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バイロケーション 表

今年に入って、今のところ5本の映画を観に行きましたが、
昨年の今頃はなら10本は観ていたはずなので、かなりのスローペースです。
今年は鑑賞本数を絞るつもりなので、それでもいいのだけど、
現在スローペースなのは、本数を絞っているからではなく、
ゲームに嵌っているため、映画館に行くのが億劫になっているためです。
近所のシネコンで上映されている映画はすぐに行くけど、
ちょっと足を延ばさないと行けない映画館で上映されている映画は、
ゲームする時間を移動時間に割くのが勿体なくて、
なかなか行く決心が付かないんですよね…。
限られた余暇の中で、ゲームもしたいけど映画も観に行きたい、
相反する気持ちが分離して、バイロケーションが出現しそうです。

ということで、今日はバイロケーションを題材にした映画の感想です。

バイロケーション 表
バイロケーション 表

2014年1月18日公開。
の第17回日本ホラー小説大賞受賞作を映画化したサスペンスホラー。

結婚後も画家を夢見て、キャンバスに向かう日々を送る高村忍(水川あさみ)。ある日、スーパーでニセ札使用の容疑を掛けられたことから、見た目はうり二つだが全然違う別人格の"バイロケーション"(通称バイロケ)と呼ばれるもう一人の自分が存在することを知る。さらに、バイロケはオリジナルよりも攻撃的で……。(シネマトゥデイより)



今年に入るまで、本作を観るつもりは全くありませんでした。
というのも、ジャニーズ主演のアイドル映画と勘違いしていたからで、
そこそこ演技経験を積んだジャニーズのタレントは全く問題ないけど、
正直Jr.とかキスマイとかの若手の演技力にはかなり不満を持っていて、
若手ジャニーズの主演作は観る気が起きないのです。
でも今年になって、たびたび予告編やポスターなどを目にするうちに、
本作が水川あさみ主演だと漸く気が付き、さらに原作小説は、
日本ホラー小説大賞を受賞している列記としたホラー映画のようなので、
ホラー映画好きとしては、俄然観たいと思うようになって観に行きました。
まぁジャニーズjr.の高田翔が準主演というのは気掛かりではありましたが、
存在は浮いているとは思ったけど、演技には然程問題はなかったかな。
マフラーで口元を隠すという演出で、助けられていた感はありましたが…。
もうひとり、キスマイの千賀健永も主要人物で登場していますが、
こちらは存在も浮いておらず、誤魔化しなしでも問題ない演技でした。
若手ジャニーズ起用に対する懸念は杞憂だったわけですが、
本作には更なる懸念がありました。

本作は自分と同じ姿形のもうひとりの自分が出現するという怪奇現象
「バイロケーション(バイロケ)」に襲われる女性の恐怖を描いた物語で、
バイロケとは、簡単に言えば性質の悪いドッペルゲンガーです。
水川あさみ演じる忍は、バイロケ被害に苦悩するわけですが、
問題は本作が「『シックス・センス』を超える、衝撃の結末」と、
予告編などで謳ってしまっている点です。
配給会社が何をアピールしたいのか、言わんとしていることはわかるけど、
それがわかってしまうと重大なネタバレになってしまうんですよね。
「衝撃の結末」を謳うだけでも、オチは大方予想できてしまいますが、
「『シックス・センス』を超える」とまで言及するのはやりすぎで、
本作が『シックス・センス』同様に自分オチということ、
つまりヒロイン自身がバイロケだったとバラシているようなものです。
過去、宣伝でどんでん返し予告をして失敗したホラーは無数にあるのに、
「どんでん返しは予告したら成立しない」という当たり前のことに、
配給会社はいつになったら気づくんでしょうね。
特に本作の場合、ネタ被りの『シックス・センス』を連想させるのは最悪。
それに全く『シックス・センス』を超えてないしね。

さらっとネタバレしちゃいましたが、これは誰でも気付くことだし、
公式のネタバレみたいなものなので、ここでネタバレしても大丈夫なはず。
ただひとつ言いたいのは、オチがわかったからといって、
本作を観に行かないというのは勿体ないかもしれないということです。
物語自体は、アホな配給会社がどんでん返しの予告さえしていなければ、
ボクも終盤まで自分オチだと気付かなかったかもしれない出来で、
なかなか興味深いホラー映画だったと思います。
それに自分オチだとわかって観たとしても、展開までは予告されないので、
どの時点で忍がオリジナルからバイロケに切り替わるかまではわからず、
まさかあそこで切り替わったとは、ボクとしても少し意外な展開でした。

画家になる夢を諦めきれず、コンクールに出す最後の作品に取り組む桐村忍は、
マンションの下の階に越してきた高村勝と親しくなり、結婚します。
自室はアトリエにして、勝の部屋で新婚生活を始めたばかりのある日、
買い物で偽札使用容疑を掛けられ、防犯カメラに覚えのない自分が映っており、
自分の偽物であるバイロケが存在していることに気が付きます。
忍は同じくバイロケ被害に苦しむ刑事・加納に誘われて、
飯塚という男が主催する「バイロケを持つ者たちの集まり」に参加することに。
そこで門倉、御手洗というバイロケ被害者とも出会い、
彼らからバイロケの特性を聞くのです。
でもこの特性というのが、ちょっと納得できない設定で…。

バイロケは同時両所存在ともいい、同一人物が複数個所で目撃されることで、
ドッペルゲンガーと違い、他人と関わることもできますが、
オリジナルの記憶とシンクロしているため、見分けは付きません。
ただし、バイロケの経験をオリジナルが共有することはできないようです。
この一方的な記憶のシンクロには、少し違和感を覚える展開もありますが、
露骨に違和感を覚えるのは、肉体も一方的にシンクロしていることで、
バイロケが怪我をすると、オリジナルも同じところを怪我します。
ところが御手洗が自分のバイロケに襲われた時は、
逆に自分を傷付けて撃退しており、肉体は双方でリンクしているのかも?
と思ったら、門倉がバイロケに刺された時は、一方的なダメージしかなく…。
忍が加納のバイロケにスタンガンを使った時も、オリジナルはやはり平気。
かと思えば、忍が路上で加納のバイロケに殴られた時は、
その場にいなかった忍のバイロケもダメージを受けていたみたいで、
これは一方的なのか、双方シンクロしているのか、かなり曖昧です。
そもそもバイロケを傷付ければ自分にもダメージがあるとわかっているのに、
オリジナルがバイロケを殺そうなんて思うこと自体がおかしいですからね。
バイロケも人生を乗っ取るのが目的でオリジナルを襲うのかと思ってましたが、
オリジナルが死ぬと多少の時間差はあるがバイロケも消えるようで…。
この肉体のシンクロは、展開的にそれほど重要でもないので、
曖昧になるくらいならバッサリ落としてもよかったかも。

更に意味のない妙な設定としては、バイロケ自身は神出鬼没で、
いつ消えるのかわかりませんが、出現したときに持ってる副産物は、
約24分で消えてしまうのだそうで、それだと24分後に全裸になるのでは?
この設定もバイロケの存在を証明するために偽札事件で使われたのみで、
その後の展開的には全く不要で、むしろ何かと矛盾を生じています。
更にバイロケはオリジナルから半径1.5kmにしか存在できないそうで、
これはうまく使えばバイロケ対策に有効な特性のはずですが、
なぜか誰もその特性を利用しようとは思わないんですよね。
例えば忍は、自分のバイロケから夫の勝を守ろうと、家を出るのですが、
上の階のアトリエで別居生活をするだけなんですよね…。
夫から1.5km近づかないだけで、夫を守ることができるのに不思議です。
ただこれは自分オチなので、その忍がすでにバイロケだったようなので、
結果的にオリジナルから離れられず、遠くに行くのは無理だったのですけど。

最も重要な特性、というかバイロケの弱点ですが、
バイロケは鏡や反射する物に映らないようなのです。
なのでオリジナルたちは常に携帯用の鏡を持ち歩き、
お互いに会う時は鏡に映るか確認しあうのですが、
御手洗が、もみ合ってどちらがオリジナルかわからない加納を殺す時に、
鏡で確認することもなく銃撃し、オリジナルを殺してしまうのです。
折角バイロケの唯一の弱点なのに、なぜ利用しないのか理解に苦しみます。
まぁ目の前の人物がバイロケとわかったところで、
バイロケを撃退できるわけでもないんですけどね。
更に、どうやらバイロケ自身の目には鏡に映ったバイロケも見えるようで、
バイロケは自分がオリジナルだと思い込んでいるようです。
ただ、明らかに加納のバイロケだけは、自分がバイロケであると理解し、
バイロケの神出鬼没な能力を使いこなしているように見えますね。
というか、24分で持ち物が消えたら、気付きそうなものですが…。

最初の脅威となる加納のバイロケが凶暴な性格だったため、
バイロケは凶暴なものなのかと思ってしまいますが、実はそうでもなく、
オリジナルの相反する感情が分離することで生まれる怪奇現象なので、
場合によってはオリジナルの良心から生まれることもあり、
その場合はむしろオリジナルよりもマトモな性格かもしれません。
子供を思う気持ちから生まれた門倉のバイロケなどがそうですね。
…あれ?門倉のバイロケはどっちでしたっけ?
なんだか後半は込み入っていて、ちょっと混乱しちゃってるかも。
バイロケは分離した感情に特化しているため、キャラが濃くなるのですが、
なぜか忍の場合はオリジナルの方が極端な性格だったと思います。
ところで、御手洗のバイロケは、どんな感情の分離で生まれたんでしょうね。
見た感じどちらもチャラ男で、全く差異がないように思いますが…。

バイロケ集会を主催する飯塚ですが、実は彼自身はバイロケ被害者ではなく、
死んだ妻がバイロケ被害者だったようなのです。
というか、死んだ妻がバイロケそのものだったみたいで、
オリジナルが幸せそうなバイロケを妬み自殺して、妻も消滅したため、
そんな悲劇が二度と起こらないように、表向きはバイロケ対策を謳いますが、
実際はバイロケと共存できる世界を作ろうと、バイロケを守っています。
(なぜバイロケがオリジナルと錯覚するように仕向けるのかわかりませんが。)
飯塚はオリジナルの集会とは別に、バイロケの集会も主催しており、
バイロケの集会の方にだけ、加賀美という少年を参加させて、
加賀美の存在を知っているか否かで、バイロケとオリジナルを見分けています。
記憶の一方的なシンクロを利用した方法ですが、
なぜオリジナルが加賀美という少年を知らないことはわからないのでしょうね。
ちょっと都合がよすぎる気がしますが、最も都合がいいのは忍の記憶です。

桐村忍が感情の分離を起こしてバイロケを出現させたのは、
後の夫である高村勝と出会った本作の冒頭だったようです。
ボクもどこかで忍がバイロケに切り替わるとは思ってましたが、
まさかここまで初っ端とは思わず、オチを知った時は少し驚きました。
勝と出会った時というか、正確にはオリジナルは彼とは出会わず、
バイロケだけが彼と結婚し、高村忍となるのです。
そこから登場する忍は、シーンによってバイロケの高村忍だったり、
オリジナルの桐村忍だったりするわけですが、思い返してみても、
どのシーンがどちらだったのかは、完全に把握できませんでした。
でもバイロケの加納と絡むところ以外は、ほぼバイロケの高村忍かな。
高村忍は、自分がオリジナルだと思い込んでいますが、
設定ではオリジナルの桐村忍の記憶もシンクロしているはずですよね。
方や既婚、方や未婚では、生活も全く違うはずなので、
未婚のオリジナルの記憶とシンクロしていたら、さすがに気付くでしょ。
高村忍が桐村忍とシンクロしたと思えたのは、全て判明したラストシーンで、
飛び降り自殺する桐村忍の感情を読み取って泣いた時と、
桐村忍が吸ったタバコの味を感じる肉体的なシンクロだけです。
(やっぱり肉体的シンクロは双方向ってことになりますね。)

でも自分オチの物語には多少の矛盾は付き物なので、
この程度のことであれば看過すればいいのかもしれません。
バイロケが出現する時に、目玉が回転する演出も不気味でよかったし、
集会が開かれる洋館に飾ってある人形(ポスターのやつ)も雰囲気があって、
映像的にはなかなか見応えのあるホラー映画で、楽しめました。
『リアル鬼ごっこ』新三部作(3~5作目)など、駄作ホラーの多い、
安里麻里監督の新作だったのも懸念していたのですが、それも杞憂でした。
実は本作も三部作ではないけど、「表」と「裏」の2バージョンあり、
本作は「表」で、「裏」は来月1日に公開となります。
「表」と「裏」があると知った時は、てっきりバイロケ視点の話と、
オリジナル視点の話になっているのかと思ったり、
「裏」は加賀美の視点の話になるんじゃないかと思ったものですが、
どうもそんなに大きな違いがあるわけでもなく、たぶん結末が違うだけで、
あとはほとんど同じ内容ではないかと思われます。
本作はホラー映画らしいバッドエンドなので、それと異なる結末であれば、
たぶんハッピーエンドになることが予想されます。
ハッピーエンドが好きな人は「裏」を待った方がいい気がします。
結末が違うだけなら、ボクはわざわざ「裏」も観ることはないかな。
でも本作は展開的に曖昧なところが多いため、やりようによっては、
高村忍がオリジナルというオチにも出来そうなので、
もしそれくらい差があれば、「裏」もちょっと観てみたいかも…。
どちらにしてもレンタルビデオで見ると思うけどね。

コメント

初めてコメントします。バイロケーションのネタバレをさがしていたら、ここに辿り着きました。映画は昨日観ました。
映画はツッコミどころ満載でおかしなところが多々あるのですが、それを承知の上で納得いかないところがあります。
高村忍は、途中からアトリエの6階にうつりましたよね、夫を守るために。その際、6階の桐村忍はどうなったのでしょう。二人が6階に同居していたのでしょうか。
同じ部屋にいて「会わない」。ここが引っ掛かります。私が何かを見過ごしたのか。些細なことかもしれませんが。
BLRPNさんの見解が聞きたくてコメント書きました。よろしくお願いします。

  • 2014/01/23(木) 14:43:26 |
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  • ヒロシ #-
  • [ 編集 ]

はじめまして。

この点はボクも不思議に思いました。
どう考えてもおかしな展開ですが、無理やり辻褄を合わせるとすれば、
飯塚(と加賀美)は高村勝と桐村忍が出会わないように、
ずっとマンションを監視していたはずなので、
そのついでに高村忍がアトリエにいる時は、
桐村忍が部屋に帰らないように足止めしていたのでしょう。
それでも筋の通らないことは多すぎますけど…。

  • 2014/01/23(木) 23:41:40 |
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  • BLRPN #-
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