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レッド・ドーン

京都市の朝鮮学校周辺でのヘイトスピーチをめぐる訴訟で、
京都地裁は「在日特権を許さない市民の会」に、
街宣活動の禁止と1226万円の損害賠償を命じました。
ボクも右寄りなので、在日特権なんて許せないという思いはあるものの、
ヘイトスピーチなんて方法は日本人の美徳に反するので感心しません。
そもそも在日朝鮮人の子供たちに「朝鮮半島に帰れ」なんて言っても仕方ないです。
在日朝鮮人を排斥したいのであれば、日本を在日朝鮮人が帰りたくなる環境にすればいい。
そのためには在日朝鮮人に矛先を向けるのではなく、
在日特権を許している(または無関心な)日本人を批判するべきだと思います。

ということで、今日は朝鮮人に対するヘイト映画の感想です。

レッド・ドーン
Red Dawn

2013年10月5日日本公開。
クリス・ヘムズワース主演の戦争サバイバル。

アメリカの田舎町にパラシュート部隊が襲来し、瞬く間に町を制圧。 休暇で帰郷していた海兵隊員ジェド(クリス・ヘムズワース)は弟やその友人たちと共に森に逃げ込み、アメリカ全土が北朝鮮軍に占領されたことを知る。やがて敵の襲撃に遭い目の前で兄弟の父を殺されたことから、愛する人々を守り祖国を取り戻すため、若者たちは徹底抗戦を決意する。(シネマトゥデイより)



本作は北朝鮮がアメリカを占領するという、とんでもない物語ですが、
最近では6月に公開されたハリウッド映画『エンド・オブ・ホワイトハウス』も、
ホワイトハウスが北朝鮮のテロリストに占領されてしまう話で、
ハリウッドでは北朝鮮を仮想敵とすることが、ひとつのトレンドなのかもしれません。
一昔前は中東が仮想敵として描かれたハリウッド映画が多かったですが、
それもちょっとマンネリ化してきたし、イラク戦争も終結したこともあって、
新しいアメリカの脅威対象として、ならず者国家・北朝鮮に目を付けたのでしょう。
ただ、それも少し前までの話で、今のアメリカは北朝鮮に感心はありません。
先達てもケリー国務長官が「非核化すれば不可侵条約に署名するよ」と言いましたが、
現在のオバマ政権の専らの懸念はシリア、イラン、パレスチナなど中東ですから、
北朝鮮が必死に挑発するのも虚しく、北朝鮮問題は二の次です。
なので今後はまた中東のテロ組織なんかを仮想敵にした作品が増えると思われます。

といっても、アメリカが本当に懸念しているのは、
中東でも北朝鮮でもなく、台頭著しい中国です。
本作の敵も実は北朝鮮軍ではなく、もともとは中国人民解放軍だったのです。
本作はリメイク作品であり、1984年の『若き勇者たち』がオリジナルですが、
オリジナルでは敵国はソ連、キューバなどの共産圏の連合軍でした。
当時はまだ冷戦時代だったので、仮想敵も専らソ連だったのでしょうが、
ソ連はもうないし、そのままリメイクするのは時代錯誤過ぎるために、
現存する共産国である中国を敵国に変更したのでしょう。
ただ、その脚本がリークされ、『人民日報』など中国の新聞から、
「中国を敵役にするとは何事か」と強烈な批判を受け、
しぶしぶ敵役を中国からお隣の共産国・韓国に変更したようです。
別にそんな批判なんて無視すればいいように思うかもしれませんが、
今や中国の映画市場は、日本を抜き世界第二位となっており、
ハリウッドにとっても中国は大切なお得意様なので、無視はできないのでしょう。
まぁ本作自体は、批判に対処して北朝鮮に変更したからと言って、
よもや中国で大々的に公開されることはないでしょうけどね。

やむを得ない事情とはいえ、中国を北朝鮮に変更するのはかなり無謀です。
世界三位の軍事大国である中国なら100歩譲って可能かもしれないが、
北朝鮮ごときにアメリカ本土を占領できる軍事力はありません。
(ホワイトハウスだけならまだしも…。)
まだ北朝鮮が核弾頭を使うというのであれば、多少話は変わってきますが、
本作の占領方法は、市街地に空挺兵を投下し、陸戦で制圧するというもの。
一応、欧州の情勢不安などにより、アメリカの沿岸警備が手薄になっているという設定や、
サージ電流で米軍のネットワークを遮断しているという設定はありますが、
そんな上陸作戦なんかでアメリカ全土を占領しようだなんて、
アメリカにどれほどの都市があると思っているのか…。
いくら100万人以上いると言われる北朝鮮兵でも、絶対に人手不足ですよ。
無駄に人口が多い中国だったら、国を挙げれば出来なくもないかもしれないけどね。
その矛盾を解消するために、北朝鮮軍は他国から支援を受けている設定になっています。
本作で北朝鮮を支援しているのは、中国…、ではなくてロシアです。
世界二位の軍事力を持つロシアが協力すれば、或いは可能かもしれませんが、
ロシアが協力しちゃったら、北朝鮮なんてどうでもよく、それはもう米露戦争ですよね。
タイトルも一応「レッド・ドーン(赤い夜明け)」なんだから、
敵は赤旗国家(共産国)で統一した方がいいように思います。
ロシアのことは別に好きじゃないけど、北朝鮮軍の支援国家なんて悪者にされて、
ちょっと気の毒な気もしますが、本作はなぜかロシアでそこそこヒットしたみたいです。

とはいえ、中国を敵国にするのは当たり前すぎる気がするし、
北朝鮮がアメリカを占領するというトンデモ展開の方が面白いかも。
現にあり得ない話だとは思いましたが、なかなか楽しく観れました。
ボクが本作を観に行ったのは、そのトンデモ設定に惹かれたのもありますが、
一番の動機は主演がクリス・ヘムズワースだったからです。
ボクはアメコミ映画ファンなので、彼の代表作『マイティ・ソー』も大好きです。
やっぱりソーを演じている時ほどの存在感はありませんでしたが、
マッチョな海兵隊員ジェド役はなかなか似合っていたと思います。
ジェドの父親の仇となる北朝鮮軍大尉チョーを演じるのは、
韓国系アメリカ人俳優ウィル・ユン・リーですが、
彼は先月公開されたアメコミ映画『ウルヴァリン:SAMURAI』で、
ヴィランとなるハラダ・ケンイチロウを演じています。
アメコミ映画ファン的にはソー対ハラダ・ケンイチロウな感じで面白いですが、
更に面白いのは、ジェドの率いるゲリラ部隊のチーム名が「ウルヴァリンズ」で、
ウィル・ユン・リーはウルヴァリンに続いて、ウルヴァリンズと対決になるんですよね。
アメコミ映画に興味のない人には「だから何?」って話だと思いますが、
ちょっとしたトリビアです。

休暇をスポケーンの実家で家族と過ごしていた海兵隊員ジェドですが、
ある朝突然、上空に北朝鮮の空挺兵部隊が現れ、街は制圧されてしまいます。
弟マックと弟のアメフト仲間数人と一緒に、山小屋に隠れたジェドですが、
正義感の強い警察官だった父親が、チョー大尉に射殺されるのを見て、
弟たちを訓練してゲリラ部隊「ウルヴァリンズ」を結成し、
北朝鮮軍に対する爆弾テロを次々と成功させます。
彼らが朝鮮人をどんどん殺す展開は、日本人としてはかなり痛快ですが、
海兵隊員ジェド以外は戦闘の素人のガキなのに、ちょっと訓練したくらいで、
こんなに卓越したテロリストになれるとは考えにくいですよね。
でもジェドはボーイスカウトでスカウトリーダーをやっていた経験があり、
ガキを扱うのが上手いのかも、…ということにしておきましょうか。

北朝鮮に支配された街ですが、その支配は意外にも良心的で、
反抗する者や思想犯は収容所に収監されるが、一般人は比較的普通に生活しており、
呑気にサンドイッチ店でランチを食べたりしています。
恭順者は北朝鮮軍に入隊することもできるみたいです。
基本的に市民のことは「米国文化の犠牲者」として扱い、
社会主義思想をプロパガンダしているようですが、
資本主義の問題点が続出している昨今、社会主義に靡く気持ちもわからなくないかも…。
まぁ金正恩を敬うくらいなら、殺された方がマシですけどね。

ウルヴァリンズは北朝鮮軍の式典を襲撃しようとしますが、
ジェドの弟マックが勝手に持ち場を離れたことで失敗、仲間も1人失います。
どうもこの兄弟は仲が悪いようで、6年前に母が他界した後、
自分を残して兄ジェドが海兵隊に入隊したことをマックは許せないみたいで、
彼は何かとジェドに対して反発するんですよね。
自分のせいで仲間が死んだことをもっと反省すべきだし、
力もないくせに甘ったれたガキで、いまいち共感できません。
というかこの兄弟、性格も体形も正反対すぎで兄弟っぽくないです。
ゴツいヘムズワースの弟役が、ヒョロいジョシュ・ペックって…。

ウルヴァリンズのレジスタンス活動は有名となり、
その影響によりアメリカ各地でゲリラ部隊が蜂起します。
そんなある日、ウルヴァリンズは退役軍人タナー軍曹率いるゲリラ部隊と合流します。
タナー軍曹の部隊にはスミス伍長というアジア系兵士がいるんですよね。
アジア人と戦う内容なのに、仲間にもアジア系を起用するのは意外でした。
ケネス・チョイが演じているので、韓国系アメリカ人って設定なのかな?
彼らは合同で、この地区の北朝鮮軍の拠点である警察署を襲撃し、
チョー大尉を殺害し、耐サージ電流の閉鎖型ネットワークを奪うことに成功します。

この大勝利によりジェドとマックも和解し、アメリカも反撃の糸口を掴み大団円、
…かと思われたのですが、仲間のひとりに発信機が埋め込まれており、
北朝鮮の増援部隊にウルヴァリンズのアジトが強襲され、
なんと主人公のジェドがあっけなく撃ち殺されてしまうのには驚きました。
マックはジェドの意思を引き継ぎ、ゲリラ部隊のリーダーとなり、
蜂起を呼び掛けるのですが、結局作中では北朝鮮軍を撤退させるには至らず、
ちょっと中途半端な印象が残りました。
どうせなら撤退だけでなく、そのまま北朝鮮を壊滅させ、
朝鮮人を根絶やしにするような展開だったらよかったのに…。
でも国家間の戦争なのに、田舎町での攻防戦を中心に描いているのは、
なかなか面白い趣向だと思いました。
第33回ゴールデンラズベリー賞で、最低リメイク賞にノミネートされたりと、
お世辞にも評判のいい作品ではありませんでしたが、
件の脚本変更の経緯などを鑑みれば、それも仕方ないところはあるし、
ボクとしては十分楽しめたので満足です。

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