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ウォーム・ボディーズ

パ・リーグは東北楽天ゴールデンイーグルスが優勝したんですね。
チーム発足からたったの9年で優勝まで漕ぎつけるとは大したものだと感心します。
たしか前身は近鉄で、9年前に近鉄がオリックスに吸収され、
新オリックスに必要とされなかったリストラ組で結成されたんでしたよね。
オーナー企業のことがあまり好きではないので、応援する気にはなれませんでしたが、
そんな死にかけの状態から、優勝できるまで復活するとは、率直に感心します。
その立役者は、やはり開幕22連勝中の田中将大投手だと思いますが、
野球って結局は投手の出来次第なんだなと改めて思わされました。

ということで、今日は死にかけの状態から復活した主人公の物語です。
いや、死んだ状態から復活したのか…。

ウォーム・ボディーズ
Warm Bodies

2013年9月21日日本公開。
アイザック・マリオンの小説を実写化したロマコメゾンビ映画。

ゾンビと人類が戦いを繰り広げる近未来。ゾンビのR(ニコラス・ホルト)は、仲間と一緒に食糧である生きた人間を探しに街へと繰り出す。人間の一団と激闘する中、彼は自分にショットガンを向けた美少女ジュリー(テリーサ・パーマー)に心を奪われてしまう。ほかのゾンビに襲われる彼女を救い出し、自分たちの居住区へと連れ帰るR。彼の好意をかたくなにはねつけていたジュリーだったが、徐々にその純粋さと優しさに気付き出す。ついに思いを寄せ合うようになった二人は、ゾンビと人類の壁を打ち壊そうとするが……。(シネマトゥデイより)



ホラーに留まらず、SFアクションやコメディ、ヒューマンドラマなど、
ゾンビ映画ほどバラエティに富んだ映画ジャンルはないと思います。
基本的に低予算で撮れるため、制作サイドも手を出しやすいジャンルなので、
いろんなタイプの作品が生まれるのでしょう。
そんな中、本作はロマコメに挑戦したゾンビ映画ですが、
ゾンビのロマンスを描いたゾンビ映画は、バラエティ豊かなこのジャンルにおいても、
(全くないわけではないけど)比較的珍しいタイプのような気がしました。
ただ、映画では珍しいけど、漫画やアニメでは流行っているらしく、
日本では昨今、ゾンビロマコメ(ラブコメ)作品が氾濫しているようです。
なんと「ゾンビ萌え」なんて言葉まであるそうですね。
なんだかネクロフィリアみたいな印象で、ボクとしては理解に苦しいですが、
それもゾンビというジャンルの奥深さなのかもしれません。
ゾンビ映画が多岐にわたるのはいいけど、本来のホラーとしての割合が少なくなり、
ゾンビというものに恐怖を感じなくなってしまっている状況は少し残念かも…。
とはいえ、昨今はホラーのゾンビ映画より亜流のゾンビ映画の方が面白いのも事実で、
今年公開された王道のゾンビ終末映画『ワールド・ウォーZ』なんて、
まったくヒネリのない内容にゲンナリさせられましたからね。
というか、本当にやり尽くされているジャンルなため、こちらも目が肥えてしまい、
なかなか面白いと思えるゾンビ映画に出会えなくなり、最近は避けがちになっていました。
『ワールド・ウォーZ』もゾンビ映画だとは知らずに観に行っただけだし…。

そんな中、公開された本作も普通なら避けていたかもしれません。
しかし本作は、全米初登場1位なので、ある程度信頼感もあるし、
ハリウッド映画ファンとしては、そんなヒット作をスルーできません。
それほど期待はできないけど、とりあえず観に行きました。
いざ観てみると、あまり期待してなかったこともあるし、
久々のゾンビ映画だったこともあって、意外と楽しめました。
ただそれも中盤あたりまでで、序盤のコメディシーンは笑えたりもしたけど、
ロマンスシーンはイマイチだったように思います。

本作はゾンビにより終末世界を舞台にしています。
どうやらゾンビ化する伝染病が発生し、人類の大半がゾンビ化したようですが、
伝染病の発生時期は、世界の荒廃具合を見ると何十年も前のように思うけど、
人々の生活を見た感じでは、ほんの数年前のような感じもして…。
ゾンビには段階があり、ゾンビが完全に自我を失うと、
皮膚が剥がれおちて凶暴なガイコツに進化(?)します。
つまり本作のゾンビは、人間とガイコツの中間的な存在ですが、
斬新な設定だとは思ったものの、ゾンビが半人間なのは中途半端な印象も…。
生きた人間たちは街を高い壁で囲い、その中で生活していますが、
たまに壁の外に出ては食糧や医療品などを集めて持ち帰ります。
人間の女の子ジュリーは、友人たちと物資集めのボランティアに志願し、
壁の外の廃病院で医療品を取りに行くのですが、そこをゾンビ軍団に襲撃され、
ジュリーの目の前で恋人ペリーがゾンビに喰われてしまいます。
そのゾンビが本作の主人公であるRです。

