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俺のムスコ

2004年のハリウッド映画で日本ではビデオスルーとなった『バス男』が、
原題の『ナポレオン・ダイナマイト』に改題して再発売されることになりました。
当時は『電車男』ブームだったので、便乗して『バス男』なんて邦題にしたようですが、
「時代に便乗して、こんな邦題をつけてしまい、大変申し訳ありませんでした」と、
発売元・20世紀フォックスの謝罪文が再販売版の帯に載るそうです。
まぁこの謝罪も話題集めのネタであり、原題に戻して再発売するのも、
ブームが終わり便乗する意味がなくなっただけで、発売元に謝る気なんてありません。
その証拠に、再発売日と同日に20世紀フォックスからリリースされるDVDの中に、
『かぞくモメはじめました』という邦題のハリウッド映画がありますが、
これは『かぞくはじめました』という2010年のハリウッド映画の便乗です。
『かぞくはじめました』は公開中止された作品なので便乗する意図がわかりませんが、
つい1年半ほど前も大ヒットしたドラマ『マルモのおきて』に便乗して、
『グレッグのおきて』『ラモーナのおきて』という2本のDVDをリリースしました。
どちらも原作小説は日本でも発売されている児童文学で、
それぞれ『グレッグのダメ日記』『ビーザスといたずらラモーナ』という邦題もあるのに。

あ、それで思い出したけど、『グレッグのおきて』の続編『グレッグのダメ日記3』が、
現在スターチャンネルで放送されているみたいですね。
どうやら劇場公開はもとよりビデオスルーもされないみたいで、
スターチャンネルに加入するしか見る方法がないようです。
全米で大ヒットした映画シリーズだし、ボクも大好きですが、
スターチャンネルに加入してないので見ることができません。
児童文学『ジュディ・モードとなかまたち』の映画化『ジュディの夏休み大作戦』も
来月スターチャンネルでのみ放送されるようで、そちらも見たかったので残念です。
どんなふざけた邦題付けても文句言わないから、ビデオスルーにしてくれないかな?
「iTunes」などでの有料配信でもいいのでお願いします。

ということで、今日はちゃんとビデオスルーになってくれたハリウッド映画の感想です。
ビデオスルーでも有難く思ってしまう日本の洋画市場の現状は悲しいです。

俺のムスコ
Thats My Boy

2013年7月24日リリース。
アダム・サンドラー製作・主演によるコメディ。

セクシーな女教師マクギャリクルとの過ちから、ドニー・バーガーは中学生でパパになった。数十年後、成長したドニーの息子のハン・ソロは家出して行方知れず、気がつけば税金4万3000ドルを滞納し、ドニーの暮らしはすさむ一方だった。そんなある日、新聞の一面を飾る息子の写真を偶然発見! ビジネスで成功した彼は、名前をハン・ソロからトッドに変え、美女ジェイミーと結婚するという記事が掲載されていた。すっかり有名人になった息子の姿に驚くのもつかの間、滞納金返済に四苦八苦していたドニーは、ある計画を実行するため、親友を装い結婚を控えるトッドを訪ねる。(公式サイトより)



主演のアダム・サンドラーは、『ジャックとジル』に続き、
本作でゴールデン・ラズベリー賞の最低主演男優賞を2年連続受賞しました。
更に本作は最低脚本賞も受賞し、他にも最低作品賞、最低助演男優賞、最低監督賞、
最低スクリーンカップル賞、最低アンサンブル賞でノミネートされました。
全10部門制覇した『ジャックとジル』の快挙に比べれば控えめな受賞結果ですが、
本作がどれほど酷い内容なのかを窺い知るには十分な情報です。
これでは日本で劇場公開されるはずもなく、ビデオスルーも仕方ないですが、
まぁアダム・サンドラーはビデオスルーの常連なので、
彼が主演というだけで劇場公開を検討することもなくビデオスルーになりそうだし、
ラジー賞の受賞結果はあまり関係なさそうですけど…。
それにラジー賞はネタ的な受賞も多く、あまりアテにはなりません。
むしろ本作の評価として注目すべきなのは、その興行成績でしょう。
全米興収は製作費の半分にも満たず、海外興収を足しても製作費の回収できていません。
近年のアダム・サンドラーの主演作の中でも、最低のオープニング成績だったようで、
興行的には完全に失敗しました。
観客にまで見放されるのは、ガチで酷い作品の証拠です。

その結果も、本作を実際に鑑賞して納得しました。
メインプロットは父と子の和解を描いた人情喜劇でそれなりに楽しめます。
だけど下ネタがちょっと酷すぎます。
もちろんアダム・サンドラー主演のR指定コメディなので、
下劣な下ネタ満載であろうことは見る前から予想はできていたし、
むしろそうでなくては彼の主演コメディらしくないという期待もありました。
しかし本作の下ネタは全く笑えず、笑えない下ネタほど最低なものはないです。
本作の下ネタは、下品とか卑猥とか言う以前に、性倫理的に問題があります。
別にR指定コメディなんだから倫理を守って真面目な内容にするべきとは思いませんが、
性的嫌悪感を催してしまい、理屈じゃなく楽しめません。
下ネタがアブノーマルすぎて、一般人には受け入れ難いものになっています。

13歳のドニーは、彼の通う中学校の数学教師マクギャリクル先生と関係を持ちます。
しかも彼女を妊娠させてしまい、中学生で父親となるのです。
マクギャリクル先生は法定強姦の罪で逮捕され、懲役30年の刑に処されます。
ドニーは「女教師とエッチ」という男の憧れを叶えた少年として全米で有名になり、
リアリティ番組に出演したり、自伝を出版したり、彼のことが映画化されたりと、
一躍モテモテの人気セレブとなります。
これが本作の1つ目の性倫理的問題があるところです。
たしかに美人女教師とエッチというのは青少年の憧れかもしれませんが、
中学校教師が13歳の教え子に手を出すというのは、かなり禁忌ですよね。
男子生徒と女教師だったから、なんとなくあまり深刻な印象を受けませんが、
これが逆に男性教師が13歳の女生徒を孕ます話であれば、コメディにすらなりませんし、
映画が世に出ることも難しかったと思います。
こんな内容では小児性愛に厳しいアメリカでヒットしないのも当然ですが、
児童ポルノ規制強化される日本でも、世が世ならリリースできなかったかもしれません。
所詮はフィクションだし、この小児性愛行為自体はそれほど問題だと思いませんが、
その後ドニーが世間から持て囃されるという小児性愛を是とするかのような展開は、
納得できないし、一般映画として倫理的に問題があり不愉快でした。

それから28年後、一時のセレブ生活が嘘のようにドニーは落ちぶれています。
女教師とエッチしたってだけのスキャンダルで、そんなに人気が続くはずないですね。
ドニーは4万3000ドルも税金を滞納しており、週明けまでに納めないと3年間投獄されます。
彼は金を作るため、昔馴染みのリアリティ番組のプロデューサーに相談し、
収監中のマクギャリクル先生と息子の再会シーンを撮れたら5万ドル支払われることに。
しかし息子のハン・ソロは18歳で家を出ており、それ以来ずっと疎遠状態です。
彼はドニーを最低な父親だと思っており、自分の出自を隠してトッドに改名しています。
まぁ13歳で女教師を妊娠させた父親なんて、恥ずかしくて隠したいですよね。
でも普通なら13歳の教え子に手を出し逮捕された母親の方がもっと恥ずかしいですが、
なぜか彼は母親に対してはあまり遺恨がないみたいで…。
それもそのはず、彼は父親が人気者で全然かまってくれなかったことが不満だったのです。
忙しくて真っ当な父子関係が築けなかったなんて、あまりにありがちな設定です。
それだけなら法定強姦なんて際どい展開は必要なかった気がします。
まぁ「ハン・ソロ」なんて名前付けられただけでも父親を恨む理由としては十分かな。
小学校3年生の時に背中にダサいアイドルグループのタトゥー入れられてるし、
これも完全な児童虐待で、倫理的に笑えないネタでしたね。

トッドは婚約者ジェイミーとの結婚するため、上司の別荘で結婚式の準備をしています。
ドニーは息子を母親と刑務所で面会させるため、その別荘を訪問しますが、
トッドは「父親は爆死した」と周囲に嘘を付いていたため、ドニーを友人と偽ることに…。
ヒョウキンなので上司や婚約者の家族にすっかり気に入られてしまったドニーは、
トッドのベストマン(新郎付添人)まで仰せつかります。
はじめは嫌がていたトッドも、結婚式準備やバチェラーパーティで一緒に行動する中で、
次第にドニーのことを父親として見直し始めます。
ドニーも久しぶりに息子と楽しく過ごす中で、当初の目的のリアリティ番組のことなど、
どうでもよくなり、父子関係はかなりいい感じになります。
ところが、トッドが勝手に母親と面会しようと刑務所まで行ってしまい、
刑務所にはリアリティ番組のクルーが待ちかまえており、
彼は「ドニーの目的はコレだったのか」とショックを受け、父子関係は再び崩壊し…。
刑務所の面会室にテレビカメラが入れるなんて、あり得ない気がしますが、
アメリカのリアリティ番組ならそれくらいのことはやりそうかな。
だけどそもそも28年も前に話題になった人の再会を見て喜ぶ視聴者がいるのかは疑問。

再び息子に嫌われたドニーは、婚約者ジェイミーに仲を取り持ってもらおうと、
ジェイミーの部屋を訪れるのですが、そこで彼女の不倫現場を目撃してしまいます。
しかもセックスのお相手は、彼女の実弟チャドで…。
完全に近親相姦で、法定強姦に続いてまたしても性倫理的に問題のある展開です。
法定強姦は倫理以前に法律違反なので問題ですが、近親相姦は道徳的に禁忌であり、
性的嫌悪感だけなら小児性愛よりもキモチワルイように思います。
これだって「婚約者が不倫現場を目撃」という展開だけで事足りるはずなのに、
なぜわざわざこんな際どい展開をブチ込んでしまうのか理解できません。
もう脚本家の性的趣向としか思えません。(変態AVの見過ぎじゃないか?)
しかしそれ以上に性的不快感を感じたのは、バチェラーパーティ帰宅後にドニーが、
友人と一緒にトッドの上司の母親と3Pする展開です。
彼女はもう80歳くらいのお婆さんですよ。
小児性愛と違って老人性愛は法律的にも倫理的にも問題ないかもしれないけど、
老人を性の対象にするなんて、ただただ理解できず、失礼ですけど気持ち悪すぎます。
この展開も物語上の必要性は全くなく、ただ観客に不快感を与えただけです。
まぁドニーは中学生の頃からかなり年上の女性が好きだというのはわかりました。

ちなみにその時の3Pに加わっていたドニーの友人というのは、
ラッパーのヴァニラ・アイスで、彼は本人役で本作に出演しています。
ヴァニラ・アイスのことはボクも聞いたことがありますが、
どうやら一発屋だったみたいですね。
本作でも落ちぶれてファーストフード店でバイトしていますが、
一発屋同士で、ドニーとはウマが合うのかもしれません。
でもヴァニラ・アイスのブレイクって、たしか十数年前ですよね。
28年前にブレイクしたドニーとショービズ界で友人になるのは無理がある気が…。
しかし本人役で一発屋として映画出演するなんて、プライドはないのかな?
本作をキッカケに再ブレイクを狙ってたのかもしれないけど、
こんな大コケ映画では、自分の価値をますます貶めただけです。
代表曲「ICE ICE BABY」も挿入歌に使用されています。

ジェイミーから口止め料の小切手を渡されたドニーですが、
トッドのためにその小切手を破り捨て暴露します。
婚約者の近親相姦を知ったトッドは婚約を破棄し、
それを知らせてくれたドニーに感謝し、父子は再び和解します。
しかしリアリティ番組からのギャラも支払われず、口止め料まで放棄したため、
4万3000ドルの滞納した税金を納めることができなくなり…。
ところが物語の序盤で買ったオッズ8000倍のギャンブルが見事的中し、
大金を手に入れることができて、めでたしめでたし、
…って、いくら何でもそんなオチは安易すぎますよ。
マラソンで超デブの選手が優勝することに賭けたのですが、
周りの選手が全員食中毒で倒れたとかならまだわかるけど、
普通に競技して彼が優勝しちゃうなんて、絶対にあり得ないです。
小児性愛、近親相姦、老人性愛、あと人種差別などで批判されている本作ですが、
それらの倫理的批判に隠れがちですが、脚本の酷さもかなりのものです。
ラジー賞の最低脚本賞もガチの結果だと納得しました。

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