ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

トランス

最近、ウチの映画感想記事のネタバレの有無について書き忘れていました。
あまりにアクセス数が低迷しているため、読者さんのことを意識しなくなってたので、
そんな配慮のこともすっかり忘れていました。
それにより数少ない大切な読者さんに、迷惑を掛けたかもしれないと反省しております。
映画ファンとしては望まぬネタバレほど不愉快なことはないですもんね。
今後は忘れない限り、ネタバレの有無は明記するように心掛けます。
まぁウチは全くネタバレしてない記事なんてほとんど書かないので、
なるべく映画を先に観てもらってから読んでいただけると幸いです。

ということで、今日はネタバレ厳禁のサイコスリラーの感想です。
でもやっぱり少しネタバレしちゃってるので注意してください。

トランス
Trance.jpg

2013年10月11日日本公開。
ダニー・ボイル監督、ジェームズ・マカボイ主演のサイコスリラー。

アート競売人のサイモン(ジェームズ・マカヴォイ)はギャング一味と協力し、オークション会場から40億円の名画を盗み出すことに成功する。しかし計画外の動きを見せた彼はギャングのリーダー(ヴァンサン・カッセル)に暴行され、それが原因で絵画の隠し場所の記憶をなくしてしまう。リーダーは絵画のありかを聞き出すため、催眠療法士(ロザリオ・ドーソン)を雇うものの……。(シネマトゥデイより)



イギリスで2001年に放送された同名のテレビ映画を劇場映画化した本作。
というよりも、当時は劇場映画化が困難だったからテレビ映画化したようで、
本作は念願の劇場映画化ということになるんでしょうね。
なかなか興味深い作品でしたが、オスカーの常連ダニー・ボイルの監督作としては、
少々物足りない印象もあったかも…。
中盤にかけての展開には引き込まれましたが、終盤の展開がちょっと難解で、
鑑賞後感もモヤモヤして、いまいち楽しみ切れなかった気がします。
全く予想外のラストでしたが、まさかそんな展開になるとは思ってもみず、
意外だったという気持ちよりも、あまり望んだ展開ではなかったので、
呆気に取られてしまった感じです。

以下、ネタバレ注意。

ギャンブルで多額の借金を抱えた美術品競売人のサイモンは、
それを知人の犯罪者フランクに相談し、彼に借金を肩代わりしてもらう条件に、
自分のオークションハウスに出品される「魔女たちの飛翔」を強奪する手助けをします。
オークションの真っ最中にフランクら強盗団4人が乱入し、
競売人のサイモンが絵画を彼らに引き渡す計画です。
手筈通りに計画は運びますが、引き渡しの段になって、
サイモンが裏切り、スタンガンでフランクに襲いかかるのです。
電撃に耐えたフランクは、サイモンをぶん殴り、絵画の入ったケースを奪って逃走。
しかしアジトに帰りケースを開けてみると、中には額だけしか入っておらず…。
どうやら引き渡しの前にサイモンが絵画を額から剥がし、どこかに隠したようで、
怒ったフランクはサイモンを拉致し、拷問して隠し場所を吐かせようとしますが、
サイモンは殴られた時に頭を強打したため記憶喪失になっており…。
フランクは催眠療法士エリザベスを雇い、サイモンの失われた記憶を、
催眠療法(トランス)で思い出させようとするのだが…、という話です。

この絵画強盗シーンは、鮮やかなお手並みで、とてもスリリングで、
本作がかなり面白そうなクライムサスペンスであろうことを予感させます。
でも実際は、本作はクライムサスペンスではなくサイコスリラーです。
サイコスリラーを観る時は、どんなどんでん返しがあるのかと、
展開を予想しながら観てしまうのですが、前述の通り、全く予想だにしない展開でした。
まずボクが予想したのは、サイモンが本当は記憶喪失ではなく、
記憶喪失のフリをしているのではないか、という展開でした。
絵画の隠し場所だけを忘れるなんて、ちょっと都合がよすぎる気がしたので…。
ところが徐々にどうやら本当に記憶喪失のようだとわかりはじめます。
まぁ訓練されたスパイならともかく、拷問で生爪剥がされたら隠し事なんてできないか。

はじめは何も知らずにサイモンに催眠療法していた催眠療法士エリザベスですが、
彼かが絵画強盗だと見破り、あろうことか自ら協力を申し出ます。
彼女が行うのは病的肥満やパニック障害の改善に使われる普通の催眠療法ですが、
もっとサイケデリックでSF的な内容の作品だと予想していたので意外でした。
そんな普通の催眠療法なんかで記憶が取り戻せるなんて思えず、
不確実な方法な気がするけど、フランクにしてみれば藁をも掴む気持ちだったのかな?

