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なんちゃって家族

今日も映画の感想です。

なんちゃって家族
Were the Millers

2014年1月25日日本公開。
ジェニファー・アニストン、ジェイソン・サダイキス共演のコメディ。

麻薬密売人デヴィッド(ジェイソン・サダイキス)はマリファナと金を奪われ、その穴を埋めるためにメキシコから麻薬を運ぶことに。隠れて麻薬を運ぼうと策を講じたデヴィッドは、家族旅行に見せ掛けることを思い付く。元ストリッパーのローズ(ジェニファー・アニストン)、童貞の青年ケニー(ウィル・ポールター)、万引き常習犯ケイシー(エマ・ロバーツ)と共にキャンピングカーでメキシコへ向かう。(シネマトゥデイより)



本作は昨年全米で1億5000万ドル以上の興収を記録した大ヒット作です。
年間ランキングでも16位で、コメディとしては年間1位だと思われます。
製作費はたったの3700万ドルだったので、ボロ儲けですね。
週間ランキングでは全米1位になることはできませんでしたが、
トップが入れ替わる中、3週連続1位をキープしており、
その後も9週連続トップ10に留まるロングランを記録。
本作がいかに評判がよかったのかがわかるチャートアクションですが、
実際に観てみて、その成績は伊達じゃない、とても面白い作品でした。
ところが、そんな大ヒット作にも関わらず、日本では公開規模が小さく、
日本中でたったの5館、ここ関西ではシネマート心斎橋だけでの上映です。
昨年の『テッド』の記録的大ヒットで、日本のR指定コメディアレルギーも、
多少は和らいだかと思っていたのですが、こんなに面白くて、
しかも昨年全米ナンバー1のコメディ映画がこの扱いとは、
R指定コメディの不遇は今年も続きそうです。
たしかに大規模公開したとしても、それほど客は入らないとは思うけどね。
関西ではシネマートだけなので、混雑するかと思ったらガラガラだったし。
まぁそれは内容云々よりも、こんなセンスのない邦題では致し方なしか。

独身でマリファナの売人をしているデヴィッドは、
路上でもめ事を起こしていた家出少女を助けようとしたところ、
チンピラたちに商売品のマリファナと売上金を奪われてしまう。
その失態の代償として、組織のボスのブラッドから、
メキシコから「少量のブツ」を密輸することを命じられたデヴィッドは、
「家族旅行中の観光客なら怪しまれず越境できる」と思いつき、
同じマンションに住む隣人のストリッパーやアホガキ、家出少女に声を掛けて、
ニセ家族、ミラー一家を結成し、キャンピングカーでメキシコに向かう。
…というような物語で、他人同士だった(むしろ仲悪かった)4人が、
家族それぞれの役割を演じながら、幾多の困難を乗り越えるうちに、
次第に絆が深まり、本当の家族のような錯覚さえ覚えるようになるが、
ラストの最大の試練でニセ家族の絆が試されることに…。
…というようなハートウォーミングなコメディです。
すごくハッピーな気持ちで映画館を後にできるとても素晴らしいコメディで、
誰にでもオススメできると思いますが、ちょっと気を付けないといけないのは、
R指定コメディなので、下品なエロネタがそこそこあるので、
子供や家族での鑑賞には向かないかもしれません。
本作のエロネタはけっこう面白いんですが、それ以上に脚本がよく出来ており、
エロネタを抑えてもかなり面白いファミリーコメディになったはずなので、
エロネタを投入して、R指定コメディになったことで、
鑑賞のハードルを上げているのは、ちょっと勿体ない気がするほどです。
以下、ネタバレ注意。

デヴィッドは、盗まれた大麻と売上金の計4万3000ドルの損失をチャラにし、
更に10万ドルの報酬を得るために、メキシコからの大麻密輸を決意し、
国境の検問で怪しまれないように、ニセの家族に成りすましますが、
その構成員は、妻役が隣人で金に困っているストリッパーのローズ、
息子役が近所のアホガキのケニー、娘役が家出少女のケイシーの4人です。
デヴィッドはヤサグレた風体だし、ローズは派手なストリッパー、
ケイシーはパンク少女なので、そのままでは全く家族には見えないため、
みんな家庭的な格好に着替えて、平凡な家族旅行者を装います。
不思議なもので、それらしい格好をするだけでも、家族に見えるものですね。
即席の家族のフリはけっこうグダグダなのですが、
出国の検問は、驚くほどあっさりクリアしてしまいます。

メキシコに入国した彼らは、麻薬カルテルのアジトに行き、
ボスのブラッドの指示通り、「パブロ・シャコンの使いの者だ」と伝え、
大麻を受け取りますが、「少量のブツ」と聞いていたのに、
実際には約2トンもある大量の大麻で、巨大なキャンピングカーの
トランクや収納スペースは大麻で埋め尽くされてしまうのです。
これでは出国時の検問で、ちょっと車を調べられただけでアウトです。
「家族旅行のフリをすれば車を調べられないはずだ」と、
恐る恐る検問に向かうデヴィッドたちですが、
自然な家族の演技をするはずが、緊張で挙動不審に…。
それを見た国境の検査官から、車を調べるから下車しろと命じられ…。
捕まればメキシコの刑務所で懲役25年、絶体絶命のピンチですが、
車に踏み込まれる寸前、密入国者の一団が検問を強行突破し、
そのドサクサで車の検査はなしになり、辛くも危機を脱します。
そんなことで検査がスルーされるなら、密輸なんて楽勝ですが、
やっぱり挙動不審ながらも家族のフリで検査官の警戒心を緩めたのかな。
でもあんなに麻薬犬が車に吠え掛かっていたのに…。

この密輸ミッションの最大の難所は国境越えだと思っていたのに、
そのクライマックスだと思われたシーンが意外と早くあり、
「え、これで終わり?」と驚きましたが、そんなはずはなく、
むしろ困難の連続が訪れるのは、アメリカに入国してからでした。
彼らはブラッドに言われた段取り通り「パブロ・シャコンの使い」と名乗り
麻薬カルテルから大麻を受け取りましたが、
パブロはブラッドの異名だと思ってたのに、実は全くの別人で、
ブラッドに騙されて、麻薬王パブロの大麻を盗んだことになっており、
パブロは手下を引き連れて、アメリカまで彼らを追ってきます。
捕まったら絶対に殺されるし、これは大ピンチですが、
とりあえず差し迫ったピンチがもうひとつあります。
彼らは2トンもの大麻を積みながら、急な山道を走っていたため、
キャンピングカーがエンストしてしまい立ち往生するのですが、
そこに通りかかった親切な家族旅行者フィッツジェラルド一家に、
牽引してもらって修理工場まで連れて行ってもらいます。
だけど修理工場は終業しており、開くのは明日の朝なので、
その場で彼らはフィッツジェラルド一家と一緒に野宿することに。
ところがなんとこのフィッツジェラルド一家の主人ドンは、
DEA(麻薬取締局)の元捜査官で…。

結局、フィッツジェラルド一家は何とか誤魔化せますが、
密輸がバレるピンチの他に、もうひとつトラブルも。
それは息子役ケニーとフィッツジェラルド一家の娘メリッサの恋です。
デヴィッドとケニーが、フィッツジェラルド夫妻を警戒する一方で、
ケニーはメリッサと意気投合し、いい雰囲気になります。
ところが童貞で18歳だけどキスの経験もないケニーは、
純情すぎて彼女にキスすることができずに悩みます。
そんなケニーを見兼ねたデヴィッドは、まるで父親のように彼に助言し、
イケイケのニセ姉ケイシーも、彼にキスの手解きをしてあげ、
そこにニセ母ローズまで加わり、キスの猛特訓が行われるのです。
ファーストキスくらい好きな子とさせてあげればいいのに、
ケイシーの親切はちょっと余計なお世話な気もしましたが、
はっきり言ってエマ・ロバーツ演じるケイシーの方が、
ケニーとお似合いのメリッサよりも断然美人だし、
正直ケニーは役得で羨ましい気も…。
更にジェニファー・アニストン演じるローズも練習に加わり、
2人と交互にキスするケニーの状況には、ちょっと興奮しちゃいますね。
ニセとはいえ姉と母だし、なんだか微妙な背徳感もあるシチュで…。
しかしその現場をメリッサに目撃されてしまい、
ケニーはメリッサに嫌われてしまうのです。
でもケニーの恋をみんなで応援するのをキッカケに、
このニセ家族の絆はかなり深まったような気がします。
まぁ本当の家族はキスの練習に付き合うなんて気持ち悪いことはしないけど。

