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くじけないで

数日前から、どうやら目を擦った時にバイ菌でも入ってしまったみたいで、
片目の瞼が腫れて、目が開きにくい状態になってしまいました。
ちょっと忙しくて眼科に行く暇がなかったので、とりあえず薬局で抗菌目薬を買って、
ついでに治るまで目を擦らないように眼帯も買ってみました。
眼帯をするのは人生初で、昔から「目病み男と風邪引き女(は色っぽい)」と言うし、
どんな感じかなとワクワクしながら付けてみたのですが、
うーん、色っぽいかどうかは微妙だけど、とにかく煩わしくて長時間付けてられません。
それに後で聞いたところによると「目病み女と風邪引き男」が正しいのだそうで…。
もう眼帯は諦めて、抗菌目薬だけで治すことにしました。
いつも使っている清涼系目薬よりもかなり高かったし、効果は期待できるはず。
これでダメなら病院行きます。

ということで、今日は眼病がキッカケで人生が変わった人の物語の感想です。

くじけないで
くじけないで

2013年11月16日公開。
90歳を過ぎてから詩作を始めた詩人・柴田トヨの詩集を映画化。

夫に先立たれたトヨ(八千草薫)は一人で生活していたが、小説家を目指して就職もせずにふらふらしている一人息子の健一(武田鉄矢)のことがいつも気がかりだった。嫁の静子(伊藤蘭)は黙って健一を支え、トヨにも精いっぱい尽くしていた。ある日、白内障の手術を受けて元気のないトヨに、いきなり健一が詩を書くように勧める。(シネマトゥデイより)



今年101歳で亡くなった詩人・柴田トヨさんのベストセラー詩集「くじけないで」を題材に、
彼女の半生を描いた本作ですが、90過ぎのお婆さんが主人公の作品なので、
30過ぎのボクにはちょっと早すぎる気もしましたが、とりあえず観てみることに。
トヨと一人息子の健一の親子愛を描いた作品ですが、健一も60過ぎなので、
そちらにも感情移入することは難しく、心の置き場所がない不安定さを感じます。
お客さんのほとんどはやっぱり健一世代以上で、すごく場違いな気持ちにもなり、
序盤は「やっぱり観る作品間違えたかな」と思っていたのですが、
終わってみれば、そこそこ楽しめていたような印象が残りました。
ずっと90過ぎと60過ぎの親子の話ではアレだったかもしれないけど、
回想でどんどん時代が遡っていく演出がアクセントになって飽きずに観れたのかも。

ただ、この内容で上映時間128分は長すぎます。
90分もあれば十分描けそうな内容ですが、登場人物の所作や台詞がゆっくりすぎます。
トミは90過ぎの役なので仕方ないところがありますが、
他の登場人物もそれに合わせるかのように丁寧にゆっくり喋るのは…。
きっとお客さんもほとんど高齢者なのを見越して、高齢者でもついて行けるように、
わかりやすくゆっくりした台詞や動作を心掛けたのでしょうね。
でも、高齢者はトイレも早いということを忘れてはいけません。
上映中に何人のお客さんが席を立ったかわかりませんが、
高齢者向けであれば、上映時間はなるべく短くした方がいいです。

夫に先立たれ、一人暮らしをしているトヨは、
還暦過ぎてもふらふらしている息子・健一のことをいつも気にかけています。
そんなある日、緑内障の手術を機に落ち込んだトヨに、健一は詩を作ることを勧めます。
無職で競輪場通いが日課のダメ息子・健一演じるのは武田鉄矢ですが、
金八先生の印象が強いのか武田鉄矢がそんなダメ人間の役をするのは違和感がありました。
『ストロベリーナイト』の刑事役もけっこう違和感があったんだけど、
金八先生も終了しちゃったし、あえて別のタイプの役に挑戦してるんでしょうね。
刑事役は最後まで違和感が抜けませんでしたが、本作はすぐに慣れ、
慣れてしまえばダメ息子役もなかなか嵌り役だったなと思います。
しかし健一は実在の人物を演じているわけだけど、
還暦過ぎてもあんな子供みたいなオッサンっているものなんですね。
ボクもダメ息子なんで、ちょっと自分もあんな感じになりそうな気がするのが怖いです。
でもボクが還暦の頃には、両親もトヨさんのように健在とはいかないだろうし、
親に迷惑掛けながらでもダメ息子を続けられた健一は、かなり幸運だと思います。
奥さんも彼には勿体ないくらいシッカリした人だし、家族に恵まれてます。

