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スター・トレック イントゥ・ダークネス

昨日から3日間、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』が先行上映されてます。
暦の上ではお盆は終わってますが、お盆休みに上映して少しでも稼ぎたかったのでしょう。
ボクは映画はなるべく早く観たいタイプなので、先行上映は嬉しいですが、
本来なら来週末に公開だった映画が前倒しで観てしまったため、
来週末に観たい映画がなくなってしまいました…。
お盆休みの翌週は新作のラインナップが貧弱になるのは毎度のことですが、
観たい映画が1本も公開されないなんて、配給会社が正月休みの年始以来です。
うーん、来週末はかなりハードルを下げて『ガッチャマン』でも観ようかな?
駄作臭が半端ないですが、ブログを全く更新できないのも辛いし…。

ということで、先行上映で観た映画の感想です。

スター・トレック イントゥ・ダークネス
Star Trek Into Darkness

2013年8月23日日本公開。
J・J・エイブラムス監督によるSFシリーズ『スター・トレック』の続編。

西暦2259年、カーク(クリス・パイン)が指揮するUSSエンタープライズは、未知の惑星の探索中に巨大な地殻変動に遭遇。彼は深刻なルール違反を犯してまで原住民と副長スポック(ザカリー・クイント)を救おうと試みるが、地球に戻ると船長を解任されてしまう。ちょうど同じ頃、ロンドンの宇宙艦隊データ基地が何者かによって破壊され……。(シネマトゥデイより)



本作の感想に入る前に、本作の監督であるJ・J・エイブラムスに対し、
どうしても釈然としないことがあるので、そのことから書きます。
本シリーズ『スター・トレック』とライバル関係の『スター・ウォーズ』ですが、
ディズニーがルーカス・フィルムから『スター・ウォーズ』の映画化権を買収したことで、
シリーズ7作目となる最新作では、生みの親であるジョージ・ルーカスが監督を降板し、
J・J・エイブラムスが撮ることが正式に決まっていますが、
彼は自分が立ち上げた(リブートした)『スター・トレック』シリーズの監督なのに、
ライバルに浮気するなんて、トレッカーに対する裏切りで、ちょっと納得できません。
それに両シリーズにはライバル同士、切磋琢磨していいものを作ってほしいのに、
AKB48のライバルである乃木坂46を秋元康がプロデュースするのと同じで、
そのライバル関係が茶番に思えてしまいます。
ディズニーも『ジョン・カーター』で失敗したからって、
金にものを言わせて人気シリーズを買収するなんてみっともない。

同じ監督が同じジャンル(宇宙SF)を撮れば、似通った作風になるのは必然です。
まぁ同じジャンルでも『スター・ウォーズ』がスペースオペラなのに対し、
『スター・トレック』はハードSFなので、方向性は真逆だし、
全く同じような雰囲気にはならないと思いたいですが、
J・J・エイブラムス監督がリブートした『スター・トレック』は、
(詳しくは後述しますが)すでにハードSFとは言えないほど科学的論理が破綻してるし、
明確な差がなくなりそうな予感を感じます。
正直ボクは『スター・トレック』は旧シリーズもほとんど知らず、
断然『スター・ウォーズ』派なので、J・J・エイブラムスも敵方だと思っていたし、
そんな彼がジョージ・ルーカスと交代するなんて不本意です。
J・J・エイブラムスなんて、単なるスピルバーグファンのSF映画オタクの小者で、
ルーカスの代役なんて荷が勝ちすぎており、務まるわけないです。
オタクはプロには向かないというが、彼がまさにそんなタイプで、
過去の名作SF映画の影響を受けすぎており、独創的な発想ができないように思います。
彼の渾身のSF映画である『SUPER 8』の出来栄えを見たら、それは明白です。
ぶっちゃけライバル云々は関係なく、彼が『スター・ウォーズ』を撮ることが許せません。

もし本作が面白ければJ・J・エイブラムス監督に対する評価も見直したでしょうが、
本作もSF映画として、かなり出来が悪いと言わざるを得ないでしょう。
ボクにとって『スター・トレック』シリーズほぼ初体験だった前作も、
古臭くてあまり面白味のない物語だと思ったけど、本作はそれに輪を掛けて酷いです。
まぁ巨額の製作費が投入されてるだけのことはあり、映像の出来は文句なしですが、
この脚本はあり得ない出来だと思います。
ストーリー自体はそれなりのもので、前作よりは幾分マシな気がしましたが、
世界観の設定があまりに荒唐無稽で、全然ハードSFじゃないし、
「何でもアリ」にもほどがある展開が多くて、もうどうでもよくなってきます。
以下、ストーリーを追いながら、何がダメなのか問題点を指摘したいと思います。
まだ正式な公開日前だし、ネタバレ注意です。

宇宙暦2259年、カーク艦長率いる宇宙戦艦エンタープライズ号は、
未開の惑星ニビルを調査中、危機的状況になった副官スポックを救うため、
カークが惑星連邦艦隊の規則違反をしてしまい、艦長の任を解かれます。
地球に帰還した直後、ロンドンで艦隊のデータ保管施設が爆破される事件が発生し、
その対策のため、艦長級会議が開かれますが、爆破犯の艦隊士官ハリソンが、
その会議室を襲撃し、カークの上官であるパイク艦長が殺されてしまいます。
ハリソンは小型ワープ転送装置で惑星クロノスへと逃亡します。
マーカス提督はカークをエンタープライズ号の艦長に復帰させ、
謎のテクノロジーで作られた最新型魚雷でハリソンを追撃する任務を命じます。
惑星クロノスは連邦と敵対するクリンゴンの本拠地で、そこに着陸したカークらは、
クリンゴンの襲撃を受け、絶体絶命のピンチになりますが、彼らを助けに現れたのは、
なんと追っていたハリソンで、クリンゴン撃退後なぜか投降し、
カークは彼を逮捕しますが、そこにマーカス提督の最新型宇宙戦艦が現れ、
なぜかエンタープライズ号に攻撃を仕掛けてきます。

爆破犯ハリソンは本名をカーンといい、遺伝子操作で超人化された強化人間で、
300年前から人工冬眠カプセルで眠っていた彼を、マーカス提督が目覚めさせたのです。
提督はまだ冬眠カプセルで眠っているカーンの部下たちを人質にして、
クリンゴンとの戦争に備えて、超人的頭脳のカーンに武器や戦艦の開発をさせますが、
カーンは部下たちを救い出すために、艦隊施設を爆破したのでした。
部下たちの冬眠カプセルは、エンタープライズ号に搭載した魚雷の中に入っているので、
カーンはエンタープライズ号に乗るために、大人しく逮捕されたのです。
一方のマーカス提督は、コリンゴンとの戦争準備が表沙汰になると立場が危ういので、
カーンを拘束しているエンタープライズ号ごと撃沈させるつもりです。

カークはカーンに共闘を提案し、機関士スコッティと3人で提督の戦艦に潜入。
マーカス提督を殺したマーカスは裏切り、カーンらを拘束し提督の戦艦をジャック。
エンタープライズ号にいる副官スポックと、魚雷とカーンの取引を行います。
しかし取引後、カーンに攻撃され、大ダメージを受けたエンタープライズ号ですが、
スポックの作戦で魚雷を起爆させ、両戦艦とも地球に墜落を始めます。
カークはひとりで放射線まみれのエンジンルームに飛び込み、動力を普及させ、
エンタープライズ号は持ち直しますが、カークは被曝し、死んでしまうのです。
(エンタープライズ号が、放射線を撒き散らす核動力だったのは意外です。)
友人カークの死に怒ったスポックは、サンフランシスコに墜落したカーンに、
ひとりで戦いを挑む、…というようなストーリーです。

とにかく酷いと思った展開は、ラストで一度死んだカークが生き返ったことです。
強化人間カーンの肉体は超再生能力細胞で構成されており、
カーンから輸血を受けることで、死んだ人間でも生き返ってしますのですが、
ゲームじゃないんだから、そんな復活薬みたいなのはあり得ないです。
カーンは再び冬眠カプセルで眠らされますが、そんな方法がありなのであれば、
今後誰が死んでも彼を使えば生き返れることになり、物語に緊張感がなくなりますよ。
せめて今回一回限りのこととして、カーンは殺しておくべきでした。
カーンの血液に回復効果があるのは、序盤の病床の女の子のシーンでもわかってたので、
きっとその再生能力が伏線になるだろうとは思ってましたが、
せめて回復できるのは瀕死状態程度にすべきで、完全に死んだ人間を生き返すなんて、
サイエンス・フィクションだからと言って、何でもアリにもほどがあります。
それにそんな不死の超人カーンと、スポックが互角に戦っていたのも納得できません。
クリリンを殺された孫悟空みたいに、スーパーバルカン星人でもなったとか?

スポックの何でもアリな設定で言えば、本作にも未来のスポックが登場し、
老スポックから昔戦ったカーンについてのアドバイスを受けるのですが、
困った時に未来の自分に助言をもらえるなんて、SF映画として禁じ手ですよね。
前作からタイムトラベルの設定はあるので、今回のこれもその延長線上ですが、
それをしていいなら、今後どう行動すべきか全てわかっちゃいますよ。
今回の老スポックはそれほど重要なアドバイスはしなかったし、
ぶっちゃけ物語の展開上、全く不要なシーンだったので尚更無用な設定に思えます。
前作に引き続き老スポック演じるのは旧シリーズのスポック役の俳優で、
古参ファンに対するサービスなのはわかりますが、そんなことは一度やれば十分です。
古参ファンの目配せに気を取られるあまり、新規ファン予備軍に違和感を与えるのは、
あまり賢い選択とは言えず、自身が古参ファンのオタク監督が陥りがちな失敗です。

あと、ワープについてもあまり納得できません。
時短のための移動手段として宇宙戦艦がワープするのはいいと思うけど、
人間が単身でどこにでもワープできる瞬間移動的なものは、
便利すぎて何でもアリな印象を受けてしまいます。
展開上ワープがあると都合の悪い時は、装置の故障とか通信の不具合とかで茶を濁し、
なんだかご都合主義な印象も受けますしね。
まだ戦艦のワープコアを使って、個人を転送するのはギリギリ許せるけど、
カーンの使った携帯できる小型ワープ転送装置は反則でしょう。
それで宇宙中どこでも好きに移動できるなら、エンタープライズ号なんて必要ないし、
もう宇宙戦艦による宇宙航行というシリーズ最大の特徴を自ら台無しにしています。
SFはファンタジーの一種ですが、ファンタジーにもその世界のルールがあり、
そのルールに基づいて物語が成立しているから面白いのです。
瞬間移動、時間旅行、そして死者復活…、ここまで何でもアリなルール無用の状況では、
ストーリー展開に関心を持ちにくく、「もう勝手にすれば?」って思っちゃいます。
『スター・ウォーズ』最新作は、こんなルール無用の状態ではなく、
ちゃんとルーカスの設定に則ったものになることを切に祈っています。

あと、クロノスでカークたちがクリンゴンを殺してしまったことで、
クリンゴンとの戦争は避けられないとマーカス提督が言ってたのに、
戦争になるどころか、クリンゴンの報復も一切なく、
終盤ではクリンゴンの「ク」の時も出てこないまま、
ハッピーエンドで幕が下りてしまったのは納得できません。
こんなに酷いSF映画なのに、何故か批評家からの評価もいいんですよね…。
続編(第三弾)の製作も決まっているみたいで、現状では何の期待もできないけど、
J・J・エイブラムス監督が『スター・ウォーズ』に移って、
本シリーズから離れるようなことがあれば、一転して続編には期待できるかも。

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