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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語

今季(秋クール)は頑張って、深夜アニメを5本ほど見始めたのですが、
うち3本は3話まで見て視聴を打ち切ってしまいました。
いやー、けっこう精査してから期待できそうなものを見始めたつもりだったのですが、
なかなか自分に合う作品を見つけるのって難しいものですね。
これから面白くなる可能性もあるし、3話で見切るのは尚早とも思いますが、
数年前にアニメに詳しい知人から「3話まで見て決めろ」と言われたので実践しました。
たしかに3話と言えば90分(CM抜いても60分以上)ですからね。
ボクが好きな映画で言えば、そこまで観せて引き込めなければ、もうダメですよね。
ちなみに視聴続行中の残った2本は『サムライフラメンコ』と『弱虫ペダル』です。

ということで、今日はテレビアニメの劇場版の感想です。
このアニメも3話目の衝撃的な展開で嵌った人が多かったそうですね。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語
魔法少女まどかマギカ新編

2013年10月26日公開。
人気アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の完全新作。

諸事情によりストーリーを記載しておりません。(シネマトゥデイより)



昨年前後編で公開された『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』の続編となる本作。
前作となる前後編は、たったの43劇場という公開規模にも関わらず、
前編は初登場7位、そして後編はなんと初登場2位という成績で、
前後編合わせて興収10億円を超える大ヒットを記録しました。
ボクも観に行きましたが、劇場はたしかにめちゃめちゃ大混雑してましたね。
当日には座席予約もできないほど盛況ぶりだったのを覚えています。
それを受けてか本作は全国129劇場と、公開規模が3倍になり、
とても観に行きやすい易い状況になって助かりました。
その甲斐あって、本作は初登場1位を獲得しています。
ただ公開館数が増えて客が分散したので、現場での熱狂度は下がった気がします。
ボクは一応混雑を避けるつもりで、いつも客が少ない時間帯である
日曜日のレイトショーで観たのもありますが、前作が嘘のようにガラガラでした。
必要以上に公開規模を拡大しすぎているのではないかと思いました。
劇場あたりの来場者数が減ったのは、前作の公開館である43劇場はちょっと可哀想だね。
まぁそんなことは客が気にすることでもないんだけど…。

ボクはテレビアニメ版を見てませんが、その作品が社会現象化したことで興味を持ち、
遅ればせながら昨年、テレビアニメ版を前後編に再編集し公開された劇場版を観て、
話題の『魔法少女まどか☆マギカ』がどんなアニメなのか知りました。
やっぱりリアルタイムで見ていた人ほどは楽しめなかったかもしれませんが、
なかなか面白く、なるほどこれは社会現象化しそうな作品だと思ったものです。
特に前編は青春ファンタジーとしてかなり面白かったため、
これだけなら熱心なファンになっていたかもしれませんが、
一週間遅れで公開された後編は、宇宙や時空を巻き込む難解な話になり、
あまりに大風呂敷を広げすぎな超展開になってしまったため、
セカイ系が苦手なボクはちょっと冷や水を浴びせられたような感じで、
結果的に前後編を通してそこそこ楽しめはしたものの、それほどのめり込めず…。
でも前述のように大ヒットが確実のアニメ映画であるため、
映画ファンとしても注目の作品なのは間違いありません。
それに後編は、もう続編なんて無理だろうってほど壮絶な幕引きだったため、
その続編がどんなものになるのか、どう収拾をつけるのか気になりましたし。
しかし本作は、物語に収拾をつける気などなく、更なる超展開が待っていました。

本作の前作もそうでしたが、『あの花』や『中二恋』など、
最近の深夜アニメの劇場版は、テレビアニメの再編集ばかりです。
それでも客が入ってしまうので、そんな手抜きが横行するのですが、
そんな中、完全新作の続編として製作されたことを、まず評価したいと思います。
(まぁ、もう前後編で再編集はやっちゃってるから当然ですが…。)
でも、新作の続編だったら何でもいいってわけではありません。
『魔法少女まどか☆マギカ』という作品は、前後編(テレビアニメ版)で完結しており、
続編は必要なかったということを思い知らされる内容でした。
いや、完結というか、あそこまで壮大な設定のインフレを起こしていては、
もう収拾がつかず、続編なんて作りようのない作品だったと思います。
それを無理して、ただ「人気があるから」「もうひと儲けしたいから」という理由で、
ドル箱コンテンツを延命するために作られたのが本作でしょう。
とにかく続けることだけに意味があるから、作品を収拾させる必要もなく、
こんな投げっ放したような更なる超展開で平然と公開できるのです。