トヨを演じるのは八千草薫ですが、現在82歳の彼女に、
90代のトヨを演じるのはちょっと早すぎるような気がしました。
見た目は実年齢よりも若いくらいなので、実際の90代にしては瑞々しすぎると思ったけど、
詩を書くことで若返るという設定なので、あれくらい若々しくてもいいのかも。
それに詩の創作を通して自身の過去を振り返っていく展開なので、
回想のトヨも演じるには、八千草薫はいいチョイスかも。
昭和45年(55歳かな?)までのトヨ役を八千草薫が演じています。
かなり長い期間を演じてますが、違和感がないとことがすごいですね。
武田鉄矢は平成元年までの健一を演じていましたが、ちょっと無理があったし…。

さすがにそれ以前のトヨは檀れいが、幼少期は芦田愛菜が演じています。
檀れいが演じるのは戦中戦後のトヨですが、今年初頭まで生きていた人が、
太平洋戦争を経験していると思うと、戦争もそれほど昔のことではないんだなと実感します。
芦田愛菜が演じる幼少期なんて、大正時代ですからね。
父親の借金を返すために、幼くして奉公に出され、奉公先の先輩女中からイジメられて、
手に火傷を負ってしまうような可哀想な話で、もはや『おしん』の世界ですよ。
90歳から詩をはじめたという年齢もさることながら、奉公や戦争の経験により、
彼女の詩は心を打つものになったのかもしれませんね。

…なんて知ったようなことを書きましたが、ボクには詩を嗜む感性がないため、
劇中に登場する何点かの詩に対しても、全く感動できませんでした。
トミは患者が死んで落ち込んでいる主治医の先生や、
妻に逃げられたシングルファーザー、そして健一に対して詩を贈りますが、
ボクにはその内容が普通の手紙と大差ないような気がして、
何をもって詩とするのかが、イマイチ理解できないんですよね…。
タイトルにもなっている詩「くじけないで」の一節に、
「私、辛いことがあったけれど、生きていてよかった」というのがあるけど、
本作を通し、奉公や戦争などを背景に書かれた言葉だと思えば含蓄を感じるものの、
普通に彼女の詩集を買ってこの詩を読んでも、なんとも思わなかった気がします。
特に彼女の詩は、ストレートに思いを伝えるものであり、
比喩や押韻など詩の表現技巧を駆使したものではないので、
あまり詩らしさはなく、ボクのような素人には伝わりにくいのかも。
詩集の発行部数なんて、せいぜい数百部だと思うのですが、
彼女の詩集は処女作『くじけないで』と第二作『百歳』合わせて200万部も売れたそうで、
何かしら素人にでも響くようなものがないとそこまで売れないはずですが、
本作ではその魅力を表現できているとは言えず、なぜ200万部も売れたのか、
そしてなぜ映画化までされたのか、ちょっと不思議に思えました。
どうやらテレビで特集されたことがブレイクのキッカケのようですが、
それだけでミリオン達成できるとは、テレビの力は侮れません。

本作の根本である詩の良さについては理解できませんでしたが、
トヨの人生の前半にあった波乱万丈さや、詩集の自費出版に至る経緯などは、
物語としてもなかなか面白かったと思うので、退屈はしませんでした。
それにキャストの好演が素晴らしかったですが、八千草薫や武田鉄矢はもちろん、
意外なところで上地雄輔の演技がよかったですね。
泣きの芝居のところなんて、もらい泣きしてしまいました。

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