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あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

PS3の『ジョジョの奇妙の冒険 オールスターバトル』がかなり売れてるようですが、
ボクも原作漫画が大好きなので、かなり前から予約して購入しました。
でも、まさかこんな酷いゲームだったとは…。
ロード時間は長いし、操作性も悪いし、CPUは頭悪くて小攻撃だけで勝てるし、
ゲームバランスが悪すぎて、対戦型格闘ゲームとしては三流以下の出来です。
グラフィックなど原作の雰囲気はかなり再現されているので、
『ジョジョ』好きな友達と対戦している時はそれなりに盛り上がるのですが、
1人プレーだと全く面白くないです。

しかし何より酷いと思ったのは有料追加コンテンツ(DLC)の使い方です。
無茶苦茶なバランスの追加キャラ1体につき600円という価格は高すぎる気がしますが、
キャラが増えれば楽しいし、一度買えばずっと使えるのでまだ我慢できるかな。
(全キャラ購入したら、ソフトの購入価格を超えそうですけど。)
でも消費アイテムにまで課金するという、無料のソーシャルゲームまがいのDLCまで…。
別にアイテムは購入しなくてもゲームはできるようになっていますが、
アイテム消費しないと追加コスチュームなどのオマケ要素を得るのに、
恐ろしく時間がかかる仕様になっています。
しかも希望のものが得られるかどうかは運の要素が高く、一種のガチャみたいなものです。
ファンの射幸心を煽り金を巻き上げる、こんな商売は許せません。
ちなみにボクは原作漫画のファンである以上に格ゲーのファンなので、
こんな欠陥格ゲーには、ソフト購入代の他に、びた一文も出す気はないです。

といことで、今日は週替わりの来場者プレゼントで、
ファンから何度も金を巻き上げようとしている映画の感想です。

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

2013年8月30日公開。
2011年に「ノイタミナ」で放送されたオリジナルアニメーションの劇場版。

ある夏の日、5年前に事故で死んでしまったはずの“めんま”こと芽衣子が現れる。かつて、仲良しグループ“超平和バスターズ”を結成していた6人組。芽衣子のほかの5人は、高校生になっていた。事故の日以来、離れ離れになっていった彼らだったが、芽衣子が彼らの前に現われた理由を探すために再び集まる。(シネマトゥデイより)



2011年にフジテレビ系の深夜アニメ枠で放送されていたテレビアニメの劇場版ですが、
ボクはテレビアニメをほとんど見ないので、もちろん本作のレギュラー放送も見てません。
だけど知人に勧められたり、「絶対泣ける素晴らしいアニメ」という評判は聞いており、
そんな傑作ならレギュラー放送から見ておけばよかったと後悔しました。
でも『魔法少女まどか☆マギカ』や『TIGER & BUNNY』など、
大好評だったテレビアニメは内容を再構成して劇場版化されるのが昨今の流行り。
本作もレギュラー放送を見逃して悔やまずとも、きっと劇場版化されると思ってました。
そしたらほら、やっぱりちゃんと劇場版化され、希望通りレギュラー放送の続編ではなく、
レギュラー放送の内容を再構成したものとして制作されました。
なので予習は必要ないと考え、DVDをレンタルするのも、再放送を見るのもやめて、
予備知識ほぼゼロの状態で劇場版の本作を観に行きました。

しかし、これはダメなタイプの再構成系劇場版で、
ボクのようにレギュラー放送を全く見てなかった一見客には向きません。
テレビドラマの内容は主人公たちの一夏の不思議な物語だったようですが、
本作はその翌年の夏に、主人公たちが昨年の夏の出来事を回想するという内容で、
テレビドラマを単純に再構成しただけではなく、続編的な部分も多くなっています。
と言っても、続編にしたことが一見客向きじゃないわけではありません。
(先日「土曜プレミアム」で放送された『ワンピース』のSPアニメなんかもそうだけど、)
回想という体裁で長い物語を再構成して纏める手段は悪くないと思います。
むしろ続編部分に新カットが入るのは、既存のファンには嬉しいことだと思うし、
単なる焼き直しなんかよりは誠実な劇場版だと思います。
しかし本作は、その回想の構成がかなり拙かったと思うんですよね。
主人公たち6人の回想が順々に流れる構成になっているのですが、
そのせいで昨年の夏の出来事が、ちゃんと時系列通りに回想されないんですよ。
テレビアニメを見ていればどの時期のシーンだかわかるだろうし、
ある人物の回想と違う人物の回想との繋がりも補完できるでしょうが、
一見客にはちょっと解り難く、混乱を招く構成になっていると思います。

本作の回想部分の物語(つまりテレビドラマでの物語)は、
小学生の時に死んだ友達メンマの幽霊が、高校生になった主人公ジンタンの前に現れ、
彼を含め小学生時代に仲良しグループ「超平和バスターズ」だった5人が、
メンマの「お願い」を叶えて彼女を成仏させようという物語です。
メンマ自身も自分の「お願い」が何であるかはよく覚えていません。
彼らは自分たちで花火を作って打ち上げることがお願いではないかと考え、
それを実行しますが、なぜかメンマが消えることはなく…。
実はメンマのお願い(というか生前やり残したこと)は、
母親が病気のため無理して気丈に振る舞っている大好きなジンタンを、
泣かしてあげようという意外なものでした。