ケニーの破局はあったものの、DEAのドンの目を何とか誤魔化し、
次の日フィッツジェラルド一家に別れを告げて、修理工場へ行った彼らですが、
そこには本物の麻薬王パブロが待っており、彼らは拘束されてしまいます。
「一家全員皆殺し」というパブロに対し、彼らは「本当の家族じゃない」と言い、
ローズが母ではなく本当はストリッパーであることを証明するために、
その場でストリップを披露し、パブロが彼女の踊りに夢中になる隙を突き、
4人はダッシュでキャンピングカーに乗り込んで逃げます。
その件でブラッドに騙されていたんだと気付いたデヴィッドは、
電話でブラッドに抗議しますが、報酬を50万ドルに上げると言われたので、
そのまま大麻密輸の任務は続行することにします。
でもブラッドに大麻を届けるのは今日が期限なので、急がないといけませんが、
ケニーが車内に潜んでいた毒雲にキンタマを噛まれて悶絶し、
治療のため病院に搬送することになってしまうのです。

ケニーを置いてでも、早く大麻を運ぼうと言うデヴィッドに対し、
ローズとケイシーは「冷たい」と反発します。
普通に考えれば、ケニーを入院させて先に進む方が賢明だと思うし、
報酬が受け取れないのでは元も子もないと思うんだけど、
デヴィッドは家族に報酬のことは伝えてないんですよね。
悠長な家族に対し、デヴィッドは口を滑らせ、報酬額を言ってしまうのです。
報酬が50万ドルと聞き、3万ドルで妻役を引き受けたローズはビックリ。
1000ドルで娘役を引き受けたケイシーも激怒します。
(ケニーはもともと好奇心で付いてきただけなので無報酬です。)
ローズとケイシーは「もうやめた」と任務を降りてしまい、
デヴィッドは彼女たちを置いて、ひとりで出発することになります。
しかし本当の家族のように思い始めていた彼女たちを置き去りにしたことを
後悔したデヴィッドはすぐに引き返し、彼女たちと再び合流しますが、
そこでフィッツジェラルド一家とまさかの再会をするのです。

フィッツジェラルド一家に対し、娘メリッサの誤解を解きたいケニーは、
自分たちが麻薬の密輸のために即席で結成されたニセの家族だと明します。
姉や母じゃなくても、他の女性とキスしていたことには変わりないんだから、
何の弁解にもなってないと思うんだけど、ケニーはアホなので仕方ないか。
DEAのドンは「残念だ」と彼らを逮捕しようとしますが、
そこに現れたのは彼らを追っていた麻薬王パブロで、
彼はメリッサを人質にして、「おまえらを皆殺しにする」と言ったので、
デヴィッドは「自分は殺されてもいいが家族は助けてくれ」と懇願します。
まるで本当の家族思いの父親のような姿に感動しました。
しかしパブロは聞く耳を持たず、銃口をデヴィッドに向けたその瞬間、
ケニーの必殺パンチが炸裂し…。
あの終始ダメでアホだったケニーのまさかの行動はホントに痛快でした。
その後、メリッサともキスできて、最後に大活躍ですね。

娘を助けてもらったDEAのドンも、その場は彼らを見逃してあげることに。
仮にも大麻密輸犯なのに、それでいいのかと思いましたが、
それで終わらないのが本作のよく出来ているところで、
デヴィッドはDEAと司法取引したようで、ブラッドに大麻を引き渡す現場に、
ドンたちDEAを踏み込ませて、ブラッドの逮捕に協力するのです。
更に裁判で証言するので、証人保護プログラムが適用されるのですが、
ローズ、ケイシー、ケニーも証言するように取り計らい、
4人で証人保護プログラムを受け、家族として郊外で一緒に住むことになります。
密輸のために結成した短い間だけの即席の家族のつもりでしたが、
その関係をずっと続けていけることになり、ハッピーエンドです。
まぁそれでもニセの家族には変わりないので、
デヴィッドはローズと結婚して本当の家族になればいいのにとも思いました。
でも本当の親がいるケイシーを養子にするのは難しいかな?
(ケニーの親は暫く前に家を出た切り音信不通なので問題なさそうだけど。)
それに家族だけど家族じゃない絶妙な関係というのも楽しそうだし、
逆に本当の家族になるような安易な結末じゃないのがよかったかも。

笑えて、ちょっと感動でき、心温まる良質なコメディで、
かなりオススメなので、劇場には行けなくても、ビデオでもいいので、
是非多くの人に観てもらいたい作品でした。
日本人にはハリウッドのコメディの面白さをもっと知ってもらいたいです。

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