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人類資金

昨日、フジテレビの『笑っていいとも!』が来年3月で終わることが発表されました。
番組内で突然発表されたこともあり、かなり話題になってます。
ボクはその放送は見てませんでしたが、ネットニュースで知って驚きました。
番組が近々終わるという噂は数年前から何度も囁かれていたので、
なんだかんだで終わらないだろうと思っていたので、ビックリです。
最近はタモリさんの出演しないコーナーなんかもあったそうだし、
もしタモリさんが降板しても、意地でも存続させるつもりだろうと思っていたので…。
職場のテレビで休憩中に流されているのを見る程度で、別に好きな番組でもないですが、
あの時間帯にタモリさんを見れなくなるのは、何故か寂しさを感じます。
ボクが生まれた時から当たり前にあったものが無くなるからなのかな?
でもタモリさん自身は毎日の拘束がなくなったことで、他のバラエティへの出演とか、
役者業とかできるようになるだろうし、活躍の幅は広がるかもしれませんね。
(体調不良による番組終了かとも懸念しましたが、そうではないようです。)

番組が終了するとなると、気になるのは後継番組ですが、
まことしやかに囁かれている噂では、中居正広が司会の番組になるとか…。
でもドラマ出演やコンサートなんかも多い彼に、お昼の帯は無理ですよね。
なんだかんだで、二流タレントやアナウンサーが司会のワイドショーになって、
また1年くらいで打ち切られたりするんじゃないかな?
今のフジテレビは何をやっても裏目に出ますからね。
きっと『笑っていいとも!』終了も裏目に出るはずです。

ということで、今日は『笑っていいとも!』月曜レギュラーの出演作の感想です。

人類資金
人類資金

2013年10月19日公開。
福井晴敏の書き下ろし小説を阪本順治監督が映画化したサスペンス。

終戦後、ひそかに回収されたというM資金と呼ばれる旧日本軍の秘密資金。それをネタにした詐欺を行い続けてきた真舟(佐藤浩市)は、石(森山未來)という青年から彼が所属する日本国際文化振興会なる財団の人間に会うよう迫られる。だが、財団のビルに足を踏み入れた瞬間、高遠(観月ありさ)が率いる防衛省秘密組織の一団に襲撃される。石の助けを借りて逃げ出した真舟は、そのまま本庄(岸部一徳)という男に引き合わされ、50億円の報酬と引き換えに某投資ファンドが管理する10兆円ものM資金の奪取を持ち掛けられる。(シネマトゥデイより)



内容はまた後で書きますが、本作の興味深いところは、その封切方法にあります。
なんでも福井晴敏の書く原作小説は全7巻の文庫本なのですが、
映画公開時点ではまだ4巻までしか刊行されてないんですよね。
4巻は映画のプロットで言えば、ロシアでの物語の部分でまだ中盤です。
どうやら原作小説の執筆と、映画の制作が同時進行で行われたようです。
先行していた小説版を、映画版が追い越し、先に完結しちゃったわけです。
こうなると5巻目以降は原作小説ではなく、単なるノベライズになりますね。
原作小説を読んでいた人が、先が気になって映画を観たり、
映画を楽しんだ人が、原作小説も買ってくれるのではないかという、
映画と小説の相乗効果を狙った斬新(?)なビジネスモデルでしょうが、
これにはリスクもあり、映画を観た購読者が、映画をつまらないと思った場合、
或いは映画を観なくても、映画がコケて読者に猜疑心を与えた場合、
公開後に刊行される5巻以降が売れなくなる可能性があります。
これは一種の賭けですが、今回は賭けに負けてしまっていると思います。
つまり本作は全く面白くないということです。

もっとも、映画版と小説版は全く同じ内容ではないでしょう。
4巻までは月刊で刊行されていた小説版ですが、5巻目からは隔月となるのも、
映画の反響を鑑みて、時間を掛けて小説版をテコ入れするための作戦だと考えられます。
なので映画版である本作が不評だったから、小説版の方向性の舵は大きく切られるはず。
もしかしたら、小説版の今後の展開は面白くなる可能性もあります。
しかし本作の出来はあまりに酷過ぎ、世間から酷評を受けるのは目に見えています。
(さっき映画レビューサイト覗いたら、案の定、酷評の嵐でした。)
これではテコ入れしようにも、原作者の執筆のやる気が保てるのか疑問です。
諦めて単なるノベライズにするか、更にいい加減な内容になる可能性も否めません。
原作小説が面白くても、小説原作映画の出来が原作小説を超えることなんてまずないし、
このビジネスモデルは成功する確率は極めて低いと思われます。
普通に福井晴敏による書き下ろし脚本の映画として公開しておけば、
売れないとわかっている続刊を執筆する手間はなかったのにね。

