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クロニクル

来年4月に、消費税が8%に上がることが決定しちゃいましたが、
円安なんかの絡みもあって、便乗値上げが横行しそうな予感がします。
低所得者のボクにはかなり厳しい状況になることが予想され、
駆け込み需要どころか、来春に備えて、すでに倹約生活を始めています。
ウチはエンゲル係数が高いので、食料品の値上げが最も心配ですが、
次に心配なのは、映画オタクなので映画料金がどうなるかです。

現在価格カルテルにより1800円とされている映画料金ですが、
消費増税と便乗値上げにより1900円になるのではと懸念しています。
(そして再来年に消費税が10%になる時に2000円に…。)
日本の映画料金はアメリカの2倍~2.5倍で、すでに世界一高いと言われてますが、
これ以上値上がりするようでは、映画オタクなんてやってられません。
まぁ前回消費増税があった時も、価格は据え置かれたままだったと思うので、
映画料金の値上げはないかもしれません。
ただ今回はデフレ脱却を目論む政府の陰謀で経産省が価格転嫁を推し進めるそうで、
前回の消費増税の時とは違い、かなり値上げしやすい状況になるはずです。
映画業界はすでに、通常の前売券よりも高いムビチケの登場など、
実質値上げを始めているし、この機を逃すはずはないです。

でも値上げしたからといって、収益が上がるわけではありませんよね。
ボクの場合、もし料金が100円上がれば、映画を観る本数を1割減らします。
好きなハリウッド映画は減らせないので、邦画を年間20本ほど削ることになります。
ボク一人が観る本数を減らしたところで大した影響はないでしょうが、
誰でも物価が上がれば、まず家計から切り詰めるのは遊興費であり、
映画などのレジャー産業は大打撃を受けるはずです。
映画は消費増税されたら、料金を据え置くどころか、安くするべきかもね。

ということで、今日は1800円ではなく誰でも1000円で観れる映画の感想です。

クロニクル
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2013年9月27日日本公開。
フェイク・ドキュメンタリー形式の青春SF。

超能力を手にした、高校生のアンドリュー(デイン・デハーン)、マット(アレックス・ラッセル)、スティーヴ(マイケル・B・ジョーダン)は、自分たちの姿をビデオで記録することに。超能力を使い、他人がかんでいるガムを口から取り出したり、女子のスカートをめくったり、空中でアメフトをしたりと、退屈だった毎日を刺激的なものに変える三人。そんなある日、クラクションを鳴らして後方からあおってきた車を、アンドリューが超能力でスリップさせる。それを機に、彼は超能力を乱用するようになり……。(シネマトゥデイより)



本作は全米公で初登場1位になり、6000万ドル以上稼いだ大ヒット作ですが、
日本では首都圏でのみの劇場公開ということになり…。
昨年の全米公開時から日本公開を楽しみにしていた関西在住のボクとしては、
とても大きな憤りを覚え、首都圏公開日には批判記事も書きました。
ところが首都圏のお客さんから大反響があったようで、
上映期間の延長と共に全国上映が決定し、首都圏から2週遅れとなる先週末、
ここ関西でも大々的に上映が始まり、とても嬉しく思います。
ただ全米ナンバー1の作品なので、面白さは折り紙つきなんだから、
初めから気持ちよく全国公開しとけよ、という気持ちは否めません。
全国順次公開もそうだけど、地方の映画館を二番館扱いするのはやめてほしいです。
とはいえ、鑑賞料金も一律1000円とリーズナブルなので許します。
なぜ本作の料金が安いかと言えば、ビデオリリース前のお試し上映だからです。
劇場公開から約2ヶ月後の12月4日にはレンタルビデオ店に並ぶので、
急いで劇場に観に行かずとも、すぐに数百円で鑑賞することができます。
そもそも昨年の2月に全米公開された映画なので、
日本公開もビデオリリースも遅すぎますよ。
全米1位の話題作くらい、新鮮なうちにとっとと日本公開してほしいものです。

という配給会社への文句はさておき、本作は観客から絶賛され、
地方の劇場から上映依頼が殺到しても当然のかなり面白い作品です。
これを観て「首都圏での限定公開にしよう」なんて考えた配給会社は、
映画を見る目がないんじゃないかと思えるほどの佳作です。
たしかにキャストはほぼ無名の若手俳優なので、キャストでの集客は見込めませんが、
本作のようなファウンド・フッテージは無名俳優を使うのが暗黙の了解ですからね。
主演のディン・ディハーンは本作の演技が認められたのか、
アメコミ超大作『アメイジング・スパイダーマン』シリーズで、
超重要なハリー・オズボーン役に大抜擢されています。
次に彼を見る時はもう無名俳優ではなくハリウッドスターです。

