ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

アイアン・フィスト

今月初めに、ボクシングの亀田三兄弟の三男、亀田和毅のタイトルマッチがあり、
彼は見事勝利し、WBO世界バンタム級王者になりましたね。
これで三兄弟全員が世界王者になり、ギネス世界記録にも認定されました。
でも何故でしょう、全然嬉しくありません。
ボクはスポーツの国際試合で、日本代表や日本人選手が勝利したり活躍すると、
かなり嬉しがるタイプなのですが、亀田三兄弟に限っては全然嬉しくないです。
たまにバラエティ番組などで亀田興毅や亀田大毅を見ますが、別に嫌いじゃないです。
あ、もちろん亀田三兄弟の父である亀田史郎は大嫌いですよ。
大嫌いというか、暴力団関係者だしテレビに映っちゃいけない人です。
先日の試合も中立国で開催されたらしいけど、国外だと史郎がセコンドに付けるので、
目障りなものを見なくても済むように、是非国内で試合をしてほしいです。

でも亀田三兄弟が試合に勝っても嬉しくないのは、史郎が嫌いだからではないかな。
単純に試合がクソつまらないから、そんな試合で勝っても喜べないだけかも。
先日もそうでしたが、亀田三兄弟のタイトルマッチって判定ばかりで全然面白くないです。
防衛戦とかまで見てるわけじゃないけど、ベルトを獲った試合は全部判定でしたよね?
KO勝ちでチャンピオンになれば、きっとボクも喜べるんじゃないかと思いますが、
ぐだぐだ最終ラウンドまで小突きあって、ジャッジの主観による点数で勝敗が決まるけど、
自分で見ていて勝敗がわからない試合なんて面白いはずはないです。
ボク自身、亀田三兄弟が本当に勝っていたのかわからないんだから、
彼らがチャンピオンだと言われても全くピンとこないです。
本当の意味で相手を倒していないのに、強いなんて思えませんし…。
あと、急にWBOなんて団体が日本で認められたようですが、
チャンピオンが乱立したら、ますますチャンピオンの価値がわかりにくくなり、
亀田三兄弟以外のタイトルマッチも面白くなくなりそうな気がします。

ということで、今日はプロレス団体WWEやK-1のチャンピオンも出演する映画の感想です。

アイアン・フィスト
The Man with the Iron Fists

2013年8月3日日本公開。
ラッパーRZAが監督・主演・脚本・音楽を務めた異色カンフーアクション。

数多くの部族が抗争に明け暮れる19世紀中国のジャングル・ヴィレッジで、後継者問題から族長が暗殺されたことを発端にライオン族の内部紛争が勃発。それは部族内にとどまらず他部族も巻き込んだ巨大抗争へと発展してしまう。争いの絶えない街の中で唯一平和だった娼館ピンク・ブロッサムでも、ついにし烈な戦いが巻き起こり……。(シネマトゥデイより)



カリスマ的なHIPHOPクルー「ウータン・クラン」のリーダーであるRZAが初監督し、
原案・脚本・音楽、そして主演までRZAが務めた本作ですが、
カンフー映画が大好きなだけあり、趣味丸出しのカンフーアクション映画になりました。
まぁ本人が好きなんだから仕方ないんだけど、本職はラッパーの他業種監督なんだし、
それを観るお客さんはもっと本業を活かしたHIPHOPな作品を期待するんじゃないかな?
日本でも芸人がメガホンを取る他業種監督ブームみたいなのがありましたが、
やっぱりどうせ芸人が撮るならコメディ映画を期待しますもんね。
これでは他分野で得た自分の名声を使って好き勝手やってるだけの自慰行為なので、
ラッパーなんだから監督一作目くらいはHIPHOPを題材にした作品がよかった気がします。
音楽も手掛けているのはミュージシャン畑の他業種監督らしいと思うけど、
序盤のアクションシーンのBGMにラップミュージックが使われている程度で、
あまりHIPHOP色を全面に出しているわけでもないです。
まぁ正直、ラップ入りのBGMなんてあまり使い勝手がいいとは言えないし、
普通にアクション映画としては懸命な判断とも言えますが…。

