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47RONIN

今年は『パシフィック・リム』『終戦のエンペラー』『サイレントヒル リベレーション』
『ウルヴァリン:SAMURAI』『47RONIN』など、日本絡みのハリウッド映画が豊作でした。
ところが、日本でヒットしたのは『シュガーラッシュ』くらいのもので、
あとは微妙な成績だったことは、ハリウッド映画好きの日本人としてとても残念です。
エンタメの頂点であるハリウッド映画で、日本や日本の作品が題材になるのは、
とても名誉なことだと思うのですが、多くの日本人はあまり関心がないのかな?
イチローや上原が大リーグで活躍したら嬉しがるくせに、なんで映画はダメなの?
まぁ日本人の洋画離れは深刻なので、日本絡み云々は関係なく、
ハリウッド映画が日本でヒットするのはかなり困難な状況ですが、
せっかく日本に好意的な作品でも、日本市場が無視するのであれば、
ハリウッドも日本を無視する作品ばかりになるかもしれず、悲しいです。

ということで、今日は日本の時代劇が原作のハリウッド映画の感想です。

47RONIN
47 Ronin

2013年12月6日日本公開。
日本の「忠臣蔵」をモチーフにしたファンタジーアクション。

大石(真田広之)率いるサムライたちは、吉良(浅野忠信)とミステリアスな女ミヅキ(菊地凛子)のたくらみによって主君を殺され、自然が豊かな赤穂の領地を追われてしまう。さらなる謀略を企てる吉良の野望を阻止し、主君の敵を討つべく集まった47人の浪士たちは、はぐれ者の混血青年カイ(キアヌ・リーヴス)と手を組むことに。わずかな人数の彼らは、明らかに戦力差のある敵の軍勢の戦いに命を賭して身を投じる。(シネマトゥデイより)



2009年だったか、『忠臣蔵』がハリウッドでリメイクされると聞いた時は、
ハリウッド映画ファンの日本人として、小躍りするくらい嬉しかったものです。
当時から単なるリメイクではなく、ファンタジーになると報じられており、
それに懸念を感じている日本の映画ファンも多かったですが、
ボクはそのアプローチは面白いのではないかと期待しました。
『忠臣蔵』自体が、史実である元禄赤穂事件を脚色したもので、
これまで幾度となく映画化・ドラマ化されて、様々な脚色を受けましたが、
その延長線上と考えれば、ファンタジー化もありじゃないかと思えたので。
ただ、そんな好意的だったボクも、ついに懸念を抱いてしまうことに…。
2011年末だったか、公開を約一年後に控え、特報映像がリリースされたのですが、
その映像のコレジャナイ感が半端ではなく、その後リリースされた予告編は、
更にコレジャナイ感が増しており、正直愕然とさせられました。
ファンタジーなのはわかっていましたが、日本の妖怪が登場すると聞いていたのに、
予告編に登場したのはどう見ても中国的な怪物で…。
衣装やセットにも中国的な印象があり、これだけ日本のキャストが関わっていても、
未だに日中混同するハリウッドに、ちょっと悲しい気持ちになりました。

その懸念は本作だけに留まりません。
ハリウッドスターが主演のキアヌ・リーブスだけの本作では、
製作国であるアメリカを含めて、世界中で総すかんされるのは目に見えており、
頼みの綱は世界第三位の規模の日本市場だけでしたが、こんな似非日本描写では、
日本人ですら観に行こうとは思わないだろうし、日本でのヒットも絶望的です。
ハリウッド製の時代劇『ラスト・サムライ』は、北米ではヒットしなかったものの、
日本だけで約140億円を稼ぎ、ハリウッドに日本市場の魅力を知らしめましたが、
本作の日本興収はおそらく10億円程度、かなり健闘しても20億円ってとこでしょう。
北米興収も好意的に予想しても5000万ドルくらいになる気がして、
世界興収は1億ドルあれば御の字といったところでしょうか。
ところが本作には『ラストサムライ』を大きく上回る、
2億ドルという超大作級の製作費が投じられているのです。
そんな製作費回収できるはずなく、大赤字必死で記録的な大コケとなるでしょう。
世界第二位の中国市場に偏重するなかで、「日本を題材にした映画がコケた」となれば、
ハリウッドは日本作品のリメイクや日本人キャストの登用を避けるようになるはず。
本作だけがコケるのは仕方ないが、その後の悪影響が懸念されます。
(ちなみに本作の日本週末興行成績は初登場6位でした…。)