『ヱヴァンゲリヲン』もそうですが、エポックメイキングと評された作品の続編は、
その栄光を再び手にするべく、とにかくエポックメイキングな展開にしようと考えます。
つまり画期的で、客の期待を裏切るような展開にしようとするわけですが、
期待を裏切ることが目的であり、いい意味で裏切るのか悪い意味で裏切るのかは二の次。
客の望む内容なんてどうでもよく、賛否両論上等、物議を醸せば思惑通りです。
どんな内容でもどうせファンは観る、という驕りがあるのでしょう。
ただテレビ放送を再編集しただけの劇場版を有難がって観るようなファンですから、
そう侮られても仕方ない風潮なのも問題ですが、現にこんな内容であっても、
好意的に評価、絶賛してしまう妄信的なファンはかなりいるものと思われます。
なにしろ物販は即日完売、強気な値段のパンフも飛ぶように売れる状況ですから、
製作サイドに誠実な作品づくりなんて期待するのは無理です。
もちろん、そんなファンばかりではなく、作品次第で離れるファンもいますが、
グッツを買うほど好意的な上客は、そう簡単には離れられません。
製作サイドも鑑賞料の何倍もの金額のグッツを買ってくれるヘビーなファンがいれば、
鑑賞料だけしか取れないライトなファンは、どうでもいいのでしょう。

とはいえ製作サイドも、出来ることならばいい意味で裏切れる作品にしたいはず。
でも収拾不可能な超展開で幕を閉じてしまった前作を踏まえた上で、
まともな続編を作るなんてことはそう簡単にはできません。
もちろん脚本家が本当に有能であれば、ある程度は軌道修正できるかもしれませんが、
残念ながら本作の脚本家には、それほどの能力も志もなかったのでしょう。
とにかく超展開を続けて、延命することに心を砕いているように思えます。
本編上映前に、『化物語』とコラボしたマナームービーが流れ、
そこで「ネタバレに配慮してほしい」と言っていたので、
内容に触れるのは控えた方がいいのかもしれないけど、
この出来では単に酷評を流布されることを恐れているだけかもしれませんね。
以下、ネタバレ全開で本作の感想を書きます。
ただし、1年前に(あまり理解しないまま)前後編を一度観ただけで、
これまでの内容も曖昧なため、ボク自身ネタバレできるほど内容を理解してませんが…。

本編の冒頭、前作で概念的な存在に昇華したはずのマドカが普通に登場し、
はじめから魔法少女の姿で、サヤカたち前作で死んだはずの他の魔法少女と共闘し、
ナイトメアという魔女的なモンスターと戦っています。
前作のラストと繋がりのない展開だったため、冒頭から状況が飲み込めませんでしたが、
「新編」と銘打つだけあって、パラレルワールド(或いはループした並行世界)として、
収拾がつかない前作までをリセットし、リブートするつもりなのかなと想像しました。
テレビアニメの劇場版では、ままある別ルート的なパターンなのかなと。
前作のラストを是としないボクとしては、このパターンは歓迎です。
しかし本作はそうではなく、ちゃんと前作のラストを踏まえた続編でした。

たしか前作のラストは、概念的な存在「円環の理」になったマドカにより、
世界の理が改変され、魔法少女たちは絶望しても魔女にならなくなりますが、
代わりに魔獣という脅威が現れる世界になった、という展開でしたね。
時間を超越できるホムラだけは、改変の影響を受けず、記憶を持ち越します。
なので続編は、再構築された世界でのホムラの活躍が描かれると思ったのですが、
冒頭の世界には消えたはずのマドカも存在し、再構築された世界ではないとわかります。
ホムラは三つ編みとメガネをした姿で登場し、記憶も持ち越していないようです。
しかも先輩魔法少女マミは、前作で自分を殺した魔女ベベを使役しているようで、
「一体この世界は何なのだろう?」というのが客の関心事になるはずです。
客と同じ違和感を真っ先に覚えたのはホムラで、彼女は違和感の原因を探り、
自分たちのいる場所が魔女の結界の中だと気付き、徐々に記憶を取り戻します。

ホムラはマミの家を訪ね、状況説明を求めるため魔女ベベを捕まえますが、
それがマミにバレて、マミと激しいバトルになります。
ホムラは時間を止めるという最強のSPECホルダーですが、
なぜかマミは止まった時間の中でも動けるんですよね…。
というかマミは変わり身の術を使ったりと、何でもアリな状態です。
普通に戦ったらどう考えてもホムラが勝ってしまうので、
展開上ホムラを劣勢にするために、ご都合主義でマミにチートさせたのでしょうか。
サヤカに助けられたホムラは、彼女との受け応えの中で、
どうやら5人の魔法少女の中に、この結界を作り出した魔女がいると悟ります。
その魔女はなんとホムラ自身だった、…という自分オチです。

「円環の理」の支配を目論む地球外生命体インキュベーターは、
再構築された現実世界でホムラを遮断装置に入れて管理し、魔女化を促します。
魔女が出現すれば「円環の理」も出現するからってことかな?
囚われのホムラは内部に魔女の結界を作って、外部からマドカたちを取り込みます。
このあたりの設定に対する劇中の解説は難解で、あまり理解できませんでした。
(というか、詭弁くさくて理解する気も起りませんでした。)
なぜ概念化したマドカを取り込めるのか、全く理解できませんでしたが、
取り込まれた魔法少女たちは、ホムラ自身も含めて記憶が書き換えられています。
しかし再構築前に魔女化していたサヤカだけは、記憶の書き換えを受けておらず、
それは魔女ベベも同様で、ベベは魔法少女時代の姿に戻ることもできます。
公開前から話題に上っていた新しい魔法少女とはベベのことだったようですね。
でもなぜベベなんかを取り込んだのでしょうね?
取り込む相手はホムラが無意識に選んでいますが、彼女にはベベと深い関係性はないはず。
前作のボスだった魔女とか、卑弥呼とかジャンヌ・ダルクでもいいはずなのに…。
ただ単に、ベベが魔女の中で最も人気があるってだけの理由だと思われ、
やはり設定の整合性よりも、グッツが売れそうなキャラを出したかったのでしょう。

ホムラはマドカが「円環の理」であることをインキュベーターに悟られまいと、
「円環の理」が干渉できない遮断された結界の中で魔女化します。
ところがサヤカとベベが魔女の力を使って、内部から遮断装置を破り、
取り込まれていた人々は(再構築後の)現実世界に戻ることができました。
当然魔女化したホムラも干渉を受ける状況となり、「円環の理」が迎えに来ます。
ホムラが「円環の理」ことマドカと再会し、めでたしめでたし…。

…かと思いきや、ホムラは不敵な笑みを浮かべ、「円環の理」の一部を引き剥がし、
愛の力で悪魔となって、自分が望む世界に再構築してしまうのです。
もう頭の中がクエスチョンマークだらけになる超展開ですが、
簡単に言えば、ホムラもマドカと同等の概念的な存在に昇華したのでしょうね。
"神"である「円環の理」に背く存在のため、"悪魔"を自称するのでしょう。
別にホムラの理想世界が悪い世界ということもなさそうな気がするので、
ホムラがインキュベーターのように邪悪なことをしたとは思いませんが、
悪魔という言葉がネガティブなため、なんだか彼女が悪役になったような印象で、
彼女のファンには、納得いかない不愉快な展開かもしれませんね。
実質ヒロインであり、人気キャラなので、本作の不評の主な原因はそこかもしれません。
ボクは前編が好きだったので、ホムラにはアンタゴニストとしての印象が強く、
全くショックは受けませんでしたが、やはり違和感と後味の悪さは残りました。
後編から魔女化に至るまでの彼女は、マドカのために尽くす自己犠牲的なキャラなので、
クライマックスで急にこんな自己中な行動を取るのはやはり不可解です。
ホムラが「円環の理」に迎えられて終わっていれば、少なくとも後味の悪さはなく、
蛇足感は否めないけど、本作の印象もかなりマシだったと思います。
これはもう「ハッピーエンドで完結させたら続編作れなくなる」という意図が見え見え。
きっと次回作はホムラが再構築した世界を舞台に、
今回と逆の立場で、本作と同じようなことを繰り返すつもりなのでしょう。
延々と繰り返し延命させる、これぞまさに「円環の理」でもと呼ぶべき搾取の法則です。

観てないから比較はできないけど、同日公開の普通の魔法少女アニメ映画、
『ドキドキ!プリキュア』の方がまだ面白かったかもね。
年末公開の魔法少女アニメ映画『魔女っこ姉妹のヨヨとネネ』には期待しています。

-関連作の感想-
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語

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