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ミルク

ちょっと前までは娯楽映画しか観なかったボクですが、
最近は海外の社会派な映画も観るようになりました。
正直、世界史に疎いボクには難しいと思えるものも多いんですが、
最近の社会派映画は娯楽性も高くて、学びながらも楽しく観れます。
でもやっぱりこの手の作品って日本では興行的には期待できないし、
『ジョン・ラーベ』や『南京!南京!』みたいに政治的に無理なものもあったりで、
日本公開されないものも多いですね。
でもさすがにアカデミー賞にノミネートされたとなると、
公開館は少ないながらも、ちゃんと観れるので有難いです。
てことで今日は、本年度アカデミー賞ノミネート作を観て回る企画の一本、
脚本賞、主演男優賞の2冠を達成した作品の感想です。

ミルク

2009年4月18日日本公開。
1970年代のアメリカで、同性愛者であることを公表して公職に就いた
アメリカ初の政治家ハーヴェイ・ミルクの生き様を描く伝記ドラマ。

1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルク(ショーン・ペン)は、20歳年下のスコット(ジェームズ・フランコ)と出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成することになる。(シネマトゥデイより)

アメリカで初めて、自らがゲイであることを公表し、公職に就いた男・ミルクが、
政治に目覚め、ゲイの公民権運動の末、暗殺されるまでの顛末を描いた伝記ドラマ。

ボクはリベラル派だし、強烈な政教分離支持者なので、
基本的に同性愛にしても中絶にしても、政治とは切り離すべき問題だと思ってます。
だから同性愛を支持する政治家だろうが弾圧する政治家だろうが、
そんなものを政治に持ち込む時点で共感する余地はありません。
なのでこの映画でのゲイの公民権運動も中立的な立場で観ていたのですが、
なんか描き方がゲイ寄りすぎで、この映画を観る前よりも
逆にゲイ側に賛同できなくなりました。
監督も脚本家もゲイ。ゲイのゲイによるゲイのための映画。
公平性に欠けて当然です。

賛同できないと思った大きな理由は、ミルクの政治手法に反感を感じたからです。
ゲイがゲイの公民権運動をするのは自分たちの利益のために他なりませんが、
そのワンイシューで人口の1割近い(?)ゲイの組織票を集める一方で、
教育問題や障害者、人種などのマイノリティーの権利問題と抱き合わせる形で、
社会的弱者も取り込もうという狡い選挙手法。
まるで、支持母体の利益だけが目的のくせに、
「福祉の党」などと自称する日本のあの党みたいで不愉快です。

そんな狡い方法で市議会議員に当選した後も、ゲイの権利法案を通すために
他の市議を裏切ったり、ゲイの組織票を背景に市長に脅迫まがいの圧力をかけるなど、
到底フェアとは思えない行いの数々でのし上がっていきます。
その彼に裏切られた市議が、後に彼を射殺することになるダン・ホワイトですが、
郵政選挙の小泉のように、ワンイシューだけで全米の注目を浴びるミルクに
嫉妬と危機感を感じていたホワイトの気持ちにはすごく共感できます。

反ゲイ運動家のアニタ・ブライアントも、ジョン・ブリッグス上院議員も全くの悪者。
ゲイも個人の自由なら信仰も個人の自由。
ブリッグス上院議員の支援する"ゲイと彼らを支援する教師をクビにできる"という
内容の"提案6号"はナンセンスな条例案だと思うけど、
それは政治で規制しようとしたからであって、彼らの言い分はわからなくもないです。

中立的に見て不愉快な内容ではありますが、この史実が気に食わないだけで、
もちろん映画が悪いわけではないです。
本年度アカデミー賞に作品賞を含む8部門ノミネート、
脚本賞と主演男優賞を見事受賞したほどの作品です。
たしかにゲイの目線から見れば痛快なんだろうと感じるサクセスストーリー。
政治活動だけでなく、私生活の恋模様も描かれたドラマティックな展開。
ゲイに批判的な感情を持ってしまったボクにとっても、
ミルクのアンチヒーローぶりには不愉快ながらも魅力を感じました。
そのミルクを演じ、主演男優賞に輝いたショーン・ペンもさすがの演技。
ボクは実物のミルクは見たことないけど、かなりの再現度と言われるだけあって、
内面からあふれ出すゲイっぽい雰囲気全開の演技もさることながら、
ゲイ同士のキスやラブシーンなど気色悪い演技を違和感なくやってのける根性には、
オスカーも納得の役者魂を感じました。

ミルクによるゲイの公民権運動により、なんとか阻止された"提案6号"ですが、
この前の大統領選の裏で行われた市民投票では、"同性婚を禁止する"という内容の
条例案"提案8号"が可決されたそうです。
ミルク亡き後のアメリカでは、ゲイの市民権はまだまだ完全ではないようですね。
それに比べれば日本はゲイにも市民権があります。
でも表に出てくる日本のゲイ、通称おネエ系どもは正直イメージ悪いです。
やたら偉そうだし、いい年して性への渇望が半端ないし…。
ボクの周りでは(カミングアウトしてないだけかもしれないけど)そっち系の人は
いないので、あいつらががゲイのステレオタイプとしてイメージされているのが、
この映画に共感できない一番の理由かも…。

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