本作のダメなところを挙げようにも、ダメなところしかないので挙げ切れません。
まず基本的にダメだったのは、本作は経済サスペンスですが、
ボクとは主義や思想面で相反するものだったことです。
本作は自虐史観、反米、反資本主義、(ついでに親韓、反天皇制、脱原発、)
平等第一の左翼臭がプンプンする内容で、右寄りのボクには拒否反応が出ますが、
ボクだけではなく日本が全体的に右傾化している中、時代錯誤な内容なのは否めません。
まぁそうは言っても、右か左かなんて個人的な趣向でしかないので、
物語自体の良し悪しとは関係ないです。(ボクでも楽しめる左翼映画もあるし。)
だけど本作は物語自体があまりにも荒唐無稽で出来が悪いので、
たとえ左寄りな人でも受け入れ難い駄作だと思うはずです。

とにかく根本的にダメなのは主人公の真舟です。
演じている佐藤浩市は好きですが、キャラ設定が無茶苦茶で、
展開的に思わず首を傾げてしまうことばかりです。
M資金詐欺を繰り返す真舟の前に、石優樹と名乗る男が現れ、
M資金を管理しているという財団JIC(日本国際文化振興会)に来てほしいと言われ、
半信半疑のまま財団を訪ねると、謎の組織に襲撃されてしまいます。
石の助けでその場を逃げ延びますが、彼に連れて行かれた場所にいた通称Mから、
「50億円の報酬を用意するので10兆円のM資金を盗み出してほしい」と依頼され、
真舟は政府やCIAも絡むM資金をめぐる争いに引き込まれていく。
…という物語ですが、単なる詐偽師の真舟が、そんな重大な依頼を受けるのは疑問です。
超凄腕詐偽師の真舟なら、財団からM資金を騙し取ることができると、
Mが考えたのでしょうが、その展開に信憑性を持たせるならば、
その前に真舟が如何にスゴイ詐欺師かを示すシーンが必要なはずです。

ところが冒頭で彼が行った詐欺は、未遂にもならないうちに失敗してるので、
彼の詐欺の腕前は全く証明されていないのです。
それどころか、依頼を受けた真舟は、ロシアで財団の直轄ファンドである、
ベタプラス社のマネージャーを、証券マンに化けて騙そうとしますが、
「往復ビンタ」という証券マンの隠語を勘違いし、化けの皮が剥がれ失敗します。
彼は普段から金融ブローカーを名乗って詐偽をしていたはずなのに、
そのくらいの証券界の隠語は知っていないとおかしいはずですが、
あり得ないイージーミスで、どこが凄腕詐偽師だよって感じです。
むしろM資金なんて都市伝説絡みの依頼を真に受ける時点で異常ですよ。
報酬50億円を約束されても、手付金すら貰ってないのに、
なぜその依頼の内容や、依頼したMのことを信用できるのか…。
真舟は初めてあった怪しい男の話でも鵜呑みにする、かなり騙されやすい男で、
詐偽師どころか、逆に詐欺の被害者になりそうなお人好しだと思います。
なので真舟のことを凄腕詐偽師だと思うことは出来ないし、
そんな男にMが一世一代の詐偽を依頼するのも不自然すぎると思います。

そもそもMには、異常なほど優秀な右腕・石優樹がいます。
彼は本名をセキ・ユーキッドというアジア人で、「石優樹」はMが名付けた偽名です。
(「セキ」の当て字を「関」ではなく「石」にするMのセンスはヤバい。)
彼は貧困小国の生まれで、幼少期にはロクに教育も受けられませんでしたが、
Mに拾われてからメキメキと才能を開花させ、今では6ヶ国語を操れ、
経済学ではその気になれば博士号を取れるほどの秀才らしいです。
これだけでもヘボ詐偽師の真舟なんかの数百倍スゴイ男ですが、
更に格闘技から、銃の扱い、ドライビングテクニックに至るまで超一流の、
まるでアメコミにでも出てきそうな完璧超人です。
経済サスペンスにそんな現実的じゃないキャラが登場するだけでも醒めますが、
彼だけでもロシアでの計画は難なく成功したはずです。
むしろ真舟なんてお荷物でしかなく、実際に彼のせいで失敗しますからね。
ところが一度失敗した計画ですが、Mが出張ってきただけで逆転成功するのです。
それなら、端から真舟もセキも必要ないじゃないですか…。
Mがロシアで役者を2~3人雇えば、すんなり成功する詐偽でした。

