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マッキー

今月4日にインド映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』がレンタル開始され、
劇場公開時は観に行くことができなかったので、DVDリリースを待っていたのに、
なんだかインド映画って、自宅でひとりで鑑賞しても全然気分が盛り上がりませんね。
インド映画はとにかく長いため、どうしても中弛みするので、
自宅だと別のことを始めたくなり、集中力が途切れてしまうのかもしれません。
歌やダンスが多いのもインド映画の売りですが、それもなぜかあまり楽しめず、
「踊ってないで早く物語を進めろよ」と思ってしまいます。
これは自宅のオーディオ機器が、劇場に比べショボいのが原因かな。
やっぱりインド映画は劇場に観に行かなきゃダメだなと思いました。

ということで、今日は劇場で鑑賞したインド映画の感想です。
日本公開版はオリジナルより少し短くなっており、観易くなってるかも?

マッキー
Eega.jpg

2013年10月26日日本公開。
インドで大ヒットを記録したアクションコメディ。

ジャニ(ナニ)は近所で暮らす美女ビンドゥ(サマンサ・プラブー)に思いを寄せていて、彼女もジャニのことが心に引っ掛かっていた。しかし、建設会社社長のスディープ(スディープ)もまた彼女に夢中で二人が相思相愛になったことを知ると、マフィアの顔も持つ彼は激怒した揚げ句ジャニを殺害する。やがて小さなハエに生まれ変わったジャニは、殺された恨みを晴らそうとするが……。(シネマトゥデイより)



ハエが主人公という奇想天外なストーリーで、インドで大ヒットした本作。
ボクはそれほどインド映画を観ているわけでもないですが、
歴代トップ3の『ロボット』『きっと、うまくいく』『ラ・ワン』は観ました。
ハリウッド映画以上の本数が作られているインド映画ですが、
日本で公開されるのは、ほんの一握りのヒット作のみ。
だけどその分、厳選された秀逸な作品だけが日本上陸しているはずなので、
日本で公開されるインド映画にハズレはありません。
インドで大ヒットして日本上陸した本作も例外ではなく、なかなか面白い作品でした。

でも観はじめてすぐ、字幕版で鑑賞しているのに、
まるで吹替版を観ているような、妙な違和感に気付きます。
俳優の口の動きと、セリフがズレてるんですよね。
なんでも、インドは多言語社会なので、宗によって公用語が違うため、
ヒット作を国内で多言語にリメイクしたり、吹き替えて公開するのは日常茶飯事。
例えば『ロボット』はタミル語映画、『ラ・ワン』はヒンディー語映画となります。
余談ですが、「ボリウッド」はヒンディー語圏のボンベイ(ムンバイ)が語源なので、
ボリウッド映画とはヒンディー語映画のことを指します。
たまに本作や『ロボット』のこともボリウッド映画と称する映画評論家がいますが、
そいつは映画を知らないインチキ野郎なので注意です。(例えば有村昆とか。)
本作も撮られた時はテルグ語映画ですが、タミル語とマラヤーラム語に吹き替えられ、
それが各地でヒットしたため、ヒンディー語吹替版も作られてインドで大ヒットします。
そして日本公開版は、ヒンディー語吹替版を使っているみたいです。
どうりで字幕版なのに吹替版のような違和感を覚えたはずです。
ボクはその違和感が嫌いで、洋画は絶対に字幕で観るようにしているので、
同じような違和感を覚えてしまう本作には、少し残念でした。
別に日本語字幕が付くなら、オリジナルのテルグ語で公開してくれたらいいのに…。
でも劇中歌もあるし、ヒンディー語の方が耳触りがいい、なんて理由があるのかも?

ちなみに「マッキー」という題名も、「ハエ」という意味のヒンディー語ですが、
原題はテルグ語で「ハエ」という意味の「イーガ」だったそうです。
たしかに「イーガ」よりは「マッキー」の方が語感がいいですね。
全編で使用される主題歌も、「Makkhi hoon main makkhi♪」という、
ヒンディー語のサビがいい感じでした。
ただ、本作はインド映画のわりには、歌や踊りのシーンは少ないです。
その主題歌もBGMとして使用されているし、登場人物が歌うシーンもソロが多く、
バックダンサーを引き連れてのマサラムービーらしいダンスシーンは皆無です。
ダンスがないインド映画なんて、カンフ-がない香港映画のようなもので、
ちょっと物足りなさを感じてしまいました。

以下、ネタバレ注意です。

2年前から家の向かいに住むビンドゥに片思いしている花火職人の青年ジャニ。
片思いというか、ビンドゥの後をつけ回したりと、やってることはストーカーまがいですが、
彼女も満更ではなく、連れない素振りを見せながらも、ジェニに好意を持っている様子です。
どんなにビンドゥに無視されても「気遣ってくれてるだけ」なんて思いこめる、
超ポジティブなジャニの性格は微笑ましく、ちょっと羨ましいですね。
一方、イケメン実業家でマフィアでもあるスディープも、ビンドゥに夢中でした。
スディープはビンドゥの慈善事業に150万ルピー(約240万円)も寄付したりと、
彼女の気を惹こうと必死ですが、ジャニに気がある彼女は全く靡かず…。
そんなある日、ジャニのストーカー的アタックが見事に成就し、ビンドゥと両想いになるも、
スディープは激怒し、ジャニをリンチの末、踏み殺してしまいます。
やがてジャニはハエとして輪廻転生し、殺された恨みを晴らし、
スディープの魔の手から愛するビンドゥを守るため立ち上がるのです。
ジャニのような優しい青年をハエに輪廻転生させるなんて、
仏様もジャニのことをストーカーだと思っていたかのような所業ですね。

ハエに転生したジャニですが、なぜか蛆虫時代はほぼ描かれません。
やはり蛆虫は画的に気持ち悪すぎたのでしょうか。
まぁハエだって十分気持ち悪いですが、本作のハエは質感が妙にメタリックで、
正直あまりリアルなハエではなかったです。
リアルすぎると気持ち悪いからという配慮の可能性もありますが、
ただ単にCG技術が拙かっただけの可能性もあり、おそらくは後者でしょう。
リアルさを追求したが技術が追い付かず、中途半端になった印象を受けました。
これなら割り切って、『バグズ・ライフ』や『アンツ』のような、
もっとアニメ的な可愛らしいハエにすればいいのに…。
ハエの大きさもシーン毎に違うように感じるのも気になります。

ハエに転生し、スディープに復讐しようとするジャニですが、
所詮は非力なハエでは、全力で体当たりしてもダメージを与えられず、
せいぜいブンブン飛びまわることしかできません。
これでどうやってハエが人間と戦う物語にできるとか、と思いましたが、
ただブンブン飛びまわることが、意外にも効果的で、
夜通しスディープの耳元でブンブン羽音を立てているだけでも、
彼の睡眠を妨害し、彼はどんどんノイローゼ気味になっていきます。
たしかに寝室に蚊が飛んでたら、気が狂いそうなほどイライラしますもんね。
さすがはストーカー気質のジャニ、彼のストーキングは日中も続き、
運転中のスディープの周りを飛び回り、目を突いて交通事故を起こさせ、
ジャニはフロントガラスの汚れを利用し、「I will kill you」と書き残します。
ハエが自分を殺そうとしていると気付いたスディープは、殺虫剤が手放せなくなり、
自宅にもハエ一匹入れないセキュリティを導入するのです。

そんなスディープとの攻防の中、ジャニはビンドゥにも会いに行きます。
ジャニの死を悲しむ彼女の涙を使い、机に「I am Nani reborn」と書いて、
自分がハエに転生したことを伝え、彼女に復讐を協力してもらうのです。
ハエが「自分はジャニの生まれ変わりだ」と字を書いたら、不気味に感じそうだけど、
ビンドゥはあっさりその状況を受け入れてしまうんですよね。
件のインド映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』もそうだったけど、
インド人は輪廻転生なんてのを信じやすい宗教観なのかもしれませんね。
ジャニはマイクロアートが趣味のビンドゥに、防護ゴーグルとマスクを作ってもらい、
殺虫剤を克服するのですが、ハエは昆虫なので口ではなく気門で呼吸しているので、
実際は頭部を防護しても殺虫剤は防げません。まぁ画的に面白いから別にいいけど。
更に筋トレも開始し、ほんの軽いものなら持って飛べるようになります。
その程度では焼け石に水だと思いましたが、意外にも戦略の幅がかなり広がりました。

ビンドゥの協力でスディープの自宅のセキュリティを突破したジェニは、
一計を案じて、金庫の金を全て燃やしてしまいます。
さすがに参ったスディープは、タントラ(呪術師)を雇います。
タントラはハエの正体がジャニであると告げ、ハエ退治のための儀式を行うのです。
神を呼び出す儀式なんて言うから、どんなスゴイことが起こるのかと思いきや、
野鳥が二羽、凶暴化してジャニに襲いかかるだけでした。
ハエを退治するどころか、部屋の中で暴れまわる鳥のせいで火事が発生し、
室内に煙が充満し、スディープは倒れてしまいます。
これは窒息死したかな、と思いきや、なんとか生きていたスディープは、
ビンドゥがジャニに協力していることに気付き、彼女を拉致。
助けに来たジャニは、スディープと相打ちになり、命を捨ててビンドゥを助けるのです。

再びジャニと死別し悲しむビンドゥですが、ジャニは再びハエに転生し、
彼女に近づいてきたナンパ男を裁縫針で脅して追い払います。
ジャニとビンドゥが三度再会できて一応ハッピーエンドなのでしょうが、
二度も続けてハエに輪廻転生するなんて、よほど運が悪いというか、
ジャニは前世でよっぽど業の深いことをやらかしていたのかも…。
このままビンドゥに近づく男を追い払い続けられたら、彼女も一生恋人が出来ませんよ。
まぁ一度死んでしまった人間のジャニが生き返る展開は無理なのはわかるけど、
やっぱりハエのまま終わる結末を、ハッピーエンドとは考えにくいです。
奇想天外で面白い物語だとは思うけど、今までに劇場で観たインド映画に比べると、
鑑賞後感があまりスッキリせず、ちょっと物足りなかった気もします。
世界的な大ヒットを受けて、続編も予定されているそうですが、
こんな奇抜な設定は、何度もやると新鮮味が薄れるので止めておいた方がいいかと…。

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