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レイチェルの結婚

今年は本年度アカデミー賞ノミネート作を全て観て回ろうと企画したのですが、
日本で公開されないものは仕方ないとして、もうすでに助演男優賞ノミネート作の
『レボリューショナリー・ロード』を見逃していたことに気がつきました…。
とりあえず今日は、本年度アカデミー賞主演女優賞ノミネート作の感想です。

レイチェルの結婚

2009年4月18日日本公開。
アン・ハサウェイ主演、ドキュメンタリータッチのヒューマンドラマ。

キム(アン・ハサウェイ)は姉レイチェル(ローズマリー・デウィット)の結婚式に出席するため、依存症の施設から退院する。家に到着した彼女は結婚式の準備でごった返す家の中を抜け、2階でドレスの着付けをしていた姉と友人のエマ(アニサ・ジョージ)と再会する。彼女たちは屈託なくこれからの準備のことを話し始めるが…。(シネマトゥデイより)

主演女優賞にノミネートされた本作の主演アン・ハサウェイは、
マネキンのような均整の取れた美人で、
どちらかといえば明るい役が多かった気がします。
ところが、本作で演じたキムという役は、元薬物中毒者の問題児。
アカデミー賞ウケしそうな難しそうな役を好演しています。
そういえば、キムの姉・レイチェルの設定は心理学者の卵ですが、
アン・ハサウェイの主演した前作のクソ映画『パッセンジャーズ』では、
レイチェルの役に近い心理カウンセラーの役でしたね。
アンはレイチェルの役とキムの役を選択することができたそうなのですが、
それもあってか、より難しいキムを選んだのかもしれません。
結果として、アイドル女優から脱却し、オスカー候補女優にまでなりました。
まぁオスカー候補の常連、ケイト・ウィンスレットにオスカーは取られましたが…。

本作は『レイチェルの結婚』というタイトルですが、キムが主役です。
ただ実際はレイチェル(ローズマリー・デウィット)とのW主演くらいの感じ。
レイチェルもキムもお互い家族として、姉妹として大切に思っているが、
キムは優秀な姉に対して劣等感を持っているし、邪魔者扱いされてると思っています。
レイチェルは問題児の妹が、自分の晴れの舞台なのに自分よりも父から気にかけられ、
何かとしゃしゃり出てくるのが内心面白くない。
そんな微妙な感情が静かにぶつかり合い、いつ爆発するかドキドキものです。

兄弟、姉妹間の差というのは、兄弟のいる人なら少なからず感じるもの。
ボクも出来のいい兄弟に対して劣等感を感じて生きてきたのでキムの心情はわかるが、
反面、逆に兄弟ばかりチヤホヤされていたのでレイチェルの気持ちもよくわかります。

結婚式の準備の様子や親族でのお食事会の様子をホームビデオで撮ったような手法。
役者の演技はほぼアドリブで、それをデジカムで撮っているので、
より素人撮影くさいリアリティがあります。
ほのぼのした幸せそうな結婚式の準備風景をただ撮っているように見えますが、
薬物更生施設から帰ってきたばかりの問題児・キムの存在が、
なんともいえない緊張感を生んでいます。
幸せそうな人たちに混じって、ひとり不服そうな顔のキムがカメラに見切れるたびに、
今にも爆発するんじゃないかって感じの不穏な空気が流れます。
その杞憂はほぼ透かされますが、ほのぼのしたシーンとは逆に、
気が休まることがないです。

でもそれも結婚式直前まで。
紆余曲折の末、結婚式直前に仲直りしちゃうんで、
その後はキムから不穏な空気を感じることもありません。
そこで終われば映画としてうまくタイトにまとまってたなと思えたんですが、
如何せんそこからが長い…。
結婚式本番のシーンは、それこそ本当に素人が撮影したかのような、
単なるほのぼのとしたお祝いシーンで、緊張感もなく冗長です。

それも含め、結局キムもとんでもない行動に出るでもなく、
見終わった後に思い返してみても全く山のない話でした。
娯楽性も低く、正直面白くはないです。
"アン・ハサウェイってこんな役もするんだな"くらいの印象しか残ってないですが、
面白くない映画の中でひとりだけ存在感を放出していたその演技は、
アカデミー賞ノミネートに値すると思いました。

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