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劇場版 SPEC 結 漸ノ篇

最近、海外ドラマにも嵌っているのですが、
先日ちょうど『ウォーキング・デッド』のシーズン2を見終えました。
最近見た海外ドラマの中でも、どストライクな内容で、とても面白かったです。
シーズン3のレンタルも開始しているのですが、まだ半分しかリリースされてないので、
全巻出揃ってから見はじめようと思っています。(後編のリリースは来月だったかな?)
映画も日本映画よりハリウッド映画の方が面白いのは間違いないけど、
テレビドラマも日本よりアメリカのテレビドラマの方が面白いです。
でもやっぱりテレビドラマよりも映画の方が面白いし、
今月は映画の公開ラッシュなので、海外ドラマの鑑賞も一旦休止して、
暫らくは映画を観に行くことを優先するつもりです。

ということで、今日は海外ドラマへのリメイクが決まった日本のドラマの劇場版の感想です。

劇場版 SPEC 結(クローズ) 漸(ゼン)ノ篇
スペック 結 漸ノ篇

2013年11月1日公開。
人気ドラマ『SPEC 警視庁公安部公安五課未詳事件特別対策係事件簿』の劇場版第二弾。

諸事情によりストーリーを記載しておりません。(シネマトゥデイより)



テレビドラマ『SPEC 警視庁公安部公安五課未詳事件特別対策係事件簿』のことは、
面白いドラマだとは聞いてはいたのですが、日本は刑事ドラマだらけなので、
所詮『SPEC』もその中の一本に過ぎないと思い、全く触手が伸びませんでした。
ところが昨年4月に、『SPEC』がアメリカでドラマ化されることが発表され、
『SPEC』に俄然興味が沸いたので、DVDをレンタルして見はじめました。
正直、初めは噂ほど面白くないと思いましたが、戸田恵梨香演じるヒロインが可愛くて、
ついつい見続けてるうちに、後半ちょっと面白く感じはじめ…。
しかし、レギュラー放送終了後のSPドラマ『SPEC 翔』はイマイチな印象で、
更にその後公開された劇場版第一弾『SPEC 天』はかなり残念な出来栄え…。
こんな体たらくでは、ちゃんと海外ドラマにリメイクされるのか心配になりました。

リメイク製作の声をあげたのは『HEROES』の日系俳優マシ・オカですが、
ドラマのプロデュース経験もない彼では、本当に実現するか端から疑問ですけど。
しかも彼は、レギュラー放送終了直後にリメイクのオファーをしたそうで、
その後、こんな体たらくな展開になるとは思いもしなかったはずです。
もうすでにリメイク版のキャストや製作会社が決まってないとおかしいですが、
発表以来全く続報がなく、どうやら企画はポシャったと考えて間違いないでしょう。
とはいえ、当時あれだけ東宝やTBSがリメイクを決定事項として高らかに発表していたし、
いつか実現するのではないかという淡い期待は持ち続けていたんですが、
本作を観て、その囁かな期待も消え失せてしまいました。
こんなクソみたいな作品のリメイクに、金を出すバカは未来永劫現れません。
そしてこんなクソみたいな作品が、日本初の米国ドラマリメイクになるのは、
日本人としても容認することはできないと言わざるを得ません。

映画ファンであるボクは、テレビドラマの安易な劇場版化に対し好意的ではないですが、
ボクも好きなドラマが劇場版になれば嬉しいし、喜ぶファンがいるなら別に構いません。
しかし本作は、ファンに対してあまりにも失礼な作品だと感じました。
『SPEC』の完結編と銘打たれた本作は、前後編として公開されますが、
前後編になれば、それだけ長く楽しめるわけだから、完結を惜しむファンは嬉しいでしょう。
しかし本作はそのファンの気持ちに浸けこむ卑劣な作品です。
本作『漸ノ篇』は完結編の前編という建前ですが、
実際はこれまでの総集編プラス後編『爻ノ篇』のプロローグでしかなく、
その内容は非常に薄いため、完結編を前後編に分ける必要を感じません。
ただ単に、ファンから二度も鑑賞料を巻き上げるための集金手段として、
1本の映画を2本に分割しただけのものです。

ドル箱コンテンツを延命するために完結編を無用に前後編に分けた作品と言えば、
『トワイライト』シリーズの完結編『ブレイキング・ドーン』が悪名高いですが、
本作『SPEC 結』は後編が前編から1カ月も経たないうちに公開されるので、
2本に分けた必然性は更に薄く、史上最悪な前後編だと思います。
製作サイドからすると、前後編というのは非常にメリットが大きいです。
いわゆるBack-to-Back方式というやつで、間隔なく2本撮ることで、
2本目立ち上げの手間を省き、予算を節約することができるのです。
この方式を上手く使ったの邦画の代表は『GANTZ』や『SP』でしょう。
Back-to-Back方式を利用し映画2本分の予算の無駄を節約することにより、
邦画ではなかなか難しい大規模なロケやVFXの使用を可能にしました。
ところが本作は、既出映像の使い回しによる回想シーンが多用され、
撮り卸しシーンもいつものセットでの長回しが多く、豪華ゲストすらいません。
はっきり言って、公開直前に放送されたSPドラマ『SPEC 零』よりも低予算です。
客から料金は2本分取るくせに、予算は2本分掛けてないのは明白です。

「その分、後編が超豪華になるのでは?」と思うかもしれませんが、それは甘いでしょう。
その証拠に、SPドラマ『SPEC 零』のラテ欄に「メチャ金かけました」と書かれており、
たしかに単発テレビドラマにしては派手な内容だったと思いましたが、
それもそのはずで、劇場版(特に本作分)の予算を流用しているためです。
我々の払った鑑賞料は、タダで見れるテレビ番組に使われているのです。
そもそもTBSは、映画事業よりもテレビの視聴率を取ることを優先する会社です。
『半沢直樹』の続編が、劇場版ではなくシーズン2になるのもそのため。
本業が第一なのはいいけど、鑑賞料で番組作られたら堪りません。
まぁ『SPEC』ファンはSPドラマも見ただろうから、別に構わないけもしれないけど、
本作の出来から察するに、映画2本とSPドラマ合わせても映画2本分の予算は使ってないです。

以下、ネタバレです。

ほぼ後編のプロローグで、内容の薄い本作は、物語も前作からほとんど進展してません。
向井理演じる謎の男セカイや大島優子(及び子役)が演じる潤の正体や目的も棚上げ。
彼らが深く関与していそうな「ファティマ第三の予言」とか「ソロモンの鍵」とか、
宗教臭いというか中二病臭い謎の言葉も、いまいち要領を得ないまま持ち越しです。
それにしても、大島優子演じる潤の妙なキャラ設定はどうにかならなかったものか…。
会話途中で吃逆しまくりで、見苦しい上に聞き苦しく、鑑賞の邪魔になります。
吃逆が何かの伏線であればいいけど、堤幸彦監督の単なる思い付きでキャラ付けしただけで、
それを面白いと感じているのであればセンスはかなり問題です。
観客との感性の齟齬は致命的で、もう引退した方がいいでしょう。

極端なキャラ設定や死語や時事ネタの多用などの独特な演出で一世風靡した堤監督ですが、
エントロピーの増大により陳腐化し、今となっては時代錯誤さえ感じる状況。
もはやオヤジギャグのような鬱陶しささえ覚える始末です。
彼の二大ライフワークだった『SPEC』と『TRICK』が2ヶ月連続で完結するのは、
彼の時代が終わったことの象徴かもしれません。
とはいえコメディ作品であれば、ややウケ連発もある意味シュールで、
ボクもそのノリは決して嫌いではないです。
でも、レギュラー放送終盤から急激にシリアスな方向に舵取りした現在の『SPEC』は、
もうコメディと呼べるものではなく、大島優子然り、その演出が邪魔になります。
シリアスシーンでボケを挟むのは、奇抜な演出などではなく、ただの悪ふざけです。
張り詰めた緊張感がぶち壊されるだけでなく、そんな雰囲気ではギャグだって滑りますよ。
ただでさえ、ややウケなネタなのに…。

ほとんど物語に進展のなかった本作ですが、そんな中でも新たに語られたことは、
謎の男セカイの兄貴分に卑弥呼という謎の男(演じるのは北大路欣也か)がおり、
どうやら謎の世襲組織「御前会議」のリーダーらしいということ。
謎の計画「シンプルプラン」でSPECホルダー全滅を推し進めていた御前会議ですが、
なぜか方針転換して、SPECホルダーを守る組織になったとのこと。
そのシンプルプランとは、SPECホルダーを滅ぼすためのウィルス兵器であり、
戸田恵梨香演じる主人公の当間もそれに感染してしまったらしいこと。
後編を観る上で必要なことは、だいたいこのくらいではないでしょうか。
こんな、ものの10分もあれば描けそうなことを、既出シーンの使い回しや、
不毛な撮り卸しシーンで水増しして、上映時間94分に引き延ばしてあります。

本作で最も重要な展開は「主要人物がひとり死んだこと」と思う人もいるかもしれません。
死んだ主要人物とは、竜雷太演じる野々村係長です。
たしかにそのシーンで泣いている人も見受けられたし、感動したという人も多いです。
係長はボクも好きなキャラではありますが、彼が死んでも全く琴線に触れなかったのは、
この『SPEC』という作品は、「死」がそれほど重要となる世界観ではないからです。
これまでも、瀬文のように助かるわけがない致命傷を受けてもケロッと復活したり、
ニノマエのように死んだはずなのに蘇ったりする展開が沢山ありました。
当間のSPECも、死んだ人を一時的に呼び出せるというもので、
死んだ冷泉なんかも何度も呼び出され、死んでからの方が活躍したくらいです。
ボクが『翔』以降面白くないと感じたのは、当間のそのSPECが判明したからなのかも。

当間のSPECは強力すぎてバランスブレイカーなので、
本作では「使うと暴走する」という枷を与えられ、使うことはできませんし、
死んだSPECホルダーしか呼び出せないので、野々村係長には無効かもしれません。
でも、当間のSPECを用いなくても、本作では蘇る手段はいくらでもあります。
現に本作でも、『翔』でミイラ化してしまった刑事の吉川が奇跡の復活をしています。
野々村係長自身も、一度CIROの宮野に撃ち殺されますが、
水を操るSPECホルダーに身体を乗っ取られるも、デカ魂で一時意識を取り戻します。
その後、再び殉職するのですが、本作だけでも二度死に、一度復活しているのです。
他にも津田の影武者や、ニノマエのクローン、潤の治癒能力など、復活方法が多岐にわたり、
こんな死が軽い世界観で、どうすれば人の死に感動できるというのでしょうか。
野々村係長の霊安室に、中谷美紀演じる『ケイゾク』のヒロインでも駆けつければ、
ちょっとは感動したかもしれませんが…。
なので、『ハリー・ポッターと死の秘宝』の前編ラストで仲間が死んだ展開とは異なり、
野々村係長が死んだ展開は山場でも何でもなく、前編を締め括るシーンとしては弱いです。

驚いたことに、本作にはエンドロールが存在しないんですよね。
映画として成立してない本作には相応しいとも言える終わり方ですが、
もちろん製作サイドはそんなことをアピールしたいはずはなく、何か別の意図があるはず…。
まず考えられるのは、SPドラマを含めて過去最弱なキャストを悟られないため。
劇場販促ポスターなどは、オールキャスト総出演のようなデザインでしたが、
実際はほとんどのキャストが、使い回しシーンで使われただけなため、
それをエンドロールで表示するのは忍びないと考えたのかもしれません。
でも一番の理由は、客にさっさと帰ってほしかったからなのかも。
エンドロール中に「面白くなかったね」なんて話されると、後編の集客に悪影響が出るし、
駄作だとエンドロールが流れた途端に席を立つ客が多いものですが、それも印象が悪く、
後編の集客に悪影響が出るので、いっそエンドロールをなくそうと考えたのかも。
或いは客から倍の料金をせしめようとする金に汚い本作だから、
エンドロールを切ることで回転率を上げ、一日の上映回数を増やそう考えたのかも。

とりあえず、もう海外ドラマ化の目はないし、この調子だと次も期待できませんが、
すでにレギュラー放送分、SPドラマ2本、劇場版2本に付き合ってしまった手前、
ここでやめるのは癪なので、後編『劇場版 SPEC 結 爻ノ篇』も観に行きます。
しかしその出来如何では、TBSのドラマの劇場版は二度と観ません。
堤幸彦作品も『TRICK』の完結編までの付き合いとなるかもしれません。

コメント

私の言いたいことは大体ここに書かれていました。

大島優子の演出寒かったですね。
堤幸彦がシリアスな映画を撮れないし、伏線を回収できない。というのはケイゾクの映画版で思い知らされました。
なので私はスペックに関しても予想どうりのクソ映画だとしか思いませんでしたが、これが2作の映画として公開され、劇場で見てしまった人々がいるということを本当に気の毒に思います。
これで堤幸彦がどういう人間なのか学んだことでしょう。

ジョジョ好きの私にはところどころ見られるジョジョからの引用が、他の悪ふざけと同じトーンに感じられて不快でした。
影響を受けていると指摘されたからジョジョネタを増やしたと言われていますが、こんな駄作に終わるなら少しもジョジョを絡めないで欲しいと思いました。

  • 2016/04/27(水) 23:38:17 |
  • URL |
  • tk #-
  • [ 編集 ]

tkさんへ。

『爻ノ篇』は駄作な本作を更に下回るゴミで、
『TRICK』完結編も(幾分マシだったものの)駄作だったので、
それ以来『イニシエーション・ラブ』や『天空の蜂』など、
無能なオッサンの関わったゴミは全てスルーしています。
オッサンのゴミは二度と観ることはないでしょう。
これ以上被害者が増えないように、さっさと引退すればいいのに。

私も引用は好きですが、寒い引用は悪意あるパクリと同じ。
ネタ元にもネタ元のファンにも失礼です。

  • 2016/04/28(木) 18:51:03 |
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  • BLRPN #-
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