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ルームメイト

年間鑑賞本数の自己記録更新のため、節操なく映画を観漁っている今日この頃。
鑑賞ハードルもかなり引き下げ、普段ならまず観に行かない作品にも手を出してますが、
そんな状況でも、観に行きたくない作品というのはあるものです。
もちろん内容に興味が無さすぎるから観に行かない作品が多いですが、
内容はそこそこ面白そうでも、観たいとは思えない作品もあります。
例えば『風俗行ったら人生変わったwww』『ケンとメリー 雨あがりの夜空に』
『TAP 完全なる飼育』『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』の邦画4本がそうです。
特に4本目なんかはかなり興味をそそるのですが、観に行きたくないです。
いや、絶対観に行ってやるものか、と思います。

その理由ですが、この4本はいずれも今月9日に劇場公開された作品だけど、
それに先行して6日に有料(劇場鑑賞料と同額)で動画配信されてます。
映画ファンとして、これが気に食わないのです。
封切り前の作品をネットで公開しちゃったら、そんなものは映画とは呼べません。
それはネット動画を劇場でも流しているだけですよ。
たしかアカデミー賞もそうだったと思うけど、世界中の映画賞でも、
一般のお披露目がスクリーンじゃない作品は賞の対象外になることも多く、
先にテレビ放送やネット配信された作品を映画と認めないのは世界の常識です。
こんなものを映画の鑑賞本数にカウントすることはできないので、
わざわざ劇場に観に行こうなんて思いません。
(ついでにネット動画に金払う気はないので、有料動画配信も見ません。)
ネットで先行配信するような映画館を軽視する作品は、当然映画館からも無視され、
ロクに上映館も確保できずにコケますが、いい気味です。

ということで、今日はその似非邦画4本と同日公開だった本物の邦画の感想です。

ルームメイト
ルームメイト

2013年11月9日公開。
北川景子、深田恭子初共演のサイコホラー。

派遣社員として勤務する春海(北川景子)は、ある日交通事故に遭い、しばらくの間入院生活を送ることになる。そんな彼女をいたわり、親切に接してくれた看護師の麗子(深田恭子)と春海はすっかり仲良くなり、二人は退院後にルームシェアを開始する。彼女たちの共同生活はスムーズに見えたが、春海が偶然、麗子の不可解な行動を目にしたことで……。(シネマトゥデイより)



ルームメイトを題材にしたホラーといえば、
1992年のハリウッド映画『ルームメイト』が有名ですが、
本作の製作が発表された時、てっきりその作品の日本版非公式リメイク、
…いや、ぶっちゃけパクリなのではないかと思いました。
実際に一作年にはパクリ作品『ザ・ルームメイト』が公開されたし、
きっと本作もそんなノリで作られる作品ではないかと…。
概要的にも、はじめは親切だったルームメイトが徐々に本性を現しサイコ化する話で、
1992年の『ルームメイト』と同じように思えたし…。
まぁルームメイトものは、ホラーのひとつの類型だったりするから、
それだけでパクリというのは少々厳しすぎるとも思うけど…。

でも本作は、1992年の『ルームメイト』とは全く関係なく、
ミステリー作家、今邑彩の同名原作を映画化したものだそうです。
ルームメイト系ホラーの類型的特徴を踏襲しながらも、
更に一歩突っ込んだ展開となっており、なかなか楽しめました。
序盤は1992年の『ルームメイト』を思わせるようなベタな展開で、
中盤から急激にサイコホラー化し、終盤はちょっとしたミステリー要素まである、
なかなか盛り沢山な内容だったと思います。
サイコなルームメイトを演じた深田恭子も好きな女優なのでよかったです。
彼女は笑顔と真顔の印象が全く違うので、二面性のある役が嵌りますね。

以下、ネタバレ注意です。

萩尾春海は交通事故に遭い入院した病院で、看護師の西村麗子と出会います。
2人は意気投合し、春海の退院を機に麗子がルームシェアを提案し一緒に暮らします。
出会ったばかりの患者と看護師がルームシェアをはじめるなんて少し強引過ぎますね。
しかも提案した麗子が春海のアパートに転がり込むなんて不自然ですが、
まぁ最後まで観たら、それは何故だったのか判明し、納得できる気がします。
でも2人で暮らすことで1人当たりの家賃を減らすことがルームシェアの目的ですが、
本作の真相であれば、その目的は達成できないはずなので、やっぱりちょっと変かな。
とはいえサイコスリラーなので、そのくらいは目を瞑るべきかもしれません。

大親友になった2人ですが、順調な共同生活を送っていたある日、
春海は麗子の奇妙な言動を目撃し、以降、周囲で不可解な事件が続発するように…。
はじめ、近所の子供が飼っているチワワが行方不明になるのですが、
春海が帰宅すると台所のシンクが血まみれで、そこに犬の首輪が一本落ちており、
その横でグツグツ煮え立つ鍋を開けてみると、そこには…。
もうちょっと徐々にサイコ化してくると思ったら、はじめからこんな猟奇的な出来事とは、
いくらなんでも展開が急すぎるだろと思っちゃいましたね。
でも麗子も鍋の中を見て驚き、自分の仕業ではないと主張します。
いくらなんでも言い逃れは出来ないだろと思うような場面ですが、
サイコホラーを見慣れている人なら、ここでピーンときた人も多いはずです。
これはサイコホラーの定番である、自分オチになるんじゃないかと。
つまり麗子は無実で、春海自身が無意識の内にやったのではないか、というオチです。
実際この予想は当たっていたのですが、物語はそう単純ではありませんでした。

たしかに事故後の春海には精神面や記憶に不安定さが見て取れますが、
麗子の精神面はそれ以上に異常です。
彼女は本性を現してサイコ化しはじめたというよりは、解離性同一性障害で、
たまにサイコな他の人格と入れ替わっているようなのです。
なので春海の自分オチかなと思う反面、麗子の別人格が怪しく、予想に確信が持てません。
ある日、麗子の元同僚看護師が、陸橋で何者かに硫酸を浴びせられ、死亡する事件が発生。
テレビでその報道を見た麗子は「マリ、こんなことまで!」と言って部屋を飛び出します。
どうやら麗子の別人格マリが、その殺人事件を起こしたようだとわかり、
「あれ?春海は無実なのか?」と思っちゃうんですよね。
ところがどっこい、やっぱりチワワの件もこの殺人事件も、春海によるものでした。

春海はひょんなことから交通事故の加害者男性の工藤と親しくなります。
麗子の別人格マリは、工藤の友人を殺害し、彼にも重傷を負わせます。
そしてその場にいる春海に自分が何者なのかを教えます。
なんとマリも麗子も、春海の別人格だったのです。
春海は学生時代に母親の男から性的暴行を受けていたようで、
そのショックで人格が分裂し、マリと麗子が生まれたのです。
春海と麗子のどちらが犯人かと思っていたら、同一人物だったとは意外でした。
なぜ自分と同一である別人格を春海が視認できるのかはわかりませんし、
幻覚であるはずの麗子(マリ)の影を、刑事や工藤も見てるのは不可解ですが…。
2人が同一人物であれば、例の家賃の問題もあるしね。
でも同一人物オチは予想外だったので、とても面白かったです。

ただ、同一人物だったのは予想外だけど、前述のように春海が怪しいのは予想通りでした。
予想できたのは、自分オチがサイコスリラーの定番ということももちろんですが、
もうひとつ、本作の宣伝の仕方に問題があります。
上部のポスター画像でもわかりますが、麗子を演じる深田恭子だけでなく、
春海を演じる北川景子にも、二面性を感じさせる画像が使われています。
更に決定的なのは予告編で、これにも終盤のサイコ状態の春海の映像を使っており、
これらを見れば、「2人ともサイコなのではないか」と予想するのは容易いです。
まぁこれだけでは同一人物オチまでは見破ることはできませんが、
春海に疑いが向いてしまう宣伝は、ちょっとネタバレが過ぎる気がしますね。

しかしここまでなら、ちょっと凝ったサイコスリラーで終わりますが、
本作は最後にもうひとつ、大ネタを仕掛けてあるんですよね。
春海、麗子、マリが同一人物なのはわかりましたが、
春海と麗子の連絡日誌には4人分の筆跡があり、4人目の人格の存在が匂わされます。
ところがこの4人目は人格ではなく、なんと実在の人物であり、
それを工藤が解き明かすというミステリー要素が最後に用意されていました。
春海は麗子とはルームシェアしてないけど、他の人物とはしていたんですね。
普通なら4人目も別人格と思っちゃうところですが、まさか実在の人物とは…。
これまた予想外の展開で、まんまとやられました。
サイコスリラーの思い込みを利用して観客の心理の裏を突く、上手い展開だと思います。
ただ終盤はちょっと駆け足すぎて、それをミステリーとして味わい難かったのは残念かも。
もうちょっと「4人目の筆跡は誰のものか」で引っ張ればいいのに、
工藤がすぐ「実在の人物だ」と真相に辿りついちゃうんだもんなぁ…。
その人物が誰なのかは伏せますが、田口トモロヲ演じる児童養護施設の館長は、
その人物に殺されるべきだったと思います。
あんなやつを生かしたままなんて、ちょっと後味悪いです。

コメント

なるほど

観ようかどうか、迷っていましたが、面白そうなので観に行こうと思います。
大感謝。
今年50本鑑賞を目指しましたが、ちょっと無理そうです。
ワーク・ワイフ・ムービー・バランスの成立はナカナカ難しいところです。

  • 2013/11/20(水) 20:51:29 |
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  • 通りすがり #-
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Re: なるほど

ボクはワイフがいないので、ワークとムービーのバランスだけです。
仕事も夜明け前から昼過ぎにかけてなので、終業後に映画も観易いです。
ただブログ執筆も含めて、映画関係で睡眠が削られているので、
ムービーとスリープのバランスが難しいです。

あと、鑑賞本数が限られているなら、本作はあまりオススメできないかも。
年末にかけてきっともっと面白い映画も出てくるはずなので。

  • 2013/11/21(木) 01:31:28 |
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  • BLRPN #-
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