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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海

現在、第二次ゆるキャラブームが到来中です。
「ひこにゃん」の登場で火がついた第一次ゆるキャラブームでしたが、
各地でゆるキャラが粗製乱造されたことで沈静化してしまいましたが、
ゆるキャラグランプリ二代目王者「くまモン」の頑張りで再燃し、
最近では「ふなっしー」がテレビで大活躍してますね。
ボクも「ひこにゃん」でゆるキャラに嵌り、近畿のキャラを中心に応援しています。
今週末に投票が締め切られる「ゆるキャラグランプリ2013」ですが、
ゆるキャラは基本的にご当地キャラなので、地元のキャラを応援するのが普通です。
ボクの地元である兵庫県だけでも50キャラ以上がエントリーしており、
どのキャラに投票するのか迷うところですが、そういう意味では、
キャラ数の少ない自治体の方が、票が割れないので有利な気がしますね。
なので上位に入る見込みのないキャラは辞退するのが、延いては地元のためになり、
地元を盛り上げるために生まれたご当地キャラの本分だと思います。

兵庫県で言えば、最近「ふなっしー」に便乗してテレビ露出の増えた、
尼崎市非公認「ちっちゃいおっさん」がエントリーしており、善戦しそうですが、
その妻「ちっちゃいおばはん」もエントリーしており、身内に票を食われかねません。
まぁボクは尼崎市をほぼ大阪府と思っているので、彼らのことは全く応援していません。
ボクは西宮市民なので、市の公認キャラ「みやたん」に頑張ってほしいです。
でもやっぱり兵庫県の公認キャラである「はばタン」を推したいかな。
「はばタン」はゆるキャラという言葉ができる前から活躍していた県のマスコットで、
その功績は大きく、ぜひ全国区の人気者になってほしいです。
映画ファンとしてはMOVIXの「ヒッポコブラザーズ」にも親近感があるけど、
企業キャラをゆるキャラとは認めたくないです。

ということで、今日は「ふなっしー」が日本語吹替声優を務めた映画の感想です。
でも「ちっちゃいおっさん」もそうだけど、ゆるキャラが喋るのって、
古参ゆるキャラファンからするとちょっと抵抗あるんですよね…。

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海
Percy Jackson Sea of Monsters

2013年11月1日日本公開。
人気児童小説を映画化した冒険ファンタジー映画シリーズ第二弾。

ギリシャ神話でも知られる海の神ポセイドンと人間の母の間に生まれた、ハーフゴッドのパーシー(ローガン・ラーマン)。謎のクリーチャーに襲われた彼は、それを きっかけに人間界と神々の世界の境目にあった結界が破られ、ハーフゴッドの世界を守るタレイラの木が枯れようとしているのを知る。また、その裏にはポセイドンらによって封印された神々の父クロノスの復活が関与していた。彼の邪悪なパワーを食い止め、世界を救うべく、パーシーと仲間たちはその鍵となる黄金の毛皮を探し求める冒険に出発し……。(シネマトゥデイより)



本作はシリーズ第2作目ですが、前作が公開されたのは2010年初めです。
実に3年半以上のブランクを経ての続編となりますが、
本作の製作が発表されるまで、もう続編は作られないものと思ってました。
前作は全米初登場3位、全米興収も及第点ギリギリの成績だったためです。
『ハッリー・ポッター』の大ヒットで、次々とファンタジー小説が映画化されましたが、
成功したのは『トワイライト』シリーズくらいのもので、
『エラゴン』『ライラの冒険』『ダレン・シャン』『アイ・アム・ナンバー4』など、
多くの映画化作品が、完結を見ないまま1作目で打ち切られてしまいました。
特に本作の配給をする20世紀フォックスは、すぐに見切るイメージがあります。
せっかくディズニーから譲り受けた『ナルニア国物語』ですら、
一作だけ製作したものの、続編の目処は立っていないようだし…。
だから本シリーズも、きっとそうなるのではないかと思ったんですよね。