以下、ネタバレ注意です。

内気な高校生アンドリューは、従兄弟で同級生のマットにパーティに誘われます。
しかしアンドリューはパーティに馴染めず、庭でボーとしていると、
生徒会長候補の人気者の同級生スティーヴがやってきます。
スティーヴはマットと一緒に林の奥で謎の穴を発見したそうで、
アンドリューの持ち歩いているビデオカメラで、それを撮ってほしいと言うのです。
しぶしぶ了承し、彼に付いて行き、撮影のため穴の中に入ると、
そこには発光する隕石らしきものがあり、それに触れた3人は超能力が使えるようになり、
それ以来彼らは、超能力者仲間になり、始終一緒につるむ大親友になります。

前述のように本作はファウンド・フッテージ形式の作品で、
ほぼ全編をアンドリューの持つビデオカメラのPOV(主観映像)で撮影されています。
ファウンド・フッテージはホラーでよく使われる形式でしたが、
最近ではSF映画にも使われることが多くなってきましたね。
低予算で撮れるメリットがあるため、粗悪な映画でいい雑に使われることも多いけど、
本作は(それほど低予算でもないが)ちゃんとマナーに則った、
かなりよく出来たファウンド・フッテージ映画だと思いました。
ご都合主義なカメラのアングルとか、露骨なカット割りとか、
POVではあり得ない映像は控えめで、かなりドキュメンタリーっぽい演出になっています。
どうしても俯瞰映像など第三者視点の映像が必要な時も、物語の設定を活かし、
超能力でカメラを動かしているという展開にしており、感心させられました。

ただまだ完璧とは言えず、クライマックスの派手な戦闘シーンは、
車載カメラや街頭カメラの映像を使ったりと、ちょっとご都合主義なアングルで…。
できれば全編アンドリューの手持ちカメラだけの映像にしてほしかったです。
それとファウンド・フッテージとして致命的なミスは、
アンドリューがカメラを回している理由が明確にされなかったことです。
マットになぜ撮影しているのか問われても、彼は「目的がある」としか言わず、
その目的が何であったのかは最後まで明かされません。
超能力が発現した後に、記録としてカメラを回すのであれば理解できるけど、
超能力が発現する前から、アンドリューは急にカメラで自分の生活を撮り始めています。
あたかもこれからスゴイことが起こることを知っていたかのようで、少し違和感が…。
「病弱な母の映像を残したい」でも「父親のDVの証拠を撮りたい」でも何でもいいので、
撮影の目的くらいは明らかにしておくのは、ファウンド・フッテージのマナーですよ。

アンドリューたち3人が手にした能力は、テレキネシスです。
いわゆる念力で、物体を自在に動かすことができます。
それを応用して自分を浮かして、空を飛行することも可能です。
バリアを張る能力なんかもあるけど、それはテレキネシスの応用では無理なので、
ちょっと違和感があるというか、一貫性がない気がしました。
超能力ものSFは、一人一能力の方が面白くなる気がするので。
そういう意味では、3人とも同じテレキネシスだったというのも勿体ないかも。
でもアンドリューのテレキネシスは繊細で、スティーヴはパワーがあり、
マットは空を飛ぶのが得意と、ちょっとだけ能力に個性があるのでまぁいいかな。

テレキネシスは練習すればするほど、パワーが増していき、
3週間後には自動車を動かせるほどの力になります。
彼らはスカートめくりや、おもちゃ屋で人形動かして子供を驚かすなど、
ちょっとしたイタズラに使いますが、せっかくのスゴイ能力なのに、
その程度のことにしか使わないところが、アホな高校生らしくて逆にリアルです。
そんな中でも最も思慮に欠けるのがアンドリューです。
ある日、彼は後続車に煽られたことに立腹し、能力で後続車を川に転落させます。
同乗していたマットたちが慌てて運転手を救出して事なきを得ますが、
下手をすれば人を殺してしまうところでした。
アンドリューはイジメられっ子で、ずっと友達がいなかったため、
イタズラの加減なんかもわからないんでしょうね。
人を殺しかけたこともあまり反省しておらず、かなり危うい人物だと思えます。
それを受け、マットは「怒った時に能力を使うな」など、3人のルールを決めます。