ボクとしては『BUNRAKU』くらいの小規模作品でも十分嬉しかったのに、
なぜこんな無茶な企画にそんな超大作級の予算を付けてしまったのか。
しかも本作の監督は本作が長編映画デビューとなる新人監督です。
スター不在の新人監督作品なんて、数百万ドルで十分なのに…。
なんでも本作の配給であるユニバーサルを買収したコムキャストが金満で、
経営陣が「超大作は海外でウケる」と考え、海外向け(というか日本向け)の本作も、
超大作化されることになってしまったようです。
でも、それらの超大作化したユニバーサル作品が次々と失敗しており、
その戦略は間違いだったと気付いたみたいで、「おまえ、金掛け過ぎだ」として、
新人監督は編集作業から追い出されたみたいですが、時すでに遅く、
すでに2億2500万ドルも使っちゃった後だったみたいです。
さすがにその新人監督カール・リンシュも単なる新人監督ではありません。
気鋭の映像クリエーターで、あのリドリー・スコットの寵愛を受け、
一時は『プロメテウス』の監督候補になったほどの大型新人ではありました。
その話がポシャって本作が初監督作品となったわけですが、
ヒット間違いなしの超大作『プロメテウス』感覚で本作を撮られては困ります。
デビュー作が悲惨なコケ方すれば、自分のキャリアもコケるかもしれないのに…。

本作は度重なる公開延期がありましたが、それも懸念のひとつでした。
2度目の延期の時は、ついにディベロップメント・ヘルに陥ったかと思いましたよ。
当初は2012年の11月21日に全米公開予定、同12月に日本公開予定でした。
ところが、どうも主演のキアヌ・リーブスが、自身の初監督作の撮影を優先したようで、
少し遅れて2013年2月8日に全米公開がずれ込みました。
キアヌの初監督作品は中豪合作のカンフー映画『Man of Tai Chi』ですが、
たかが200万ドル程度の低予算映画だそうで、そんなものを優先するなんて、
キアヌにとって本作がどれほどどうでもいい作品だったかは推して知れます。
さらに2012年の夏には、全米公開が2013年のクリスマスに延期すると発表されます。
なんでもVFXの制作チームが、ロンドンオリンピックのVFXの仕事を優先したそうで、
まぁ中国のカンフー映画を優先されるよりは納得の理由ではあるものの、
あまり蔑ろにされると、本作に対する製作サイドの意気込みに疑念を抱きます。
実際に全米はクリスマス公開で本決まり、日本で先行公開されることになりました。
12月14日は討ち入りの日なので、日本公開はそれまでに間に合わせる必要があり、
クリスマスでは遅すぎるので、結果的に先行公開することになったのでしょうね。
「世界最速公開」を謳ってますが、本当に世界公開なんてされるのか疑問です。

