ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

エリジウム

今日は新型iPhoneの5sと5cの発売日だそうで、
ドコモショップに行列ができたとか、できないとか…。
ボクはauのケータイを使っており、新型iPhoneはauとの相性がいいらしいので、
これを機にケータイをiPhoneに買い替えようかとも思ったのですが、
高性能な5sと廉価版の5cの2機種のどちらか選ぶというのが難問で…。
奮発して5s買っても、そんな高い性能はボクには宝の持ち腐れで無駄だし、
貧乏人のボクとしては廉価な5cを選びたいところですが、
Apple曰く「5cは中国など新興国向け」とのことなので、
先進国日本の国民としての誇りが、5cを選ぶことを拒絶しています。
それに5sを持っている人に蔑んだ目で見られそうな気も…。
5sのスペックに合わせたアプリもどんどん出るだろうし、
5cなんて買っちゃうと、今後どんどん格差を痛感するようになりそうな予感です。
なので今回の購入は諦めて、今のケータイをぶっ壊れるまで使うことにしました。

ということで、今日は格差を題材にしたSF映画の感想です。

エリジウム
Elysium.jpg

2013年9月20日日本公開。
ニール・ブロムカンプ監督、マット・デイモン主演のSFサスペンスアクション。

2154年。スペースコロニー“エリジウム”で生活する富裕層はパーフェクトな居住空間で過ごす一方、荒廃した地球に暮らす貧困層はひどい搾取に苦しんでいた。エリジウム政府高官のローズ(ジョディ・フォスター)が地球の人間を消そうと動く中、地球で暮らすマックス(マット・デイモン)はエリジウムに潜入することを決意。残り5日しかない寿命を懸けて戦いに挑む。(シネマトゥデイより)



うーん…、なんだか普通でした。
南アフリカのアパルトヘイト政策を皮肉るSF映画『第9地区』を撮った
ニール・ブロムカンプ監督の最新作だから、もっと現代社会を切るような、
シニカルでウィットに富んだSF映画になるものと思っていたのですが、
意外と普通のディストピアSFで、つまらなくもないけど拍子抜けしました。
まぁ一応は、富裕層は楽園のようなスペースコロニー「エリジウム」に住み、
貧困層は荒廃した地球に住んでいるという設定で、格差社会を皮肉ってはいますが、
最近でも『TIME タイム』、『ハンガー・ゲーム』、リメイク版『トータル・リコール』、
まだ公開中のカナダ映画『アップサイド・ダウン』など、
そんな格差社会を皮肉ったディストピアSFなんて、全く珍しくないです。

まぁ本作に特筆すべき視点があるとすれば、医療格差を大きく扱っていることかな。
エイリジウムには「メッドベイズ」と呼ばれる医療ポッドがあり、
そこにエリジウム市民が入ると、どんな病気でも、たちどころに完治します。
しかしID認証があり、エリジウム市民以外、つまり地球の人々は使えません。
これは金持ちだけが高度先端医療の恩恵を受けられるが、
貧乏人はロクな治療が受けられない現状の医療制度への皮肉でしょう。
ただ医療ポッドにはどんな不治の病でも治すだけでなく、アンチエイジング効果もあり、
病気の治療どころか、不老不死を実現できる装置になってるんですよね。
なにしろ手榴弾で顔面がグチャグチャに潰れて心停止しても、
脳が無傷なら完治させて生き返すことができるほどの性能です。
そんなのちょっと極端すぎるというか、不老不死までいくと医療格差問題というより、
人間の尊厳みたいな、もっと違う問題になっちゃう気がします。
医療問題以外の格差問題では、主人公が働いているアーマダイン社がブラック企業で、
工場のライン従業員を人間扱いしないところとか、労働格差問題の皮肉かもしれません。
ボクはライン作業員ではないけど、低賃金のブルーカラーなので、
主人公たちワープアの処遇は、胸にくるものがありました。
でも、医療格差や労働格差があるのは、ディストピアでは当たり前の設定なので、
本作も「普通よりちょっと踏み込んでいるかな?」程度の印象でしかなかったです。
もっと独創的で痛烈な皮肉を描いてほしかったです。

監督以外でもうひとつ期待感を煽ってくれたのが、主演のマット・デイモンです。
もともと出世作がアクション映画だったマット・デイモンですが、
彼がアクション映画に出るのはかなり久しぶりな気がしたし、
彼が再び出ようと思ったアクション映画なら、きっと面白いに違いないと思いました。
しかも役作りのために頭を丸刈りにする気合の入りようです。
マット・デイモンって、けっこう優しそうなイメージがあるんだけど、
スキンヘッドだとちょっと強面で、なんとなく彼らしくなかったかも…。
てっきり主人公が余命宣告されるほどの不治の病だから、
抗癌剤みたいな薬の副作用で髪が抜けちゃってるんだと思っていたら、
病気になる前からすでにスキンヘッドだったんですよね。
それなら丸刈りにする必然性はなかったんじゃないかなんて思ったりも…。
後に彼がパワードスーツを装着する時、後頭部に機械を埋め込むのですが、
その生々しさを演出するために、スキンヘッドになったのでしょうけどね。
まぁアクション自体はそんなに悪くなかったですかね。
せっかくパワードスーツ着てるのに、銃火器を使用しがちだったこと以外は…。

21世紀末、地球は人口過剰になり、富裕層は快適なコロニー「エリジウム」に移住します。
エリジウムでは労働はロボットが行い、どんな病気でも治す医療ポッドもあり、
その名の通り天国のようなところです。(「エリジウム」とはギリシャ神話の天国です。)
一方、エリジウムに移住できない庶民は荒廃した地球に残るしかなく、
エリジウム資本のブラック企業で低賃金でこき使われたり、
犯罪に手を染めるものも多く、地球の治安はかなり悪いです。
地球の犯罪者はロボット警官により容赦なく処罰されます。
主人公のマックスも元車泥棒で現在仮釈放中です。
保護観察官もロボットなのですが、そのクオリティの低さは笑っちゃいました。

マックスはエリジウムを建造したアーマダイン社のロボット製造ラインに従事していますが、
作業中にある事故(人為的ミス)により致死量の照射線を浴びてしまいます。
正しくは放射線ですが、字幕が照射線になっていたのは原発問題への配慮かな?
被曝した彼は臓器不全で5日後には死ぬと余命宣告を受け、解雇されます。
処方された劇薬「マイポロール」を服用すれば、死ぬ間際まで体を動かすことができます。
彼は残り5日でエリジウムに侵入し、医療ポッドで照射線被曝を治療しようと考え、
密入国斡旋ブローカーのスパイダーを訪ねます。
スパイダーは、マックスがもし地球にいる金持ちのエリジウム市民をひとり捕まえて、
そいつの頭脳にある口座番号など金融データをゲットできたら、
エリジウム行きの宇宙船のチケットを手配すると約束します。
どうやら、エリジウム市民は頭に機械を埋め込んでおり、
他人の機械とケーブルで接続することで、頭脳のデータを同期できるみたいです。
でも別に記憶や知識を移せるわけではないみたいで、USBメモリみたいな記録媒体を、
紛失や盗難されないように頭に埋め込んでいるような感じですね。

職場に恨みのあるマックスは、アーマダイン社の最高経営責任者を捕まえようと考え、
スパイダーの用意した「エクソ・スーツ」なるパワードスーツを着用して襲撃します。
このパワードスーツですが、使用者の神経と直接繋ぐ仕組みになっているため、
手術で背骨を切り裂いたり、皮膚にボルトを捻じ込んだりと、ちょっとグロいです。
その後も接合部からずっと血が滲見続けているので、かなり痛々しくて、
見慣れるのに少々時間がかかりました。
そんな負担の大きそうなパワードスーツですが、それほどパワーアップするわけでもなく、
ロボット警官と互角程度のパワーしかないような気もします。
骨組みだけなので防御力はほぼないし、着用のダメージを鑑みればメリット低いかも…。
まぁマックスは数日の命だし、医療ポッドなら着用痕も治せるから関係ないけど。

最高経営責任者カーライルを捕え、脳内データを自分のメモリに転送したマックスですが、
そのデータの内容は金融データなどではなく、エリジウムのリブート・システムで…。
エリジウムのデラコート国防長官は、そのデータをカーライルから受け取り、
総統に対してクーデターを起こすつもりだったのですが、
そんな極秘データが他人(マックス)の手に渡ってしまったのだから大変です。
長官は民間協力局(CCB)のエージェント・クルーガーに、マックスの確保を命じます。
クルーガーはエリジウム市民ではなく、地球に住む庶民ですが、
レイプや殺人など犯罪を15件起こしている凶悪な傭兵で、金で長官に雇われています。
普段はエリジウムに密入国しようとする宇宙船を、地球から狙撃したりしています。
エリジウム自体には外敵を阻む防衛兵器はないんでしょうかね?
クルーガーはマックスの幼馴染みのフレイとその娘マチルダを拉致します。
てっきり彼女を餌にマックスを誘き出すのかと思えば、単に彼女に惚れただけみたいで…。
マックスはデータと引き換えに医療ポッドを使わせる条件で投降し、
そこで彼女が攫われていたことを初めて知ったくらいですからね。

フレイの娘マチルダは白血病なので、彼女は娘に医療ポッドを使わせたいと考えますが、
ポッドはエリジウムのデータに登録されたエリジウム市民にしか起動しない仕組みです。
マックスはマチルダもポッドが使えるように、リブート・システムで、
全員がエリジウム市民になれるようにエリジウムのデータを書き換えるつもりです。
しかしエリジウムに到着したクルーガーは、雇い主の長官を裏切り、
リブート・システムを使って自分がエリジウムを支配しようと動き出します。
長官もクルーガーにぶっ殺されるのですが、嫌な女だったので清々したというか、
マックスにとっては敵だけど、富裕層を殺しまくる庶民クルーガーは痛快で、
庶民のボクとしては、なんだか彼を応援しちゃいたくなりますね。
それに彼は黒装束で日本刀を背に担ぎ、手裏剣を投げたりと、まるで忍者なんですよね。
日本人として、ちょっと親近感を覚えてしまいます。
マックスと最終決戦になる橋も桃の花が舞い散り、時代劇的な雰囲気を醸し出しており、
妙に日本を意識した演出だと不思議に思いましたが、それも面白かったです。

クルーガーもエクソ・スーツの上位版みたいなパワードスーツを着用し、
タイマンでマックスを追い詰めますが、マックスがまさかのウルトラCで逆転。
クルーガーを倒した彼は、自分の脳内データであるリブート・システムを
エリジウムにダウンロードするのですが、なんとそのシステムは、
ダウンロードを行うとデータ発信者が死ぬ設定になっており…。
システムを作ったカーライルが、そうなるように設定していたわけですが、
それだと彼自身も長官にデータを渡したら、どのみち死んでたことになるんじゃ…?
ちょっとこの辺りの設定を、ボクはあまり理解できてなかったかも…。
とにかくフレイの娘マチルダが医療ポッドを使えるように設定し直すために、
マックスは自らを犠牲にしてリブート・データをアップロードします。
つまり主人公が死んじゃうオチなわけで、ハッピーエンドとは言い難いですが、
なかなか感動的で素晴らしいラストだったと思います。
人のために自分の命を捧げるマックスの自己犠牲精神も感動的ですが、
続編に含みを持たせないスッパリとした幕引きが、なんとも爽快感があったと思います。
本作は全米初登場一位の大ヒット作なので、普通なら続編の話も持ち上がりそうだけど、
主人公がこんなに綺麗に死んじゃったら、続編なんて野暮な話にはならないしね。
でもマイケルはフレイのために医療ポッドを地球人全員が使えるようにしたけど、
看護師であるフレイは失業しちゃいますね。

まぁ期待していた割には普通のSF映画でしたが、普通に楽しめる作品でした。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1119-60ac4827
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad