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ビザンチウム

世間では2週連続の3連休なんですね。
ボクは不定休で働いているので、その恩恵は受けられず、羨ましいです。
もう2~3年くらい、3連休なんて取ったことないかも…。
でも平日が休みになるというのも悪いことばかりではありません。
平日は映画館も空いているので、映画も落ちついて楽しめるしね。
ただボクは公開後すぐに観たいタイプなので、結局週末の終業後に観ることが多いです。
でも来週は平日の火曜日に『そして父になる』の先行上映が始まるんですよね。
なぜそんな中途半端な日に先行上映が始まるのかわかりませんが、初日に観るつもりです。
来週火曜日は休みじゃないけどね。

ということで、今日は3連休にこの公開された映画の感想です。
先週の3連休はかなりいいラインナップでしたが、今週はちょっと地味です。

ビザンチウム
Byzantium.jpg

2013年9月20日日本公開。
ニール・ジョーダン監督によるヴァンパイア映画。

神秘的な16歳の少女エレノア(シアーシャ・ローナン)は、彼女の保護者である八つ年上のクララ(ジェマ・アータートン)と共に海辺のリゾート地にたどり着く。一見姉妹のように見える二人は、長年定住することなく街から街へと放浪する日々を送っていた。実は、なまめかしい美貌を持つクララと悲しげな瞳を持つエレノアにはある秘密があり……。(シネマトゥデイより)



ヴァンパイア映画である本作ですが、火付け役の『トワイライト』シリーズも完結し、
ヴァンパイア映画ブームはかなり下火なため、今更感もありますが、
本作の監督はそんなブームのかなり以前から、傑作ヴァンパイア映画である
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(以下IWTV)』を撮ったニール・ジョーダン。
いや、その更に以前にも『プランケット城への招待状』なるヴァンパイア映画を撮った、
ゴシックホラー映画の巨匠による、最新ヴァンパイア映画です。
『IWTV』は、ヴァンパイアをモンスターとして描かない画期的な作品で、
『トワイライト』を含め、その後のヴァンパイア映画の礎とも言うべき作品です。
彼がなぜヴァンパイア映画ブーム中にヴァンパイア映画を撮らなかったかは謎ですが、
ブームの先駆者がついに動いた、待望のヴァンパイア映画ってところですかね。

ただ、やはり遅きに逸した感は否めず、全米でも限定公開となり、
お世辞にも興行的に成功したとは言えない結果になってしまいました。
そんな映画が、ヴァンパイア映画ブームに対しても反応が鈍かった日本で、
なぜ劇場公開に漕ぎ付けることができたのかは不思議です。
もちろん日本でもヒットした『IWTV』の影響はあるでしょうが、
もうひとつは、本作と同日公開だった『エリジウム』に便乗したのかも。
「~ium」繋がりなのは一目瞭然ですが、どちらもギリシャ語のラテン語表記ですね。
ちなみに「ビザンチウム」とは、劇中のホテルの名称ですが、
もともとは古代ギリシャ人の都市「ビュザンティオン」のことです。
似ているのはタイトルの雰囲気だけでなく、奇しくも内容も、
「主人公が白血病患者をある装置で不老不死にする」という展開が一致しています。
まぁ片やSF映画、片やゴシックホラーなので、印象は全く違いますが…。

本作のヒロインは実は200余歳だけど、見た目は16歳のヴァンパイアの少女で、
作風としては『ぼくのエリ 200歳の少女』(または『モールス』)に近いです。
ヴァンパイア少女エレノアが、不老不死であることに苦悩するという内容ですが、
昨今は苦悩するヴァンパイアばっかりで、少しありきたりな印象を受けます。
そういう面でも、遅きに逸した感は否めませんし、『IWTV』の監督の作品にしては、
平凡なヴァンパイア映画だったという印象を受けます。
これではブーム中ならまだしも、今頃公開されてもヒットするはずもないです。

でも本作のヴァンパイアの設定は、ちょっと独創的かもしれません。
特にヴァンパイアに転生する方法が、今までに見たことないような方法で、
ヴァンパイアに噛まれることで、ヴァンパイアになるわけではなく、
ある絶海の孤島の祠に入ることで、ヴァンパイアになることができます。
コウモリの大群が棲みついている竪穴で、なんだかヴァンパイアになるよりも、
バットマンになっちゃいそうな祠でしたね。
その転生方法は一風変わっていて面白いですが、ヴァンパイア自体の設定は微妙かも。
一般的なヴァンパイア同様に人間の血を吸って生きているのですが、
特殊な能力と言えば不老不死と、あと爪を瞬時に尖らせることができるくらいで、
(犬歯が発達しておらず、血を吸うのに尖った爪で皮膚を貫く必要があるため。)
特にヴァンパイアらしい面白い能力があるわけではありません。
十字架やらニンニクやら日光やらといった弱点もないみたいで、
もしかすると吸血も必ず必要なわけではないのかもしれません。

ヴァンパイア少女エレノアは、吸血のために人を襲ったりはせず、
この世に未練のない死にかけの老人の同意を得て、吸血させてもらいます。
でもそんな奇特な人に然う然う出会えるはずありませんし、
劇中にも吸血しないとどうなるかも語られていないため、
たぶん吸血しなくとも生き長らえることができるんだと思われます。
彼女の母親であるヴァンパイア女性クララも、
邪魔者を殺す時にしか吸血はしないみたいですしね。
なのでほとんど普通の人間と変わらず、ただ単に不老不死の人間という印象になり、
ヴァンパイアとしてはちょっと物足りないです。
そんなヴァンパイアらしくないエレノアが、ヴァンパイアであることに苦悩しても、
別に大して不幸な身の上だとも思えないし、その苦悩が伝わり難いです。

それにエレノアの悩みは自分がヴァンパイアであること自体ではなく、
自分がヴァンパイアだと秘密にしなきゃいけないのが辛いだけみたいで…。
本作も彼女の自分語りの体裁で進行するのですが、
彼女は自分の境遇を誰かに話したくてウズウズしているのです。
誰かに秘密を話したら、自分が大変な目に遭うだけなのに、
彼女の心境は理解し難いですが、単なる自己顕示欲が強いガキなのかも。
200年も生きてるのに、成長したのはピアノの腕だけで、
外見だけじゃなく中身も全く成長しないんですね。
彼女は高校生の男子フランクに出会い、秘密を打ち明けますが、
200歳であんなガキに恋するのもおかしいですもんね。
しかもフランクは教師に彼女の秘密を漏らしてしまうような軽率な男で、
全然魅力的ではなく、なんでそんなやつに好意を抱くのか疑問です。
そのためゴシック・ロマンス映画としてもイマイチな印象です。

まぁエレノアが語りたがるだけあって、たしかに波乱万丈な人生です。
教師曰く「メアリー・セリーとアラン・ポーを足したような話」だそうですが、
それは褒めすぎにしても、なかなか興味深い内容だったと思います。
エレノア自身のことよりも、母クララがヴァンパイアになる経緯が大半ですけどね。
エレノアの身の上には理解も同情もできませんでしたが、
クララの物語は面白かったので、本作自体もそれなりに楽しめました。
彼女が永遠の若さを利用して、娼婦として稼いだり、
廃業したホテル「ビザンチウム」を利用して売春宿を経営するのも興味深い展開でした。
彼女を狙う女性禁制のヴァンパイア同盟「鋭利なる正義の爪」の存在も面白いので、
そんなヴァンパイア社会のことをもっと掘り下げてくれたらよかったかも。

そんな面白いところもありましたが、全体的にはやはり微妙な印象です。
というか、最近は面白いと思えるヴァンパイア映画に出会えなくなったので、
ブームになって、このジャンルはもうやり尽くされたのかもしれませんね。

コメント

こちらも失礼します

劇場で観ました

吸血鬼映画だけど少女の心の傷がテーマっぽくて

でも、個人的には、母親であるクララに惹かれました

エレノアは、乱暴された事が心の傷になってしまってる

感じが、よく解りましたが

クララは、全然平気そうですね

エレノアって200年も生きてるのに学校通ったり・・・・・

なんか子供って感じですね

最後に母親と別れて彼氏と生きて行く事を選びますが

200年も子供できるなんて・・・・・

ビザンチウム(ホテル)を与えてくれた、おっさん

あっけなく死んじゃって、あら? そんな扱い?

  • 2013/10/09(水) 01:19:03 |
  • URL |
  • クリーニング #-
  • [ 編集 ]

ボクも母クララの物語の方に惹かれます。
クララは人間の時から売春婦なので、
性的なことに対して免疫が強いのかもしれません。
一方のエレノアはヴァンパイアになる少し前に強姦され、
そのショックを引きずったまま転生したのでしょう。
200年経っても子供っぽく、内面が当時のままなので、
心の傷も当時のままなのかもしれませんね。

  • 2013/10/10(木) 21:43:31 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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