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ブリング・リング

映画の鑑賞本数の自己最高記録は年200本でしたが、
今年は11月の時点で200本を越えたので、
キリがいいところで月平均20本計算で年240本映画を観るつもりでいました。
ところが今日感想を書く作品で映画館で鑑賞した映画241本目になってしまいました。
なので今年は年250本観る予定に変更しました。(250もキリがいいので。)
映画なんて本数観ればいいってものではないのはわかってますが、
映画ファンを自負するからには、映画を語る上では観た本数も意味があります。
プロの映画評論家や映画ライターよりもボクの方が映画を観てるので、
ファンとしてそこは誇ってもいいんじゃないかなと思います。
でも、それが誇れるのは同じ価値観のファン同士の間だけで、
普通の人に対して「年200本映画観た」なんて恥ずかしくて言えません。
バカにされるのはわかっているからです。

漫才の賞レース『THE MANZAI 2013』があり、出場した「学天即」の漫才の中で、
「年300本映画観ると自慢する奴は嫌い」「毎日暇ですと言ってるのと一緒だ」
というようなネタがあり、グサッときましたが、それが普通の人の感覚なのでしょう。
ボクはDVDなども含めれば年300本は越えていますが、別に毎日暇ではないです。
まぁ本当に忙しい人に比べたら暇かもしれないけど、普通に仕事もしてます。
映画を観ている分、テレビを見てないだけなので、
テレビを日に何時間も見る人の方が、よほど暇だと思います。
趣味に年600時間以上かける人なんてザラにいるのに、なぜ映画だと暇人扱いされるのか。
結局、学天即は審査員から1票も入らず敗退し、少し気が晴れました。

ということで、今日は今年241本目の映画の感想です。

ブリング・リング
The Bling Ring

2013年12月14日日本公開。
ソフィア・コッポラ監督が実際の窃盗事件を映画化した異色青春ドラマ。

セレブの豪邸が立ち並ぶ高級住宅街カラバサス、華やかな生活に憧れを抱くニッキー(エマ・ワトソン)ら5人の少年少女たちは、パリス・ヒルトンやオーランド・ブルームなどセレブの豪邸をインターネットで調べ、留守宅への侵入と窃盗を繰り返していた。それはほんの悪ふざけのつもりだったが、やがて彼らは後戻りできないところにまで足を踏み入れてしまう。(シネマトゥデイより)



今年のカンヌ国際映画祭で初上映された本作。
制作には日本の資本もいくらか入ってるみたいで、米仏英日独合作だそうです。
そのお陰なのか、世界的にそれほど注目された作品でもなさそうだけど、
日本ではそこそこ大々的に公開してくれたのは、ありがたかったです。
内容もなかなか興味深くて、楽しめました。

本作は、ハリウッドセレブが邸宅を構える高級住宅街カラバサスで、
セレブたちの華やかな生活に憧れるレイチェルら少年少女は、
いたずら半分にセレブの豪邸をインターネットで調べ、
空き巣を繰り返してブランド物を次々と盗み出していくが…。
という話で、米ロサンゼルスで、セレブの邸宅を標的に窃盗事件を繰り返し、
総額300万ドルもの被害を出した実際のティーン窃盗団「ブリングリング」の顛末を
センセーショナルに描いた青春ドラマです。
実在の窃盗団は警察に捕まり、そのメンバーが「ヴァニティ・フェア」誌の取材に応じ、
同誌に「容疑者たちはルブダンを履いていた」という記事が掲載され、
それを読んだ監督が「まるで映画のようなストーリーだ」と思って映画化したそうです。

しかしその監督というのが、ソフィア・コッポラですからね。
映画界の名門コッポラ家出身の生まれながらの超セレブの彼女には、
セレブに憧れる10代の少女たちの心境なんてわかるはずもなく、
そんな子たちの青春ドラマなんて撮れるはずがありません。
実際、彼女自身も「登場人物に同情できない」と語っており、
青春ドラマとして観るのは、ちょっと無理があるように思います。
ただ、単なるセレブではなく、名家のお嬢様であるソフィアにかかれば、
被害者のセレブたちだって所詮は成り上がり者。
リアリティ番組出身のオードリナ・パトリッジはもちろん、
ミーガン・フォックスやリンジー・ローハンなんてゴシップまみれの恥晒しだし、
パリス・ヒルトンは生まれながらのお嬢様ですが、
やはりリアリティ番組で私生活を切り売りする俗物です。
生粋のセレブであるソフィアからすれば、そんな成金や俗物のセレブは、
ティーンの窃盗団以上に軽蔑すべき存在だと感じるでしょう。

