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JUDGE ジャッジ

先週末は新作映画の怒涛の公開ラッシュで、ボクも足繁く映画館に通ったのですが、
それでも観たい作品を全て観切れず、『2ガンズ』『スティーブ・ジョブズ』
『セブン・サイコパス』の3本も今週末以降に持ち越すことになりました。
でも今週末もそこそこ公開ラッシュで、観る予定の映画が貯まるばかりです。
先週末は洋画の公開ラッシュでしたが、今週末は目ぼしい洋画は『キャリー』くらいで、
『清須会議』『ルームメイト』『四十九日のレシピ』など、邦画の公開ラッシュな感じです。
現在観たい映画が7本以上ありますが、ボクは洋画贔屓なので、
今週末公開の邦画は後回しで、先週末公開の洋画を優先して消化することになるかな。
でも新しいもの好きなので、今日は邦画を観ましたけど。

ということで、今日は今週末の邦画ラッシュの先陣を切る邦画の感想です。

JUDGE ジャッジ
ジャッジ JUDGE

2013年11月8日公開。
外海良基の人気コミックを実写化した、シチュエーションスリラー。

何者かによって、脱出不可能な閉ざされた空間に連れ去られてきた7人の男女。意識が回復した彼らは、オオカミやライオンといった動物のマスクを装着された上に、毒薬を投与できる手錠を掛けられていることに気付く。やがて、それぞれが傲慢(ごうまん)、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、大食、色欲という七つの大罪を背負っているとして、あるゲームを課せられる。それは制限時間内に互いの素性を見極め、罪が重いと判断した者を投票して死刑判決を下すという異常なものだった。(シネマトゥデイより)



一昨年のトロント国際映画際で『サプライズ』という映画が上映されました。
キツネ、ヒツジ、トラの動物マスクを被った集団に襲われる一家を描いた
シチュエーション・スリラーですが、これがかなり面白いと話題になりました。
その作品は今年の夏に全米公開され、日本でも来週末公開になる予定で、
ボクもとても楽しみにしているのですが、奇しくもその一週間前となる今週末にも、
動物マスクを使ったシチュエーション・スリラーが公開されました。
それが本作です。
タイミング的に『サプライズ』の公開に便乗しているのは間違いないですが、
『サプライズ』が楽しみだったので、それと似た雰囲気の本作にも興味を持ち、
こちらも期待して観に行ったのですが、どうやらトンデモない勘違いだったようで、
本作は『サプライズ』なんかとは比べるべくもない駄作です。
尤も『サプライズ』はまだ観てないので、比べられるはずもありませんが、
とにかく本作はシチュエーション・スリラーとして最悪なレベルな出来で、
比べるまでもなく期待ハズレな作品です。
まだ観に行ってない人はラッキー、観たら絶対に損をしますよ。

いわゆるデスゲームもので、参加者が生き残りを賭けてゲームをするのですが、
デスゲームに必要不可欠な心理戦は全く行われません。
それどころか、参加者たちは絶対にあり得ないような行動ばかりとるため、
全くリアリティがないので、緊張感が全く伝わってこず、スリラーとしては致命的。
デスゲームものは誰が終盤まで生き残るか予想されてはいけないので、
初めから主人公やヒロインを立てる時点で間違っていますが、
配役も、キャストの格に差がありすぎて、誰が死に、誰が生き残るかも一目瞭然。
主人公とヒロインが終盤まで生き残るのはもちろんですが、
それ以外に最後まで残る登場人物も、キャストの格でバレバレです。
しかもその3人は、そんな行動をしたら普通は脱落しそうだと思うことをするのに、
なぜか最後まで残り、明らかに不自然な印象を受けるんですよね。
まるで他の脇役が空気読んでその3人を残しているような感じです。
あ、これはネタバレでしたね…。でも誰でも予想できることだから、まぁいいか。

それから撮影方法も、ファウンドフッテージを使っているのですが、
この撮影方法はフェイク・ドキュメンタリーじゃないと意味がなく、
公然のフィクションであるシチュエーション・スリラーなんかで使ったら、
ただ単にチープな映像になるだけです。
チープなだけならまだいいけど、全編監視カメラの映像に見せかけるために、
画像をわざと乱れさせたり、わざとピントをボカしたりするので、とても見難いです。
その上、監視カメラはリモートパンを使っているので、その首振り音も耳触りです。
そんな基本的なことにも気が回らないなんて、監督は映画学校からやり直した方がいい。

しかし、なによりシチュエーション・スリラーとして絶望的だったのは、
そのシチュエーションに全く魅力が感じられないことです。
7人参加者がそれぞれ7種類の動物のマスクを被っているという設定は、
ビジュアル的には面白いと思いますが、彼らが興じるゲームが尋常ではなく退屈。
参加者それぞれが制限時間内に7人の中から1人選んで投票し、
最多得票の人が処刑されるというだけのルールの投票ゲームです。
ゲームがシンプルなのは決して悪いことではありませんが、それを盛り上げるには、
参加者同士が手を組んだり、裏切ったりという、心理戦が必要不可欠。
ところが本作の参加者は戦略なんて全く考えておらず、
ただその場その場で自分のために投票するだけです。
処刑方法も、毒薬入りの手錠から毒が注射されるだけで面白味に欠けるし、
唯一魅力的な動物マスクも二回目の投票終了後(物語序盤)に脱げてしまいます。

投票の判断材料として、主催者から「最も罪が重いと思う罪人に投票せよ」と告げられ、
7人の参加者の過去の悪行を見れるモニターが用意されています。
それぞれ「七つの大罪」のひとつに符合する罪を背負っており、
「憤怒」は傷害事件を起こしたオオカミ、「傲慢」は暴言でブログ炎上させたライオン、
「怠惰」はひきこもりで母親を自殺させたクマ、「色欲」は不倫で家庭崩壊させたウサギ、
「嫉妬」は会社を乗っ取ったイヌ、「暴食」は被災地で義援金や物資を横領したブタ、
「強欲」は悪徳自己啓発セミナーのキツネ、とその罪の種類や度合いは様々です。
被害者の数で言えばキツネが断トツだし、被害金額ではイヌかな。
ボク的にはブタの罪が一番ムカつきますし、罪の重さの尺度は様々でしょう。
その判断材料を基に、7人でお互いを非難したり自己弁護しながら、
自分が生き残れるように努力するのが、このゲームの本来のプレー方法だと思うけど、
本作の参加者たちは、罪の重さを論じたり、それを投票行動に繋げたりしません。
それというのも、主人公のオオカミが、一貫して自己投票を呼び掛けるからです。
全員が自分に投票すれば、多数決が成立せず、誰も処刑されないと考えたからですが、
それによって参加者の判断は、自己投票するか否かの二択となり、
誰が最も罪が重いかなんて度外視されてしまい、これでは心理戦の余地がなくて当然です。
それにしても主人公のオオカミは『LIAR GAME』の直ちゃん並にお人好しですが、
本作には秋山に当たるキャラがいないので、彼は単なる愚か者です。

何者かに拉致られ、密室に閉じ込められた7人の男女に、死の投票ゲームが科せられます。
最初の投票時に罪が明らかなのはクマだけだったため、当然みんなクマに投票する流れに。
しかしお人好しのオオカミだけは自己投票を訴え、ヒロインのライオンがそれに乗ります。
結局クマに5票入り、彼は処刑されることになります。
しかしあり得ないのは、圧倒的に不利なクマも自己投票してることですよね。
続く二回戦は、オオカミの案が採用され自己投票が成立、全員1票ずつになります。
全員1票ずつであれば誰も処刑されないなんて保証はどこにもないのに、
(結果的に誰も処刑されなかったが)自己投票する人が増えるなんてあり得ない展開です。
全員自己投票していたと思われましたが、実はイヌとブタがお互いに相手に投票しており、
それで危険視された二人は、三回戦で2票ずつの同率最多得票で二人とも処刑されます。
その時ライオンは自己投票しませんでしたが、パスのペナルティはないようです。

三回戦終了後、残ったオオカミ、ライオン、キツネ、ウサギの4人は、
密室を調べて電動ドアを発見し、配線を切って停電させ、ドアをこじ開けます。
そこは狭い小部屋でオオカミとライオンが中に入ると、電源が復旧しドアが閉まり、
二人は閉じ込められ、四回戦に投票できない状況になります。
外のウサギは「このままでは全員死ぬ」と考え、二人に自殺を要求します。
でもなぜ二人が投票しないと全員死ぬことになるのか、よくわかりませんでした。
たしかにキツネとウサギだけが自己投票すれば、同率最多得票で彼らは死ぬけど、
キツネとウサギで閉じ込められた二人に投票すれば、自分たちは助かるはず。
それともボクが見落としていただけで、パスのペナルティはあるのかな?
とりあえず、二人はギリギリ小部屋から脱出でき、投票に参加できました。
しかしライオンとウサギは自己投票せず、お互いに投票し合い、
更にキツネは自己投票せず、ウサギが2票獲得となり処刑されるのです。

ライオンの本性を知ったオオカミですが、どこまでお人好しなのか、
あり得ないことに金鑢で彼女の毒薬入り手錠を外してあげます。
これでライオンが死ぬ可能性はなくなった後の五回戦ですが、
なぜかオオカミはまだ自己投票を訴え続けるのです。
ここはどう考えても、死ぬ可能性のないライオンに投票する場面ですよ。
オオカミは頭が弱い子なのかもしれないと思えるほど、あり得ない判断です。
キツネはわかっているようで、自己投票せずにライオンに投票します。
オオカミも素直に自己投票したため、オオカミが2票で最多得票になりますが、
毒は手錠だけでなく、体内にも仕掛けられており、オオカミは処刑されます。
続く6回戦、残り二人になってもオオカミはまだ自己投票を訴え続けるのですが、
そんなキツネに裏切られたら終わりな絶対不利な状況になる提案、あり得ません。
この場合は「お互いに投票しよう」と訴えるのが至極当然な考え方です。
キツネは当然そんな誘いには乗らず「オマエに投票した」と宣言。
さすがに頭がおかしいオオカミも、それに対抗してキツネに投票します。
これではいつまで経っても決着は付かないんじゃないかと思ったら、
最後は投票ゲームを観戦していた人たちによる、ユーザー投票で決まるようです。

ユーザー投票ではキツネが優位ですが、自己投票を裏切り続けた狡猾なキツネより、
自己投票でみんなで助かろうと頑張っていたオオカミが票を伸ばすのは、
人道的な点では不思議ですが、ボクもゲームをつまらなくしているオオカミが
さっさと処刑されたらいいのにと思っていたので、
観戦していたユーザーも同じ気持ちだったのかもしれませんね。
負けそうなオオカミは逆上し、集計が終了する前にキツネを殴り殺し、
自分が最後の生き残りとなり、処刑を免れるのです。
でも投票以外の方法で殺してもいいなんてルールはなかったし、
生死は関係なく、最多得票の方に毒が注入されるべきでしょ。
最後の生存者になり、解放されると思われたオオカミですが、
その後さらに「有罪」or「無罪」のユーザー投票が行われます。
その投票では僅差で「無罪」になったようですが、同じユーザーの投票であれば、
キツネとの決選投票では負けていたオオカミが「無罪」になるのはあり得ません。
ユーザーはキツネを殺すところをリアルタイムで見ていたはずなのに、
普通だったら圧倒的大差で「有罪」のはずで、こんな結末はマジであり得ません。

うーん、この感想だけでもあり得ないほどに「あり得ない」を連発してますが、
それほどあり得ない展開の、あり得ないほどの駄作だと思います。
『サプライズ』と間違えて本作を観る人がいないことを祈ります。

コメント

>>その時ライオンは自己投票しませんでしたが、パスのペナルティはないようです。
いまさらですがレンタルで見ました、ライオンは自己投票してました。
見る価値もない映画で時間を損しました。

  • 2015/03/08(日) 22:47:04 |
  • URL |
  • 通りすがり #-
  • [ 編集 ]

通りすがりさんへ。


ご指摘、ありがとうございます。
どうやら見落としていたみたいです。
そうじゃないと、その後の展開に繋がらないので、
おかしいなとは思っていたのですが…。

レンタルする前にウチの記事を読んでいただけたら、
時間を無駄にせずに済んだと思われるので残念です。
でも映画館で観たら時間もお金も更に無駄になったはずなので、
レンタルで済んだのは不幸中の幸いです。

  • 2015/03/09(月) 18:17:09 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

Netflixで見ました。最初の5分で最後の5分まで飛ばして見ました。これを映画館で見た人は返金を要求してもいいと思います。
監視カメラ風の映像で有村架純の可愛さすら見れないとは。
たった10分しか観ていなくてもこの作品は私にストレスを残していきました。

  • 2015/10/04(日) 19:18:16 |
  • URL |
  • tk #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ホントに返金してほしいです。
でもこの時はフリーパスかポイント鑑賞で無料で観た気がするな。
地雷臭半端ないし、無料じゃないとたぶん観てないはずなので。

最初の5分で駄作だとわかったんですか?
実際に駄作だったわけだけど、なんか凄いですね。
こんな見る価値のない映画もあるみたいですが、
面白そうなオリジナル作品もあるみたいなので、
Netflixが見れるのは羨ましいです。

  • 2015/10/06(火) 22:41:53 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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