それにしても全く読めないのがエリザベスの心境で、率先して犯罪者に加担しますが、
フランクが報酬として3%払うと持ちかけても彼女は断ります。
2750万ポンドの絵画だから、その3%でも相当な額ですが、彼女の望みは金ではなく、
フランクの対等なパートナーになりたいというものでした。
はじめは意味がわかりませんでしたが、どうやら彼の女になりたいという意味のようで、
凄腕催眠療法士の彼女が犯罪者の女になりたがるなんて、ますます理解に苦しみました。
エリザベスは何を考えているのか全くわからない女性ですが、
それが本作のオチとなる、どんでん返しの伏線になってるんですよね。
つまり本作のオチは、「エリザベスとは何者か?」というのがポイントであり、
序盤から中盤までの観客の関心事である「絵画の隠し場所は?」という謎は、
実は本作にとってそれほど重要なポイントではなかったのです。
絵画の隠し場所や隠した経緯の真相は、正直それほど意外性のあるものではなく、
ちょっと拍子抜けで、これが前述の望まぬ展開だったという印象に繋がりました。

エリザベスが仲間になった中盤は、主人公サイモンのことを余所に、
フランクとエリザベスのシーンが増えるため、
本作で催眠状態なのは、実はサイモンではなくフランクなのではないかと予想。
中盤以降のシーンは、催眠状態のフランクの幻覚ではないかとの疑念が沸きます。
というのも、本作は終始、虚実区別できないような映像や展開なんですよね。
現実世界とサイモンの幻想である理想世界が入れ子構造で交互に描かれますが、
その境がなんとなく曖昧に思えて、少し困惑します。
理想世界はサイモンの記憶が基になっているので、時系列も少し曖昧で、
特にMRIのようなものによる催眠療法のシーンなんて、状況がなかなか飲み込めず…。
その状況は最後まで続き、ラストでフランクが目覚めるようなシーンがあったので、
やっぱりフランクが催眠状態だったのか、と思ったのですが、
どうもラストは普通に後日談だったみたいで…。
でもこのラストは、監督が本作を撮り終えてから急に思い付き、
追加撮影で撮り直した展開で、本来想定していたラストはどんなものかは不明で、
もしかしたらボクの予想通りの展開だったのかもしれません。

本来のラストはわからないけど、本作のラストでは、
やっぱり結局エリザベスが何をしたかったのかは理解しきれませんでした。
彼女はサイモンの元カノでしたが、彼のDVに悩まされ、
別れるために催眠療法により彼の中の自分の記憶を消すのです。
ところが、フランクに殴られ頭を強打したことで、その記憶が戻りはじめ、
それを封じるために、絵画捜しの協力を申し出たということだと思うんだけど、
サイモンの記憶を催眠療法で戻す手伝いなんかすれば、
当然彼の忘れていた彼女の記憶にも影響があるのは想像に難くないのに…。
それとも彼女もヨリを戻したいと思っていたのかな?
でもあのラストだと、彼女はサイモンよりもフランクに気がある感じだったし…。
ただ単に絵画を横取りしたかっただけってことも考えられるけど、
それなら命懸けで火の海からフランクを助けだしたりしないよね。
それほどフランクが好きなのかと思いきや、彼の自分の記憶も消そうとするし、
もうエリザベスが何がしたかったのか、さっぱりわかりませんでした。

そんなエリザベスを演じるのは、ロザリオ・ドーソンですが、
当初はスカーレット・ヨハンソンなどがキャスト候補だったそうです。
でもアンダーヘアを剃毛してのフルヌードが絶対に必要な役柄なので、
そこまで体を張れる女優は早々いないかもしれませんね。
その点、ロザリオ・ドーソンはダニー・ボイル監督の恋人なので、
どんな過激な役でも頼み易いのかもしれませんね。
本作にはそんなエロいシーンもありますが、それ以上に注意が必要なのはグロいシーン。
フランクの頭が銃撃で半分吹き飛ぶなどエグいシーンがありますが、
車のトランクの中の女性の腐乱死体の生々しさは半端ではありません。
グロに免疫があるボクでもちょっとゾッとさせられたので、
そんなところも面白い作品ですが、エログロが苦手な人は要注意です。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1131-f30a4410
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad