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恋するリベラーチェ

今、日テレの『金曜ロードSHOW!』で3週連続『ハリー・ポッター』を放送していますが、
毎週連続で放送されると、なんだか連ドラ感覚で、ついつい見てしまいますね。
最近は地上波の映画枠でこんな連続放送企画が多くなった気がします。
TBSの『水曜プレミア』でも、今月末から『オーシャンズ11』シリーズが、
3作連続で放送されるようで、これを機にシリーズを見直してみようかなと思います。
でも『ハリポタ』はシリーズ最終作のテレビ放送が解禁されたからなのはわかりますが、
なぜ今『オーシャンズ11』シリーズを連続放送しようと思ったのかな?
今日感想を書く映画の公開に合わせたのかとも思いましたが、
本作はたぶん今月末にはほぼ劇場公開終了してると思うんですよね。
ジョージ・クルーニー繋がりで『ゼロ・グラビティ』公開に合わせたか、
ブラッド・ピット繋がりで『悪の法則』に合わせたのかもしれません。

ということで、今日は『オーシャンズ11』シリーズと、
スティーブン・ソダーバーグ監督とマット・デイモン繋がりの映画の感想です。

恋するリベラーチェ
Behind the Candelabra

2013年11月1日日本公開。
天才ピアニスト、リベラーチェの半生をスティーブン・ソダーバーグ監督が映画化。

素晴らしいピアノ演奏と派手なパフォーマンスで人気を誇るエンターテイナー、リベラーチェ(マイケル・ダグラス)は、1977年の夏、スコット(マット・デイモン)と出会い、互いに恋に落ちる。リベラーチェは整形とダイエット食品でスコットを理想的な姿に変貌させ、幸福で満ち足りた日々を送っていた。しかし、そんな二人の関係に亀裂が生じ始め……。(シネマトゥデイより)



映画公開ラッシュな今週末ですが、なぜか洋画は伝記映画が多かったです。
昨日書いた『42』も黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンの伝記でしたが、
他にも『ステーブ・ジョブズ』と本作の3本の伝記映画が同日公開となりました。
ボクも伝記映画はよく観るし、3本とも観に行きますが、
正直、過去の著名人を描いた伝記映画はあまり好きではありません。
ボクは過去の著名人に疎いので、その人物の経歴や秘話を描かれた伝記映画を観ても、
知らない人の話だし、あまり関心が持てないんですよね。
なのでその人物について、少しくらい知ってから観に行こうと思って、
Wikiなどで調べたりするけど、伝記なので調べた内容がネタバレになるジレンマが…。
だからボクにはあまり向かないジャンルですが、それでも観に行ってしまうのは、
好きな俳優が出演していることが多いからです。
本作も「リベラーチェなんて名前、全く聞き覚えもない」と思いましたが、
好きな俳優マット・デイモンが出演しているので観に行きました。
彼はリベラーチェ役ではなく、そのリベラーチェの右腕で、
本作の原作となる回顧録を書いた実在の人物、スコット・ソーソンを演じていますが、
まさかこんな役とは思わず、ちょっと微妙な気持ちになりました。

どんな役かと言えば、ゲイです。(正確にはソーソンはバイセクシャルです。)
同性愛者を否定するつもりはないけど、ボク自身は異性愛者なので、
感情移入や共感の出来ないゲイ映画は基本的に苦手です。
男同士のセックスシーンも、なるべくなら見たくないと思います。
リベラーチェやソーソンのことは全く知らずに観に行きましたが、
劇場ポスターの出演者のビジュアルから、薄々はゲイの話ではないかとは思いましたが、
マット・デイモン主演だし、もしゲイの設定でも露骨なゲイ映画ではないだろうと、
楽観的に観に行ったのですが、ガチで露骨なゲイ映画でした。
『フィリップ、きみを愛してる!』のユアン・マクレガーやジム・キャリー、
『J・エドガー』のレオナルド・ディカプリオ、『ミルク』のショーン・ペン、
なぜ成功した俳優はゲイの伝記映画なんかに出たがるんでしょうね。
下手すれば保守的なファンを失いかねない危険な行為だと思うんですが…。
まぁボクもそれで嫌いになったりはしてないですが、インパクトが強いので、
未だにユアン・マクレガーのことがゲイっぽく見えるのは困ったものです。

1950~70年代にアメリカで一世を風靡したピアニストのリベラーチェ。
彼はゲイですがカミングアウトせず、死ぬまでゲイ疑惑を否定していたそうです。
なので実際はゲイなのかどうか確証はありませんが、
晩年の恋人であるソーソンがゲイだと証言してるんだから間違いないのでしょう。
今ほどゲイに対して寛容でもないので、カミングアウトなんて出来る時代じゃないのかも。
彼は「楽しいのが一番」が信条で、ピアノに枝付き燭台(キャンディラブラ)を飾り、
キラキラのド派手な衣装を着て、ピアニストとは思えない豪華絢爛なステージですが、
彼の美川憲一や美輪明宏のような派手で悪趣味なステージ衣装を見れば、
ゲイを疑われても当然で、隠したいならそんな目立つことをしなければいいのにね。
ちゃんとピアノの腕は超一流で、8ビートの曲を16ビートで弾く神業的な指さばきは、
視覚的なインパクトも十分なため、むしろ派手な衣装に目が行く演出は勿体ないです。
派手な指輪を何個も嵌めてますが、それもはずせばもっとすごい演奏ができるだろうに…。
その俗っぽいステージは、クラシック愛好家から「悪趣味の代名詞」と称され、
「アメリカ人男性の恥」と男性ファンもあまりいなかったみたいです。
でも小粋なトークと派手なパフォーマンスで、年配の女性客の心は鷲掴みにし、
彼のゲイ疑惑を信じないオバサマ連中からアイドル的な人気を博していたそうですね。
派手な衣装で、ファンは年配女性ばかりで、しかもゲイを公表していない…、
まるで氷川きよしみたいですねな人物ですね。

以下、ネタバレ注意です。

1977年、スコット・ソーソンはゲイ友達のボブの紹介でリベラーチェと出会い、
彼に見初められて、秘書兼運転手として雇われ、彼の豪邸で同棲し恋人関係になります。
リベラーチェはスコットに、高級スーツや高級車、更に家まで買い与えます。
その時、スコットは若干17歳、還暦近いリベラーチャとしては、
せっかく手に入れた若い美少年に逃げられまいと必死だったのでしょうね。
マット・デイモン演じるスコットはさすがに17歳には見えないのでマシですが、
17歳の少年に熱を挙げる初老のゲイなんて、想像するだけで鳥肌が…。
リベラーチェも老いを気にしているようで、その2年後には美容整形に踏み切ります。
妙にキャラの濃い整形外科医スターツ先生の手術を受けるのですが、
その手術シーンが、頭部の皮膚を剥がしたりと、かなりエグくてビックリしました。
(カツラで隠しているハゲ頭にも、ついでに植毛してもらえばいいのにね。)
リベラーチェはスコットにも整形手術を受けさせようとします。
スコットのことが好きなのに、なぜ顔を変えちゃおうなんて思うのか不思議です。
しかもリベラーチェはスコットの顔を、自分の若い頃に似せようとするのです。
ナルシストにもほどがあるというか、全く理解できない心境ですね。
スコットも整形手術に意外とあっさりOKしちゃうんですよね。
自分の顔が変わるのもさることながら、手術の後遺症で目を閉じられなくなった
リベラーチェを目の当たりにしておいて、よくそんな決断ができるものです。
うーん、やっぱりゲイって美容整形に抵抗を感じないのかもしれませんね。

顔も似て、ファンからも「親子ですか」なんて言われるようになると、
リベラーチェのスコットに対する親近感も高まり、養子縁組の話になります。
当時はどこの州でも同性婚なんて認めてなかっただろうし、
ゲイカップルが家族になるのに養子縁組は便利だったのでしょうが、
養子と肉体関係を持つなんて、同性婚よりも不健全で気持ち悪いです。
スコットもその気になりますが、実際には養子縁組は行われず、
彼を繋ぎとめるためのリベラーチェの方便だったのかもしれません。

付き合ってから4年も過ぎると、2人はちょっと倦怠期に…。
スコットはバイセクシャルなので、別に男同士のセックスだけに興味があるわけではなく、
むしろゲイのAVとか見るのは気持ち悪くて嫌いなんだそうです。
でもリベラーチェは、お忍びで個室ビデオに通うほどゲイのAVも大好きで、
それを強要されるのが、スコットは我慢なりません。
スコットは男も愛せるけど、やっぱり気持ちは男なのか、掘られるのも大嫌い。
でもリベラーチェは、いつも掘られるばかりじゃなく、たまには掘りたいと思っていて、
性的趣向の不一致が徐々に露見してきます。(書いてて気持ち悪くなってきた…。)
一口にゲイといっても、いろんなタイプがいるんですね。
日本ではオネエ系タレントが幅を利かせているので、ゲイといえば彼らの印象が強いけど、
オネエって意外と少数派で、ゲイの多くは「アレと一緒にされたくない」と思ってると、
ゲイの知人(というほど親しくもない人)から聞いたことがあります。
ここまでリアルなゲイの性生活の話なんて描かないでほしいです。

リベーチェに囲われ、自由を失ったスコットは、日に日にストレスが貯まり、
スターツ先生から処方されたダイエットの薬でヤク中になります。
依存性の強い薬のようですが、どうも覚せい剤に近いもののようですね。
スコットはたしかにダイエットに成功しますが、覚せい剤の副作用で痩せただけかも?
リベラーチェはスコットがやけに自由を欲するので、彼の浮気を疑います。
ところが、浮気をしていたのはリベラーチェの方で、若いダンサーに熱にゾッコン。
さすがにスコットもそれに察知し、リベラーチェとの関係は更に冷え込み…。
ある日、スコットが養母の葬式に出席するため家を空けている隙に、
リベラーチェはダンサーを家に連れ込み…。
それに気付いたスコットは激怒しますが、リベラーチェは悪びれず彼を解雇。
服と貴金属以外、全てスコットから取り上げ、強制退去させるのです。
リベラーチェって本当に最低な色ボケジジイですね。
スコットは法的手段に出て慰謝料を請求しますが、リベラーチェから交際を否定され、
更に自分がヤク中なのが災いし、たったの7万5000ドルで手打ちになってしまいます。
豪邸での贅沢な暮しから一転、彼は郵便局で慎ましく働くことに…。
リベラーチェと出会う前は、獣医師目指して犬の訓練士してたんだから、
元の仕事に戻ってやり直せばいいのに、なぜ郵便局に勤めるのか疑問ですね。

そんなある日、スコットのアパートにリベラーチェから電話があり、
「一度会いたい」と言われ、2人は再会することになります。
会いに行くと、リベラーチェはエイズを患い、病床に伏せっていました。
ボクとしてはとてもいい気味だと思いましたが、スコットはそうではなく、
元恋人が死にかけていることを純粋に悲しんでいる様子で…。
リベラーチェから記念として指輪をひとつ贈られますが、
もし養子になっていたら遺産は全て自分のものだったのにね。
でもスコットも、本作では美談のように締めくくられていますが、
実際はリベラーチェの死を悼んではいないはずです。
なにしろ彼の死後、すぐに暴露本を出しているわけですからね。
その暴露本こそが、本作の原作となる回顧録ですが、
死因がエイズであることも隠そうとしていたリベラーチェの意思を無視し、
彼がゲイであることを大々的に発表する内容なんだから、悪意があるに決まってます。
本作のリベラーチェ像も、若い男を漁る色ボケ禿げジジイとして描いているし、
スコット・ソーソンの積年の恨みを感じる内容です。
ゲイ疑惑を報じたマスコミを訴えて勝訴したリベラーチェだけに、
もし彼が生きてたら、本作も訴えられてるでしょうね。

ボクがゲイ映画が苦手なこともあるでしょうが、かなり微妙な作品だと思ったけど、
全米の批評家からは絶大な支持を受けたようです。
でも一般ウケはしないと考えられたのか、全米では劇場公開はされず、
夜間にテレビ放映されましたが、エミー賞のテレビ映画部門で作品賞を受賞しています。
どこがそんなに評価されたのか全く理解できません。
ちなみにリベラーチェのペットの白内障のプードル犬は、
カンヌ映画祭でパルム・ドッグを受賞したそうですが、ただ抱かれてただけなのに…。
やっぱりテレビや映画業界って、ゲイに好意的な(或いは本人がゲイの)人が多いのかも。

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