また本作は、かなりサブカル臭のするエクスプロイテーション風アクション映画ですが、
(もっと言えばブラックスプロイテーション映画な部分も。)
これはRZAがクエンティン・タランティーノの影響を強く受けているからです。
実際にタランティーノの監督作『キル・ビル』や『ジャンゴ』では、
彼も楽曲を提供しており、一緒に仕事をした経験もあるみたいです。
本作は「タランティーノ全面バックアップ」みたいな文句で宣伝されていますが、
これは事実無根であり、タランティーノは本作に全くタッチしていません。
ただ「プレゼンツ」としてクレジットされることを承諾しただけで、
言ってしまえば単なる名前貸しです。
もし承諾してもらえなかったら、本作なんて完全にタランティーノ映画のパクリですが、
名前を貸してもらいお墨付きを得たことで、その批判を回避しています。
RZAと一緒に共同脚本を務めたのも、タランティーノの信望者イーライ・ロスなので、
どう転んでもタランティーノ映画風になってしまいますが、
せっかくの初監督作品なんだから、もっとRZAの独自性を出すべきですよ。
ルーシー・リューまで起用して、わざわざ『キル・ビル』の雰囲気に似せる必要あるのか。
滅茶苦茶な設定の荒唐無稽なアクション映画なのに、既視感が半端ないです。

そのせいか成績もパッとせず、全米初登場4位ですが、
B級アクション映画なので製作費も控えめなため、失敗作ってほど酷い結果でもないけど、
満を持して監督デビューしたカリスマ・ラッパーの作品としては物足りない結果です。
中国を舞台にしたカンフー映画なので、巨大な中国市場でも稼げると思っただろうけど、
この内容ではたぶん中国での公開すら難しいでしょうね。
主要登場人物の中国人は、ほとんどアジア系アメリカ人俳優を起用しており、
それも韓国系やベトナム系など、中国系ですらないキャスティングだしね。
そもそもウータン・クランがどれほどアジアで人気があるのかは微妙です。
日本の宣伝でやたらと(実質無関係な)タランティーノの名前を利用するのも、
RZAでは客は呼べないという判断でしょう。
出演者のクレジットもラッセル・クロウを先頭にしている映画サイトが多いし…。
ボクはHIPHOPに嵌っていた時期があるので、ウータンもそれなりに知ってたし、
本作も一応はRZA目当てで観に行ったのですが、こんな全くHIPHOPじゃない内容なら、
本作のRZAなんて単なる新人の黒人俳優でしかないです。

とにかくボクの感想としては、HIPHOP色が薄いのが悔やまれたことに尽きますが、
タランティーノ風のアクション映画が面白くないはずはなく、
ジャンル映画としてはそれなりに楽しめたと思います。

19世紀の中国、叢林村というところに、元黒人奴隷の鍛冶屋サディアスがいました。
彼は粉花楼という娼館の売春婦シルクと恋仲にあり、彼女を身請けするため、
悪党から武器の作製依頼を受けて金を稼いでいました。
ある時、皇帝の金塊を運ぶ輸送団が村を通過することになり、
提督は村の武装集団「猛獅会」に金塊輸送の護衛を依頼します。
しかし金塊を巡り、猛獅会で内部抗争が起こり、首領の金獅子が部下に殺され、
そのクーデターを主導した銀獅子が猛獅会の後継者になります。
その知らせを聞いた、金獅子の息子である"X刀"のゼン・イーは、
総獅会に復讐しようとするが、銀獅子は"金剛"のクォンを刺客に差し向けます。
仕込み服で全身武装したゼン・イーも、肉体を真鍮に変化させるクォンには歯が立たず、
半殺しにされますが、鍛冶屋サディアスに助けられ、こっそり匿われます。
しかしそれが猛獅会にばれ、サディアスはクォンに両腕を斬り落とされるのです。
両腕を失い、死にかけている彼を手当てしたのが"Mr.ナイフ"こと謎の英国人ジャック。
ジャックは彼に鋼鉄の義手"アイアン・フィスト"を作って装着させ、
サディアスは鋼鉄の腕を持つ男"ブラック・スミス"となり、猛獅会に復讐を誓います。

サディアスがアイアン・フィストを装着するまでに上映時間は1時間以上過ぎますが、
ちょっと前置きが長すぎる気がしましたね。(総上映時間は1時間36分なのに…。)
もうちょっとそのスゴイ義手で暴れまわるシーンも見たかったですが、
結局それを使うのは、クライマックスのクォンとの戦いくらいのものでした。
しかも実際にアイアン・フィストを鍛え上げたのは、
天才武器鍛冶屋のサディアスではなかったのもちょっと微妙な展開です。
まぁ彼は両腕を失っているから、鉄を叩いたり出来る状態じゃないですが…。

アイアン・フィストを装着するまで、主人公のサディアスにバトルはなく、
中盤までは主に猛獅会を巡る闘争が描かれます。
まず村の敵対組織である「群狼団」を、サディアスの鍛えた鉤爪で全滅させます。
群狼団もサディアスの鍛えた斧で戦いましたが、猛獅会の武器の方が強かったのかな。
群狼団は武器の作製を急がせたのが悪かったのかも…。
その後、猛獅会は金塊輸送団を護衛する"双飛"と対決します。
二人一組で戦う夫婦で、かなり強かったですが、多勢に無勢で…。
しかも猛獅会の仲間である"毒剣鬼"のダガーに不意打ちをくらい死んでしまいます。
ダガーの武器は水銀を注入した吹き矢で、やはりこれも鍛冶屋サディアス製です。
前首領・金獅子を殺したのもダガーで、彼は猛獅会の黒幕的存在であり、
終盤までマントで顔を隠しているので、てっきり彼の正体は驚くべき人物なのでは?
…と思ったのに、いざ顔を晒すと、全然知らない白髪のオッサンで拍子抜けしました。
どうやらジャックの知り合いではあるみたいなのですが、
全く伏線がないため、その驚きは観客に全然伝わりませんね。
双飛を殺された提督は最強の軍隊「胡狼隊」を出陣させます。
しかし胡狼隊が到着する前に、金塊を預けている粉花楼のマダム・ブロッサムが裏切り、
彼女の売春婦くのいち部隊「黒蜘蛛」と、猛獅会が激突します。
黒蜘蛛は恐るべきハニートラップの使い手でしたが、
マダム・ブロッサムが猛獅会No.2の銅獅子と相打ちになり…。
というように、いろんな武装集団が三つ巴、四つ巴で割拠している世界観です。
どの集団も個性的で面白いですが、そこにサディアスらも参戦します。

サディアスは猛獅会を敵とするジャックとゼン・イーと共闘しますが、
黒人、白人、アジア人(黄色人種)と人種を超えたトリオですね。
ただ、終盤までジャックの素性が明らかにならず、なぜ彼が猛獅会と敵対し、
両腕を失ったサディアスを助けるのかがわかりにくいので、
共闘するという熱い展開のはずが、イマイチ盛り上がりに欠ける気がしました。
まぁ彼の素性を匂わすシーンはあるので、概ね予想はできますが…。
なお彼の正体は皇帝直属の密使でしたが、別に終盤まで伏せるほどの素性でもないです。
サディアスはクォンと、ジャックはダガーと、ゼン・イーは銀獅子と、
各々因縁の相手とタイマンを張る展開になるのですが、
銀獅子は猛獅会のボスのくせに弱すぎる気がしました。
化け物染みた強さのクォンがなぜ彼に従うのか謎です。
クォンを演じているのは元WWEチャンピオンのデビッド・バウティスタ。
筋肉ムキムキのマッチョなオッサンで見るからに強そうですが、
更に筋肉を真鍮化させるから、どんな刃物も通じません。
でもサディアスの鉄製の義手なら、それなりに通用するみたいです。
どう考えても腕だけ金属の男よりも、全身金属の男の方が強そうですが、
サディアスは少林寺的な「無極寺」で修業した経験があり、カンフーもできます。
クォンも単なる堅い力持ちではなく、「虎拳」なる滅びたカンフーを使います。
でもジャイアントスイングとか、プロレスラーみたいな技も使うけど…。
サディアスの怒りの鉄拳がクォンを粉々に砕き決着がつきますが、
やはり金属同士とはいえ、真鍮程度では鍛えられた鋼鉄には勝てなかったのかな。

ラストは戦場である粉花楼に胡狼軍が総攻撃しようとするのを、
皇帝の密使であるジャックが間一髪で制止することに成功し、
金塊を無事輸送することができて、めでたしめでたしでしたが、
結局、劇中で全く戦わなかった胡狼軍が最強みたいな展開は…。
それなら猛獅会なんて、わざわざサディアスたちが戦わなくても、
胡狼軍が攻め入れば簡単に制圧できた気がしてしまいます。
まぁそんな展開の緩さも、カンフー映画らしい気もしますが…。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/1086-ce0032a1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad