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ナゾトキネマ マダム・マーマレードの異常な謎 出題編

ウチのブログでは、感想を書く映画のプロット(粗筋)紹介で、
シネマトゥデイさんのものを引用させていただいています。
いろいろな映画サイトが掲載しているプロットを見比べた結果、
シネマトゥデイさんのものが、最もいいプロットだと思ったからです。
長さもちょうどいいし、内容も伝わり易いのも素晴らしいですが、
最もいいところは、ネタバレがほとんどないことです。
ネタバレせずに作品の内容を伝えるのって、かなり難しいと思うのですが、
シネマトゥデイさんのプロットは、そこが絶妙なんですよね。

最近『SPEC結』や『魔法少女まどか☆マギカ』など、
映画公開前にプロットを全く公開しない映画が増えています。
一切ネタバレしてほしくないという映画会社の方針でしょうが、
その手の映画は駄作の可能性が高いように感じます。
面白い映画はプロットで多少ネタバレしていても面白いものですが、
プロットの掲載すらも嫌がる映画は、ただ内容に自信がないだけでしょう。
ボクの経験としては、映画を観る前にプロットくらいは読んでおいた方がいいです。
物語の要点も掴み易いし、タイトルと内容にギャップのある映画も多いので。
ただ映画サイトによってはネタバレの酷いプロットもあるので注意が必要ですが。

ということで、今日はネタバレ厳禁なミステリー映画の感想です。

ナゾトキネマ マダム・マーマレードの異常な謎 出題編
ナゾトキネマ 出題編

2013年10月25日公開。
「リアル脱出ゲーム」を手がけるSCRAPの企画による観客参加型の謎解き映画。
※ネタバレなし。

30年前、病を患っていた映画界の巨匠藤堂俊之介は、三つの愛のストーリーをつづった三本の短編フィルムの中に秘密が隠されているとだけ妻に言い残して他界した。すでに自身にも死が迫っている巨匠の妻は、マダム・マーマレード(川口春奈)に夫の遺言ともいえる言葉の謎を解いてほしいと依頼する。(シネマトゥデイより)



「映画史上初!観客参加型ムービー」と銘打つ本作。
遊園地などを貸し切った「リアル脱出ゲーム」を手がける株式会社SCRAPの企画で、
本作鑑賞後、観客は制限時間10分以内に劇中で提示された謎を解き、解答用紙を提出。
(上映中に1回3分、計3回のシンキングタイムもあります。)
正解は来月22日公開の「解答編」で明らかにされ、
正解者は先着順で「解答編」エンドロールに名前をクレジットしてもらえます。

なかなか興味深い試みだとは思うのですが、如何せん料金が高すぎます。
定価1800円なので、普通の映画と同じですが、各種割引は適用外で、
シニアも学生も子供も、4歳以上だと1800円取られてしまうのです。
こどもが好きそうな企画なのに、この料金設定はシビアすぎます。
しかも本作「出題編」と「解答編」は別料金なので、
この企画に参加するには実質3600円も必要なことになります。
子どもを遊園地に遊びに連れて行ける値段です。
一応多少お得なムビチケも用意してあるのですが、それでも最安値は2800円。
映画の平均鑑賞料が1100円くらいと言われるご時勢に強気すぎる料金設定です。
まぁ普通の映画と違って、解答用紙を添削する手間がかかっているので、
数百円高いのは仕方ないけど、そんな手間は「出題編」だけですよね。
「解答編」は普通の映画と同じで、ただ映写するだけなので、
一律1800円(ムビチケだと1500円)も取るのはかなり厳しいです。
もちろんそれだけの価値がある内容であれば構わないけど、
ただ正解を発表するだけの内容だとすると、その面白さも推して知れます。
むしろ正解を発表するだけの「解答編」をちゃんと長編映画にできるのか…。

当然、そんな法外な料金では、客なんて呼べるはずもなく、劇場は閑散としており、
ボクが観たのは初週末だったのに、ボクたちも含めて4組くらいしかいません。
連れと相談できるシンキングタイムですら水を打ったように静かでした。
別に本作がコケるのは構わないし、むしろ自業自得だと思うのですが、
こんな客入りだと心配してしまうのは、「解答編」の公開規模です。
上映方法の性質上、「出題編」よりも「解答編」の方が客入りは減ります。
本作「出題編」を上映した劇場には「解答編」も上映する責任があるのは当然だけど、
劇場が一体どの程度の回数、旨味の少ない「解答編」を上映してくれるのか…?
もし一日一回、一週間だけの上映なんてことになると、
時間帯にもよるだろうけど、社会人には少々厳しいスケジュールです。
「出題編」は「解答編」で正解を発表されて、はじめて成立する不完全な作品なので、
もし時間の都合で「解答編」が観れない客には、返金するくらいの覚悟は必要です。
それに「エンドロールに名前が」なんて正解者特典に価値はないです。
関わってもいない映画に名前(ニックネーム)を載せてもらっても、
全く誇らしくもないし、嬉しくもないですよ。

では、そんなボッタクリ映画とわかっていて、なぜ観に行ったのか。
本作の物語は、30年前に他界した大物映画監督の藤堂俊之介は、
遺書に「短編映画3本に秘密がある」という言葉を残しており、
マダム・マーマレードは、藤堂の妻からその謎を解いてほしいと依頼される、
…といった内容で、我々観客も劇中劇となる3本の短編映画から、
その謎を解くという趣向の推理ゲームです。
ボクはミステリー映画はよく観るものの、あまり必死に推理したりはしないし、
基本的に頭もいい方じゃないので、推理ゲームは苦手です。
(不定期放送のテレビ版『リアル脱出ゲーム』も全く興味がありませんでした。)
だけど、藤堂監督が撮った体裁の劇中短編映画のうちの1本、
短編「やまわろわ」を撮った実際の監督は、なんと中村義洋監督。
彼は『みなさん、さようなら』や『奇跡のリンゴ』などを取った大物監督で、
ボクが最も好きな日本人監督のひとりであり、彼の大ファンとしては、
推理ゲームなんてどうでもいいけど、その短編だけは見逃すわけにはいきません。
ついでに短編「鏡」を撮った鶴田法男監督もJホラーの第一人者のひとりで、
(もうひとりの監督は知らないけど)かなり豪華な顔ぶれです。
でも上映中に連れと相談できるシンキングタイムなどがあるため、
ボッチになると恥ずかしいので、無理やり知人にも参加してもらいました。
やっぱり嫌がられたけど、鑑賞料をボクが持つことで何とか了承してもらいました。

ただ中村監督の劇中短編を観たいがために観に行きましたが、
いざ参加してみると、連れの子と相談しながら謎を解くのは楽しいものです。
入場前に配られる解答用紙には、15文字分の升目があり、
短編を観ながらその升目を埋めることで、謎のヒントがあらわれ、
それから導き出した答えを"監督の秘密は___"という解答欄に書いて提出です。
正直なところ、ボクには謎を解くことができませんでした。
升目を埋めることには成功し、15文字のヒントまでは解読できたのですが、
そのヒントが正解にどう繋がるのかが全くわかりませんでした。
結局、確証はないまま状況証拠から推論を書いて提出しましたが、たぶん不正解です。
正解率5%というのも、あながち大袈裟じゃないのかもしれません。
まぁボク程度の推理力では何の参考にもなりませんけどね。
15文字のヒントを解読するだけなら、ほぼ全員が成功するでしょうが、
ボクはそれですら1文字見落としており、連れの子に補完してもらったくらいですから。
ちょっと高く付いたけど、無理やりでも誘ってよかったと思いました。

謎が解けなかったボクには、どだい無理な話ではありますが、
本作はその性質上、ネタバレは絶対にNGなので、
この感想では、解読できたヒントについても一切触れません。
劇中劇となる短編の物語は、ヒントが隠されていること以外は普通の短編映画なので、
物語の感想だけ書かせてもらいます。

