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オン・ザ・ロード

映画館の上映スケジュールって、もっと早く決まらないものですかね。
だいたいその週の土曜日から翌金曜日(または翌木曜日)までのスケジュールが、
毎週水曜日に劇場のサイトに掲載されることが多いけど、
週末に映画を観に行くことが多いボクとしては、もっと早く掲載してほしいです。
しかしまだ水曜日に掲載してくれるならマシな方で、
例えば大阪ステーションシティシネマなんて木曜日にやっと掲載になります。
劇場側としては、ネット予約できる2日前に掲載で十分だと考えているのかもしれないが、
土曜日に映画を観に行くつもりでも、その2日前まで上映時間もわからないのでは、
なかなか当日の予定も立てられないし、友達を誘える時間もほとんどありません。
仕方なくひとりで観に行くにしても、他の予定との兼ね合いもあるので、
なるべく早く、できるなら常に1週間前には上映スケジュールを掲載してほしいです。

ということで、今日は大阪ステーションシティシネマで鑑賞した映画の感想です。
本当は先週末に観る予定でしたが、水曜日の時点でスケジュールがわからなかったので、
他の予定を入れてしまったため、平日観に行くことになってしまいました。

オン・ザ・ロード
On the Road

2013年8月30日日本公開。
ジャック・ケルアックの小説を基にした青春作。

父親の死を引きずり鬱屈(うっくつ)とした日々を過ごす青年作家サル・パラダイス(サム・ライリー)。ある日、彼は内省的な自分とは正反対である奔放な男ディーン(ギャレット・ヘドランド)とその幼妻メリールウ(クリステン・スチュワート)と知り合う。社会規範にとらわれずにセックスやドラッグをむさぼるディーンの生き方、メリールウの美貌に惹(ひ)き付けられたサルは、彼らと一緒にニューヨークを飛び出して各地を放浪することに。かつてないほどの充足感と自由を得る彼だったが、そんな日々にも終わりが近づこうとしていた。(シネマトゥデイより)



いやー、とにかく長かったです。
上映時間は137分なので、実際にかなりの長尺映画ではあるのですが、
体感時間はもっと長く、3時間を超えていたようにすら思えます。
展開が早く内容もかなり詰まっており、特に退屈な映画というわけでもないのですが、
むしろ内容も詰まりすぎなのが災いし、途中でお腹一杯になっちゃうし、
ゴールが見えないストーリーなので、いつまで続ける気だろうとストレスを感じます。
いわゆるロード・ムービーなのですが、目標地点が設定されていないため、
いつ終わるともしれない主人公の旅に付き合うのは、ちょっと辛いものがあります。
膨満感を覚えて「そろそろ終盤かな」と思って腕時計を確認したら、
まだ上映時間の半分しか経過してなかったのは愕然としました。
内容的にはつまらないわけでもないので、最後まで観続けることはできましたが、
結局最後までゴールのない旅が続くだけの起伏のないストーリーで、
いろいろと出来事は詰まっている割には中身の薄い内容だったと思います。
なんでも第37回トロント国際映画祭で上映された折は、124分の短縮版だったらしいけど、
それでも十分堪能できるというか、実質90分ほどでも十分な内容です。
アテもない旅をして結局アメリカを一周するのですが、それでも飽き足らず、
主人公が「今度はメキシコに」と言い出した時は、もういい加減にしてくれと思いました。

本作は第65回カンヌ国際映画祭のコンペ部門にも出品されています。
なのでそれなりに注目の作品ではあったと思うのですが、
全米での興行成績は、2500万ドルの製作費に対し、たったの72万ドルの興収で…。
インディペンデント系で上映規模が小さかったのは事実ですが、
仮にも原作は青春のバイブルとまで言われたベストセラー小説『路上』です。
執筆されてから半世紀近く、何度も映画化しようと挑まれながらも実現せず、
本作は待望の映画化だったはずですが、まさかこんなに大コケするとはね。
その理由はおそらく、映画化のタイミングを完全に逸していたからでしょう。

本作は1957年に出版された原作小説『路上』をかなり忠実に映画化したらしいのですが、
その内容は原作者ジャック・ケルアックの自伝的なものらしく、
彼の青春時代だった40年代から50年代のことが描かれています。
彼が牽引したビートニク文学やヒッピーなど、当時のカルチャーの影響が色濃く反映され、
例えば同時代を生きた人など、観る人が観ればとても興味深い内容なのだろうと思われます。
しかし半世紀以上前の作品では、彼と同じ時期に青春時代だった人はもう80歳代です。
作中で「マッカサーが日本で路上キスを禁止したらしい」なんて会話がありますが、
そんなに昔の物語なので、多くの人は本作からノスタルジックを感じるのは不可能でしょう。
ですが本作には、当時のカルチャーを描くこと以外に主題なんて何もなく、
当時に興味がない人が観ても、単なる古い時代が舞台のロードムービーでしかありません。
原作の出版当時は同時代性やノスタルジックさで爆発的に売れたでしょうが、
原作者もすでに死去するほど長い時間が経ってしまうとなかなか通用しませんね。
当時を知る人はもっと多かった頃に映画化されていれば、ヒットした可能性もありますが…。

ビートニクは知らないが、それに共感するヒッピー文化なんてのは、
40年くらい前が全盛だったはずだから、その時代を知る人たち、
言わば団塊の世代あたりを本作のターゲットに据えれば、
もうちょっとマシな興行成績になったかもしれません。
しかし本作は、若者に絶大な支持を誇る女優クリステン・スチュワートをヒロインに起用し、
『トワイライト』世代を集客しようという意図が見え見えです。
まぁ20代の役柄なので、若い女優を起用するのは当然ではありますが、
年配な人に限って『トワイライト』みたいな若者のブームは嫌いですからね。
完全にミスマッチなキャスティングだと思われます。

でも狙い通り若者を集客できれば興行的には問題なかったわけだけど、
クリステン・スチュワートの起用も遅きに逸した感は否めません。
『スノーホワイト』の監督との浮気騒動で、『トワイライト』ファンからも総すかんされ、
彼女が若者からの絶大な支持を受けていたのもちょっと前までの話になります。
それにしても、彼女はついこの間まで清純派アイドル的な人気だったのに、
本作ではフルヌード解禁して3Pやらオーラルセックスやら、急激に落ちましたね…。
まぁあんなスキャンダルを起こせば、セクシー路線に転向するしかないか。
元人気女優のクリステン・スチュワートのエロシーンなんて、客を呼べそうなものだけど、
やはりもともと女の子からの支持が高かっただけに、あまり効果はなかったようですね。
せっかく脱いだのに全く評価もされない上にコケるなんて、脱ぎ損もいいところです。

女優で言えば、本作にはエイミー・アダムスやキルスティン・ダンストといった、
実力派人気女優が脇を固めていますが、この豪華キャストも本作には勿体なかったです。
彼女たちもベストセラーの映画化なので話題作になると思ってオファーを受けたでしょうが、
まさかこんな誰も観ないような映画になるとはアテがはずれたでしょうね。
一応エイミー・アダムスはハリウッド映画祭で助演女優賞を受賞しましたが、
それは本作よりも『ザ・マスター』などの影響が大きかったみたいです。
エイミー・アダムスは現在公開中の『マン・オブ・スティール』のヒロイン、
キルスティン・ダンストは現在公開中の『アップサイドダウン』のヒロインですが、
本作のような失敗作が日本で劇場公開できたのは、その2本に便乗したからかな?

一方の男性陣ですが、原作者がモデルの主人公サルはサム・ライリー、
その友人のディーンはギャレット・ヘドランドと、かなり地味なメイン2人…。
まぁどちらもイケメンであることは認めますが、特にディーンは原作の最重要キャラなので、
もっと魅力的で知名度もある若手俳優に演じさせた方がよかったと思います。
なんでも原作者は、この役を超名優マーロン・ブランドがやるべきだと考えていたようだし、
(そのせいで映画化も進まなかったんだけど、)並大抵の若手俳優では演じられない役です。
なにしろ主人公のサルや周りの人々が、ディーンに魅了されることで展開する物語なので、
ディーンにそれ相応の魅力がないと作品に全く説得力が生まれません。
ギャレット・ヘドランドも頑張ってはいたでしょうが、その域には全く達していません。
まぁ過去にはブラピやコリン・ファレルがディーン役をする企画もあったそうですが、
彼らでもディーンのカリスマ性を再現できるかは微妙なところでしょうね。
そのが文学を映像化する難しいところです。
だからキャストによるディーンの魅力の再現度には目を瞑るとして、
なぜそんな人気者のディーンがサルに惹かれるのか、まったく納得できません。
サルはディーンと違って比較的普通の若者なので、そんな平凡な奴に、
なぜディーンほどの変わり者が依存するのか謎すぎます。
ディーンの恋人でスチュワート演じるメリールウに至っては、
サルにディーンと同等の魅力を感じいるように見受けられるし…。
まぁサルは原作者自身なので、特別なディーンから特別視される男として、
自分のことを過剰評価して書いているだけかもしれませんが…。

作家志望のサルはディーンとの旅の末、本作の原作となる『路上』を書くわけで、
つまり本作は、本作の原作小説が執筆される過程を描いた作品なので、
原作小説に興味がないと関心が湧き難い物語かもしれませんね。
その原作を映画化した本作が微妙であれば、原作へ関心なんて持てるはずもない悪循環。
原作に興味がなければ、酒とドラッグとセックスに溺れるアホな若者が、
他人に迷惑を掛けまくりながら好き勝手に旅をするだけの物語で、
主人公たちに全く共感できないし、そんな奴らの話なんて正直どうでもいいです。
でも『ハングオーバー!』のようなR指定コメディ的なノリで観れば、
アホがバカ騒ぎするのを嘲笑する映画として、それなりに楽しめるかも?

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