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陽だまりの彼女

自伝映画『ハダカの美奈子』も公開中の、ビッグダディの元妻・美奈子ですが、
ジャニーズ事務所から共演NGが出されたことが話題になっています。
ボクは大家族ドキュメンタリーが大嫌いなので、ビッグダディにも興味がないし、
急に持て囃され始めた美奈子に対しても、なぜあんな素人を祀り上げるのか疑問でした。
彼女自身も彼女の出演番組も、ほとんど見たことがないので、
なぜ天下のジャニーズ事務所が共演NGにするほど、素人を警戒するのかわかりませんが、
自伝映画の彼女役を「オセロのマジで黒い方」こと中島知子が演じている時点で、
どれだけイメージが悪いかは想像に難くないです。
今ボクは映画を観漁ってますが、『ハダカの美奈子』だけはたとえ無料でも観たくないし…。

まぁ美奈子はどうでもいいとして、ボクが興味を持ったのは「共演NG」の方です。
「ジャニーズには共演NGリストがある」なんて噂では聞いたことがあったけど、
実際にジャニーズ事務所からテレビ局に共演NGの通達がされたという話は初めて聞き、
あれは都市伝説じゃなかったのかと認識を改めました。
(今まではテレビ局が自己規制で共演させるかどうかを決めていると思ってました。)
ちょっと前までは吉本も松竹とは共演NGだったのは有名な話だし、
どこの事務所も共演NGリストを作ってるのかもしれませんね。
タレントの能力ではなく事務所のパワーバランスで全てが決まるなんて、
芸能界は怖いところです。(美奈子は全事務所共演NGでいいと思うけど。)

ということで、今日は逆にジャニーズが共演NGを出された映画の感想です。
初日舞台挨拶で吉本の小藪一豊が松本潤に対して「共演NGにしたい」と言ったそうです。
もちろん本気ではなく、イケメンに対する劣等感を笑いにした自虐ネタですけどね。

陽だまりの彼女
陽だまりの彼女

2013年10月12日公開。
越谷オサムのベストセラー小説を実写化したラブストーリー。

取引相手を訪ねた新人営業マンの浩介(松本潤)は、そこで同じ中学校に通っていた幼なじみの真緒(上野樹里)と10年ぶりの再会を果たす。学年有数のバカとして名をはせ、何かといじめられていた彼女が、当時の姿から想像がつかないほど魅力的な女性になったことに驚く浩介。再会に運命めいたもの感じた二人は惹(ひ)かれ合うようになり、結婚を決意するまでに。だが、真緒は誰にも知られてはならない、とんでもない秘密を持っていて……。(シネマトゥデイより)



「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」というキャッチコピーが話題を呼び、
累計発行部数が60万部を超えた人気小説を映画化した本作。
「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」なんて、
発売前にどうやって調べたのか謎ですが、たしかにボクら男からしてみると、
そう言われると取っ付きやすくなるし、興味も沸くかも。
ボクは活字が嫌いなので小説は読めませんが、映画化されれば観たくなります。
本作が「女子が男子に読んでほしい恋愛映画No.1」だったかどうかはわかりませんが、
2週連続首位となる大ヒットのようで、男女問わず観られていると推測されます。

で、キャッチコピーに釣られて観ましたが、男のボクでもたしかに面白いと思いました。
基本的には主人公は男で、男性視点の話だし、とても観易かったです。
というかこの物語って、むしろ男性向けに書かれているような気がします。
よく見たら原作者も男性のようだし、男性でも楽しめるのは当たり前。
そのキャッチコピーも「男性は恋愛小説を読まない」という偏見が窺えますが、
主に男が読むライトノベルなんて、そのほとんどは恋愛ものです。
もっと厳密に言えば恋愛ファンタジーですが、本作もまさにそれであり、
逆に「男子が女子に読んでほしいライトノベルNo.1」じゃないかと思うほどで、
むしろこんな異色ロマンスを、普通の恋愛小説が好きな女性が好むのかが疑問です。

公開からかなり経つし、もう配慮は不要でしょうが、
以下、ネタバレを含むので注意してください。

オチから書いてしまいますが、主人公の浩介の幼馴染みであり後に妻になる真緒は、
「実は人間ではなく猫だった」という大どんでん返しなラストです。
人間と人間以外のもの(動物や妖怪)との恋愛や結婚を描いた、
いわゆる「異類婚姻譚」という説話類型に当たる物語で、
古くは神話やお伽噺で多く見られますが、近年だと萌えアニメやライトノベルに多く、
猫少女なんてのは萌え属性のひとつだったりしますよね。
まぁ真緒にはネコミミはないし、外見的には普通に可愛い女性ですが、
たまに伏線として垣間見える猫のような特徴が「萌え擬人化」的だと思います。
つまり真緒は、かなり男ウケを意識して設定されたキャラであり、
このキャラが女性にも受け入れられるのかは疑問に思います。
女性はやっぱりヒロインの真緒の方に感情移入して読むと思うのですが、
最後にヒロインが「実は人間じゃなかった」なんてオチになると、
「は?」ってなるんじゃないかな。

ボクは(猫より犬派だし)あまり猫少女属性に惹かれるタイプではないですが、
それでも本作をとても楽しめたのは、映画的な構成の妙のお陰です。
前述のように「異類婚姻譚」という説話類型は、昔ながらのポピュラーなものなので、
ただ「ヒロインが猫だった」というだけのオチでは、平凡で面白くないでしょう。
しかし本作は、その見事な構成力により、そのオチを予想外のものにしています。

中学生の時に転校してきた真緒は、少し変わり者だったためイジメを受けますが、
それを見かねた浩介が彼女を助けて、2人は親しくなります。
しかし、中学3年生の夏に浩介が転校することになり、2人はバラバラに。
それから10年、広告代理店に勤めていた浩介は、取引先の下着メーカーで真緒と再会。
一緒に仕事をするうちに、再び親しい関係になります。
浩介は江ノ島デートでプロポーズし、真緒の両親に挨拶に行きますが、
そこで結婚に反対する父から、真緒の重大な秘密を聞かされるのです。
真緒は里子ですが本当の身元はわからず、13歳の時に全裸で徘徊しているところを、
警官だった養父に保護され、後に養子縁組したようです。
真緒は全生活史健忘という記憶障害で、13歳までの記憶がなく、
今は安定しているが、いつまた記憶をなくさないとも限らないと…。
思い返してみれば、真緒の言動の端々にも、どこか刹那的で、
自分が消えてしまうことの覚悟をしている様子が窺えます。
そこまでは普通にロマコメとして楽しんでいたボクも、
「うわー、まさかの難病ものだったのかよ…」とガッカリしました。
来年2月にも錦戸亮主演『抱きしめたい』という記憶障害の恋愛映画が公開されますが、
難病の中でも記憶障害なんてベタすぎて興醒めしちゃいます。

…でも、ご存知のように本作はもちろん難病ものではありません。
たしかに真緒は近々消えることになるのですが、それは病気のためではなく寿命です。
真緒は浩介が子供の頃に助けた猫で、浩介に恋をしてしまった猫は、
猫屋敷に住む魔女に人間の姿に変えてもらい、何も知らない浩介と恋に落ちたのでした。
人間になっても寿命は猫のままのようで、再会した時には余命僅かで、
そのための彼女の言動や経緯は、傍目から記憶障害と映るのです。
難病ものと思わせておいて、実は異類婚姻譚だったという構成で、
どちらも在りがちな説話類型だけど、異類婚姻譚という古典的な物語を、
さらにベタな難病ものでカモフラージュし、巧妙にミスディレクションしているのです。
ただ猫オチを隠すだけではなく、その伏線は至る所に残してあり、とてもフェアです。
思い返せばめちゃめちゃ伏線はあったのに、それでも真相に気付かせないのは感心します。
それはひとえに、難病ものと異類婚姻譚という相容れないものを合わせた効果でしょう。
現実的な悲劇である難病ものだと思った作品が、
最後にファンタジーなるなんて誰も想像できませんからね。

真緒の転校初日の妙な言動や、江ノ島水族館での「美味しそう」発現などから、
「マオ」(猫の中国語読み)という名前まで、言われてみれば納得の展開でしたが、
寿命は人間の1/6なのに成長は人間と同じなのかとか、正直不可解な設定も多いです。
まぁあまり厳密に考察されたら、ファンタジーなんて作れません。
でもマンションの高層階から転落した少年を、キャット空中三回転で助けたのは、
人間の姿でできるとは思えない芸当で、ちょっとやりすぎだったかも…。
浩介に正体を悟られるためだけの展開なので、その方法はいくらでもあったはずです。
(浩介の古いお守りだけでも悟るには十分だったと思うし。)
寿命にしてもそうだけど、結局都合のいい特性だけ猫のままという印象を受けますよね。
それに真緒が消えると、世界から真緒絡みの記憶と記録が消える設定も、少し無理が…。
浩介が真緒と再会する前にすでに知り合っていたはずの真緒の上司の記憶も、
真緒が消えたことでなぜか浩介のことまで忘れちゃってるし…。
浩介が真緒や上司と取り組んだ広告の仕事もなかったことになりますが、
それなら結婚で新居に引越したという事実も消えるはずだし、
再会して数カ月の浩介の記憶は全て消えてしまいそうなものです。
それにしても真緒の上司が浩介の恋敵的な展開になると思ったけど、
全然そんなことはなく、めちゃくちゃいい人だったのは予想外でした。

ラストシーンでは、真緒が消えて暫らく後、公園で浩介に子猫が擦り寄ってきます。
劇中でも「猫は九生を持つ」って言ってたし、この子猫は真緒の生まれ変わりかな?
…と思ったのですが、その子猫の飼い主の女性が真緒にそっくりで…。
彼女が真緒の生まれ変わりなわけないし、よく意味のわからない幕引きでした。
どうやら原作では子猫が擦り寄ってきて終わるみたいですね。
その輪廻転生オチの方がわかりやすくていいと思うんだけど、
浩介はひとりぼっちになったわけで、あまりハッピーエンドだとは言えないし、
映画化に際して浩介の新たな恋を予感を描き、ハッピーエンドっぽくしたのかな?
原作のラストも映画のラストも賛否両論あるみたいですが、
映画のラストはどことなく女性向けになっている印象を受けました。
というか、この映画自体、原作と違ってかなり女性向けに舵取りされている気がします。
キャストも女性ウケのよさそうな上野樹里と松本潤だし…。
上野樹里はボクも好きだしいいけど、松本潤はちょっと違う気がする。
浩介は鉄オタだし、雑誌の恋愛特集熟読する非モテ男子な設定なので、
松本潤みたいな百戦錬磨の超イケメンはミスキャストですよ。
あんな気の利いたプロポーズを非モテ男子がサラッとできるわけがないし、
女子は胸キュンかもしれないが、男としては違和感を覚えます。
まぁホントに非モテ男子が演じたら、見苦しくてヒットもできないでしょうが…。

恋愛云々は置いといても、映画的な構成が素晴らしいので、
恋愛映画を避ける男性でもそれなりに楽しめる気がします。

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