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ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE

『ルパン三世』が実写化されるそうですが、
世間からはそのキャスティングにすでに懸念の声が上がっています。
ルパン役に小栗旬、次元役に玉山鉄二、五ェ門役に綾野剛、不二子役に黒木メイサ、
銭形役に浅野忠信となるそうで、これではファンが嘆くのも無理からぬこと。
といっても、他に誰がキャスティングされたところで懸念されるのは同じでしょう。
どう考えても実写化すること自体が無謀な作品ですからね。
でも、駄作になるのは仕方ないが、コケないようにキャスティングすることはできたはず。
簡単に言えば『怪物くん』がいい例で、その出来は悲惨極まりないものでしたが、
主演の大野智の人気だけでヒット作になってしまいました。
その点、『ルパン三世』の実写化はどうかと言えば、
小栗旬、玉山鉄二、綾野剛、黒木メイサ、浅野忠信が主要キャストの映画では、
例え『ルパン三世』の実写化でなくてもコケるのは必至です。
記録的失敗作『ガッチャマン』がいい例で、あの映画は内容の酷さもさることながら、
松坂桃李主演、ヒロイン剛力彩芽では、逆に傑作でもヒットしませんよ。
まぁこんなリスキーな実写化企画に、人気俳優が出演したがるとは思いませんが…。
現に妻夫木聡や綾瀬はるかは出演依頼を辞退したとの噂も…。

ということで、今日は実写化してない『ルパン三世』の感想です。
『名探偵コナン』とのクロスオーバー作品ですが、そういえば小栗旬って、
実写版『名探偵コナン』でコナン(工藤新一)役もしてましたよね。

ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE
ルパン三世VS名探偵コナン

2013年12月7日公開。
『ルパン三世』と『名探偵コナン』のクロスオーバー作品。

米花町の銀行に保管されているチェリーサファイアを強奪したルパン三世。銭形警部らの追跡を巻いたルパンは、謎の男アラン・スミシーと電話で連絡。同じ頃、超人気アイドルのエミリオが美人マネージャーのクラウディアを伴い来日。その際、コナンはエミリオのボディーガードをしている人物が、ルパン一味の次元大介だと見破る。そんな中、エミリオに脅迫状が届き……。(シネマトゥデイより)



本作はモンキー・パンチ原作の『ルパン三世』と青山剛昌原作の『名探偵コナン』の
クロスオーバー作品ですが、両作品のクロスオーバーは、
2009年に日本テレビ「金曜特別ロードショー」で放送されたSPアニメに続き二度目です。
クロスオーバーといえば、一作年は『アベンジャーズ』が記録的大ヒットしましたね。
再来年には『スーパーマンVSバットマン(仮題)』も公開予定で大ヒット間違いなしです。
他にも『フレディVSジェイソン』『エイリアンVSプレデター』なども人気がありました。
日本でも『劇場版イナズマイレブンGO vs ダンボール戦機W』や
『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』など、
アニメや特撮ヒーローものでのクロスオーバーが盛んに製作されるようになりました。
やっぱり人気作同士の共演というのはファンには堪りませんよね。

本作も『ルパン三世』『名探偵コナン』共に超有名なアニメです。
しかし、対等なクロスオーバーではなく、知名度は両作品とも抜群ですが、
おそらく人気は『名探偵コナン』の方が圧倒的に上だと思われます。
『名探偵コナン』は毎年劇場版が作られ、常に大ヒットを記録していますが、
『ルパン三世』は1996年を最後に劇場版は製作されず、
年一回ペースで新作長編がテレビ放送されるだけになってしまっています。
たぶん『ルパン三世』の単独劇場版ではコケるのは間違いなく、
人気作品『名探偵コナン』の力を借りて、『ルパン三世』の人気を再起させ、
あわよくば毎年新作を劇場公開しようと目論むフックアップ企画でしょう。
『ルパン三世』の実写映画化にまで手を出していることからも、
日本テレビが『ルパン三世』の再起に躍起になっているのは想像に難くないですが、
実写化が失敗するのは明白で、もし本作で『ルパン三世』が人気を取り戻しても、
実写映画が公開された途端に消沈するのは間違いないでしょうね。
というか『ルパン三世』なんて既に時代遅れのオワコンなので、
いくら『名探偵コナン』でフックアップしても再起は無理でしょう。
本作を観る客もほとんどが『名探偵コナン』目当てだと思われますが、
『ルパン三世』に興味が持てない『名探偵コナン』ファンのマイナス分だけ、
単独劇場版『名探偵コナン 絶海の探偵』よりも動員数は落ちると思われます。

斯く言うボクも『名探偵コナン』は好きで、毎年GWに劇場版を観に行ってますが、
『ルパン三世』は嫌いなわけでもないけど、興味がありません。
子供の頃にテレビシリーズの再放送はよく見ていましたが、
新作は絵柄やキャラの声に違和感を覚えたので、ほとんど見なくなりました。
(単独長編は『ルパン三世 カリオストロの城』しか記憶に残ってないです。)
それこそ久々に見たのは2009年に放送された『ルパン三世VS名探偵コナン』で、
それはなかなか面白かったですが、やっぱり『名探偵コナン』目当てです。
で、この度、劇場版として再びクロスオーバーが実現するということで、
その予習として、本作公開二週間前に「金曜ロードSHOW!」にて放送された単独長編
『ルパン三世 princess of the breeze ~隠された空中都市~』を見ました。
しかし『天空の城ラピュタ』のパクリとしか思えない内容と、作画と声の酷さに愕然とし、
「やっぱり『ルパン三世』なんてオワコンだな」という思いが強まり、
本作に対しても強い懸念を感じてしまいました。
とはいえ、年に二回も『名探偵コナン』の劇場版が観れるのは幸せですし、
いつものGW映画としてではなく、別に製作してくれたのはとてもありがたいことです。
やっぱり日本テレビも『名探偵コナン』の単独劇場版シリーズの方が大切で、
そこではクロスオーバーなんて冒険はできないと考えたのでしょう。

『名探偵コナン』に対する期待と『ルパン三世』に対する懸念が交錯する中、
いざ観てみたのですが、残念ながら懸念の方が当たってしまったと思われます。
正直、これほど出来が悪いとまでは懸念していませんでした。
作画は単独長編『ルパン三世 princess of the breeze』に比べたらマシですが、
いつもの『名探偵コナン』の劇場版に比べると、かなり手抜き。
冒頭のチェリーサファイア盗難事件のアクションシーンはかなり頑張ってはいますが、
それ以降はテレビアニメ並の映像で、前作のテレビ版と同程度です。
その冒頭のシーンにしても、ルパンは怪盗キッドに変装しているので、
ほとんど『名探偵コナン』の単独劇場版みたいな印象を受けます。
予告編もほとんどその冒頭のシーンで構成されていることからも、
その部分だけ作画に力を入れていることがよくわかります。
予告編ではわざわざ怪盗キッドの姿ではなく、いつものルパンに差し替えられており、
そこに労力をかけるなら、本編の映像をもっと頑張れよと思いました。

そもそも、『ルパン三世』と『名探偵コナン』は相性がよくないです。
『名探偵コナン』はキャラデザにクセがあるので、クロスオーバーには向いてませんが、
毎度絵柄が変わる『ルパン三世』はキャラデザにコダワリがないようなので、
映像的な違和感は最小限で済んでおり、それは幸いでした。
しかし、世界観があまりにも違いすぎると思うんですよね。
『名探偵コナン』はキャラ設定にSFも含むけど、基本はリアル路線の本格ミステリー。
ところが『ルパン三世』は冒険活劇でファンタジー路線のアニメなので、
対決するにはベクトルが違いすぎるのではないでしょうか。
もし本当に対決すれば、ファンタジーの住民であるルパン側が圧勝するはずですが、
双方に華を持たせるために、ルパン側の設定をコナン側の水準に下げています。
それにも限度があり、弾丸を斬り落とせる五ェ門などは、
『名探偵コナン』の世界観では絶対に存在してはいけないキャラなため、
必然的に五ェ門の出番も減ってしまいます。
これでは『ルパン三世』の魅力なんて伝えられず、フックアップにもなりません。
両作の共通点を強いて挙げれば日本テレビ製作と言うだけなので、
それだけでクロスオーバーしようなんて無理が生じて当然です。
ゲームになりましたが『名探偵コナン&金田一少年の事件簿』の方が、
同じミステリーだけあって、ちゃんとクロスオーバーが成立してました。
本作に『ルパン三世』的なエロを持ち込まれるのも不愉快でした。

それでも前作のアニメ版の方は本作より比較的ちゃんと成立していたのが不思議ですが、
それはたぶん、前作は『ルパン三世』の世界観の方が強かったからでしょうね。
前作は未知の鉱石をめぐる国家的陰謀から、架空の国の王女様を助けるという内容で、
『ルパン三世』の世界観に近いファンタジーな舞台だったからです。
その舞台にゲスト的な扱いでコナンと毛利親子が参加する形だったため、
ルパン側の魅力を殺すことなく、うまく成立したのだと思われます。
それにお互い初対面で正体を知らなかったのもあり、対決の構図にはならなかったし、
なんだかんだでルパンがコナンの一枚上をいく展開だったので違和感も少なかったです。

ところが本作は東京が舞台となり、基本的にコナンの世界観となります。
さらにお互い正体を知った上での再会となり、対決の構図となるため、
ルパンたちも本来の規格外な力をセーブし、コナンたちに合わせることになります。
実質弱くなったルパンは、コナンに出し抜かれる事態にも度々なりますが、
ラストではコナンのライバルである怪盗キッドにすら出し抜かれる状態で…。
世界的な大泥棒であるルパン三世が、日本の高校生怪盗に負けたらヤバいですよ。
それどころか、凡人である佐藤刑事にまで先回りされるような不甲斐なさで、
これがルパンなのかと目を疑いたくなりますが、ルパンだけでなく彼の仲間も同様です。
特にいつもルパンを出し抜く不二子ですが、灰原ごときに何度も言い包められる始末…。
少年探偵団ごときにアジトを特定される五ェ門もかなりヤバいです。
まぁクロスオーバーとしては、サブキャラ同士の絡みというのは面白いところですが、
展開的にちょっとあり得ないと思います。

前作同様、コナンをゲストに『ルパン三世』の世界観で制作すればいいと思うけど、
攻守交代させたのは、やっぱり劇場版と言う意識があったからでしょうね。
劇場版なのでテレビ版よりも内容をパワーアップしないといけないけど、
『ルパン三世』の主要キャラは、ルパン、次元、五ェ門、不二子、銭形の5人だけなので、
出演キャラによるパワーアップは『名探偵コナン』に頼るしかない状況です。
その結果、新たに上記の怪盗キッドや佐藤刑事、灰原や少年探偵団も投入され、
ルパンたちは圧倒的にアウェーな状況になってしまいました。
それどころかFBIのジョディ先生まで投入され、ICPOの銭形警部のお株を奪う始末…。
台詞こそないが服部までカメオ出演させる大盤振る舞いです。
『名探偵コナン』ファンの動員を期待した映画なので、その姿勢は正しいとも言えますが、
クロスオーバー作品としてのバランスを著しく欠いていると思います。
せめてキッドや服部の登場は、第三弾に持ち越してもよかったと思いますが、
クロスオーバーはこれが最後と言わんばかりの大量投入です。

特にジョディ先生の登場に関しては、展開上全く必要性を感じず、
違和感を覚えましたが、これには製作サイドのある思惑があると考えます。
劇中のスカイツリーのシークエンスも同様ですが、
これは来年のGW映画となる『名探偵コナン』の単独劇場版シリーズ最新作
『名探偵コナン 異次元の狙撃手』へのオマージュだと思われます。
(ジョディ先生らFBI絡みの事件が描かれ、スカイツリーも舞台になるみたいです。)
本編終了後にもルパンたちがその映画を宣伝するシーンがあるのですが、
本作自体、『名探偵コナン』最新作の宣伝目的なところもある気がするんですよね。
『名探偵コナン』最新作を制作する余力で、片手間に制作されたとしたら、
本作の出来がこの程度なのも納得です。

しかしクロスオーバーとしての在り方以前に、
本作の最も重大な問題は、劇場版としての在り方にあります。
本作はルパンとコナンの二度目の対決のような宣伝ですが、
実は一度目の対決の続きでしかないのです。
つまりテレビ版の前作の完全な後日談、或いはサイドストーリーとも言える物語で、
テレビ版を見てない人を完全に無視した内容となっているのです。
テレビ版では電子機器を無効化する未知の物質ヴェスパニア鉱石をめぐる、
架空の国ヴェスパニア王国のクーデターが描かれましたが、
本作はその鉱石を軍事利用とするジランバ共和国の工作員と、
鉱石を手に入れたイタリアンマフィアとの取引を阻止するのがメインプロットです。
ルパン一味はヴェスパニア王国から鉱石の奪還を依頼されて、
取引が行われる日本までやってきて、コナンと再会するという展開になります。
はっきり言って、前作を見ていなければ全くついていけない物語です。
ボクも2009年に前作を見たきりで、内容なんてほぼ覚えておらず、愕然としました。
どうやら公開前日に前作の再放送をしたようですが、前作の復習が必要なのであれば、
予告編などでちゃんとその旨をアナウンスしてほしいです。

テレビの続きを有料の映画にしようという姿勢も問題ですが、
劇場版の中にはそんな作品が多いのも事実なので、本作だけの問題ではないものの、
特に『名探偵コナン』に関しては、それはやってはいけないと思います。
『名探偵コナン』は夕方に放送しているレギュラー放送の視聴率はそれほどよくないが、
劇場版は毎度40億円以上稼ぐ大人気作品です。
つまり『名探偵コナン』は、劇場版しか観ないファンが沢山いる作品なのです。
そのため劇場版は一見客でも楽しめる一話完結になっており、
レギュラー放送の展開からは独立した内容となっています。
もしレギュラー放送から登場する新キャラなどがいる場合は、
冒頭で新キャラについて説明してくれる親切な演出になっています。
ところが本作は、冒頭でも前作の内容について全く説明がなく、
前作を知らない一見客を蔑ろにした超不親切な劇場版です。
本作を観る客が、みんな前作の再放送を見て来ると思っているところが傲慢。
映画館はおまえらの有料チャンネルじゃないぞ、テレビ局!

もう『名探偵コナン』とのクロスオーバーは『まじっく快斗』だけで十分です。
『ルパン三世』は実写映画化で息の根が止まればいいです。頑張れ小栗旬。

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