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貞子3D2

『風立ちぬ』が出品されるベネチア国際映画祭の会見で、
宮崎駿監督が長編映画から引退すると言う発表がありましたね。
『風立ちぬ』は先週末で7週連続1位を記録する大ヒット作となっており、
そんな作品を撮った監督が引退するとなれば、惜しみたい気持ちになるのが普通ですが、
『風立ちぬ』はそんな大ヒットに相応しいような名作ではなく、むしろ今年指折りの駄作。
(実際、先週末3位だったアニメ映画『あの花。』の方がまだマシな内容でした。)
そんなものが大ヒットしているのは宮崎駿のブランド力によるものです。
内容の良し悪しではなく、ブランド力だけで作品がヒットするのは健全な状態とは言えず、
彼が引退することは、日本映画界の健全化にとってプラスかもしれません。

彼を失ったジブリは求心力を失い、並のアニメ会社に転落するでしょうが、
もともと宮崎駿のワンマン会社だっただけに、いつか凋落するのは必然でしたが、
それがちょっと早まっただけのことです。
ジブリ以外にも面白いアニメ映画は沢山あるのに、今までジブリの陰に隠れがちでしたが、
ジブリが凋落すれば、他の本当に面白いアニメ映画も注目してもらえるチャンスです。
でも宮崎駿は事あるごとに引退宣言するので、本当に引退するのかあやしいものです。
それに企画や製作として今後もジブリ作品に関わってくると思います。
ジブリも彼にちゃんと引導を渡して、若手に自由に作品づくりをさせた方が、
長い目で見れば得だと思いますけどね。

ということで、今日は『風立ちぬ』でヒロインの声優を務めた若手女優の主演作の感想です。

貞子3D2
貞子3D2

2013年8月30日公開。
ホラー映画『リング』シリーズ最新作、『貞子3D』の続編。

娘の凪を生んだ後、鮎川茜は死亡し、安藤孝則(瀬戸康史)は妹の楓子(瀧本美織)に娘を託して身を潜める。世間では謎の死亡事件が頻発し、捜査が進むうちにそれが5年前の「呪いの動画」事件に関係することが明らかに。やがて楓子はそれらの死が凪の周辺で起きていることに気付き、過去の事件を調べ始めるのだが……。(シネマトゥデイより)



5月公開のホラー映画『クロユリ団地』が興収10億円の大ヒットだったので、
Jホラーの復権の兆しを感じ、本作もヒットするだろうと予想していたのですが、
なんのことはない、初登場6位で興収も頑張って1億円に届くかどうかです。
やはり『クロユリ団地』はキャストの人気だけでヒットしただけで、
Jホラーの人気が復調したわけではなかったみたいです。
そこそこヒットした前作からも動員数が3/4の出足だったようですが、
映画初主演の若手女優、瀧本美織がヒロインでは集客的に厳しいでしょうね。
前作のヒロイン石原さとみもそうですが、松嶋菜々子、中谷美紀、深田恭子など、
『リング』シリーズは歴代主演女優が豪華キャストだっただけに、
まだ駆け出しの瀧本美織では地味さは否めない気がします。
まぁ本来のJホラーは、登竜門として駆け出しのアイドルを起用するものなのですが…。

しかし本作がイマイチな結果になってしまったのは、主演女優のせいだけではありません。
むしろ決定的なのはスマホアプリと連動させる世界初の試み「スマ4D」の失敗です。
上映中にアプリをDLしたスマホの電源を入れておくと、物語と連動してスマホが鳴ったり、
画面をタッチして遊べたりするアトラクション的な仕掛けです。
画期的ではありますが、映画館でケータイの電源をONにすることが推奨されることは、
映画ファンのボクとしては、映画館のマナー向上の面からかなり抵抗を感じます。
それにそもそもスマホを持っていなければ、その仕掛けも体験できません。
それでもスマホを持っている人と同じ料金を払わされるんだから、
映画ファンのみならず、ガラケー愛用者から倦厭されるのは無理からぬこと。
日本のスマホ普及率は25%と以外に低いため、かなり損していると思われます。
「スマ4D」に否定的な人のためにちゃんと通常の3D上映も行っています。
ボクも通常3D上映で観たのですが、これはボクが「スマ4D」に否定的だからではなく、
「スマ4D」での上映が極端に少なく、都合のいい時間の上映が通常版だっただけです。
例えばTOHOシネマズなんばでは、1日6回上映してますが、うち「スマ4D」は1回のみで、
こんな状況ではこの企画に好意的なスマホ保持者なら、
「せっかくスマホあるのに通常版なんて見たくない」と思われることは明白です。
そもそも「スマ4D」なんて小細工をしないと楽しめない内容なのかと勘繰られるし、
その小細工すらない通常版にお客さんが入らないのは必定でしょう。

実際に本作は、小細工でもしなければ何も特徴がないホラー映画で…。
前作は貞子をクリーチャー化して、ホラーコメディの様相を呈しており、
正統派ホラー映画『リング』シリーズとして、「それでいいのか?」と思ったものですが、
ひとつの作品としては特徴的で面白いとも思いました。
しかし本作は、あえて前作を否定するかのように正統派ホラーに回帰しています。
正統派すぎて目新しいさがなく、面白味に欠ける感は否めません。
何か内容以外で特徴を出そうと「スマ4D」なんて小細工を思いついたのでしょう。
でも前作はアトラクションと割り切り、怖さよりも3Dであることを強調した内容でしたが、
本作は正統派であるが故、邪道な3Dとの相性も悪く、3Dの効果を全く活かせてませんし、
更にアトラクション的な邪道の極み「スマ4D」との相性もいいはずがありません。

小細工ばかりが記憶に残り、内容なんてすぐ忘れそうな本作ですが、
内容のどこが悪かったかと言えば、ホラー映画として致命的に怖くなかったことでしょう。
前作のコメディ路線から一転、正統派に回帰した選択は間違っていないと思うけど、
正統派でいくならばもっと怖さを追求しなくてはいけません。
本作が怖くなかった最大の理由は、本作の怪奇現象の元凶が子供だったことです。
『クロユリ団地』でも子供が怨霊で、そのパターンが流行ってるのかもしれませんが、
子供の霊にはあまり恐怖を感じないような気がします。
例えば『呪怨』ですが、あの映画がめちゃめちゃ怖いのは、
子供の霊の俊雄のお蔭ではなく、その母親の霊である伽椰子が怖いからです。
本作だってそうで、怖いのは怨霊の貞子なのに本作には貞子はほとんど出てきません。
その代わりを務めるのが貞子の子とされる4歳の女の子、凪ですが、
いくら母親が怖くてもその子自身には全く怖さを感じず、むしろ普通に可愛らしいです。
そんな子を怖がるなんて心境は全く理解できませんが、その代表が本作のヒロインです。

凪は霊ではなく生きている人間で、ヒロインの楓子の姪(兄の子)に当たります。
凪の母親は前作のヒロインの茜ですが、茜は前作で貞子を体内に取り込んだため、
その直後に妊娠し生まれた凪は、貞子の子かもしれない、という話になります。
凪には不思議な力があり、彼女が人の死を描いた絵は現実となり、
それに気付いた楓子は、凪に対して恐怖を覚えるのです。
確かにその現象は不気味だとは思いますが、幼い姪のことを怪物扱いして、
避けたり逃げたり隠れたりする楓子の行動は完全にネグレクトです。
凪のことを怖いと言う楓子に対し、彼女の兄(凪の父)の孝則は、
「怖いのはそんな狂ったことを言うオマエだよ」と言いますが、まさにその通りです。
凪はただでさえ母親を亡くし、幼稚園でもイジメを受けている可哀想な子なのに、
周りで頻発する事故をその子の責任だと決め付ける叔母の楓子は最低で、
ヒロインだけど全く共感を覚えませんでした。

凪の母である茜が貞子を体内に取り込んだのは、呪いの動画を見たためですが、
凪のことが怖い楓子は、呪いの動画を作った死刑囚の柏田に面会し相談します。
柏田って前作で呪いの動画を作った時に自殺したと思ったけど、生きてたんですね。
(前作で量産型貞子に殺されたはずの刑事も生きてるし…。)
柏田は楓子に「恐怖から逃れたければ貞子の子を殺せ」と言いますが、
それを真に受けた彼女は、凪を吊り橋から海に投げ落とそうとするのです。
死刑囚の言葉を鵜呑みにして幼い姪を殺そうとするなんて、人間とは思えない所業です。
ところが、凪に泣き付かれたことで急に情が湧き、未遂に終わります。

実際に凪は貞子の子ではありませんでした。
凪の描いた絵が現実になるのも、人の死を予知する超能力によるもので、
それは超能力者だった母の茜から遺伝したものでした。
言ってみれば『クロユリ団地』の逆パターンのどんでん返しですね。
端から凪に恐怖を感じなかったボクとしては、どうせそんなところだろうと思いましたが。
更に茜も生存しており、孝則の勤める病院の地下室にある病室で治療を受けています。
茜が体内に貞子を閉じ込め続けているため、一連の怪奇現象は貞子の仕業ではなく、
もちろん凪とも関係はありません。
では誰の仕業かと言えば、貞子の子が凪の別におり、その子の仕業だったのです。

…という真実が判明したところで本作は幕を閉じ、次回作を匂わせる本作ですが、
茜もキチガイの刑事に殺されたことで貞子自体も解放されただろうし、
今後の展開次第では盛り上がりそうなラストではありましたが、
本作は興行的失敗を鑑みれば、次回作はまずないでしょう。
まぁ日本を代表するホラー『リング』シリーズがこれで終わりってことはないでしょうが、
おそらく『貞子3D』からの続編は打ち止めになるでしょうね。
今後『リング』シリーズが作られるとしても、本作と前作はなかったものとされるでしょう。
日本を代表する映画シリーズにも関わらず、主題歌にK-POPを使うようなクソ映画なので、
打ち止めになってくれた方がいいですけどね。
もちろん「スマ4D」の映画も金輪際作られないと思います。

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