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素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー

大好きなアニメ映画『怪盗グルーの月泥棒』の続編が、来月21日に日本公開になります。
当然期待していたので、発売と同時に前売券も購入しました。
公開初日に絶対に観に行こうと思っていたのですが、
どうやら来月14日から3日間の先行上映が決まったみたいで…。
1週早く観れるなら嬉しいところですが、初日の14日といえばTOHOシネマズ・デイで、
TOHOシネマズ・デイなら映画が一律1000円で鑑賞できる日です。
1400円で購入した前売券をその日に使うのは400円ドブに捨てるようなもの。
そんな勿体ないことは出来ないので、初日は諦め15日に観に行くことになります。
こんなことなら前売券なんて買うんじゃなかった…。
というか、前売券が映画サービスデイやレイトショーより高い映画館のシステムは、
やはり間違っているように思います。
レイトショーで観るつもりの作品だから前売券を買わないでいたら、
上映スケジュールが決まると、その作品はレイトショーがないなんてこともあるし…。
それを懸念していざ買ってみたらレイトショーしかないなんてことも…。
我ながら数百円のことでケチくさいと思いますが、前売券の価格は1000円が妥当です。

ということで、今日は前売券で鑑賞した映画の感想です。
レイトショーでの上映がなかったので、前売券を購入しておいて正解でした。

素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー
Robot and Frank

2013年8月10日日本公開。
フランク・ランジェラ主演のヒューマンドラマ。

宝石泥棒だったものの、最近では物忘れが激しい70歳のフランク(フランク・ランジェラ)。そんな彼を心配した息子ハンター(ジェームズ・マースデン)は、二足歩行ができ会話もする超高性能の介護ヘルパーロボットをプレゼントする。プログラムに基づき、常に親切丁寧にフランクに接し、健康改善に務め、やる気や生きがいを見いだすサポートをするロボット。意欲も体力も取り戻したフランクは、ロボットを相棒と感じるように。そして彼は、ロボットを巻き込んである野望をかなえようとするが……。(シネマトゥデイより)



本作はアメリカのインデペンデント映画で、
250万ドルの低予算作品ですが、なかなかの佳作だと思います。
ちょっと学生映画っぽい素人臭さもあるのですが、その手作り感も味になってます。
ジェイク・シュライアー監督は本作が初長編映画らしいのですが、
なんでも脚本のクリストファー・フォードとは大学の同級生だったそうで、
本作も原案はフォードが卒論で書いた台本だったみたいです。
その経緯もあって、学生映画の延長線上みたいな印象を受けるのかもしれません。
まぁ学生映画であれば、低予算と言えども250万ドルなんて予算は無理だし、
名優フランク・ランジェラが主演を受けてくれないでしょうが…。

本作の出来のよさは、主演のフランク・ランジェラの好演あってのものでしょう。
彼が演じるフランクは元宝石泥棒で一人暮らしの老人ですが、
重い見当識障害(認知症の症状のひとつ)を患っているという難しい役です。
そんなボケ老人が主人公だと、雰囲気が重たくなりそうなものですが、
現実味を維持しつつもとても軽妙に演じており、かなり観易い作品になっています。
彼の演技により、本作はアメリカでも批評家から絶賛されたり、
サンダンス映画祭でも賞を受賞したりと高評価を得ましたが、
日本人としては、そんな主演俳優よりも気になるのは、
もうひとりの主演である介護ヘルパーのロボットではないでしょうか。

一人暮らしの父フランクの世話をするため、週一で家を訪れる息子のハンターですが、
十時間もかけて通うのが面倒なので、介護用に開発された高性能人型ロボットを買い、
父の世話をさせることにします。
白いボディに黒いカバーの付いた顔の二足歩行ロボットで、
どうみても日本が誇るロボット、本田のASIMOにそっくりです。
というか、監督自身もモデルは日本のロボットであると認めており、
ASIMOが本作のロボットのモデルであることは事実のようです。
日本人にとっては愛着のあるデザインで、ロボットがとても愛おしく思えます。
それにロボットの人間の友情は、『ドラえもん』『キテレツ大百科』など、
漫画やアニメなどでもよく描かれる、日本人が好む題材のひとつです。
きっと本作も日本人ウケしやすいはずなので、もっと大規模公開するべきです。
それにロボットを友達と考えるのは、日本人特有の感性と言われていますが、
本作のような友達ロボットものがアメリカで製作され、好評を得たことは、
日本のポップカルチャーの影響と考えられ、興味深い現象だと思います。

ハリウッドのSFロボット映画でも、ロボットは大抵反乱を起こしますが、
基本的にアメリカ人(欧米人)は人型ロボットに警戒心が強いそうで、
「ロボットに介護させるなんてとんでもない」と考えている人も多いです。
だから人型ロボットや介護ロボットの開発は日本でしか進まないのですが、
本作でもそんな保守的なアメリカ人も登場します。
フランク自身も当初は「寝ている間に殺される」なんて言ってましたが、
特に彼の娘マディソンのロボット嫌いは尋常ではなく、あんなに愛らしいのに、
彼女がなぜそこまで毛嫌いするのかは、日本人には理解に苦しいほどです。
そんなロボット差別主義者の彼女が、人道支援活動に熱心なのは皮肉ですね。
そんなアメリカで介護ロボットを題材にした作品はかなり珍しいのではないでしょうか。

ASIMOそっくりの本作のロボットですが、ASIMOは介護なんて出来ないし、
本作のロボットの方が当然高性能で、会話まで出来ます。
本作はほんの少し未来が舞台ですが、あのレベルで会話できる人工知能は、
ボクの存命中には開発できないんじゃないかな?
でも劇中では人工知能よりも脚部の構造の進化がVGC-60Lの高性能なところらしいです。
ASIMOと同じように常に中腰状態なので、現在の最新ロボットとそう変わらないのにね。
それまでのロボットはローラーで移動するものが多かったみたいで、
劇中でも四角いボディのローラー型の助手ロボット、ダーシーが登場します。
(VGC-60Lとダーシーのシーンは、C-3POとR2-D2みたいで面白かったです。)
たしかにVGC-60LはASIMOよりも全身が滑らかに可動している気がしますが、
むしろそこはロボットらしくなくて残念だったと思いました。
VGC-60Lはスーツアクター(女性だからスーツアクトレス?)が中に入って動かしており、
言わばキグルミなわけですが、ちょっと人間臭い無駄な動きが多すぎる気がしました。
…おっと、ロボットについて長々と書きすぎました。以下、ストーリーの感想です。

息子ハンターがロボットに自分の世話を任せたことが不愉快なフランク。
ロボットはフランクの健康管理をプログラムされているので、
好きなシリアルも食べさせてもらえないし、運動させようと仕向けられたりと、
ロボットのことをちょっと鬱陶しく感じるフランクですが、
介護施設に入れられるよりはマシかと、ロボットの世話を甘んじて受け入れます。
ある日、フランクがいつものように石鹸屋でバスボムを万引きしているところを、
女性店主に見つかってしまいまい、万引き失敗しますが、同行していたロボットが、
彼が万引きしそびれたバスボムを彼に代わってちゃっかり万引きしており…。
どうやらロボットには善悪がプログラムされておらず、
主人の手助けをしただけで、泥棒を悪いことだと判断できないようなのです。
善悪が判断できないロボットなんて、ちょっと怖いですね。
法律がプログラムされてないだけならいいけど、ロボット三原則は大丈夫でしょうか?
しかしそれがキッカケで、フランクはロボットをすっかり気に入ります。

フランクは地元の図書館司書の熟年女性ジェニファーに片思いしていますが、
その図書館がNPOによりデジタル化プロジェクトが進められることに。
紙の本が余所に送られることになり悲しむジェニファーのために、
元宝石泥棒のフランクはロボットにピッキング技術を教え、
ロボットと協力して図書館から彼女の好きな稀覯本『ドン・キホーテ』を盗み出します。
しかしデジタル化プロジェクトの責任者であるジェイクから、
犯人ではないかと疑われたフランクは、この気に入らない若造をギャフンと言わせようと、
彼の家から貴金属を盗み出す計画を立て、ロボットの力を借りて実行します。
ロボットなら金庫のダイヤルの全パターンを短時間で試せるので、
金庫の暗証番号がわからなくても開けることができるって寸法です。
見事にジェイクから貴金属を盗み出したフランクとロボットですが、
当然のようにジェイクや警察は前科者の元宝石泥棒であるフランクの犯行を疑います。
屋敷の見取り図など、物的証拠は全て処分したものの、
警察からロボットのホログラフィックメモリを差し出すように言われ…。
メモリを解析されれば犯行がバレるため、ロボットはフランクに消去するように勧めるが、
フランクには相棒であり友達であるロボットの記憶を消すなんてことはできず…。
フランクは逮捕されるのか、それともロボットのメモリを消すのか、…という物語です。
以下、ネタバレ注意です。

フランクはロボットを連れて逃げ、暫らくジェニファーの家に身を隠すのですが、
彼女の家には、なぜか若い頃の自分とのツーショット写真が飾ってあり…。
なんとジェニファーは、30年前に離婚した元妻だったのです。
彼らが再会した時には、フランクは見当識障害を患っており、
ジェニファーのことを元妻だとも気付かずに片思いしてたんですね。
全く予想外の展開だったので意表を突かれました。
いつもならこのくらいの展開は予想できそうなものですが、
フランクとロボットの顛末にばかり気を取られていたため全く気付きませんでした。
巧妙に真実を悟らせないようにした、うまい脚本なのだろうと思います。
でもそれが本筋に大きく影響しているかと言えば微妙なところで、
その後なぜか自宅に帰ったフランクは、ロボットのメモリを消去してしまうのです。
ロボットよりも大切な元妻とヨリを戻したからロボットはもう不要になったのかな?
なんて思ったりもしましたが、彼は消去する直前まで消去に反対していたので、
ジャニファーが元妻だとわかったことはメモリの消去とは関係なさそうです。

というよりも、フランクがなぜ急にロボットのメモリを消去したのか、
彼の心境がイマイチ掴めないんですよね…。
なんとなく、ロボットから自分のメモリを消去するように説得されるうちに、
見当識障害が進行して、朦朧としながら消去ボタンを押したような印象を受けました。
そんな重要な決断を、まさか無意識でやったなんてことは考えにくいですが、
メモリを消す動機がわからない以上は、そう考えるしかなく、
最後の最後にこんな曖昧な結末を迎えるとは、ちょっと残念です。
というか監督や脚本家も、彼がメモリを消す動機を考えつかなかったんじゃないかな?
だから病気のせいにして無理やりオチを付けたように思ってしまいます。
その後フランクは、施設に入りますが、妻や子供たちがお見舞いに来たりして、
ちょっと幸せそうな感じで幕を閉じますが、ロボットのその後は描かれません。
きっと警察に証拠品として押収されたりしたのでしょうが、
見当識障害が進行したフランクは、ロボットのメモリを消去したことも覚えてないかも。
それどころか、ロボットのこと自体をどれほど覚えているのかも怪しいです。
ロボットもメモリが消去され、フランクのことは覚えていないはずなので、
双方ともに相手のことは覚えていないという点では、うまい着地点とも言えますが、
やはりちょっと寂しい結末だったと思います。
まぁ悲しい別れも忘れちゃっているので、結果的に(ジェイク以外は)誰も不幸にならず、
みんな幸せそうだから、ハッピーエンドには違いないです。

オチは多少モヤモヤするものの、心温まるいい映画だったと思います。

コメント

>メモリを消す動機
実は自分がメモリが消えてた。それでも元嫁も好きだったし、泥棒もできた。アシモの次もやろうぜ!っての聞いて消したんじゃないですかね。最後の息子への宝石移譲でフランクの記憶が消えてないことはわかるんだけど、何かよくわからなかったですね。微妙な赤い糸原理主義映画でしょうか。

  • 2016/02/06(土) 22:50:35 |
  • URL |
  • 無記名 #SFo5/nok
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

よくわからないながらも後味は悪くないので、
これでいい気もしますが、わかるともっと良かったです。
赤い糸原理主義という言葉は初めて聞きました。
それもよくわからないです。すみません。

  • 2016/02/07(日) 22:00:39 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

私は最後のシーンで「息子は父を超えた。」
という一言に真相の意味を持たしてるような気がしました。
あくまで推測ですが。

ただ息子が稼業?を継いだという描写は本作中では強引ですし、
しかし、万が一そうならアシモを自らその為に送り込んだ。とも思えなくはない。
最後の宝石のありかを知った息子の表情が少し意味深だったような。
まぁ、そんな想像をするのも狙いでしょうかね。。

  • 2016/10/11(火) 00:37:15 |
  • URL |
  • 無記名 #-
  • [ 編集 ]

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