ただ、2度目の延期はVFX作業の遅れだけではなく、追加撮影もしたためだそうです。
この期に及んでまだ金を掛ける気なのかと思いましたが、それは逆で、
ちょっとでも製作費を取り返せるように、キアヌの出番を増やそうとしたのだとか。
やはり日本人キャストばかりの内容では、興行的にヤバ過ぎると気付いたのでしょう。
記事上部のポスターは全米向けのものですが、そこにも製作サイドの懸念が表れてます。
『忠臣蔵』の主要登場人物である真田広之演じる大石内蔵助や、
浅野忠信演じる吉良上野介の画像が一切使われてないんですよね。
使われているのはキアヌ演じる主人公の魁(カイ)と、菊地凛子演じる魔女ミヅキ、
あと髑髏の風貌の出島の奴隷商人、そしてヨロイ武者とオリジナルキャラばかりです。
特に奴隷商人は超端役なのに、ポスターでは主演に次ぐ扱いの大きさ…。
奴隷商人を演じたのはリック・ジェネというカナダのモデルだそうですが、
彼は「ボンビボーイ」と呼ばれ、全身に髑髏の刺青をしているみたいで、
あの姿が特殊メイクじゃなかったのには驚きましたが、それよりもショックだったのは、
ハリウッドでも活躍し、知名度もあると思っていた真田広之や浅野忠信が、
そんなイロモノモデルの端役にも負けているという事実です。
『忠臣蔵』のハリウッド・リメイクが決まった時は誇らしい気持ちでしたが、
ハリウッドにおける日本の現実を突き付けられて目が覚め、悲しい気持ちになりました。

とにかく観る前から懸念まみれの本作でしたが、出来は懸念したほど悪くないです。
はっきり言って予告編はダメなシーンの総集編だと思ってもらっても大丈夫。
予告編はもっと中国的な印象でしたが、実際は意外なくらい和風ファンタジーです。
時代小説も手掛ける冲方丁が字幕監修をしているのも、時代劇感の演出に一役買ってます。
(ファンタジーなので戸田奈津子の翻訳だけでは、きっと悲惨なことになってました。)
キャストも上記の俳優はもちろん、ほとんどが日本人、または日系人俳優で、
某アメコミ映画のように、日本人役に韓国人や中国人を使ってないのは好印象です。
ヒロインである浅野内匠頭の娘ミカ役には柴咲コウがオーディションで抜擢されましたが、
本当に美人な日本人女優がハリウッド映画デビューするのは結構稀なことですよね。
大石主税役には元KAT-TUNの赤西仁で、彼もオーディション組ですが、
なんでもジャニーズ事務所に黙って受けたんだそうで、その心意気は買います。
同じく元KAT-TUNの田中聖なんて、闇の営業が原因で事務所解雇されてますが、
ジャニーズはそれほど副業に厳しいのに、独力でよく頑張ったと思います。
ただ製作サイドも「人気アイドルだから日本での興収に期待できる」と考えただけかも。
でも彼は日本ではすでに過去の人状態なので、その期待には添えないでしょう。
もし嵐のメンバーだったら、興収もあと20億円くらいは加算されると思うけど…。
浅野内匠頭役は田中泯、徳川綱吉役は日系人ケイリー=ヒロユキ・タガワですが、
申し訳ないけど、そんな重役はもう少し華のある客を呼べるキャストがよかったです。
他の四十七士の脇役も、名前がある役は無名ながら全員日本人俳優が演じており、
「アジア人ならだれでもいい」という安易な配役をしなかった努力は認めます。
四十七士随一の人気者、堀部安兵衛くらいはもっといいキャストを充ててほしかったけど。

まぁ物語としては、これを『忠臣蔵』だと言われると、首を傾げたくなるものの、
ファンタジーに脚色してあるんだから当然だし、外国人も観ると考えれば、
『忠臣蔵』に忠実に描くよりも、これくらい噛み砕いてある方がいいのかも。
ちょっと噛み砕きすぎて凡庸なファンタジーになっている嫌いもありますが、
『忠臣蔵』のテーマである「主君への忠義」はちゃんと描かれていると思います。
それだけでは外国人には理解し難いと思われますが、
主人公のカイは忠義と言うよりは、ミカに対する恋心で動いているので、
お姫様をドラゴンから助けるという「剣と魔法のファンタジー」的なノリを、
和風にアレンジした「刀と妖術のファンタジー」って感じなので、
国籍問わず誰でもわかりやすい作品になってます。

