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ブロークンシティ

中国が日本を抜き世界第二位の映画消費国となったことで、
ハリウッドも中国の存在を無視できず、中国贔屓のハリウッド映画が増えています。
具体的には中国(人)を悪く描かない、中国人キャストを積極的に起用する、
中国を舞台にして中国でロケを行うなどで、中国のご機嫌取りをしていますが、
先日『トランスフォーマー ロストエイジ』の撮影で、
香港ロケをしていたマイケル・ベイ監督が、中国人兄弟に襲われたそうです。
なんでも、撮影にイチャモンを付けに来た中国人兄弟が迷惑料を請求してきたので、
それを断ったところ、報復にエアコンで殴りかかって来たそうです。
これが経済大国になっても民度の低い中国ロケをすることのカントリーリスクです。
そのエアコン兄弟をベイ監督は返り討ちにしたそうで、事なきを得ましたが、
もし監督が大怪我でもしたら、映画の撮影も頓挫するし、その損失は測り知れません。
ハリウッドも中国なんかと関わらないことが賢明です。

ということで、今日は『トランスフォーマー ロストエイジ』の主演俳優、
マーク・ウォールバーグの主演作の感想です。

ブロークンシティ
Broken City

2013年10月19日日本公開。
マーク・ウォールバーグ、ラッセル・クロウ共演のクライムサスペンス。

8日後に市長選を控えたニューヨーク。7年前に警察官を辞め、私立探偵として生計を立てるビリー(マーク・ウォールバーグ)は、警官辞職の原因となった殺人事件に関する秘密を互いに知る現市長ホステラー(ラッセル・クロウ)から妻(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)の浮気を調べるように依頼される。調べを進めるうちに、浮気相手が市長再選を狙うホステラーの対立候補の右腕であるアンドリュース(カイル・チャンドラー)だったことが判明。やがて、アンドリュースが誰かに殺害され……。(シネマトゥデイより)



豪華キャストながら、全米初登場5位とイマイチ振るわなかった本作。
脚本の段階ではかなり注目されていたようで、
2008年の「未制作だが最高の脚本」なんて言われていたようですが、
いざ映画が完成してみると、前評判が嘘のように酷評されてしまっています。
ということは、脚本以外の部分で何か問題があったということでしょうが、
豪華キャストだし、演技も申し分ないし、映像もちゃんとしているので、
ボクの見る限りでは何が悪かったのかわかりません。
そんなボク自身も、本作はそれほど面白いと思いませんでしたが、
それは物語が在り来たりに思えたからなので、たぶん脚本が退屈なんじゃないかな?
脚本は評価されているのに、物語が退屈なんて、ちょっと妙な話ですよね。
本作は『ザ・ウォーカー』などの監督、ヒューズ兄弟の弟アレンが、
初めて単独で撮った作品らしいのですが、やっぱり兄弟で協力しないと、
面白いものを作る双子パワーは発揮できないのかもしれませんね。
ボクも本作にはそれほど期待はしてなかったのですが、
『テッド』のスマッシュヒットに始まり、来週末には『2ガンズ』も公開になる、
今年大活躍のマーク・ウォールバーグの主演作なので、とりあえず観に行きました。
彼は本作のプロデューサーも務めています。

以下、ネタバレ注意です。

NY市長選挙が間近に迫ったある日、元警察官で私立探偵のビリーは、
現職のホステラー市長に呼び出され、妻の浮気調査を依頼されます。
依頼を受け市長夫人を尾行すると、彼女がある男と密会しているのを目撃。
その男は市長の対立候補であるバリアント議員の選挙事務長アンドリュースだった。
その事実を市長に報告した直後、アンドリュースが何者かに射殺される事件が発生。
ビリーがその殺人事件を調査すると、事件の裏に政治的陰謀が…。
という内容のポリティカル・サスペンスです。
本作の物語の何が退屈なのかと言えば、サスペンスにも関わらず、
真相があまりに単純で、何の驚きもないということでしょう。
妻の浮気相手を市長に報告した直後に、その浮気相手が死ねば、
誰だって市長が犯人だと思うし、当然ビリーもそう考えます。
でも真相は全く違った、…というのであれば面白いサスペンスですが、
本作は誰もが予想した通り、市長が犯人で、意外性も全くありません。
しかも市長を演じるのはラッセル・クロウなので、端から怪しさ全開です。
対立候補のバリアント議員やNY市警の本部長も、もっと大物俳優を起用すれば、
少しはミスリードできたでしょうが、これでは推理の余地はないです。

まぁ本作のアンドリュース殺しの謎は、誰が殺したかではなく、
殺した動機にあるので、犯人はバレバレでも問題ないのかもしれません。
ただその動機も、あまりにも在り来たりなもので、
アンドリュースが市長の汚職のネタを握っていたので、
選挙に不利になると考えた市長が、殺し屋を使って彼を殺害したというものです。
その汚職のネタも、毎度お馴染みの再開発の利権に関するもので、
ポリティカル・サスペンスというにはあまりに単純すぎます。
もっとドロドロした政治的陰謀が見たかったです。

ビリーの政治的信念も一貫してないのが気になります。
市長が再開発して高級高層ビルを建てて私腹を肥やそうと計画している
ボルトン・ヴィレッジという地区は、移民など低所得者層が多く住む地区で、
ビリーの恋人ナタリーの実家もあるので、普通なら彼は市長を指示しないはずですが、
市長の選挙が不利にならないように、浮気調査の依頼を受けて協力するんですよね。
5万ドルも報酬が貰えるので、政治よりも金が大事な守銭奴かと思いきや、
アンドリュースが殺されると、報酬の小切手を破り捨ててしまい、
その後は市長の陰謀を暴き、再選を阻止するため奔走するのです。
なので正義感が強いのかもしれないけど、正義感が強いなら初めの依頼も受けないはず。
結局、主人公のビリーの人間性が曖昧で掴み切れないため、感情移入できません。

まぁ少なくともビリーは清廉潔白な男ではありません。
本作の冒頭の7年前のシーンでは、まだNY市警の刑事だった彼は、
ある男を射殺し、過剰防衛の容疑で裁判に掛けられていました。
男が拳銃を持っていたため正当防衛が認められ、彼は無罪放免となります。
ビリー曰く、その男はレイプ犯だそうですが、その証拠はないみたいです。
その男の被害者となった少女の姉が、ビリーの恋人ナタリーなので、
普通に考えればレイプ犯で間違いない気がしますが、その真偽は明かされません。
ただ終盤で、その男は撃たれた時に無抵抗だったことが明らかになり、
正当防衛の判決は誤審だったとわかります。
なのでビリーはもともとアウトローな男だったのでしょう。
はじめからアウトローだとわかっていたら、もう少し彼を理解できたかもしれないけど、
終盤になってそんな事実が明かされても、もう手遅れでした。

そんな微妙なサスペンスである本作ですが、それでもちょっと面白かったのは、
メインプロットのサスペンスではなく、サブプロットのロマンスの部分です。
ビリーの恋人ナタリーは女優なのですが、初めての主演作の試写会にビリーを誘います。
『Kiss Of Life』という低予算のロマンス映画ですが、その内容がほぼポルノで…。
彼女曰く「芸術的なラブシーン」ですが、主演男優相手に喘ぎまくるナタリーを観て、
ビリーは憤慨し、映画完成パーティで大暴れして、破局するのです。
ナタリーの母親も映画を観て「娘は娼婦同然」と嘆くし、よほど卑猥な内容なのでしょう。
まぁそこまでじゃないにしても、ラブシーンが不可欠な女優と交際するのは大変ですね。
いちいち相手の男優に嫉妬していたら身が持ちませんが、その気持ちはわかります。
女優と付き合う男の気持ちが描かれていて、とても面白かったです。
最終的には和解してヨリを戻すと思っていたのですが、
そのパーティで破局したが最後、ナタリーは最後まで登場しませんでした。
7年前の妹レイプ事件のせいで、かなり強い絆があったはずの2人なのに、
映画のラブシーン、もといエロシーンだけで、100年の恋も醒めるとは…。
これに関しては、ナタリーの無神経さが問題で、完全にビリーに共感しました。
ビリーは破局後、探偵事務所の助手の女の子とほんのりいい感じになりますが、
ボクもナタリーなんかよりも助手の子の方がいいと思いました。

本作はサスペンスが弱くちょっと物足りませんでしたが、
全米1位の大ヒットを記録した『2ガンズ』には期待したいです。

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