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マラヴィータ

テレビドラマ『半沢直樹』の歴史的ヒットで大注目を浴び、
続くテレビドラマ『リーガル・ハイ』も好調の堺雅人ですが、
最近、テレビに出過ぎていて、露出過多ではないかと心配しています。
堺雅人は好きな俳優のひとりですが、ボクはその2本のドラマは見ていません。
数年前から出演映画を観て好きになり、彼の主演映画は欠かさず観てます。
堺雅人のことはどちらかと言えば映画俳優だと思っているので、
彼が大ブレイクしたのは嬉しいけど、テレビから火が付いたというのが残念です。
CMにも出まくりで、テレビで見ない日はないほど引っ張りダコになってますが、
その反面、出演映画が急激に減ってしまいました。
年2~3本の映画に主演していた彼ですが、今年は春先の一本のみで、
その後も映画に出演すると言う話をまるで聞かなくなってしまいました。
このままテレビ俳優化してしまうのではないかと心配しています。

まぁテレビドラマの劇場版が幅を利かす日本では、
映画俳優、テレビ俳優なんて括りはあまり意味がないのかもしれませんが、
やはりテレビに出過ぎると、銀幕で観るプレミアム感が薄れるんですよね。
2時間サスペンスによく出る俳優を劇場で観ると、なんだか損した気分になるし…。
その点、ハリウッド映画は映画俳優とテレビ俳優の線引きが比較的ハッキリしてます。
映画で主演するような俳優はテレビドラマでは(ゲスト以外で)見ることは少なく、
ハリウッド・スターのプレミアム感は半端ないです。
逆にたまにアメリカのテレビドラマを見ると、知らない俳優ばかり出ているので、
俳優に対する先入観なく見られるので、面白かったりします。
洋邦問わず、テレビ俳優が上位媒体である映画を目指すのは当然ですが、
映画に主演できるくらいになれば、もうテレビの仕事は断ってほしいものです。

ということで、今日は人気テレビドラマ『glee』の女優が出演している映画の感想です。
クイン役でお馴染みのディアナ・アグロンですが、映画女優に昇格したみたいですね。

マラヴィータ
The Family

2013年11月15日日本公開。
マーティン・スコセッシ製作総指揮、ロバート・デ・ニーロ主演のアクション・コメディ。

フランスのノルマンディー地方の田舎町に引っ越してきたアメリカ人のブレイク一家。主人のフレッド・ブレイク(ロバート・デ・ニーロ)は元マフィアで、FBIの証人保護プログラムを適用されているため、一家は世界中を転々としながら暮らしている。そんなある日、フレッドに恨みを持つマフィアのドンが彼らの居場所を特定し、殺し屋軍団を送り込むが……。(シネマトゥデイより)



マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロといえば、
今まで数々の傑作クライム映画を作ってきた名タッグです。
その2人が久々のタッグを組み、更にマフィア映画となれば、これは期待できます。
ただし本作はスコセッシは製作総指揮に回り、監督を務めたのはリュック・ベッソンです。
リュック・ベッソンは、監督引退宣言を反故して以降、
あまりいい作品を撮れてないように思うので、期待感もちょっとダウンです。
(彼の製作作品では面白いものもけっこうありましたが…。)
デ・ニーロ主演なのに、なんでスコセッシは自分で監督しないのかと思いましたが、
この企画自体がベッソンの会社が立ち上げたものだったみたいです。
同時に2本の企画を立ち上げたのですが、もう1本はケビン・コスナー主演らしく、
なるほど、デ・ニーロとコスナーという往年の大スターを使うことを目的とした企画ですね。
本作の脚本も書いたベッソンですが、もともと自分は製作総指揮に回るつもりだったけど、
「デ・ニーロを撮るのに相応しい監督が思い付かない」と、自分で撮ることにしたようです。
そこでデ・ニーロの盟友スコセッシに製作総指揮を依頼したのでしょう。

ベッソンが監督では期待薄だと思いながらも、全米初登場2位と大健闘し、
評判も悪くなさそうなので、またちょっと日本公開が待ち遠しくなりました。
全米公開時のタイトルは『ザ・ファミリー』だったので、
なぜ『マラヴィータ』なんて邦題になるのか不思議でしたが、
本作はハリウッド映画ではなく、(全編英語の)フランス映画だったみたいで、
フランスでの原題をそのまま邦題にしただけだったようです。
ただ、「マラヴィータ」はフランス語ではなくイタリア語で、
「組織犯罪」や「裏社会」というような意味なのだそうです。
その意味は鑑賞前には知らなかったのですが、主人公の飼犬の名前が「マラヴィータ」で、
「なんで犬の名前がタイトルに?」と気になり、鑑賞後に調べてわかりました。
タイトルになるくらいだから、その犬が大活躍でもするのかと思いましたが…。

期待半分、不安半分でいざ観てみると、全米初登場2位も頷ける面白い映画でした。
引退宣言以前のベッソン監督らしさもあり、大満足の出来です。
元マフィア役のデ・ニーロも嵌り役で、当て書きしたであろうことが窺えます。
ベッソン監督の復調もさることながら、最近のデ・ニーロはいいですね。
『世界にひとつのプレイブック』でも久々にアカデミー賞にノミネートされましたが、
往年の活躍をリアルタイムで知らないボクとしては、昔の作品の彼よりも、
今が一番勢いがあって輝いているように思います。
デ・ニーロは本作で二児の父親役を演じていますが、本作公開二週後の来週末にも、
彼が父親役の家族ものコメディ『グリフィン家のウエディングノート』が公開になるけど、
俄然そちらも楽しみになりました。
更に来年1月にはジョン・トラボルタと共演の『キリングゲーム』や、
クリスチャン・ベールやブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンスらと
豪華競演となる超話題作『アメリカン・ハッスル』も公開になり、
今月からのこの3カ月間はデ・ニーロ祭りです。

…おっと、本作の感想もまだなのに、気持ちが先走り過ぎました。
以下、ネタバレ注意です。

フランス・ノルマンディー地方の田舎町に引越してきたブレイク一家。
一見普通のアメリカ人四人家族で、普通に生活をはじめるのですが、
実は父親フレッドはマフィアでしたが、半年前にブルックリンのマフィアのドンから、
あらぬ疑いを掛けられて家族ごと殺されかけたため、ドンを警察に密告します。
収監されたドンはヒットマンを使い、報復のためブレイク一家の行方を追います。
一家はFBIの証人保護プログラムにより、ノルマンディーに引越して来たのです。
もちろんフレッド・ブレイクというのも偽名で、本当はジョバンニ・マンゾーニ。
妻や子供たちも偽名ですが、本名はわかりませんでした。
すでに何度も引越しているようですが、それは殺し屋に居場所を特定されたからではなく、
元マフィアの性分で、行く先々でトンデモないトラブルを巻き起こすため、
仕方なく転居しているみたいです。

面白いのはトラブルを起こすのは元マフィアの父親だけでなく、家族全員なんですよね。
みんな、なるべく地元に溶け込もうという努力はしているのですが、
マフィア時代のクセがなかなか抜けないのか、とにかく行動が常人離れしてます。
母マギーは店員に陰口を叩かれたことに腹を立て、スーパーマーケットを爆破するし、
17歳の娘ベルはナンパ男をテニスのラケットでボコボコにするサイコな女子高生です。
13歳の息子ウォレンは偽造が特技で、脅迫や賄賂で学校を裏から支配します。
まぁそれでも、やっぱり父フレッドよりはマシかな。
彼はムカつく相手は半殺し、酷い時にはぶっ殺して埋めちゃいますからね。
証人保護プログラムとはいえ、そんな彼らを保護しなくちゃならない、
FBIのスタンフィールド捜査官の気苦労たるや、相当なものでしょうね。
てっきりマフィアの殺し屋軍団とマフィアのようなブレイク一家の
抗争が描いた物語だと思って観に行ったのですが、そういう感じでもなく、
一家が平和な田舎町で常軌を逸した行動をとることで巻き起こる、
様々なドラブルを楽しもうというドタバタ喜劇です。
まぁラストは殺し屋と一家のドンパチになりますけどね。

引越したばかりの家の水道水が茶色く濁っていることに気付いたフレッドは、
水道工事業者を呼びますが、無礼な態度と法外な料金をふっかけられたことに腹を立て、
町でひとりだけだった配管工を半殺しにしてしまいます。
そのため家の配管工事は出来なくなりますが、フレッドは原因は水道本管にあると考え、
地元の肥料工場から流れる汚染水が原因だと気付き、経営者を拷問。
肥料タンクの場所を吐かせ、タンクを爆弾で爆破するのです。
フレッドの無茶苦茶っぷりがよくわかるエピソードですが、
結果的に環境を汚染する輩をギャフンと言わせる行動で痛快ですね。
基本的にこの一家から痛い目に遭わされるのは、傲慢な奴とか悪い奴だけなので、
元マフィアといっても、ちょっと義賊的で憎めない一家です。
ただ、かなり酷い奴なのに痛い目に遭わされてない奴がひとりだけいるんですよね。
それは娘ベルが恋をした数学の代理教師です。
彼は生徒であり処女だったベルと一発やっておいて、彼女を捨ててしまいますが、
それにより、彼女は飛び降り自殺をしようとするほど傷付きます。
たまたまそのタイミングで殺し屋軍団がやってきて、自殺どころではなくなりますが、
こんな酷い男を生かしておくなんて、ちょっと納得できない展開です。
その事実をフレッドが知っていれば、男を地獄の果てまで追ってでも殺したでしょうね。
それにしてもベルはマフィアの娘でサイコなのに、意外にも貞操観念が強く純情で、
そのギャップが魅力的な女の子だったと思いました。
息子ウォレンの方は、ただただ憎たらしいガキでしたが…。

そんなウォレンの軽率な行動が原因で、マフィアのドンに居場所が特定され、
9人組の殺し屋集団から家を襲撃されてしまいます。
一家は協力して殺し屋集団を撃退するのですが、そういえばこのシーンで、
犬のマラヴィータも殺し屋ひとりを仕留める活躍を見せてましたね。
マラヴィータの活躍はよかったけど、一家にももっと見せ場があるとよかったかも。
普段は一般人に対してあんなに滅茶苦茶なことをする一家なのに、
同じく裏社会の人間を相手にしたら、普通にドンパチで応戦するなんて、
ちょっと物足りず、クライマックスとしては盛り上がりに欠けます。

殺し屋集団から襲撃を受けた時、FBIはすでに一家を移転させることを決めていましたが、
それは殺し屋に場所を特定されたからではなく、フレッドのある行動が問題になったから。
フレッドはこの町では作家を名乗っていましたが、町でハリウッド映画の上映会があり、
アメリカ人作家として上映後の討論会のゲストに来てほしいと頼まれるのです。
ところがそこで上映された映画は『グッド・フェローズ』で、
実話を基にしたマフィア映画であるその作品を観たフレッドは、
討論会でついつい自分のマフィア時代の体験談を話してしまうのです。
その話を聞いた客たちは拍手喝采で大いに盛り上がりますが、
FBIは「これはヤバい」と思って転居を決定してしまうのです。
まぁトラブルには違いないけど、暴力沙汰とかではない意外な転居理由で面白いですね。
たぶん客は誰も実話だと思ってないだろうし、FBIは過剰な心配な気がするけど…。
ちなみにご存知『グッド・フェローズ』は、スコセッシ監督の傑作マフィア映画で、
もちろんデ・ニーロ主演ですが、ベッソン監督らしいなかなか小粋な演出ですね。
そんな『グッド・フェローズ』の登場人物の中に、
フレッドことジョバンニがモデルのマフィアがいたというメタ設定も面白いです。

ベルの恋人の件はシコリが残るものの、とても痛快なコメディでオススメです。
この分だと本作と同時発表された、リュック・ベッソン脚本で、
ケビン・コスナー主演の『Three Days to Kill』の方も期待できそう。
そちらはベッソンは監督しないようで、メガホンはマックGに任せるみたいです。

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