以下ネタバレ注意です。

魑魅魍魎が跋扈する鎖国時代の日本、頭に天狗の爪痕のある混血の少年・魁は、
森で死にかけているところを赤穂の国の藩主・浅野内匠頭に拾われます。
浅野は魁を鬼子と忌み嫌う臣下の反対を押し切り魁を藩に留まらせ、
魁は浅野の娘ミカと親しくなり、差別を受けながらも穏やかに生活します。
それから月日は流れたある時、長門の国の藩主・吉良上野介は、
妖術使いの女ミヅキを使って浅野から赤穂の国を奪おうと計画。
ミヅキは怪物を放って浅野を殺そうとしますが、魁により怪物は退治され…。
話では妖怪が登場すると聞いていたのに、予告編でこの怪物を見た時は、
やたら中国っぽい印象でガッカリしたのですが、よく見たらこの怪物は麒麟ですね。
麒麟は中国の伝説上の生き物だけど、日本でも馴染みがあるので、まぁいいかな。
むしろこれが日本の妖怪として登場したことで、中国人が怒らないか心配ですが…。
麒麟を倒した魁ですが、手柄は藩士の安野(羽田昌義)に横取りされてしまいます。
安野は臣下の中でも最も魁を忌み嫌っている差別主義者でムカつく奴ですが、
後に討ち入りにも加わる赤穂浪士のひとりです。
でも実際の赤穂浪士には安野なんていませんよね。
主要メンバー以外の赤穂浪士の設定は、原作(史実)を踏襲してないみたいです。

麒麟の作戦に失敗した吉良とミヅキは、将軍綱吉を赤穂に招いて行われる、
赤穂と長門の対抗の武技比べで、浅野を嵌めようと考えます。
代表一名による剣術勝負ですが、赤穂からは麒麟を倒したことになっている安野が出場。
長門からは身の丈1丈もあろうかという巨躯の鎧武者が出場します。
ところが試合前に女狐に化けたミヅキが安野に妖術を掛けて体の自由を奪い、
このままでは赤穂の不戦敗になるところを、魁が安野の鎧を着て出場して戦います。
善戦するも長門の鎧武者は怪物のような強さで、ぶっ飛ばされて兜が脱げてしまい、
武士でもないのに武技比べに出た罪で、敲刑に処されます。
ミカは思わず止めに入りますが、それを見た浅野は酷く落ち込み、
その夜ミヅキはその心の隙に付け入り、娘ミカが吉良にレイプされる幻覚を見せ、
浅野に吉良に対する刃傷未遂事件を起こさせるのです。
『忠臣蔵』だと「殿中でござる!」って台詞で有名なシーンですが、
本作では赤穂の浅野邸での事件なので、残念ながら殿中ではなかったですね。
でも原作よりも刃傷事件の真相(非は吉良にあること)が明確なのは良かったです。

次の朝、将軍綱吉は事態を重く見て、浅野に切腹を命じ、
両家に遺恨が残らぬようにミカを吉良に嫁がせるように命じます。
これで事実上赤穂は吉良のものとなり、主君を失った臣下は追放され浪人になるのです。
しかし浅野の重臣だった大石内蔵助を危険視した吉良は、彼を地下牢に閉じ込めます。
そして魁は、出島の奴隷商人に売られてしまうのです。
浅野が切腹させられたのは事実だけど、藩や藩士の処遇はかなり脚色されてますね。
吉良が浅野の娘と契るなんて展開は、ちょっと笑っちゃうくらいの歪曲ですが、
これにより、吉良の魔の手から姫を救うというわかりやすい展開になりました。
でもすぐに結ばれるのではなく、浅野の喪が明ける一年後に婚儀となりますが、
なぜかその数日前に、地下牢の大石を釈放しちゃうんですよね。
大石が婚儀を邪魔しに来るのはわかりきってるのに…。

釈放された大石は息子の主税に各地に散った浪人たちを集めさせ、
自分は魁を連れ戻しに出島に向かいます。
出島では地下格闘技賭博が行われており、偉人の奴隷として魁も参戦していました。
魁の対戦相手は、長門の鎧武者と同じくらい巨大な男だったのですが、
なぜか斬っても斬っても死なず、どうやら彼は鬼だったようです。
鬼が本作に登場するのは知ってましたが、まさか角もないデカいオッサンだったとは…。
なんでも鬼を演じたのは世界一背の高い男で有名なニール・フィングルトンで、
鎧武者も実は彼が一人二役をしてたそうで、あのデカ男がCGじゃなかったのは驚きです。
大石は「姫を助けたい」と魁を誘い、出島を逃げ出して黒沼で浪人たちと合流します。

赤穂浪士たちは約千人の兵力を持つ吉良に数十人で戦いを挑むことになりますが、
兵の数以前に全く武器が足らず、羽越の刀工の里に日本刀を買いに行きますが、
なぜか里は浅野の兵によって滅ぼされた後で…。
魁は自分の生まれ育った樹海の天狗の住処に行けば武器があるはずと言い、
大石とふたりで、天狗に会いに行くのです。
天狗っていうから鼻の高い山伏の妖怪を想像しましたが、意外にも爬虫類顔で、
なぜか格好も中国の坊さんみたいな着物を着ているのには残念でした。
というか、実際に天狗外国人説もあるし、ハーフの魁の育った場所だから、
樹海にある外国人の隠れ里なのではないかと思ったんですが、トカゲ男の巣窟で…。
なんでも魁は、英国の船乗りと日本の百姓の間に生まれた子だったらしく、
樹海に捨てられていたところを天狗が拾って育てたらしいのです。
でも魁は人里の暮らしに憧れ出奔し、行き倒れたところを浅野に拾われたのです。
住処には秘伝の刀なるものが、まるで伝説の剣のように地面に刺さっており、
それを天狗より早く抜けたら武器が貰えるという試練を課されます。
魁は天狗の妖術である瞬間移動を使って試練に成功し、大量の武器を持ち帰ります。
うーん、普通の人間(日英のハーフ)でも習えば妖術が使えるんですね。
妖術なんて使えたら鬼子の誹りも強ち的外れじゃなかったのかも…。

武器を手に入れた赤穂浪士は、厳重な警備の吉良邸(城)に忍び込むのは困難なため、
吉良が婚儀を前に先祖の墓を詣でると聞き、城を出たところを奇襲しようと、
浪士に日時を調べさせますが、彼はミヅキの妖術で偽の情報を掴まされ、
墓に奇襲を掛けると、逆に待ち伏せしていた吉良の軍勢に一斉攻撃を受け、
間(曽我部洋士)や芭蕉(米本学仁)ら数人の仲間を失ってしまいます。
ムードメイカーで魁に対しても親切だった芭蕉が死んじゃったのは残念です。
でも安野が死んだ芭蕉の脇差を魁に渡し、ふたりが和解できたのはよかったです。
やっぱり討ち入りは赤穂浪士一丸となってやってほしいですもんね。

外出中の奇襲に失敗した大石は、やっぱり城に忍び込むことにして、
婚儀に呼ばれた旅芸人に協力を仰ぎ、浪士たちは婚儀の最中、場内に侵入し、
吉良の衛兵を次々と倒していきます。
吉良はミカを連れて逃げますが、ミカは隠し持っていた担当で吉良の手から逃れ、
駆け付けた魁と再会するも、そこに白い龍に姿を変えたミヅキが立ちはだかり…。
姫を救出する最後の関門はドラゴンというのも、ファンタジーのお約束ですね。
でもなんだか思ったより小さくて、龍というよりは大蛇って感じです。
というよりも髪でも攻撃してくるし、ゴルゴンって感じかも。
かなり強いですが、例の天狗の妖術で魁に刺し殺されてしまいます。
それにしても鎧武者と魁の再戦がなかったのは意外でした。
鎧武者もミヅキと並ぶサブボス級のキャラだと思っていたのに、
雑魚浪士の爆弾で木っ端微塵に砕けて終わるなんて…。
でもあの砕け方は傀儡っぽかったので、やはり鎧武者も妖怪だったのでしょうね。

本作の主人公は魁ですが、そこはあくまで『忠臣蔵』。
やはりラスボス吉良を倒すのは、そんなオリキャラに任せるわけにはいかず、
最後は大石と吉良の一騎打ちとなります。
本作の吉良は武芸もかなりのもので、大石も苦戦しますが、
後ろから掴みかかって無理やり腹を切らせて殺し、斬首します。
主君が死んだことで吉良の軍勢は降伏し、見事浅野の仇討と姫の奪還を成功させます。
凱旋シーンを観る限り、あれだけの激戦だったのに、赤穂浪士側に死傷者はゼロかも。
でも結局は将軍が禁じた仇討を行ったことで、全員に切腹が命じられます。

しかし切腹は武士にとって名誉ある死に方です。
将軍も赤穂浪士の浅野への忠義心からの行動であることを高く評価し、
打ち首ではなく切腹を申し付けたわけですが、これは日本人には理解できるけど、
外国人にとってはどちらも同じ死刑としか思えず理解に苦しい展開かもね。
正直ボクも切腹を喜べる大石たちの気持ちは理解できないところもあります。
ファンタジーにしちゃうほど脚色してるんだから、最後も大胆に脚色して、
忠義心が認められて恩赦くらいの方が外国人にわかりやすくていい気がしますが、
逆に外国人にとってはサムライ映画でハラキリはマストなのかもしれませんね。
忠義心や武士の崇高な死に様を描くには切腹オチもいいのですが、少し解せないのは、
将軍が「大石の血を絶つのは忍びない」と大石主税だけ切腹を免除することです。
これではやっぱり切腹が不名誉な死に方だと思われても仕方がないですよね。
(ちなみに原作(史実)では、主税もちゃんと切腹しています。)
大石が吉良を殺す時に、切腹に見立てて殺したのも同様で、
あれも切腹という行為を貶めているように思います。
ただ、魁が最後に切腹させられた意味は他の浪士とは少し違い、
武技比べでも武士として扱われず敲刑に処された彼が、
武士にしか認められない切腹を命じられたということは、
人間以下の鬼子から最後は武士にまでなれたということで、ちょっと感動的かも。
まぁ死ぬことに変わりはないので、外国人からしてみれば、
「武士じゃなくてもいいから魁だけ免除してやれよ」と思うのかもしれません。

長々と書いてしまいましたが、観て損はない作品だと思います。
日本を題材にハリウッド映画を作ってくれた人たちに少しでも報いるため、
なるべく多くの人に観てほしいと思います。
同じ切腹オチの『利休にたずねよ』よりは、きっとコッチの方が楽しめます。
あー、クリスマスの全米公開の成績も不安だな…。

コメント

ありがとうございます。
明日、仕事が早くハネたら、これを観に行きます。
大感謝。

  • 2013/12/11(水) 19:50:17 |
  • URL |
  • 通りすがり #-
  • [ 編集 ]

『利休にたずねよ』を避けてもらえたのは正解だったと思います。
でも本作は、あくまで期待(懸念)よりもいい出来だった作品ので、
あまり期待して観に行ってもらうと、ちょっと心配です。
ヒットしてほしい一心で、少し誇張気味に書いたかもしれないので、
楽しんでもらえてたらいいのですが…。

  • 2013/12/12(木) 20:48:04 |
  • URL |
  • BLRPN #-
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