本作は青春ドラマとしては見れませんが、
そんな残念なセレブ達が稚拙な少女らの窃盗被害に遭うところを滑稽に描き、
そいつらをまとめて小馬鹿にしようというクライムコメディだと思います。
その点では、ボクはセレブではないし、窃盗団のようにセレブに対する憧れもないので、
「登場人物に同情できない」ということではソフィアと同じです。
なので滑稽な事件として「世の中にはこんなアホがいるんだな」と、
客観的に楽しんで観ることができました。
パリスなんて劇中でも下品な家を馬鹿にされているのに、
本作の撮影のために自宅を提供してるんだから笑っちゃいますね。
ティーン窃盗団の少女たちが、セレブ邸宅内での記念写真や、
盗品を身に付けた写真を自慢げにSNSにアップするアホすぎる行動が描かれますが、
リアリティ番組に出たり自宅を公開したりと、プライバシーを垂れ流すセレブたちも、
ある意味では窃盗団のアホの子たちといい勝負の低脳さですね。
きっとそんな彼女たちの行為はソフィアには理解できないと思うし、
それは大抵の観客も同様だと思うので、本作を観た多くの人は、
劇中のセレブや窃盗団の滑稽さを、コメディとして面白がれると思います。
ボクはソフィアの監督作は、ちょっとお高くとまった印象があって苦手でしたが、
本作は立ち位置こそ違えど同じ目線で観ることができたので、最も楽しめました。

無名の若手キャストが多いためか、
日本ではニッキー役のエマ・ワトソンが主演のように扱われていますが、
実際の主人公はマークという男子高校生です。
彼は自分の容姿にコンプレックスを持っており、前の学校を不登校で退学になり、
代替教育を行うカラバサスの高校に転校してきました。
登校初日から同級生に「キモい」だの「ダサい」だの言われ仲間外れにされますが、
レベッカだけは彼に優しく接してくれ、遊びに行こうと誘われます。
うーん、なんでレベッカがマークに関心を持ったのか全くわかりませんでしたが、
マークも別にブサイクというほど容姿に問題があるわけでもないです。
マークがレベッカに恋をするボーイ・ミーツ・ガールな展開かと思ったのですが、
彼はレベッカが好きですが、それは妹に対してのような感情のようで…。
というのも、劇中で明言はされていませんが、彼はどうやらゲイみたいなんですよね。
レベッカとも女友達同士の付き合いみたいな感じのようです。
心が女性であれば、男の容姿に対してコンプレックスを持つのもわかる気がします。

レベッカは日常的に万引きや車上荒らしをしています。
さすがは中国系アメリカ人だけあって、遵法心が薄いんだろうなと思いましたが、
レベッカのモデルの子は、善悪の分別が付かない精神疾患を持っていたそうです。
ある日、彼女から「留守の家を知らないか」と聞かれたマークは知人の家を教え、
2人で空き巣に入ることになり、そこで高級バックや現金を盗み、
大胆にもその家のポルシェで街に出掛け、盗んだ金でショッピングします。
その夜、キルスティン・ダンストやパリス・ヒルトンも常連のバーに行き、
そこでレベッカは友達のニッキー、サム、クロエをマークに紹介します。
この5人が、後のティーン窃盗団「ブリングリング」の主要メンバーです。

前述のようにニッキー役は『ハリポタ』のハーマイオニーことエマ・ワトソンですが、
優等生キャラの彼女が、窃盗団のメンバーのひとりというのは少し違和感があります。
でもニッキーはちょっと変わった子で、逮捕された後、雑誌の取材に対して、
「事件は人生の学びの場だった」とか「私はチャリティ活動に熱心だ」とか
「将来は指導者になりたい」みたいなことを平然と言ってのけます。
普段からオーディションを受けたりと、有名になりたいという思いが強い子で、
こんな事件についてのインタビューでさえ、世に出るための自己PRに使うのですが、
そんな自意識過剰なところは、ハーマイオニーに通じるものがありますね。
でもエマ自身は「役に全く共感できない」と言っており、
それならこんなリスキーな役は受けない方がよかったと思います。
監督もはじめは彼女を起用する気はなかったみたいなのですが、
「彼女の役に対する熱意がすごかった」という理由で起用したそうだけど、
なんだか話が食い違ってますよね。
結局、やはり少しミスキャストな気はしましたが、マーク役もレベッカ役も新人なので、
主要キャストにどうしても人気女優がひとりほしかったのでしょう。

ネットの情報でパリス・ヒルトンがベガスのパーティに出席すると知ったレベッカは、
マークを誘ってパリス邸に空き巣に行きます。
留守だからって簡単に空き巣なんてできるはずがない、と思いきや、
なんとパリスは玄関マットの下に鍵を隠しており、簡単に侵入成功します。
大豪邸なのに、そんなベタなところに鍵を隠すなんて不用心にもほどがあります。
留守番の人もいないみたいですが、ハリウッドセレブの邸宅って意外とそんなものなの?
中はブランド品の服や靴や貴金属が大量に置かれてます。
2度目はニッキーたちも誘って盗みに入るのですが、かなり盗まれてるのに、
パリスは全然気付かないみたいで、計8回も窃盗被害に遭ってるんですよね。
鈍いにもほどがあるが、彼女にとっては高級ブランド品も1~2度着るだけだろうし、
そんなものが数百万ドル分減ったところで、気にも留めないのかも。
レベッカが飼い犬を盗もうとした時は、さすがにマークも止めましたが…。

パリス邸での成功に気をよくしたレベッカとマークは、
次にオードリナ・パトリッジ邸に盗みに入ることに。
セレブもプライベートをネットで垂れ流すのはいいけど、
自分がいつ留守になるか泥棒たちに教えてるようなものですね。
オードリナ邸はほとんどガラス張りなので、外から中の様子が丸見えで、
この窃盗シーンは遠くから邸宅を映した俯瞰映像で撮られ、
なかなか面白い演出だと思いました。
まぁパリス邸と違い、これは本物のオードリナ邸ではないはずですが…。
オードリナ邸には防犯カメラがあり、後にその映像がネットで公開されてしまいます。
彼女はパリスほど金持ちではないから、パリスほど不用心でもなかったのですね。
まぁ家に侵入を許している時点でやっぱり不用心かも…。

次に2人はニッキーたちも誘って、ミーガン・フォックスの家に盗みに入ります。
ミーガンはちゃんと施錠していたみたいですが、なんとペット用のフリードアから、
ニッキーの13歳の妹を侵入させて鍵を開けさせるのです。
そんな子供まで利用するなんて、とんでもないやつらですが、
やっぱり人が潜れてしまうペットドアを設置するミーガンも不用心です。
彼女の家には、ブランド品だけではなく、抗不安剤や拳銃まで発見します。
なんだか彼女らしいと思いましたが、拳銃を盗まれるのはヤバイでしょ。
何かの事件に使われでもしたら大変なことになります。
盗んだのはクロエですが、その前にも派手な交通事故起こしてるし、
窃盗団の中で一番危険人物で、彼女が拳銃で悪ふざけするシーンはハラハラしました。

次に彼女たちはオーランド・ブルーム邸に忍び込みます。
今まで女性セレブの家ばかりだったのに、ちょっと毛色が違う気がしますが、
オーランド・ブルーム狙いというよりは当時恋人だったミランダ・カー目当てかな。
(その後オーランドとミランダは結婚し、先達て離婚しましたね。)
マークはそこでロレックス7本を盗み、例のバーの経営者に捌いてもらいます。
盗品だからと、たったの5000ドルで買い叩かれますが、
盗品と知ってて買うなんて、このバーの経営者も相当な悪人です。
彼女たちと違って大人なのが性質が悪いですね。
ちなみに彼女たちは盗んだバッグなどをバザーで売ったりもしています。

窃盗団は彼女たち5人だけではなく、たまにサムの恋人が加わったりもします。
その頃には謎の窃盗団「ブリングリング」としてニュースにもなったりしますが、
ついにオードリナが防犯カメラの映像をネットで公開し、彼女たちも戦々恐々に…。
ところがレベッカはノリノリで、次はレイチェル・ビルソン邸に盗みに入ります。
それも難なく成功してしまったことで、彼女らは安心しきってしまいます。
そしてレベッカは、ついに大ファンであるリンジー・ローハン邸にも侵入するのです。

盗品でお洒落をして、盗んだ金で豪遊する彼女たち。
彼女たちはセレブの家から盗んだことを自慢げに話しているので、
仲間内では彼女たちが巷を騒がせる窃盗団であることは有名です。
中には羽振りのいい彼女たちを妬む友達もいて、匿名で警察に通報されてしまいます。
まずマークが捕まり、ニッキーもクロエも捕まります。
主犯格レベッカは逮捕を察知したのか、リンジー邸侵入後に姿を晦ませますが、
マークが警察に協力したことで捕まってしまいます。
レベッカは家宅捜索されても大丈夫なように盗品をマークに預けていたのですが、
大ファンのリンジーの服だけは持っていたようで…。
でもサムだけは防犯カメラに映ってなかったので難を逃れます。
ほとんど窃盗には参加してないサムの恋人は捕まったのに…。
確実に窃盗を立証しないと罪は全く問えないんですね。
レベッカも最低でも15件も窃盗しているのに立件されたのは4件のみ。
無罪を主張したニッキーに至っては、1件しか立件されませんでした。
総額300万ドル以上の被害を出したのに、求刑も意外なほど軽くてビックリです。
マークやニッキーなんて、むしろ有名になれて喜んでるくらいで…。

普通なら犯罪者に甘すぎるとムカつくところですが、
それ以上に被害者のセレブたちのあまりの不用心さが滑稽で、
これでは被害に遭っても仕方がないなと思っちゃうんですよね。
被害者のセレブにも特に好きな人はいないというか、むしろ嫌いな人が多かったしね。
もちろん窃盗団を英雄視はせず、バカな若者としか思えませんが、
盗まれる方もバカすぎるので、バカがバカから盗むバカバカしい話で、
こんな冗談みたいなことが実際に起きたということが興味深かったです。
なかなか面白い作品でした。

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