まずは枠物語から。
「この世で唯一、解けない謎がない女」ことマダム・マーマレード。
彼女を演じるのはまだ十代の若手女優・川口春奈ですが、
どう見ても未婚なのに、マドモアゼルではなくマダムなのはちょっと不思議ですね。
他の登場人物からも、そこを突っ込まれたりしますが、
彼女はことごとくスルーし、何気に本作最大の謎かもしれません。
どうやら時空を超えた存在のようなので、容姿の年齢は関係ないのかも?
川口春奈は容姿は可愛らしいのですが、アイドル映画ばかりに出ていたせいか、
どうも演技がイマイチで、本作の枠物語シーンもまるで学芸会です。
川口春奈といえば、現在放送中の主演ドラマ『夫のカノジョ』の初回視聴率が
僅か4.7%だったことが話題になっていますが、もっと演技を頑張った方がいいかも。
もちろん本作も設定のコミカルさなどの影響もあると思いますが、
枠物語が劇中劇よりも劇くさいのは、どうにかならないものかな。

一本目の短編となる「つむじ風」ですが、実際に撮ったのは上田大樹という監督さん。
たぶん彼が枠物語の部分も監督しているのだろうと思われます。
女子中学生の初恋を描いた、甘酸っぱく爽やかな青春映画ですが、
ちょっと百合っぽい友情も描かれてます。
本作の3本の短編の中では最もイマイチだった気がしますが、
それは謎解きのヒントを隠すことに囚われすぎていたからかもしれません。
ヒントとなるシーンが何度も何度も挿入されるので、物語自体が疎かになっています。
それに1本目ということもあり、我々客の方もヒントを拾うことに囚われがちで、
あまり物語に集中することができないんですよね…。
でもこれを経験することで、ヒントの法則がわかるので、
以降の2本目からは物語も楽しめるようになるはずです。

2本目の短編となる「鏡」は、鶴田法男監督らしく、ちょっとJホラー風味。
ホラー映画が苦手な人に倦厭されないようにか、あまり怖い話ではないけど、
鏡の中に映る女性マリエに恋をしてしまった男の話で、長編化しても面白そうです。
ただ、鏡の世界に入るシーンなど、CGの完成度が高すぎるので、
藤堂監督が30年以上前に撮ったという体裁には無理があるような…。
本作の3本の短編は、最古のもので45年前の作品なのですが、
今から45年前だと1968年ということになり、まだカラー映画が普及しだした頃なのに、
3本の短編はどれも映像が鮮明すぎるように思います。
ボクにはわかるべくもないですが、もしかすると映像の新しさも、
謎の真相に繋がるヒントなのかもしれませんが…。

3本目は真打登場、中村義洋監督の「やまわろわ」です。
明治頃の田舎で、おバカな幼い妹ウメが「賢くなりたい」と姉フジに相談。
フジは「夜に神社でお百度参りすればいい」と答えますが、
山に移り住んだ河童「やまやろわ」が出るかもしれないと、ウメは怖がります。
ある日、母が病床に伏せてしまい、口減らしをする必要があるため、
おバカで役立たずのウメを奉公に出すことが決まります。
その夜、ウメは意を決してお百度参りをはじめるが…、という話です。
短い物語ですが、とても感動的な物語で、さすがは中村監督です。
ヒントになる文字を与えられて、そこから逆算して脚本を書いたはずですが、
そんな縛りがあっても、これだけの家族ドラマを描けるんだから感心します。
他の2本と違い、ヒントの挿入方法もとても自然でした。
それにしても、中村監督は自分を安売りしすぎですよ。
彼はこんな企画ものなんて撮っちゃダメだし、製作サイドも遠慮すべきです。

エンドロール後のシンキングタイム10分間、必死で考えましたが、
ボクも連れも、正解に辿りつくことは出来ませんでした。
その後、劇場を後にしてからも1時間くらい無意味な議論しましたが結論は出ず、
どうしても気になるので「解答編」のムビチケも購入。(今度は連れの子も実費で購入。)
本作を観る前は中村監督の短編さえ観れたら、「解答編」はどうでもよかったけど、
後引く幕引きで、まんまと映画会社の戦略に乗せられてしまった気がします。
きっとネットで調べれば、自慢げに正解を発表している人もいるだろうから、
正解を知るだけなら、わざわざ1500円もするムビチケ購入する必要はないかも。
でももう買ったので、約1カ月後の「解答編」公開まで、正解を楽しみに待ってみます。
1カ月か…。本作の内容を覚えてられるかな?

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