実際、全米公開直後は打ち切りになる可能性がかなりあったと思われます。
主演俳優ですら「あれ?続編のオファーが来ないぞ」と思っていたそうで、
その時点では白紙だったのは間違いなさそうです。
ところが日本を筆頭に海外でヒットし、ビデオもけっこう売れたみたいで、
これならいけると、前作公開の約1年後に続編の製作が始動しました。
ボクとしても予想外の展開でしたが、せっかく前作を観ていたので、
他のファンタジーのように中途半端に終わらなくてよかったです。
…と言いたいところですが、今でも全く予断を許さない状況です。
前作よりも若干低予算で製作されてはいるものの、やはりブランクが長すぎたか、
本作は全米初登場4位、全米興収も前作を大きく下回っています。
海外では健闘していますが、ほぼ最後の巡業先である日本では、
劇場の集客を見るからに前作ほどの勢いを感じません。
映画公開ラッシュの11月1日に公開されましたが、完全に埋没し忘れられています。
前作が地上波で放送でもされていれば、多少はマシだったでしょうが…。
もうビデオセールス頼みの状態で、製作サイドも公然と、
「続編観たければビデオ買ってね」と言っている状態です。
全5部作のまだ2作目でコレでは、3作目は作れたとしても完結は難しそうです。

でもボクとしては、別に本シリーズが存続してくれなくてもいいんです。
もう一度諦めていたのもあるし、本シリーズをそれほど楽しめているわけでもありません。
いや、むしろちょっと嫌いなくらいかもしれません。
ボクはギリシャ神話オタクですが、本シリーズのギリシャ神話の扱いには不満があります。
何と言うか、本シリーズからギリシャ神話に対するリスペクトを感じないんですよね。
ただ何の信念もなく、世界中で人気のあるギリシャ神話を利用しているだけです。
本作は「普通の人にわかるのか?」と思うほど、細部にまでギリシャ神話の小ネタが満載で、
ギリシャ神話に詳しい人が物語を作っていることはよくわかるのですが、
それほど精通しているのに、なぜギリシャ神話を貶めるような展開や設定にするのか。
最高の素材をよくもこんなに不味く料理できるものだと憤りを感じます。

ギリシャ神話は本当に面白い英雄譚なので、『タイタンの戦い』のように、
(多少アレンジしても)そのまま映像化するのが最も活きると思います。
それはギリシャ神話を知っている人ほどそう思うはず。
舞台を現代のアメリカにしてしようなんて、あり得ない糞アレンジです。
ギリシャ神話に登場する魅力的なモンスターをゴミ同然に使い捨てたり、
オリンポスの神々の根幹となる設定を蔑ろにするのも不愉快極まりなく、
史上最悪のギリシャ神話映画だと思っています。
それでも観に行くのは、それだけギリシャ神話が好きだからで、
どれだけギリシャ神話が貶められているのか、確認せずにはいられないためです。
前作を観た時は、本当に反吐が出そうなほどムカつきましたが、
それで若干耐性が出来たためか、本作は少し冷静に見れました。
どうせ不人気で打ち切られる作品だし、目くじらを立てるほどでもないとも思えたし。

以下、ネタバレ注意です。

オリンポスの神々と人間の間に生まれた半神たちが暮らす訓練所が、
ある日、コルキスの牛に襲われます。
コルキスの牛は鍛冶神ヘパイストスが作った火を吐く青銅製の雄牛ですが、
CGで再現されたロボット牛はなかなかよかったと思います。
海神ポセイドンの息子パーシーの活躍で、なんとか撃退に成功しますが、
訓練所は半神しか入れないバリアーが張られているので、
外敵の侵入を許すのはおかしいという話になります。
調べてみると、バリアーを出しているタレイアの木が毒で弱っていることが判明し、
それを治癒するための道具、黄金の羊毛を探さなくてはならなくなります。
…という話ですが、半神しか入れないバリアーといっても、
コルキスの牛は青銅製のロボットで、単なる道具だから関係ないはず。
訓練所の教官ケイロンは「バリアーが切れたら全員死ぬことになる」と言いますが、
そのバリアーを出している木は、ゼウスの娘タレイアが死んで木になったもので、
タレイアが死んだのは7年前なので、バリアーが出来たのも7年前です。
それ以前から訓練所は安全な場所だったはずなのに設定が滅茶苦茶ですよ。
それに神話では黄金の羊毛に治癒能力なんてありません。
アルゴナウタイの冒険の真似事をしたいための無理やりな展開です。

