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劇場版 ATARU -THE FIRST LOVE&THE LAST KILL-

「ゆるキャラグランプリ2013」も投票が締め切られ、
今月24日には表彰式が行われ、グランプリや順位が発表されると思われます。
ボクもゆるキャラは好きなので、ご当地キャラが何位になるか楽しみです。
その発表を前に、先達てグランプリにもエントリーしていたゆるキャラが、
ある不祥事を起こして活動自粛に追い込まれたことが話題になってます。
そう、鳥栖市の「とっとちゃん」ですね。
とっとちゃんは喋るゆるキャラですが、出演したラジオで卑猥な発言を連発し、
リスナーから市に苦情が寄せられ、問題になったそうです。
その場にはウチの県のゆるキャラのひとり「ちっさいおっさん」もいたそうで、
ボクとしてもちょっと興味深い話題でした。
せっかく盛り上がっていたゆるキャラブームに水を差す事件で残念ですが、
そもそもそれが起きたのも、ブームが過熱しすぎてしまったためかも…。

とっとちゃんが誕生したのは10年近く前らしいけど、喋りはじめたのは今年の9月で、
ちょうど「ゆるキャラグランプリ2013」の投票が始まった頃です。
とにかく注目を集め票を伸ばそうと、ゆるキャラのタブー「お喋り」を始めたのでしょう。
そして問題のラジオに出演したのが先月末で、投票も佳境に入った頃で、
ラストスパートのつもりで、サービスしすぎちゃったのだと思います。
大人気の「ふなっしー」やウチの県の「玄さん」など、喋るゆるキャラは多少いるけど、
下ネタを話すゆるキャラは前代未聞で、注目を集めるために奇をてらい過ぎたのでしょう。
どんな慎重な人だって、喋れば失言してしまうことはありますが、
ゆるキャラが喋り出した時点で、いつかこんなことが起きるのも必然だった気がします。
ゆるキャラは喋らぬが花、これを機に喋るゆるキャラが減るといいです。

ということで、今日は昨年のゆるキャラグランプリ優勝者も出演する映画の感想です。

劇場版 ATARU -THE FIRST LOVE&THE LAST KILL-
アタル ATARU

2013年9月14日公開。
中居正広主演のテレビドラマ『ATARU』の劇場版。

ある日、アタル(中居正広)やラリー(村上弘明)が所属する、ニューヨークのFBI組織・SPB爆破事件が起きる。同じ頃、東京でも電車の送電線破裂事件が起こり、車椅子の女性管理官・星(松雪泰子)が捜査の指揮を執ることになる。沢(北村一輝)ら警視庁捜査一課の刑事たちが捜査に臨む中、アタルとラリーも帰国して捜査に加わる。(シネマトゥデイより)



本作は昨年春に放送されたテレビドラマ『ATARU』の劇場版です。
知的障害者を演じるSMAP中居正広の熱演がスゴイらしいという話も聞いたし、
普段あまりテレビドラマなんてあまり見ない知人が、なぜかこのドラマを見ていて、
「面白いよ」と言っていたので、チラッと見たことはあるのですが、
たまたま見たシーンで、田中哲司演じる鑑識の人が語尾に「なのね」を付けて話しており、
「こんなのはドラマじゃなくてコントだ」と拒絶してしまいました。
それ以降、全く興味を持つことなく1年以上が過ぎましたが、
いつの間にか劇場版化されており、しかも興収ランキング初登場一位で…。
ボクは今年一位だった作品は全て劇場で観ているので、これも一応観ておくかと思ったけど、
やっぱりどうにもその気にならず、暫らく放置していたのですが、
ほとんどの新作映画が1カ月も上映されない昨今に、本作はまだ上映しており、
劇場スケジュールを見るたびに、よほど人気がある作品なんだなと気になりはじめ、
いよいよ上映終了しそうな段になって、慌てて観に行ってしまいました。
とりあえずこれで興収一位作品の連続鑑賞記録も保持できました。

そんなわけでいざ観てみると、これが意外と楽しめてしまいました。
たしかにコント的ではありますし、例の鑑識の口癖は終ぞ慣れませんでしたが、
コメディ色が強いわりに、そこそこちゃんとした刑事ドラマで、
サスペンス要素は薄いですが、人情味のある人間ドラマでもあったと思います。
演出的にはどことなく堤幸彦監督っぽい印象を受けたので、
堤幸彦作品に関わっている人が作ってるのかなと思い調べると、
意外にも『相棒』シリーズの脚本家が本作も執筆してるんですね。
どうりでちゃんと刑事ドラマっぽくなっているわけだと納得したし、
テレビドラマはあまり見ないのに、『相棒』は欠かさず見てる知人が、
本作を「面白い」と言っていた理由にも納得しました。
はっきり言って、堤監督の『SPEC』の劇場版よりも本作の方が面白いです。
ボクは『SPEC』はドラマも全部見たけど、ドラマを見てない本作の方が面白いんだから、
劇場版として一見客も切り捨てない、よく出来た作品なんだろうと思います。

ただし、やっぱり一見客には厳しい部分もありました。
作中の事件には「十字架殺人事件」という過去の事件が絡んでいるようですが、
それはどうやらテレビのSPドラマで扱われた事件だったようで、
事件の導入部分で少し引っ掛かりを覚えてしまったのは確かです。
ただ本作は、事件を解くようなサスペンスではなく、人間ドラマの側面が強いので、
細かい事件の経緯などはそれほど必要としないため、中盤以降は問題なく見れました。
でもなるべくならSPドラマと劇場版をリンクさせる風潮は、そろそろやめた方がいいです。
序盤で脱落したら諦める人もいるし、劇場版の敷居が上がるのは間違いないので。

主人公アタルを演じる中居正広の熱演ですが、かなり頑張ってはいると思うけど、
サヴァン症候群の知的障害者を演じているようには見えないかな…。
昨年の今頃なら、こんな演技でも「それっぽい」と思えたかもしれないけど、
今年公開された『くちずけ』で宅間孝行が演じる知的障害者を見て圧倒され、
知的障害者の演技の正解を知ってからは、もうダメですね。
中居正広の演技は、コント然とした極端なもので、お世辞にも上手いとはいえません。
(おにぎりが好きなのは、サヴァン症候群だった山下清画伯へのオマージュ?)
ただ、カッコいい役ではないし、アイドルが演じるには冒険的なキャラなのはたしか。
ジャニーズの中では、このキャラを引き受けられる人は僅かでしょう。
『脳男』の生田斗真もサヴァン症候群の役でしたが、本作のアタルとは違い、
とてもカッコよく描かれたジャニーズらしい役でした。
本作と『脳男』は概要的に類似点の多く、どちらもサヴァン症候群の主人公と、
主人公と似た症状の女性犯罪者との対決が描かれます。
本作の女性犯罪者アレッサンドロ・カロリナ・マドカは、堀北真希が演じますが、
「サヴァン症候群に似た症状」と称されるも、アタルの女性版という感じではありません。
サイコな元天才少女って印象で、知的障害者らしさは皆無です。
唯一、自分の歯を全部折った行動には異常性が認められますが、
結局それも彼女の作戦の内だったし、やっぱり単なる頭が異常にいい女性ですよ。
なので欠陥だらけのアタルとは比較にならないし、そんな彼女を演じる堀北真希も、
中居正広に比べると頑張りが足りない、守りに入っているように思えました。

そんな本作のヒロインである堀北真希の役柄にはイマイチ魅力を感じませんでしたが、
シリーズのヒロインである栗山千明演じる舞子が、めちゃめちゃ可愛いですね。
極端なキャラでやっぱりコント的なのですが、そのコミカルさが魅力的です。
『SPEC』での彼女の役もコント的ですが、コミカルを履き違えた寒いキャラでしたが、
本作は彼女のコミカルな魅力を余すことなく引き出していると思えました。
残念ながら本作ではヒロインの座を堀北真希に譲っているので、
特に中盤以降あまり目立った活躍がないのですが、舞子の活躍を見るためなら、
テレビドラマの方もレンタルで見てみようかなと思うほどです。

以下、ネタバレ。

電車の送電線が爆破される事件が起こり、警視庁捜査一課が捜査に乗り出す。
同じ頃、アタルが所属するニューヨークのFBI組織「SPB」でも爆破事件が発生。
警視庁は犯罪に使われたコンピュータウィルスを作成した元SPBのマドカを追う。
2つの事件の手口が同じであることから、警視庁とFBIが合同捜査することになるが、
被疑者のマドカはすでに死んでいることが確認され、彼女と親しく、
彼女と同等の能力を持つアタルが被疑者にされてしまう、という話。
捜査本部の見解は、マドカが生前、アタルにマインドコントロールを施し、
アタルを操って犯罪を起こしているのではないかというものですが、
予告編を一度でも目にしたことがあれば、マドカが生きていることはわかるため、
マインドコントロールの可能性はないことは明白です。
こんな展開だったら、あの予告編はネタバレが過ぎましたね。
実際はマドカが自分で犯行に及び、アタルに罪を着せているわけですが、
彼女の計画はかなり綱渡り、偶然に助けられているところも多く、
(例えばアタルが拘留前に持ち物検査を受けたら計画は失敗する、など。)
少し違和感もありましたけど、なかなか興味深い展開だったと思います。

いくらマドカから罪を着せられ、酷い目に遭わされても、
知的障害ゆえのピュアさから、マドカを庇おうとするアタル。
最後はマドカに拉致られ、無理心中させられそうになります。
しかし彼女のために、それすらも受け入れようとするアタルに対し、
マドカは心を打たれ、自分だけで拳銃自殺してしまうのです。
そんな彼女の自殺現場に、家族の象徴であるユリを大量に供えるアタル。
なんとなく感動的な雰囲気のラストでしたが、どうも引っ掛かるのは、
知的障害者のアタルがマドカの死を理解しているのかどうかが判別できないことです。
アタルは送電線に激突し爆破炎上するヘリコプターを見て、
「(花火みたいで)きれい、きれい」と喜ぶような人ですから、
人の死を理解せず、人の死を悼むような感情は欠落しているんじゃないかと思えます。
ただ花を飾っているだけなのに、周りが勝手に感傷的になっているだけではないかと。
まぁ普通に考えたら、アタルも悲しんでいるとは思うのですが、
それをちゃんと伝えるならば、ヘリコプターのシーンはいらなかったかな。
正直、知的障害者と思考なんて健常者にわかるはずもないので、
知的障害者が主人公では感情移入できないし、楽しむのも少し難しいのかも。

サブタイトルに「LAST」という単語が使われているので、
勝手にシリーズ完結編だと思って観ましたが、この終わり方ならまだ続きそうです。
中居正広自身もアタルは自分の当たり役だと思っているだろうから、
シーズン2か劇場版第二弾かわかりませんが、きっと続編はあるでしょう。
その時は拒絶せずに見てみようかなと思います。栗山千明目当てで。

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