニャになった
ディカプリオの演技は、ホントに爆笑ものでしたね。

更に儲けようと、ジョーダンはIPO(新規公開株)に手を付けます。
IPOについては、イマイチよくわかりませんでしたが、
ジョーダンは、たぶん上場前の企業の株を大量に取得しておき、
その企業を上場させて株価を上げようと考えたようで、
インサイダー取引みたいなものなのか、とりあえず非合法です。
その企業に選んだのが、ドニーの友達マデンの婦人靴メーカーで、
ジョーダンとドニーは新規上場前にこっそり、85%の株を取得し、
上場後、一株約4ドルだったのが3時間で18ドルにもなり、大儲けします。
その派手な値動きは、当然FBIの目にも止まり、
デナム連邦捜査官がジョーダンに探りを入れに訪れます。
カネ転がしが嫌いなボクとしても、「頑張れデナム捜査官!」って感じでした。
ジョーダンはデナム捜査官を懐柔しようと、オイシイ話を持ち掛けます。
誰でも誘いに乗ってしまいそうなかなりオイシイ話で、
デナム捜査官も堕ちたかと思いましたが、彼は予想以上に堅物で、
「連邦捜査官を買収するか?」と一蹴し、ジョーダンの目論見は敗れます。
その揺るがぬ信念に「デナムさんカッケー」と惚れ惚れしちゃいました。

買収失敗に焦ったジョーダンは、マデンのIPOで儲けた大金を隠すため、
FBIの捜査も及ばないスイス銀行に預けることにします。
スイス銀行も、魚心あれば水心で「名義を変えれば絶対にバレない」と助言。
スイス銀行は守秘義務厳守なので犯罪者が利用するのは仕方がないけど、
積極的に犯罪者に加担するような助言までするのは酷いですね。
ジョーダンが逮捕された時、スイス銀行は罪に問われなかったんでしょうか?
ジョーダンは妻の親戚の英国人エマおばさんの名義で口座を開設します。
スイス銀行には送金できないみたいなので、アメリカから現金で運びますが、
そのためにヨーロッパ旅券を持つ、部下ブラッドの家族に運ばせます。
ドニーもブラッドに頼むのですが、この2人は折り合いが悪いみたいで、
現金受け渡しの時にケンカになり、そこに警察が駆け付け、
現金ごとブラッドの身柄を拘束し、FBIに計画がバレそうになります。
ブラッドが黙秘を貫いたため、ジョーダンは逮捕されませんでしたが、
さすがに逮捕は時間の問題だと思い、逮捕を逃れるため引退を決意します。
引退すればFBIは逮捕しないなんて、それが本当なら甘すぎますよね。

社員に引退報告するジョーダンですが、その最中に感情が昂り、
「オレは逃げないぞ」と急に引退を撤回するのです。
それ以降、彼自身や幹部宛にFBIの召喚状が何通も届きますが、
彼らの結束力は強く、全員が黙秘を貫き、決定的な証拠は出てきません。
何度も召喚される生活に嫌気が差したジョーダンとドニーは、
会社を幹部コスコフに任して、妻たちとイタリア旅行に行きます。
ところがそんな折、スイス銀行の名義人エマおばさんが心臓発作で急逝。
スイス銀行から相続人をジョーダンにするために、
すぐに遺言状を偽造しなくてはならないと助言を受け、
急ぎ自家用クルーザーでモナコ経由でスイスに行くことになります。
ところが海は大時化でクルーザーは転覆…。
彼らはイタリアの救助隊に助けられて事なきを得ます。
大時化の時にクルーザーで妻を後ろから抱きかかえるシーンは、
ディカプリオの代表作『タイタニック』のパロディでしょうね。
救助された彼らですが、彼らがさっきまで乗っていた救助用飛行機が、
バードストライクで大爆発し、間一髪で九死に一生を得るのですが、
ジョーダンはそれを神の啓示だと思い込み、
急に酒もドラッグもやめ、まともな財テクセミナーなんて始めます。
なんだかここまでスペクタクルな展開は嘘くさいですよね。
これはさすがに回顧録にはない創作じゃないのかな?

少し真面目になったジョーダンですが、その矢先、FBIに逮捕されます。
会社の幹部コスコフが、麻薬取引のマネーロンダリングで逮捕され、
その関与が疑われての、言わば別件逮捕ですね。
FBIはマデンのIPO容疑はまだ立件できないみたいだけど、
マネーロンダリンッグだけでも懲役20年の実刑にできる犯罪で、
FBIはジョーダンに、刑期を4年にする代わりに仲間を売れと、
司法取引を持ち掛け、彼はそれを承諾しますが、
結局仲間を売ることはできず、再び収監されてしまいます。
意外と男気あるなとちょっと見直しかけますが、収監後に結局仲間を売り、
24人が有罪となり、自分の刑期はたったの3年になります。
出所後はセールストレーナーとして講座とかしているみたいです。
やっぱり証券詐欺の刑罰って甘いですよね。
特にアメリカは司法取引が盛んなので、悪どく稼いだ大物詐欺師が、
同業者を売ってすぐに娑婆に帰ってきちゃいます。
結局重い実刑を食らうのは、誰も売れなかった末端の詐欺師ばかりです。
これではウォール街に悪どい投資家や証券マンが溢れるはずですよ。
そんな奴らが世界経済を握ってるんだから、怖い話ですよね。

コメント

ブログを参考に映画を見に行ってきました!

いつもブログ見ています。
ブログを参考に映画を見に行きました。
ウルフ・オブ・ウォールストリート。

私は頭が悪い?せいか超単純な映画しか楽しめないので、
10本見ても1本ぐらいしか、作品を楽しめません。

本作も私にとっては難しく、それなりでした。
ですが、またブログを参考に映画を見に行きますe-257

  • 2014/02/12(水) 22:31:50 |
  • URL |
  • 花井 #SIhu28D2
  • [ 編集 ]

Re: ブログを参考に映画を見に行ってきました!

ボクも頭は悪いので、単純な映画ほ方が好きですけど、
本作はドタバタ喜劇なので、難しく考える必要はないはず。
楽しめなかったのは、たぶんノリが合わなかっただけだと思います。
本作は苦手な人も多いR指定コメディのノリが強いので、
人を選ぶ作品かもしれないです。

合わない映画を3時間も観続けるのは大変でしたでしょうね。
せっかく参考にしていただいたのに、申し訳ない気持ちです。
これに懲りずに、また来てください。

  • 2014/02/13(木) 12:59:08 |
  • URL |
  • BLRPN #-
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