訓練所のミスターD(どうやらディオニュソスらしい)は、
黄金の羊毛を探しメンバーを選抜しますが、そこにパーシーは選ばれず…。
訓練所で最も成績がいいアレスの娘クラリサが選ばれます。
パーシーは「デルポイの巫女の予言では自分が選ばれるはずなのに」と不満を持ち、
サテュロスのグローバーと、アテナの娘アナベスを誘って勝手に羊毛探しに出掛けます。
ポセイドンの息子だからって、自分が特別だと思っている鼻持ちならない二世です。
ハリー・ポッターもだけど、ファンタジーには血だけで活躍する奴が多いですよね。
でもまぁパーシーはまだいいですが、アナベスの存在だけは容認できません。
アテナは処女神なので、娘がいるなんて設定はギリシャ神話ものの不文律に触れます。
アナベスは本作のヒロインですが、それが不可解すぎて全く好感が持てません。
アレスの娘クラリサの方が断然ヒロインに向いていると思います。

パーシーの一行には、彼の異母弟タイソンも同行します。
タイソンはポセイドンと海のニンフの間に生まれた半神ですが、
なぜかキュクロプス(単眼の怪物サイクロプス)なんですよね。
(キュクロプスを実写映像化すると奇形感が半端なく、ちょっと不気味すぎます。)
彼は黄金の羊毛を持っているのがポリュペモスというキュクロプスなので、
「自分なら交渉できる」と同行を願い出るのですが、ここが問題です。
実はタイソンのモデルこそポリュペモスであり、
ギリシャ神話のポリュペモスもポセイドンとニンフのハーフなのです。
つまりポリュペモスもパーシーの異母兄ということになるのですが、
本作はその設定を一切無視し、ただの悪いキュクロプスとして描かれます。
ギリシャ神話とは別のポリュペモスという名前のキュクロプスという設定ならいいが、
ご丁寧にオデュッセウスを監禁したキュクロプスであると言及され、
『オデュッセイア』のポリュペモスと明言されます。
作者はギリシャ神話を知ってるだけに、都合の悪い設定だけ無視するのが悪質です。
それはギリシャ神話との違和感ですが、タイソンの設定には普通に違和感があります。
彼は序盤でコルキスの牛の猛突進を素手で受け止めるほどの怪力を見せますが、
その後、その身体能力を発揮するシーンが全くないのです。
悪い半神に捕まった時も、彼の怪力なら牢屋くらい破れそうなのに…。

同行することになったタイソンですが、アナベスは彼のことを全く信用しません。
キュクロプスに襲われた経験があるからですが、あまりの頑なな態度に違和感を覚えます。
本作のアナベスは知恵の女神アテナの娘というわりに、全く賢そうに見えません。
(ボクがアナベスの存在を認めてないというのもあるけど…。)
そもそも神話のキュクロプスは、そんなに悪いモンスターではありません。
オリンポスの神々に味方し、クロノスを倒したゼウスの親戚ですからね。
ちなみにゼウスに味方した親戚にはヘカトンケイルもいますが、
彼は本作でなぜかコーヒーショップでバイトしています。
手が多くて面白いという理由で、貴重なキャラを無駄にするんじゃないよ…。
まぁあのヘルメスですら、郵便局で働いてますからね。
たしかにヘルメスは伝令の神で、神々の郵便係ではあるけど、
アナベスが彼の居場所を知っているのは不自然です。
それなら友達だったヘルメスの息子ルークに教えてあげればいいのに…。
ちなみに「ふなっしー」はヘルメスの杖カドゥケウスの声を担当しているなっしー。

ヘルメスの息子ルークは前作でゼウスの雷霆を盗んだボスキャラでした。
パーシーにやられて死んだかと思ってましたが、なんと生きており、
訓練所にコルキスの牛を嗾けたのも彼です。
彼が登場した時は、またこの小物が敵キャラなのかとウンザリしました。
でも本作のボスは彼ではなく、なんとタイタン族のクロノスでした。
ルークはクロノスの遺体をタルタロスから掘り起こし、
治癒力のある黄金の羊毛で復活させようとしていたのです。
でもルークがタルタロスに行けるなら、前作の物語は成立してないような…。
(それができれば、自分で雷霆をハデスに渡すことが可能だから。)
それにクロノスを復活させる動機があまりにも小さすぎます。
父であるヘルメスから無視されるのが許せないという理由ですが、
それを言い出したら、本作の設定だと半神は全員そうですよ。
そんなことで世界を滅す魔王を蘇らされたら堪ったものじゃないです。
だけどこのクロノス、ビックリするほどショボイです。
せっかく復活しても、パーシーに二太刀で再封印されます。
いつの間にかパーシーの剣が「呪われた剣」になり、妙な力を発揮したためですが、
剣が急に変化した原因も本作では説明されず、酷いご都合主義です。

しかし、クロノスなんて言ったら、ギリシャ神話でほぼ最強のボスキャラですよ。
それをシリーズの序盤である本作で倒したら、この後どうするんだって感じですが、
本作は本当にギリシャ神話のモンスターや敵キャラの扱いが雑です。
グライアイやヒポカンパスもちょっとした移動手段に使われるだけだし…。
終盤にサソリの尻尾を持つ獣マンティコアが猛威を振るいますが、
残念ながらマンティコアの出自はギリシャ神話ではないです。
そうなってしまうのも当然で、前作でミノタウロスとかヒドラとかゴルゴンとか、
華のある有名なモンスターを無駄遣いしちゃったからですよ。
本作では海の怪物カリュブディスが、クロノス以上のボスらしい活躍をしますが、
カリュブディスと双璧をなす海の怪物スキュラは、名前しか出てきません。
その怪物と関係の深い魔女キルケも、遊園地の名前として登場するだけです。
それぞれ魅力的なキャラなのに、こんな無駄遣いは勿体ないです。
作者がギリシャ神話に愛がないのがよくわかります。

なぜか遊園地「キルケランド」に住んでいるポリュペモスから黄金の羊毛を奪い、
復活したクロノスもあっさり倒してしまったパーシーたちは、
訓練所に帰り、タレイアの木に羊毛を被せます。
するとその治癒力で木は回復し、バリアーも復活して一件落着です。
ところが羊毛の治癒力が予想以上に強力で、7年前に死んだタレイアまで蘇るのです。
まぁクロノスを遺体から蘇らすんだから、それくらいできて当然でしょうが、
不思議なのはタレイアが7年分成長した姿で蘇ったことと、
彼女が蘇っても、木とバリアーは消滅しないことです。
いくら何でもアリなファンタジーでも、ここまでご都合主義なのは珍しいです。
とりあえず羊毛がある以上は死人が出ても全員生き返せるわけだから、
次回作からは全く緊張感のない物語になることでしょう。

本作を観て、ギリシャ神話なんて面白くないと思う人がいないか心配です。
(逆に本作を観て、ギリシャ神話に興味を持つ人はまずいないです。)
本作のギリシャ神話に対する敬意を欠いた姿勢は置いとくとしても、
ファンタジーとして三流な作品なので、何人(なんぴと)も観る価値はありません。
パーシーより格上の血統であるタレイアが蘇ったことで、
今後大波乱を予感させる幕引きでしたが、こんなものの続編を作るくらいなら、
『ナルニア国物語』の4作目を早く作ってほしいです。

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