学校の人気者スティーヴは、全くモテない童貞のアンドリューを不憫に思い、
彼を学校のタレントショーに出場させます。
アンドリューのテレキネシスを使ったマジックショーは大盛況で、
彼は打ち上げパーティで一躍人気者になり、同級生のモニカといい雰囲気に。
ところが、そのまま初Hが出来そうになるのですが、直前に彼が嘔吐してしまい、
モニカに嫌われ、さらに学校中に言いふらされたため、また学校で仲間外れに…。
モニカにふられて落ち込んでいるところに、父親に暴力を振るわれ、
怒った彼は父親をテレキネシスでぶっ飛ばし、悪天候の中、飛んで行きます。
心配したスティーヴが追いかけてきて、アンドリューを慰めようとします。
そんな折、スティーヴに雷が直撃し、彼は死んでしまうのです。
この落雷はアンドリュ-が能力で落としたのか、それともたまたま落ちただけか、
よくわかりませんでしたが、アンドリューのせいで死なせたことに変わりはなく、
更に母親まで病死してしまい、いよいよ絶望した彼はダークサイドへと堕ちて行き、
能力を授かった自分を「頂点捕食者」と称し、イジメっ子の前歯を折ったり、
近所の悪ガキからカツアゲしたり、ガソリンスタンドに強盗したりしはじめます。

一方のマットは、慈善家の女の子キャシーと交際をはじめた影響もあり、
正義に目覚め、危うい状況のアンドリューのことも気にかけています。
能力者同士であり親友同士の二人が、善と悪に道を違えてしまうのは、
なんだかアメコミ『X-MEN』のチャールズとエリックみたいですね。
または『スパイダーマン』のピーターとハリーのようで、
アンドリュー演じるディハーンがハリー役に抜擢されたのかわかる気がします。
アンドリューはシアトルの病院で父親を殺そうとしますが、それをマットが阻止。
二人はシアトルスペースニードル周辺で、壮絶なバトルを繰り広げます。
市街地を飛び回っての死闘は、『マン・オブ・スティール』の
スーパーマンとゾッド将軍の死闘さながらの迫力で面白いですが、
完全にファウンド・フッテージで表現できる枠を超えており、
あり得ないカメラアングルやご都合主義なカット割りなど、
ファウンド・フッテージとしてのマナー違反が散見されるのは勿体なかったです。

マットは強力な能力で建物を崩壊させるアンドリューを止めるため、彼を殺します。
マットがアンドリューを殺すのも意外でしたが、アンドリューの死に方も意外でした。
彼らは強力なテレキネシスを使うと鼻血が出るみたいなので、
能力の代償に身体に大きな負荷がかかっているのだろうと思っていたから、
てっきりアンドリューも強力な能力を使いすぎて自滅するものと予想していたので…。
でもアンドリューは殺されたし、マットも最後までピンピンしており、
結局鼻血は何の伏線でもなかったってことで、ちょっと拍子抜けですね。
とはいえ自滅で決着よりも、親友同士で殺し合う決着の方がドラマチックなので、
これはこれで心に残るいいラストだったかもしれません。
アンドリューの死後、マットは卒業後三人で行く約束をしていたチベットを一人で訪れ、
そこで本作は終わります。
きっと彼は能力で人助けをしながら世界を回るスーパーヒーローになるのでしょう。
その後の彼の活躍も気になりますが、続編が作られないのも、
ファウンド・フッテージのマナーのひとつなので、それは諦めるしかないかな。

とても素晴らしい超能力SFでしたが、それを撮ったのが新人監督なのも驚きです。
本作のジョシュ・トランク監督は、本作の評価を受けて、
アメコミ超大作『ファンタスティック・フォー』のリブートをオファーされたそうです。
本作もアメコミのオマージュ満載でしたが、きっと彼なら素晴らしい作品を撮るはず。
他にも『スパイダーマン』のスピンオフ『ヴェノム』や、
ゲーム『ワンダと巨像』の映画化にも関わるみたいで、今後が楽しみな若手監督ですね。
差し当たっての次回作はアメコミ映画『ザ・レッドスター(原題)』とのことです。

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