Rはかなり強く自我が残っているようで、自分がゾンビであることに葛藤しており、
本当は人間を襲って食べることにも抵抗があるのですが、ゾンビとしての本能には勝てず…。
しかし、Rはジェリーに一目惚れし、彼女を殺さずに連れて帰ることにします。
でもRがジュリーに惚れたのは、恋人ペリーの脳みそを食べ、
彼の記憶の追体験をしたことで、彼の恋愛感情が移っただけのような気も…。
そうだとするとRのジュリーに対する気持ちは、R自身のものではなく、
ペリーの遺したものということになるため、ロマンスとしては微妙ですよね。
Rが他のゾンビから守ってくれるため、彼についていくことにしたジュリーですが、
彼女のこの行動も絶対にあり得ないと思います。
Rが自分に行為があるとわかっているとはいえ、Rは腐ってもゾンビですからね。
いつゾンビの本能が自我を凌駕するかなんてわかったものじゃないです。
暫らく彼女はRの住処で一緒に寝起きすることになるのですが、
例えるなら、動物園の飼育係が懐いている猛獣の檻の中で生活するようなもので、
何の根拠があって、自分はRから襲われないと確信しているのか疑問です。

しかも、Rの住処というのが空港の飛行機の仲なのですが、
空港はなぜかゾンビが大量に集まっている超危険地帯で、
ジュリーを守ろうと考えながらもそんな場所に連れてくるRの心境も、
そんな場所にノコノコついてくるジュリーの心境も理解できません。
彼女は壁への帰り道がわからないので、仕方なく飛行機に留まっているはずですが、
物語中盤で壁に帰る時は、Rの案内もなしに普通にひとりで帰ってます。
しかも空港の駐車場に止めてある自動車を使って…。
それができるなら、いつでもひとりで帰れたはずですよね。
しかも空港から町までは車で1日以上の距離があるようでしたが、
その距離をノロノロ歩きのゾンビが往来するのも不自然な気がします。
前述の伝染病の発生時期もそうですが、本作は時間や場所の設定が曖昧すぎます。

ゾンビはほとんど言葉が話せず、呻くことしかできませんが、
Rは飛行機でジュリーと生活するうちに、少しずつ言葉を取り戻していきます。
更に心臓が鼓動し、体温も上昇しはじめ、どうやら人間に戻りつつあるようです。
ジュリーに対する恋心により、人間らしい気持ちを取り戻し、
身体にも変化をもたらせていると考えられます。
恋愛をすると免疫力が高まるというし、ゾンビが単なる伝染病の症状であれば、
そんなことが起こっても不思議じゃない気もしますが、どうにも納得いかないのは、
Rの友達のマーカスや、他のゾンビたちまで、人間化がはじまることです。
Rとジュリーの恋を見ていた周りのゾンビが感化されるのはまだ許せるが、
全然面識のない世界中のゾンビが人間化しはじめるのは理解できません。
主人公とヒロインの恋愛が終末を救うという、まさにセカイ系な曖昧な展開で、
セカイ系に否定的なボクとしては、あまり好ましくない設定ですが、
なんとか好意的に考えるなら、Rとジュリーの恋愛とは無関係に、
このタイミングで伝染病が収束したと考えれば、まだ納得できなくもないかな。

Rとジュリーの恋による影響を危険視したガイコツたちは街を襲撃します。
人間化が進んだゾンビたちはジュリーを守ろうとするRに加勢し、ガイコツと戦います。
ゾンビたちは街を守る人間たちとガイコツ相手に共闘することになり、
何故か人間とゾンビの連合軍に殺されたガイコツ以外のガイコツも勝手に自滅し、
ガイコツに勝利した後、人間とゾンビは和解するのです。
壁は取り壊され、ゾンビたちは人間と一緒に生活することになるのですが、
意外にもゾンビは完全に人間には戻らないんですよね。
なので人間社会に復帰しても、本物の人間とは同じようには生活できず、
なんというか、人間から差別されている感じではないものの、
可哀想な人(ぶっちゃけ障害者)扱いされているのは、どうにも釈然としません。
ちゃんと人間に戻ってハッピーエンドの方がよかった気がします。
まぁRが完全に人間に戻ると、銃で撃たれた時に死んじゃってたはずなので、
まだゾンビのタフさだけは残しておく必要があったのかもしれませんが…。

Rは晴れてジュリーと恋人同士になりますが、いくら人間化したとはいえ、
ゾンビであった過去は消えず、人間を食べていたわけですよね。
そう考えると気持ち悪いし、今後更に人間化が進み、完全に人間になったとしても、
カニバム経験のある人とはまともに付き合えない気が…。
ネクロフィリアの件もそうだけど、やっぱりゾンビのロマンスは苦手かも…。

Rは自分の名前を頭文字しか思い出せないので、Rと名乗っていますが、
彼のフルネームは結局作中では明らかになることはありません。
でももしかすると「ロミオ」か、それに類似するという名前だったかもしれません。
というもの、本作は『ロミオとジュリエット』のパロディなんですよね。
ヒロインのジュリーという名前もジュリエット由来なのは明らかです。
人間とゾンビという禁断の恋をロミオとジュリエットの禁断の恋に引っかけており、
あの代表的なバルコニーでの逢瀬のシーンも本作でパロディにされています。
他にも某有名ロマコメ映画のオマージュがあったりと、
ゾンビ映画以外からもオマージュやパロディと思われるシーンが散見され、
ゾンビコメディ映画としては、それなりに面白かったです。

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