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デッドマン・ダウン

TOHOシネマズ梅田のシアター4~8は、本当になんとかした方がいい。
客席の構造が悪すぎて、映画をまともに楽しめるような場所ではありません。
もともと映画館になる予定じゃなかったところを、
スクリーン数増やすために無理やり映画館に改造されているようですが、
やはり無理があり、ほんの一握りの席以外は「死に席」状態です。
その一握りの席の奪い合いになるため、全体としてはガラガラなのに、
そこだけものすごく混雑して息苦しいです。
シアター4~8を潰して、別館だった三番街シネマを残しておいた方がよかったです。

なので観たい映画がシアター4~8に割り当てられている場合は、
なるべく近隣の別の上映館で観るようにしているのですが、
TOHOシネマズ梅田でしか上映しない作品が間々あるんですよね。
しかもそんな作品は、決まって小規模公開だから、
決まって小規模スクリーンであるシアター4~8が割り当てられ、
そこでしか上映してないものだから、小規模スクリーンの一握りのマシな席を、
近郊の映画ファンで奪い合う状況となります。
大スクリーンのシアター1~3で上映されている大規模作品なんて、
徒歩数分の大阪ステーションシティシネマや梅田ブルク7でも上映してることが多いし、
オンリー1な作品にこそ大スクリーンを譲ってほしいです。

ということで、今日は大阪市内でTOHOシネマズ梅田でしか上映してない映画の感想です。

デッドマン・ダウン
Dead Man Down

2013年10月26日日本公開。
コリン・ファレル主演のクライムスリラー。

裏社会で幅を利かせるアルフォンス(テレンス・ハワード)のもとで、殺し屋として暗躍するヴィクター(コリン・ファレル)。彼は向かいのマンションに暮らす、顔に痛々しい傷跡を残したベアトリス(ノオミ・ラパス)の存在が気になるようになる。そんな中、彼女から殺しの現場を目撃したと告げられ、通報しない代わりに顔の傷を作った男を殺害するように頼まれる。自身も妻子を殺した敵への恨みを晴らすべく、名前や経歴を変えながら慎重かつひそかに復讐(ふくしゅう)の計画を進めてきたこともあり、ヴィクターは彼女と心を通わせるようになる。(シネマトゥデイより)



うーん…、悪い映画ではないんだけど、いまいち印象の薄い作品ですね。
本作の監督は『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』を撮った
ニールス・アルデン・オプレヴ監督です。
ハリウッド・リメイク版の方ではなく、オリジナルのスウェーデン版の監督です。
『ドラゴン・タトゥーの女』オリジナル版はヨーロッパを中心に大ヒットを記録し、
巨匠デヴィッド・フィンチャーによりハリウッド・リメイクされ、
こちらも世界中で大ヒットしましたが、2作の評価はトントンで、
むしろ「オリジナル版の方がいい」なんて言われることもありました。
ボクもリメイク版の方は正直あんまりかなと思ったタイプです。
そんな世間の声に気を良くし、「フィンチャーよりオレの方がすごい」と思ったのか、
オリジナル版のオプレヴ監督はハリウッド進出を決め、
本作が彼のハリウッドデビュー作となります。
主演女優もオリジナル版の主演女優だったノミオ・ラパスを起用しており、
「オレが『ドラゴン・タトゥーの女』の監督だ!」と言わんばかりの猛アピールです。

威勢よくハリウッドに殴りこんだものの、結果は燦々たるもので、
全米初登場4位でしたが、2週目にはトップ10圏外陥落し、
約3000万ドルも掛けたにも関わらず、全米興収はたったの1000万ドル。
更に自分のホームであるはずのヨーロッパでも見向きもされずに、
世界興収でも2000万ドルを切る大赤字となり、見事な大コケとなりました。
それもそのはず、こんな凡庸なクライムスリラーがヒットするはずありません。
それに『ドラゴン・タトゥーの女』は、原作が大ヒット小説なので、
誰がメガホンを取っても間違いなくヒットするような作品で、
その証拠に続編からは監督が交代になりましたが、問題なくヒットしています。
オリジナル版の好評も、誰も監督を評価していたわけではなかったのでしょうね。
デビュー作からこれほどコケては、もうハリウッドで映画撮るのは無理かな。

少ないながら入った客も、監督目当ての人なんてほとんどいないでしょう。
『ドラゴン・タトゥーの女』のオリジナル版主演女優として脚光を浴び、
ハリウッドデビューして、一躍ハリウッドスターとなったノミオ・ラパスや、
コリン・ファレルらキャストに期待して観に行った客がほとんどでしょう。
ボクもそんな客のひとりですが、それもあまり期待に応えてもらえておらず…。
まぁ主演のファレルはいいとして、ヒロインを演じたラパスが…。
やっぱり『ドラゴン・タトゥーの女』で強烈なヒロインを演じたこともあり、
それ以外の彼女の役柄はインパクトが弱く感じるんですよね。
彼女のハリウッド出演作も何本か観たけど、毎度「これがあのラパス?」と思います。
そんな彼女は、本作では顔に大怪我を負った女性の役を演じています。
人気女優としてはちょっと冒険した役かもしれませんが、いまいち頑張りが足りません。
彼女はその怪我の傷跡のせいで、近所の子供から「モンスター」と囃したてられますが、
はっきり言って、モンスターというほど酷い傷跡でもなく、十分美人なんですよね。
どうせなら目を背けたくなるような特殊メイクにチャレンジしてほしかったです。
それに彼女は傷跡に絶望している設定なので、あの程度の傷跡ではリアリティがなく、
物語の展開的にも支障がある気がするんですよね。

以下、ネタバレ注意です。

主人公ヴィクターは、ある犯罪組織のスナイパーとして働いています。
3カ月ほど前から、組織のボスであるアルフォンス宛てに脅迫状が届くようになり、
ついには組織の構成員ポールの死体が送られてきます。
死体に付いていたメモの筆跡から、あるジャマイカ人が送り主と考えたアルフォンスは、
ヴィクターたちを引き連れて、その男を始末しますが、それ以後も脅迫は続き…。
序盤はそんな感じで物語が展開するのですが、なかなか話が見えてこないんですよね。
どんな理由で、誰がアルフォンスを脅迫しているのか…。
あまりに話が見えないので、ちょっと睡魔が襲ってきました。
そんな折、ヴィクターは向かいのアパートに住む、
顔に傷のある女性ベアトリスと出会い、親しくなります。
ベランダ越しに出会って、お互いを意識するようになるというロマンチックな展開に、
ちょっとトキメキを感じましたが、本筋の脅迫事件が全く掴めないままなので、
そんなロマンスなんてどうでもいいから、脱線せずに話を進めろよとも思いました。

ところが、このロマンスが意外な展開を見せます。
ベアトリスは窓越しにヴィクターが誰かを殺害するところを目撃しており、
それが気になって彼に近づいてきたのです。
ヴィクターもベアトリスが殺害現場を目撃したかもしれないと考え、
彼女に接近しており、全然ロマンスじゃなかったのです。
ベアトリスは「警察に通報しない代わりにある男を殺してほしい」とヴィクターに依頼。
その男は飲酒運転による追突事故で、彼女の顔に大怪我を負わせた人物です。
ヴィクターは渋々その依頼を受け、その男を始末する準備を始めます。
ちょっと面白い展開になってきて目が醒めましたが、あくまでコッチはサブ。
本筋は依然として話の見えない脅迫事件の方です。

でも中盤に差しかかった頃、漸く話が見えてきます。
ヴィクターはどうやらアルフォンスを殺すために、組織に侵入しているようで、
アルフォンスに脅迫状を送っているのも実は彼だったのです。
ベアトリスに目撃された殺人も、彼が真実に気付いたポールを殺すところでした。
2年前、地上げをしていたアルフォンスが住民を立ち退かせるために撃った銃弾に、
ヴィクターの娘が被弾し死んでしまいます。
訴えられたアルフォンスは殺し屋を雇い、ヴィクターとその妻を殺害。
しかしヴィクターは妻の叔父の協力で、自分の死を偽装して生き延びており、
復讐のためにアルフォンスの組織に潜入したのです。
中盤で話の全容が見えたのはよかったけど、そうなると後は凡庸な復讐劇です。
殺し屋兄弟の弟をドブネズミで処刑したシーンはなかなか面白かったけど、
それ以外はありがちで退屈なクライムサスペンスでした。

まだありがちなだけならいいのですが、どうにも納得できないのは、
潜入し信頼を得たことでアルフォンスを殺す機会なんていくらでもあるのに、
わざわざ脅迫やら手間のかかる計画を立ててなかなか殺さないことです。
娘の命日に殺したかったということはわかりますが、計画は失敗するし、
回りくどい展開だった割に、最後アルフォンスは仲間割れで死ぬんですよね。
なんだか拍子抜けしてしまいました。
計画が失敗したのも、脅迫ビデオの郵便をベアトリスに任せたためですが、
そんな大詰めの大事な仕事を、彼女に任せるなんてあり得ません。
だって彼女、郵便物の中身に露骨に興味津々だったし、
コイツは絶対開封して何かすると、ボクでも気付きましたもん。
まぁその計画が爆弾による無理心中だったから、
計画が失敗したお陰でヴィクターは死なずに済んだわけですが…。
その後、ヴィクターはベアトリスと交際が始まりそうな感じですが、
妻と娘のために2年間もかけて復讐したのに、復讐が済んだ途端に次の恋とか、
彼の心境もちょっと理解し難いものがあります。

悪い映画ってほどでもないけど、退屈な失敗作ですね。

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