重要なシーンですが、ここも一見客泣かせの不親切な構成となっています。
花火打ち上げ後、花火がお願いではないはずなのにメンマが消えかけています。
つまりメンマの本当のお願いは知らず知らずのうちに叶っており、
そのシーンのメンマの回想により、彼女のお願いがなんだったのか観客にわかるのですが、
本作ではそのシーンまでに、ジンタンが泣くシーンはないのです。
彼が泣くシーンは、そのシーンよりも後にある、花火前日の回想で描かれました。
一見客としては、メンマのお願いがジンタンを泣かせることと明らかになっても、
「あれ、どっかで彼が泣くシーンあったっけ?」と混乱してしまいます。
これは時系列をバラバラに再構成したための弊害の一例ですが、
他にも、高校生になって心がバラバラになっていた「超平和バスターズ」の5人は、
メンマの幽霊が現れたことで徐々に絆を復活させていったようなのですが、
回想で親しくしていた2人が、他の人の回想になると、またギスギスしていたりと、
回想跨ぎで時間が逆行するので、大まかな流れが掴み難くなるんですよね。

一見客のボクとしては、誰かひとりの回想に絞って描いてくれるとわかりやすかったかも。
テレビドラマでは当然主人公のジンタンが中心で物語が進行していたでしょうから、
劇場版は「超平和バスターズ」の他の4人のうちの誰かを主人公にして同じ出来事を描き、
メンマが見えない立場の人物の視点からの物語にしても面白かったのでは?
特に本作はアナ…、もとい鳴子の回想が最初で、鳴子がヒロイン級の扱いだったので、
彼女の視点から描けばよかったと思います。
或いは幽霊であるメンマの視点でもよかったかもしれません。
本作にはメンマの回想もあるけど、翌年の夏の主人公たちの回想で構成されているのに、
そこに存在しないメンマの回想が挿入されているのは違和感あるし、
それならいっそ彼女中心に小学生時代から描いた方がよかったかと。
なかなか複雑な家庭環境の女の子みたいだけど、本作では描き切れてないしね。

というか、本作では重要な部分が端折られすぎていると思います。
どうせ観客はみんなテレビアニメ視聴済みだと思ってるのでしょうが、
大筋の序盤から中盤あたりにあるはずの、バラバラの5人が再び友情を取り戻す過程や、
ジンタン以外の4人がメンマの存在を信じる過程がほとんど描かれていません。
(打ち上げ花火の後の大ゲンカもナレーションベースだったし…。)
特にツルコですが、他の4人はメンマの死に責任を感じている素振りがあるけど、
彼女だけちょっと距離があり、メンマに対する気持ちも薄い気がしました。
もしかしたら彼女とメンマのエピソードが端折られたのかな?
そもそも4人が責任を感じているメンマの死ですが、
彼女がどのように死んでしまったのかも描かれてませんよね?
ジンタンの母親とどちらが先に死んだのかもわかりません。
ジンタンの無茶なバイトも「メンマのため」と言われても、
どこが彼女のためになっているのか説明もないし…。(まぁ予想はできるけど。)
結局、過程をすっ飛ばして感動シーンだけを繋げてるんじゃないかと思うんですが、
過程があるからその結果にカタルシスが生まれるんであって、
こんな構成では、内容を把握してない人が感動するのは難しいです。
「絶対泣けるアニメ」なはずなのに、結局涙が出るには至らず、
先着来場者特典の小さなボックスティッシュの封を切ることもありませんでした。
(念のために厚手のハンドタオルも持って行ったんですけど…。)

ただ全く感動しなかったかといえば、そんなことはなく、
クライマックスのかくれんぼのシーンは、かなり込み上げるものがありました。
1クールの間、彼らの紆余曲折を見ていたら、まず絶対に泣いちゃってたでしょうね。
ボクはせいぜい1時間半程度の付き合いしかなかったので、
そこまで彼らに感情移入できませんでしたが、それでも胸が熱くなったのは、
そこで流れた挿入歌「secret base ~君がくれたもの~」の力に違いないです。
ZONEが唄った同曲はゼロ年代最高峰の名曲のひとつだと思いますが、
歌詞が本作の内容にドンピシャで、更なる相乗効果を発揮しています。
もし本作の主題歌のガリレオ・ガリレイの「サークルゲーム」がそのシーンで流れても、
これほどの感動は絶対になかったと思います。
そんな本作の曲選びのセンスに感服ですが、ここまでドハマリなのは偶然ではない気が…。
もしかしたら本作って「secret base」を新解釈でアニメ化したものなのでは?
…と思ってしまうほど、本作における同曲の存在は絶大です。

小学生の頃からジンタンに片思いをしていた鳴子ですが、
結局、彼女はジンタンに告白をしないまま終わります。
ツルコとユキアツの関係も現状維持で、ジンタンやポッポの生活も大きな変化はなく、
メンマの幽霊騒動から丸一年経っても、髪型くらいしか変わってない5人ですが、
変わらない良さってのもあると思うけど、せっかく続編として1年後を描くなら、
もうちょっと何か進展があってもよかったと思うんですよね。
特にメンマが死にっ放しというのはちょっと気の毒な気がします。
幽霊のままで再会とかになると興醒めしちゃうかもしれませんが、
何かに生まれ変わったことを示唆する演出くらいあってもよかったかもね。

ちょっと批判的な感想になりましたが、それはボクが一見客だから感じたものが多く、
本作を観るのは9割以上がテレビアニメ視聴者だと思うので、
観客の大多数にはボクの批判箇所の多くは問題にならないと思います。
ただ、映画館はテレビアニメやテレビドラマのスペシャル版を流す場ではないので、
劇場版を制作するのはいいけど、劇場版単品で楽しめる内容にするべきです。
それが出来ない作品は、もともと劇場版化に向かない作品だったに違いなく、
本作は頑張っている方だと思うけど、やはり連続テレビアニメ向きの内容なのでしょう。
とはいえ、テレビアニメをあまり見ないボクにとっては、
人気テレビアニメを劇場版化してくれるのは有難いですが…。

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