ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ウォーキング with ダイナソー

テレビドラマ版『チーム・バチスタの栄光』が、
完結編を劇場版にするそうで、ショックを隠せません。
映画版シリーズは2009年に2作目まで公開されましたが、
ボクはそれが大好きで、いつか続編も製作されると信じていました。
後発のテレビドラマ版も何度か見ましたが、
映画版が大好きだからマガイモノにしか見えず大嫌でした。
というか、テレビドラマ版の主人公コンビを演じるのは伊藤淳史と仲村トオルですが、
ボクは伊藤淳史の顔も体格も喋り方も演技も超苦手で…。
それに対し映画版の主人公コンビは竹内結子と阿部寛ですよ。
比べるまでもなく人気もビジュアルも演技力も映画版のキャストの方がいいです。
そんな悲惨なキャストのテレビドラマ版が劇場版化されることにより、
映画版の続編が制作される可能性はほぼ潰えたように思えてしまいます。

昨今は少しでも人気のあったテレビドラマの続編は劇場版になるけど、
映画館は映画を流す場であり、テレビ局の有料チャンネルじゃないのに、
なぜテレビドラマの完結編を劇場版にしなきゃいけないのか…。
テレビドラマは最後までテレビでやればいいです。
…というかそれが視聴者に対しての礼儀ですよ。
無料で釣って途中から金を取るなんて、ソーシャルゲームのような悪徳商法を、
国から認められた放送事業者がやるなんてどうかしてると思います。
今後も劇場版ばかり作って、本業のテレビ事業を蔑ろにするのであれば、
もう映画製作会社になって放送免許を総務省に返上しろよ。

ということで、今日はイギリスの番組の劇場版の感想です。

ウォーキング with ダイナソー
Walking with Dinosaurs

2013年12月20日日本公開。
イギリスBBC EARTHフィルムズが製作した恐竜アドベンチャー。

現代より気温が多少高めで、生物の生息条件が整っていた7,000万年前の白亜紀後期のアラスカでは、多種多様の恐竜たちが暮らしていた。草食恐竜パキリノサウルスの群れでは次々と卵がふ化し、新しい命が生まれる。群れの中で体が一番小さなパッチは兄弟たちに押しのけられ、親がかみ砕いて与えるエサになかなかありつけずにいた。(シネマトゥデイより)



ネイチャードキュメンタリー映画『ディープ・ブルー』や『アース』などを手掛けてきた
イギリスのBBC EARTHの新作ネイチャードキュメンタリー映画『ネイチャー』が、
来年のゴールデンウイークに世界に先駆けて日本で最速公開されるそうです。
きっと日本人はネイチャードキュメンタリー映画が好きだと思われているからでしょうね。
たしかに『ディープ・ブルー』も『アース』も、日本でも興収は世界1~2位を争います。
でも、日本では地上波であまりネイチャードキュメンタリーがないので、
観たい人は映画館に行くしかないけど、たぶん外国人は映画館に行ってまで
ネイチャードキュメンタリーを観ようとは思わないだけかも。
まぁ日本でネイチャードキュメンタリー映画が当たりやすいのは間違いないことですが。

そんなネイチャードキュメンタリーに定評のあるBBC EARTHが製作した本作は、
ネイチャードキュメンタリーではなく、白亜紀後期を3DCGで再現したアニメーション映画です。
おそらくほとんどの風景は実写で、現在の地球上のどこかで撮影されたものでしょう。
そこにCGIで作った太古の生物たちを合成しているものと思われます。
ネイチャードキュメンタリーに定評のあるBBC EARTHですが、
正直アニメーション技術はもうひとつかもしれません。
作中の恐竜たちの質感がどうにも作り物っぽい気がするんですよね…。
まぁ本当の生きた恐竜なんて誰も見たことないから、本当にあんな質感なのかもしれないけど、
正直『ジュラシック・パーク』の恐竜たちの方がよく出来ていました。
あと脚本も、あまりにシンプルすぎる気がしました。
ネイチャードキュメンタリーなら、動物の自然な姿を見せるだけでドラマチックになるけど、
アニメーションになると、もっと脚本を頑張らないとドラマチックにはなりません。
どれだけ頑張っても本物の恐竜ではないんだから、ただそれが映ってるだけではダメですよ。

本作は最新の学説や科学的検証を基に恐竜や白亜紀後期を描いているらしく、
その点はネイチャードキュメンタリーに定評のあるBBC EARTHらしいと思いますが、
「あり得る話にしなければいけない」という縛りのせいで、
脚本が冒険できなくなってしまっているようにも思います。
それに最新の学説と言っても、パラダイムシフトと言えるほど目新しいものはなく、
「恐竜は鳥の祖先だ」とか「恐竜は子育てしていた」とか、
ボクが子どもの頃からすでに判明していたことばかりです。
まぁ珍しいことと言えば、本作ではこれまで恐竜もの映画ではあまり描かれなかった、
羽毛恐竜がけっこう出てくることくらいですかね。
中生代で最も頭がいいと言われるトロオドンや、歯のない嘴を持つキロステノテス、
近年認定された新種ヘスペロニクスなどが羽毛恐竜として描かれます。
たぶんそんな珍しい羽毛恐竜が本作の最もアピールしたいポイントだと思われますが、
そのためにトロオドンやヘスペロニクスが生息していた白亜紀後期が舞台に選ばれたのでしょう。

