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スマイル、アゲイン

第95回全国高校野球選手権大会ですが、地元近畿勢が全て敗退したそうですね。
ボクは関西人なので、残念に思うかと言えばそんなことはありません。
ボクは兵庫県民だけど、高校は大阪だったので、地元兵庫の高校には関心がないし、
大阪代表の大阪桐蔭にしたって、言わばボクの母校のライバルだったわけだから、
あまり応援したいって気にはならないんですよね。
だから母校が出場する場合は別だけど、地元の高校を応援する心理がよくわからないです。

ボクは西宮市民なのでプロ野球では阪神タイガースのファンですが、
読売が強すぎて、今シーズンは全然面白くないです。
というか、プレーオフが導入されてからは、プロ野球に興味を失いました。
もうクライマックスシリーズだけ応援すれば十分です。
野球で最も気になるトピックスと言えば、イチローの4000本安打くらいで、
今は専ら、野球よりもサッカーの方に関心があります。
それも来年初夏まででしょうが…。

ということで、今日はサッカー映画の感想です。

スマイル、アゲイン
Playing for Keeps

2013年8月17日日本公開。
ジェラルド・バトラーを主演のヒューマン・コメディ。

ヨーロッパの一流クラブやFIFAワールドカップで活躍したサッカーの元スター選手、ジョージ・ドライヤー(ジェラルド・バトラー)は、やり直そうとやって来たアメリカで元妻のステイシー(ジェシカ・ビール)が再婚を考えていることを知る。そんなある日、あることがきっかけで息子ルイス(ノア・ロマックス)のサッカーチームでコーチを依頼されたジョージ。子どもたちの母親にモテモテのジョージだったが、ルイスとの関係がぎこちなくなってしまい……。(シネマトゥデイより)



落ちぶれた元サッカー選手が、別れた家族との絆を修復しよう奮闘する姿を描いた本作。
主人公は息子の所属する地元の少年サッカーチームでコーチをしながら、
なんとか息子との距離を縮めようと努力するという、感動の父子のドラマです。
とても正統派なハートウォーミング・ストーリーで、ボクも楽しめたのですが、
どこでどうボタンが掛け違ったのか、全米での本作の評価は不当に低いです。
まず本作のヒロインであるジェシカ・ビールが何故かラジー賞の最低主演女優賞候補に…。
(まだユマ・サーマンやキャサリン・ゼタ=ジョーンズが候補ならわかるけど。)
さらに全米最大の映画批評サイト「ロッテン・トマト」では、
支持率脅威の4%を記録し、圧倒的に酷評されています。
4%といえば、現在公開中のお下劣R指定映画『ムービー43』と同じ支持率ですが、
本作は下品な下ネタなんて(ほんの少ししか)ない、普通の家族ドラマなのに…。
きっと我々日本人は、本作をそんなに酷評することはないはずですが、
なぜ全米でそんな不可解な事態になったかと言えば、
日本人とは全く違うアメリカ人の感性や、文化的差異が原因でしょう。

まず全米ではヒューマンドラマであるはずの本作が、なぜかロマコメと認知されています。
きっと誰も父と子が失われた絆を取り戻そうとする物語としては観ておらず、
ダメな色男が4人の女性に振り回されるドタバタ喜劇だと思われているのでしょう。
その証拠のひとつが全米公開時のポスター(上の画像)ですが、
明らかにロマコメタッチで、そこに息子役の子役の姿もありません。
参考までに日本版ポスター(※)も文末に載せておきますが、
同じ作品とは思えないほどで、比較すると国による本作の捉え方の違いがよくわかります。
たしかに本作には笑えるシーンも多く、コメディとして捉えることも出来なくはないし、
もし本当にロマコメとして撮られているなら、ボクの捉え方が間違っているわけですが、
本作の監督は『幸せのちから』で父子の感動のドラマを描いたガブリエレ・ムッチーノで、
彼としてはやはり本作も、父子の物語のつもりで撮っていたと思うんですよね。

更にアメリカ独特の特徴として、サッカー映画はヒットしないことが挙げられます。
サッカーは世界一の人気スポーツで、日本でも野球と双璧をなす大人気スポーツですが、
アメリカでは野球、アメフト、バスケ、ホッケーの四大スポーツに押され、
サッカーはイマイチ人気がなく、それを題材にした映画も全くヒットしません。
本作の主人公であるジョージは、欧州のいくつかのプロサッカークラブで大活躍し、
スコットランド代表で2003年のサッカーW杯にも出場した名選手という設定で、
我々からしたらそれがどれほど輝かしい経歴かわかりますが、
アメリカ人観客にしてみれば、マイナースポーツでちょっと脚光を浴びた程度の印象で、
ジョージのことも単なるダメな色男くらいにしか認識できないのかも。
もし本作の主人公が元大リーグ選手の設定だったら、本作の評価も全然違ったはずです。
(ちなみにガブリエレ・ムッチーノ監督はイタリア人なのでサッカーも大好きなはず。)
まぁ本作の内容は、サッカーが全く人気がないアメリカの風土を活かしたもので、
主人公は本当はすごい選手なのに評価されないという設定の上に物語が構築されているので、
アメリカが舞台のハリウッド映画じゃないと成立しない物語なのですが、
観客には「本当はすごい選手」という土台の設定が理解できないので伝わりません。

怪我のため35歳で引退したサッカー選手のジョージ。
現在無職の彼はスポーツキャスターを志望していますが、状況はなかなか厳しく、
選手時代のユニホームなどをスポーツ用品店に売って何とか生活しています。
彼ほどの名選手ならば、欧州だったら引退してもテレビ局から引く手数多でしょうが、
アメリカのバージニアなんかに引越しちゃったもんだから悲惨です。
地元のスポーツ用品店に貴重なユニホーム売っても二束三文で、
店主から「バスケのユニならいいのに」なんて言われる始末で…。
それでも彼がアメリカに留まるのは、別れた妻と息子がここにいるからでしょう。
離婚の原因は明確にされていませんが、5年前に別れたらしく、
おそらく当時はまだ現役だと思うので、彼が忙しすぎたとかそんな理由かな?
職を失い初めて家族の大切さに気付いた彼は、疎遠の息子と距離を縮めたいと考えます。
元妻ステイシーにも未練はありますが、彼女は再婚が決まっており、
せめて9歳の息子ルイスにだけでも父親らしくしたいと思ったようです。

地元の少年サッカーチーム「サイクロンズ」に所属するルイスの送り迎えをするジョージ。
彼はそのチームのコーチの怠慢さを見て、思わず子供たちにサッカーを教え始めます。
その怠慢コーチの教え方ときたら「とにかくボールを蹴ってゴールに入れろ」って方針で、
チームプレーは教えないし、「ボールはつま先で蹴れ」とサッカーを知らない素人です。
(しかも練習中にケータイをいじるのに夢中で、練習なんて見てません。)
当然チームも弱くて、今まで試合で得点したこともありませんが、
アメリカの少年サッカーチームのコーチなんて、そんなものかもしれませんね。
ジョージが子供たちにサッカーを教えるのを見ていた保護者は、
彼に是非新しいコーチになってほしいと依頼します。
彼もそれが息子ルイスのためになるならと承諾します。

ジョージがコーチになると、親バカな保護者から「息子をキーパーにしてくれ」とか、
「危険だから娘をあまりボールに近づけないで」とか、無茶な要求を受けますが、
それでもチームは強くなり、初試合でいきなり先制点をあげます。
いくら元プロ選手がコーチになったからって、結果が出るのが早すぎますが、
きっと他の少年サッカーチームのコーチも大したことないんでしょうね。
練習でジョージは子供たちにせがまれて、ちょっとしたパフォーマンスをします。
クロスバーの上に乗せた瓶にボールを当てるというものですが、一発で成功します。
そんなことを簡単に出来ちゃうなんて、まだプロでも通用しそうですよね。

そんなジョージは試合を観に来た父兄にも大好評で、
イケメン独身コーチなので、ママさん連中からの熱視線も半端ないです。
特にシングルマザーのバーブ、元スポーツキャスターのデニス、
お金持ちの奥さんパティからは積極的なアプローチを受けます。
でもジョージは元妻ステイシーに未練があり、その好意を受けることは出来ない…、
…と思ったら、強引に迫られてバーブとデニスとはエッチしちゃうんですよね。
特にデニスからは、その見返りにスポーツキャスターの仕事を斡旋してもらい、
彼女の紹介で、なんと大手スポーツチャンネルESPNのキャスターに選ばれます。
一応アメリカでもサッカー番組はあるんですね。

他の女性とヨロシクやりながらも、コーチを通して息子ルイスとの距離は縮まり、
その様子を見ていた元妻ステイシーも、ジョージのことを見直し始め、
家族の絆はどんどん修復され、このままいけば再婚できそうないい雰囲気に…。
ところがデニスにキスを迫られたところをルイスに見られ、
さらにパティとの不倫をステイシーに疑われ、ジョージは2人に幻滅されます。
パティとの不倫は完全に誤解ですが、少なくともバーブとデニスとは関係があるので、
浮気しちゃったのは間違いなく、誤解は気の毒だけど自業自得かな。
さらにジョージはESPNの仕事のために、コネチカットに引越す必要があり、
ステイシーとルイスに別れを告げて、一人でバージニアを後にします。
しかし家族への未練が捨てきれず、彼は仕事を蹴ってすぐにUターンします。
ステイシーも彼がいなくなったことで、彼を今でも愛する自分の本当の気持ちに気付き、
再会した2人はヨリを戻し、ルイスと3人で再び家族に戻ります。
ハッピーエンドでよかったですが、ジョージは2人の誤解を解いてませんよね。
なぜ急に許してもらえたのかはちょっと不可解な気がしました。
それに結局ジョージは、地元テレビ局でキャスターをすることになりますが、
このタイミングでヨリを戻せたなら、家族3人ですぐコネチカットに引越せば、
ESPNの仕事も諦めずに済んだかもしれませんよね。
というか、家族3人でイギリスに戻れば、もっと大きな仕事も得られたかもね。

終盤のまとめ方は少々強引過ぎる気がしましたが、
ハートウォーミングな、なかなか面白い作品だったと思います。
いい映画なので多くの人に観てほしいですが、全米での評判に躊躇したのか、
日本での公開館数が少なく、観に行きづらい状況なのが残念です。
でも全米の評判を鑑みれば、日本で劇場公開してくれただけでも有難いのかも。
ちょっと人気薄なだけで日本公開を諦めるハリウッドメジャーが多い中、
本作を配給する日活さんは見る目があるなと思います。
まぁボクが観た時も、お客さんは3人だけだったので、興行的には苦しそうですが…。

※日本版ポスター
スマイル、アゲイン

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