その詐欺は、マネージャーを騙しM資金を担保に金融機関から500億円の融資をさせ、
それを200件の金融機関で行うことで、計10兆円を奪おうという作戦です。
ロシア大統領に500億円の裏献金をすれば、
北方領土の開発に優先的に日本企業を入れてもらえるから、
これは事実上の北方領土の返還になる、…という建前で騙すのですが、
それのどこが事実上の北方領土返還なのか問い詰めたい。
左翼は領土問題の認識も甘いから困ったものです。
都市伝説のM資金を担保に500億円も融資する金融機関もアホです。

Mの本名は笹倉暢人で、M資金管理財団の初代理事長・笹倉雅実の孫で、
現理事長・笹倉暢彦の息子ですが、財団が父親の代になり、
国富ファンドから投機ファンドに成り下がり、マネーゲームをしていることが許せず、
財団からM資金を盗んで、途上国を発展させるために投資したいと考えます。
M資金の「M」は一般的にGHQ経済科学局のマーカット局長の頭文字とされてますが、
暢人曰く「マンカインド(人類)」の頭文字で、M資金とは「人類資金」という意味です。
M資金の「M」とは何なのかというのも、本作の序盤の大きな謎だったのですが、
タイトル通り(というかタイトルでネタバレ)な、実に面白くない真相でしたね。
そんな弱いオチで、よくもあれだけ引っ張ったこのだと、その図太さに感服します。
人類資金とは「人類のために使うべき資金」ということで、暢人はその方針を踏まえて、
途上国の経済発展のために使おうと考えたわけですが、そのうちの50億円も、
詐偽師への報酬に使おうなんて、無駄遣いにもほどがあります。
50億円もあれば、どれほどの人類が救えると思っているのか…。
というか、そんな金(10兆円)が本当にあるなら、途上国にODAマガイの投資して、
外国を豊かにするよりも、我らが日本の財政を救うべきです。
特に本作は2014年を舞台に震災後の日本を描いているので、思想が右でも左でも、
まず震災の復興にM資金を使いたいと思うのが真っ当な日本人の感性です。
本作は左翼映画どころか、もはや反日映画ではないかと思ってしまうほどズレてます。

暢人が、財団から奪ったM資金を具体的に何に使ったかと言えば、
セキの故郷である途上国カペラ共和国の国民にPDA(携帯情報端末)を配布しました。
しかもその数はその国の国民の半数に行き亘るほどです。
架空の国であるカペラ共和国がどれほど小国の設定か知らないけど、
ロケ地はタイだし、東南アジアの国だし、数万人って規模ではないと思われます。
情報さえあれば、教育が普及し、経済が発展すると考えたのでしょうが、
たしかに教育は必要だけど、PDAを配布するって考え方はズレすぎです。
日本が経済成長した時も、国民は情報端末なんて持ってなかったし、
PDAのお陰で経済発展した国なんてありません。
PDAを持てば賢くなれるなら、スマートフォン持ってる人は全員秀才ですよ。
そんなものを無暗に膨大な台数配布するなんて、M資金の無駄遣いです。
途上国に投資するなら、そんなことよりもインフラ整備でもしてあげるべきでしょ。
そもそもPDAの充電はどうやってするんだって話ですよ。
というか、こんな回収できる可能性がないものは、投資とは呼べませんよね。
これなら投機ファンドのままの方が、M資金が増える可能性があるだけマシです。
それに途上国は沢山あるのに、カペラ共和国だけ援助するなんて酷くないですか。
右腕で親友のセキがその国の出身だからって依怙贔屓もいいところです。

終盤、セキは国連本部で演説し、各国にカペラ共和国への投資を呼びかけますが、
自分たちが財団を通して管理していたM資金をセキたちに奪われたアメリカは、
その演説が始まったら退席するように、各国に圧力を掛けます。
しかしセキは、祖国の人々がPDAのカメラで撮影した画像を会場に流し、
各国の代表の情に訴えかけて、彼の演説は喝采を受けるのです。
あまりに現実離れした展開に呆れてしまいますね。
各国がアメリカとの関係を犠牲にしてまで、小国の代表の演説を称賛するなんて、
国連総会参加者は国益を考えないアホどもの集まりですか?
それにこんなことをしたら、日米関係を悪化させることになりますよ。
反米の暢人らは構わないだろうが、日本の国益を大きく損ねる行為で共感できません。
そもそも国連で演説したくらいで、国際社会が劇的に変わるとでも思っているのか。
国連で女性の教育の権利を訴えたマララさんも、ノーベル平和賞を逃しましたよ。
本作は国連本部でロケをした初めての日本映画らしいですが、
(改装工事中で空いていたとはいえ)こんな駄作のためにホールを貸してもらうなんて、
日本人として本当に恥ずかしく、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
それとこんな反米映画に出演してくれたハリウッド俳優ヴィンセント・ギャロさんにも、
経歴に汚点を付けてしまって申し訳ないと思います。
ヴォルピ杯受賞者の世界的俳優に何てことさせるんだよ…。

あと、在日CIAの遠藤役に韓流俳優ユ・ジテを起用したのも間違いです。
親韓左翼だから韓国人を起用したかったのでしょうが、別に韓国人を使うのはいいけど、
遠藤は普段は日本人労働者のフリをして日本に潜伏している役なので問題です。
だってこんな日本語カタコトだったら、日本人のフリなんてできないでしょ。
あと、観月ありさなんてテレビのトレンディ女優を起用するのも場違いすぎ。
彼女がNYでタクシー運転手に回し蹴りしたのは笑っちゃいましたが…。
そういえば、ちょっと「あれ?」っと思ったのですが、
NYのシーンで真舟がタクシーの助手席に乗り込みましたよね。
アメリカのタクシーって助手席には乗せてくれないって聞いてたんだけど…?
もうひとつあり得ないと思ったのは、真舟がヤクザを動員して、
投資を促すため嘘の風評を流し、カペラ共和国の関連株を高騰させるのですが、
英語も話せないヤクザが、どうすれば電話営業で世界中の投資家を騙せるというのか…。
ボクも金融にはかなり疎いので偉そうなことは言えませんが、
作者は経済サスペンスが書けるほど、経済を理解できていない気がします。

挑戦的な封切方法だけは買いますが、内容は今年屈指の駄作でした。

コメント

そのとおりだと思います。

いつもは感想を拝見してから、良い感想の映画だけピックアップして観に行ってましたが、残念ながら今回は、感想を拝見する前に観てしまいました。
自分的にはここ数年で一番の酷さでした。
あすはグランドイリュージョンを観に行こうと思います。

  • 2013/10/25(金) 21:25:54 |
  • URL |
  • 通りすがり #Qhkulfr2
  • [ 編集 ]

いつも読んでくださっているとは、本当にありがとうございます。
このところアクセス数の伸び悩みとスランプで厳しい状況だったので、
とても励みになります。
観る前に読んでもらっているようですが、ネタバレばかりですみません。

ここ数年で一番の酷さでしたか。それは災難でしたね…。
もう観られたと思いますが、『グランド・イリュージョン』は大丈夫なはずです。

  • 2013/10/26(土) 21:53:38 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

反日監督か!

佐藤浩一が可愛そうですよ!最高の演技なのに
この監督は反日の韓国俳優出演させてさ・・・
知らないで観て・この韓国人が出てくるとこいつも
日本の国旗を踏みつけるのかと思うとムカついた
この監督の映画が絶対観ない。

  • 2013/11/02(土) 18:17:41 |
  • URL |
  • とり #tHX44QXM
  • [ 編集 ]

ユ・ジテが日の丸を燃やすほどのアホかどうかはわかりませんが、
遠藤役は韓国人俳優を起用する必然性がないのは間違いなく、
それを強行した監督ら製作サイドの責任は重大です。
ただ、ユ・ジテもまさかこんな駄作になるとは思ってなかっただろうし、
ヴィンセント・ギャロさん同様、ある意味本作の被害者なのかも…。
まぁギャロさんと違って、全く気の毒だとは思いませんけど。
佐藤浩一は作品を選べる立場なはずなので、ちょっと自業自得かな。

  • 2013/11/02(土) 22:58:59 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

超駄作

PDAで世界を救うなど馬鹿馬鹿しすぎます。

  • 2014/02/15(土) 02:03:46 |
  • URL |
  • 柴精一 #-
  • [ 編集 ]

Re: 超駄作

本当に馬鹿馬鹿しいし、
実際に原作者が馬鹿なのでしょう。
もちろん監督も。

  • 2014/02/15(土) 23:26:13 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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