でもコアな恐竜ファンならいざ知らず、普通の恐竜好きや子供たちにとっては、
白亜紀後期の恐竜なんてあまり馴染みがありません。
ティラノサウルスとかトリケラトプスとかラプトルとか、
有名な恐竜が登場するのはもう少し後の、白亜紀末期になりますが、
普通の人はそんな有名な恐竜の活躍を期待しちゃいますよね。
本作の主人公はパキリノサウルスですが、ボクも初めて聞くマイナーな恐竜です。
角竜ですが角が短く、トリケラトプスなど他の角竜に比べても地味で、
なんでこん微妙な恐竜を主人公に選んだのだろうと不思議に思います。
どうやら羽毛恐竜トロオドンがパキリノサウルスの巣を荒らしていたらしいという学説から、
そのシーンを再現したいがためだけにパキリノサウルスを主人公にしたような印象です。
それなら素直にトロオドンを主人公にした話にすればいいと思うんだけど…。
大型肉食恐竜も大人気のティラノサウルスではなく、ゴルゴサウルスです。
ティラノサウルスの仲間で、それなりに有名ではあるけど、ちょっと微妙かな。
作中で子供が喜びそうな恐竜はアンキロサウルスくらいです。

それに作中のゴルゴサウルスには羽毛がないけど、本当はどうだったかわかりませんよね。
トロオドンやヘスペロニクスと同じ獣脚類なんだから、羽毛があった可能性は高いです。
最新の科学的検証を基に白亜紀後期を再現したなんて言われると、
逆に考証的に違和感を覚えるところも散見されます。
特に気になったのは主人公パリキノサウルスたちの個体差です。
あまりに角の形とか違いすぎて、これはもう別種だろうと思ってしまいます。
まぁ年齢とか環境によって差は出るとは思いますが、
同じ年に生まれて同じように育ったパリキノサウルスの兄弟、
スカウラーとパッチが、あんなに差があるのは絶対におかしいですよ。
特に兄スカウラーの方は、大人になったら妙な柄が付いていて、
他のパリキノサウルスと一線を画すくらいの風貌になっちゃってます。
キャラを区別するために仕方ない部分もあるけど、考証的に大丈夫なのかと思うし、
ドキュメンタリー的なリアリティを追求するのか、
それとも単なる恐竜アニメとして描くのか、中途半端な感じがします。

主人公の恐竜が喋ることにしたってそうです。
恐竜が喋るはずないんだから、ネイチャードキュメンタリーのように、
本作も状況説明的なナレーションだけでいいと思います。
しかも恐竜全部が喋るのではなく、台詞がある恐竜は主人公のパッチと、
兄のスカウラー、ガールフレンドのジュニパーのパキリノサウルス3頭だけで、
他のパキリノサウルスや恐竜たちは吠えることしかできません。
あと話せるのは原始的な鳥の一種アレクソルニスのアレックスだけですが、
アレックスはパッチの親友で、会話で意思疎通もできるんですよね。
パリキノサウルス同士が話せるのはいいとしても、鳥と恐竜が話せるのは…。
しかもパッチの日本語吹替えを担当したのはトンネルズ木梨憲武。
『ファインディング・ニモ』でアニメの吹替えにも定評がある彼ですが、
パッチの声のキャストとしてはどうなんでしょうか…。
台詞の問題もありますが、どうにも緩い穏やかな喋り方なので、
本来は第自然の厳しさを描いたサバイバルな物語なのに、全く緊張感がなく…。
群れでの仲間同士の戦いや、大型肉食恐竜に襲われても全然ハラハラしないんですよね。
まぁそれは木梨憲武演じるパッチに限らず、プロの声優のスカウラーとジュニパーも同様で、
どうにも恐竜を扱った子供向け教養番組を観ているような温い印象を受けます。
あと、地味にダメだろうと思ったのは、恐竜名を紹介するナレーションを務めた鈴木福くん。
可愛い声なのはいいけど、あんな舌足らずな子に恐竜名教えてもらっても聞き取りにくいよ。
プテロサウルスの紹介の時に、正式名ではなく「翼竜」と端折って紹介したのは笑えたけど。

物語はかなりシンプルで、パリキノサウルスの群れの中でも一際小さかったパッチが、
季節の移り変わりに合わせて大移動する中で、ゴロゴサウルスに両親を殺されたり、
渓流に流されて群れからはぐれたり、メスの奪い合いで兄スカウラーと対立したりしながら、
最後は群れを襲ってきたゴロゴサウルスの倒して、群れのリーダーになるという話です。
「草食恐竜は群れで大移動する」という学説を踏襲した物語なわけで、
そのあたりはリアリティがあると言えるのかもしれませんが、
何度も群れを逸れたパッチたちが、毎回群れに合流できるという展開は出来すぎで、
どうにもリアリティに欠け、そんなに白亜紀の自然は甘くないだろと思います。
大人になってからは脅威となる肉食恐竜もゴルゴザウルスだけだし、
捕食シーンもちゃんと描いていないので、なんだか温いです。
せっかくアラスカが舞台なんだから、寒さで凍死しそうになる展開があってもいいし、
仲間が死ぬなど、もっと命の危険を感じるようなシーンがあった方がいいです。
厳しい大自然を撮り続けたBBC EARTHとは思えないマイルドな内容にガッカリでした。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1197-69477180
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad