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不安の種

先達ての参院選は自民党と公明党の与党が圧勝でした。
正直、ボクは自民党にも、もちろん公明党にも投票していませんが、
結果的に民主党が惨敗し、衆参のねじれが解消したことはよかったと思います。
ねじれ時代に0増5減を行う公職選挙法改正案が参議院で採決されず「みなし否決」になり、
衆議院で再可決した時は、それなら参議院なんていらないだろと本当にムカついたので、
ねじれが解消されて、そんな無駄な時間がなくなることは喜ばしいことです。
ただ、ねじれがないので衆議院で決まったことは絶対に参議院で通るわけで、
単なるカーボンコピーならやっぱり参議院なんていらないってことになりますね。
何も仕事しないに等しい存在なら、参議院議員の人件費等は税金の無駄です。

というか、コイツに仕事させたら日本がダメになるんじゃないかと思うような輩が、
この度の参院選で数人当選しちゃっているのが不安です。
誰とは言わないが、「竹島いらない」と言っている反原発の元俳優とか、
ならず者国家・北朝鮮にも友好的な消費税に延髄蹴りの老人とか…。
なかでも最悪なのは、日本一のブラック会社の会長が当選したことですよね。
コイツにだけは厚生労働関係の仕事を触らせてはいけません。
日本の過労死や労働者の自殺が増えそうで不安です。
こんな不安の種どもに投票した奴がいるなんて信じられません。

ということで、今日は映画『不安の種』の感想です。
不安どころか期待でいっぱいの作品です。

不安の種
不安の種

2013年7月20日公開。
中山昌亮原作のコミックを実写化したホラー。

不思議な出来事が頻発する地方都市、富沼市。バイクで事故に遭ってしまった誠二(須賀健太)に助けを求められたバイク便ライダーの巧(浅香航大)。しかし、誠二は医学上は死亡していた。誠二は意識が遠のく中、誠二と巧を遠くから眺める恋人・陽子(石橋杏奈)との出会いを思い出す。その後バイク便ライダーを辞めた巧は、次のアルバイト先で陽子に出会い……。(シネマトゥデイより)



こんなに面白いJホラーに出会ったのは何年ぶりか、ってほどに面白かった本作ですが、
あまりJホラーらしいホラー映画ではなく、いわゆるホラー・コメディですね。
かなり笑えるコメディなのですが、怖いところは並のホラー映画よりも怖い、
生理的不快感と痛快感が同時に味わえてしまうような、変わったテイストの映画です。
しかも物語構成には仕掛けが満載で、観客の予想は必ず裏切られるワクドキの展開。
監督はギミックの効いたモキュメンタリー『放送禁止』シリーズの長江俊和で、
とても彼らしい(いい意味で)挑発的でトリッキーな興味深い作品だと思います。

原作は漫画誌『週刊少年チャンピオン』などに連載された中山昌亮の同名ホラー漫画で、
原作は一話完結のショートオムニバスだったようですが、
本作はその中のエピソードを忠実に実写映像化しながらも、オムニバス形式にはせず、
3人の人物を中心にエピソードを繋げ併せたアンサンブルキャスト方式を取っています。
各エピソードの面白さは原作そのままに、その繋げ方にも展開を面白くする工夫がされ、
一連のストーリーとして不条理でサイコスリラー的な展開に構成してあり、
単なる漫画の実写化とは呼べない見事な構成になっており、
もしかすると繋ぎ方の工夫の分、原作の面白さを超えているかもしれません。
とはいえ、各エピソードがつまらなければ、いくら上手く繋いでも無意味で、
やはり本作の面白さは、原作のエピソードの出来の良さにあるのは間違いないです。
本作で使用されたどのエピソードも、長編映画化しても通用しそうな渾身のネタで、
それが惜しみなく次々に投入されている本作は、勿体ないくらいに贅沢。
ボクは原作漫画も数話しか読めてないのですが、本作を観たら全巻揃えたくなりました。

原作では登場人物も舞台も各話バラバラですが、
本作は「富沼市」という架空の地方都市を舞台にしています。
物語は無数のナメクジのような目玉が、道路を這いずるシーンから始まります。
それ気付かず目玉の上を踏みつけながら市内に向かって走る一台の乗用車。
車に乗るのは幼い子連れ4人家族で、富沼市に引越してきたようです。
普通の家族だけど、車内で子供たちが唄っている童謡が、
「靴が汚れるから歩くのが嫌い」みたいな意味不明で不気味な歌詞で、
冒頭からそこはかとない違和感を盛り上げてくれます。
幼い兄妹のお兄ちゃんは、引越先の家で妙なものを見るが…。

シーンが変わり、バイク便の青年・巧のエピソードに。
配達中、右半身だけ垣根に嵌ってしまった若者に助けを求められる巧。
どうやらバイクの転倒事故で、垣根に突っ込んでしまい自力では抜けられないようで、
巧はなんとか垣根を掻き分けて引っ張り出してあげるが、その男に右半身はなく…。
すると次は、その死んだ男・誠二の回想にシーンが変わります。
誠二は大学入学のため、半年前に富沼市に引越してきたようで、
そのしばらく後に、一年先輩の陽子と付き合い始めます。
陽子は超常的なものが見える霊感少女で、もうすぐ死ぬ人もわかるそうです。
そんな彼女から誠二は「もうすぐ死ぬ」と予言されてしまいます。
その予言通り、彼は半年後にバイクの転倒事故で右半身を失い死ぬわけです。
彼女は幼い時に富沼市に引越してきた直後に起きた、家族が惨殺される事件がキッカケで、
超常的なものが見えるようになってしまったそうです。
なんと彼女は、冒頭の4人家族の兄妹の妹の方だったのです。

というように、本作は時系列がバラバラに構成されています。
でも客が混乱してしまうほどバラバラでもなく、
基本的には誠二がバイク事故で変死するまでの半年の経緯と、
誠二の変死に遭遇してしまったバイク便の巧のその後が並行して描かれます。
つまり誠二の変死を境に、事前と事後の物語が交互に展開するわけで、
誠二と巧の2つの物語は時系列的に同時進行してないはずなのですが、
必ずしもそうとは言い切れないのが本作の構成の面白いところです。
もっと言えば更に過去の陽子の惨殺事件も、本当に過去の出来事なのか…。
つまり描かれる各エピソードは、登場人物と舞台(富沼市)は共通しているけど、
実は同時間軸上にはないかもしれないという不条理な構成となっているのです。
何だかそう書くとかなりややこしそうな印象を与えるかもしれませんが、
簡単に言えば誠二の物語は当然バイク事故による変死で終わるはずですが、
ルート分岐があり、違うオチになるかもしれないということです。
ネタバレになりますが、ぶっちゃけてしまうと、誠二はバイク事故で死にません。
代わりにバイク事故で右半身を失くしてしまうのは巧になります。
中盤過ぎにルート分岐が起こっていることがわかるのですが、
そうなってくると全く先の展開が読めなくなります。
まさか誠二の新しい結末があのエピソードに繋がっているとは驚きでした。

巧の物語はだいたいこんな感じ。
誠二の変死事故を目の当たりにしてショックを受けた巧は、
バイク便の仕事を辞め、陽子の働くファミレスでバイトを始めます。
ある日のバイト中、奥のテーブルに自分しか見えていない客を発見した巧。
陽子は巧に「その客にかかわり合いにならない方がいい」とアドバイスしますが、
どうしても気になる彼は、そのテーブルに注文を取りに行ってしまいます。
垣根の件では酷い目に遭ってるのに懲りない男ですね。
巧が話しかけるも客はすぐに姿を消し、その時は何事もなく終わるのですが、
その夜彼が帰宅の途に着くと、その客が現れて自宅のアパートまでついて来るのです。
そしてアパートの前のゴミ捨て場に立ち、ずっと彼の二階の部屋の窓を見上げています。
その客に攫われるんじゃないかとビビる巧は、アパートを出ることが出来なくなり…。
しかし数日後の朝、窓からゴミ捨て場を見ると、その客の姿はなく…。
でもゴミ捨て場のゴミ袋の中から、腕らしきものが出ているのが見え、
よせばいいのに懲りない彼は、それが何なのか確認しにアパートを降ります。
恐る恐る確認してみると、それはマネキンの腕だったのですが、
その直後、腕の無い凄まじい顔の女に「私の腕を返せ」と金槌で殴られ気絶、
気が付くと部屋で寝ており、どうやら心配して訪ねてきた陽子に助けられたようですが、
アパートの前には金槌女といつの間にか戻ってきた客が立っており、
ますますアパートから出られなくなります。
なんとも気の毒な話ですが、要らぬことをして状況を悪化させる藪蛇の典型で自業自得。
化物のストーカーが増えるところなんて、ちょっと滑稽で笑ってしまいますね。

一方の誠二の物語は、陽子に「もうすぐ死ぬ」と予言を受けた彼ですが、
半信半疑のまま普通に生活しています。
ある日、彼はアパートの自分の部屋のドアに小さな丸いシールが貼ってあるのに気付き、
人の顔にも見えるその不気味なシールを「何だこれ?」と剥がし投げ捨てます。
シールは風に乗り、右隣の部屋のドアに付着。
すると次の朝、右隣の部屋の住人が室内で死んでいるのが発見され…。
更にその夜、誠二の部屋のドアにまた同じシールが貼ってあり、
彼は今度は左隣の部屋のドアに貼り付けますが、やはりその部屋の住民が死にます。
陽子曰く、シールから「洒落にならない異常に悪い気」が出ているとのこと。
誠二は部屋のドアにシールが貼られていないか気にするようになりますが、
それ以来ドアには貼られてなかったものの、彼のバイクに貼られており…。
あぁ、このシールの呪いで彼は転倒事故を起こして変死するのか、と納得しましたが、
前述のようにルート分岐があり、彼は今度は転倒事故を起こしません。
そのシールは自然に剥がれ落ち、落ちたシールは近所の子供の悪戯で、
アパートの化物から逃げようとしていた巧のバイクに貼られるのです。

これにより、垣根の話の事前と事後だったはずの誠二と巧の物語が、
実は平行に同時進行していたという時間的に歪んだ、不条理な展開になります。
誠二の物語は回想ではなく一種のループだったと言えるかもしれません。
この後は不条理な展開の連続で全く予想ができなくなります。
巧は富沼市が異常な街だから変なことばかり起きると考えているので、
バイクで富沼市を脱出して隣の杏京市に入ったことで、ホッとしたのも束の間、
いつの間にかバイクの後部座席に不気味な顔の少年が乗っていることに驚き、
ハンドルを取られて転倒し、道路沿いの垣根に突っ込み、右半身を失うのです。
「富沼市を出たのに何故?」と思ったら、ちょうどその日、
富沼市は杏京市と市町村合併し、富杏(不安)市となっていたのでした。
合併したことで怪異のテリトリーが広がったというまさかのオチで、笑っちゃいました。
このシールの顔によく似た不気味な少年が、あの有名な「オチョナンさん」ですね。

一方、垣根で死ぬ運命を免れた誠二は、その後陽子と結婚し、息子もひとり授かります。
この幼い息子は作文に「僕の家にはオチョナンさんがいます。」と書いており、
オチョナンさんは誠二や陽子がいる前には現れませんが、
息子がひとりで留守番している時などは、家の中をぐるぐる回っているようです。
心配した誠二は自分の親父に息子が書いたオチョナンさんの似顔絵を見せると、
親父は「オチョナンさんは家の守り神みたいなもので大丈夫」と言います。
ただし目の吊り上がったものは「悪いオチョナンさん」で注意が必要とも…。
その場にいた息子は、押し入れからオチョナンさんがコッチを覗いているに気付きますが、
その顔は悪いオチョナンさんで…。
その直後、停電があり、誠二が懐中電灯を照らすとそこにさっきまでいた家族の姿はなく、
代わりに現れた半身だけの巧が彼に襲いかかってきます。
(このシークエンスはかなり怖かったように思います。)
誠二は包丁で必死に抵抗し、巧を何度もぶッ刺し息の根(?)を止めます。
しかし気が付くと彼が殺したのは陽子の父親で、その場には幼い陽子も…。
なんと20年近く前の陽子の家族惨殺事件の犯人が誠二だったという驚愕のオチです。

この不条理な展開はループ的なものというよりは、
オチョナンさんの陰謀で、誠二だけが過去に飛ばされたと考える方が簡単ですね。
オチョナンさんの真の目的は誠二ではなく陽子の方で、
誠二が消えた後、残された陽子と息子の前に現れたオチョナンさんの姿は、
惨殺事件の時に犯人に襲われ行方不明になっていた彼女のお兄ちゃんでした。
オチョナンさんとはつまり、「お長男さん」が語源という解釈なのでしょう。
そういえば、惨殺事件では父親の遺体しか発見されず、
兄の他にも母親が行方不明になっていたはずです。
彼女がどうなったのかははっきりとは描かれていませんが、
事件の時に腕を斬り落とされていたので、もしかすると例の金槌女なのかも?
序盤で誠二がナンパしかけた顔が藁の女も怪しいけど、
ラストシーンを見る限りでは藁の女はその後の陽子と考える方が自然です。
見えない客の正体は全く想像できませんが、一番の謎は陽子の本性かな。
巧のバイクに例のシールが貼られたのを確認しているくせに見殺しにしてるし、
極端な二面性の持ち主で何を考えているのかわからない不気味な存在でした。
結局過去に飛ばされた誠二の安否も不明のままですが、全てを詳らかにしないで、
何とも言えない不安感を少し残すところが、本作のタイトルの所以かもしれません。

フランス語

長江俊和監督の作品の感想
放送禁止 劇場版 密着68日復讐執行人
ニッポンの大家族 Saiko! The Large family 放送禁止 劇場版(企画協力)
パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT

コメント

感想乙です。自分は見ていて正直頭がおかしくなりました。
あの街にいると時間移動ができるって事でしょうか?
まあ、そう解釈すればつじつまが合いますが。

個人的に一番かわいそうだと思ったのは、巧のほうです。
誠二を助けようとした日を境に、謎の客につきまとわれる、
腕がないすごい顔のかなづち女に出会い、腕を返せばいいのに
恐怖で返せずじまい、陽子と別れのキス中に子供にオチョナンさんシールをバイクに貼られる。せっかく狂った町から脱出したのに、
シールと町の合併で半分こ怪人に。

誠二の家族に襲ってきたのは復讐とも解釈できますね。

陽子は自業自得として、何の罪もない子供まで藁人間に。

ちなみに自分は仮面ライダー(須賀くん、津田さん、乾巧、バイクなど)を思わせるシーンがあったので、怪奇ホラーで怪人に負ける戦闘力のない最弱仮面ライダーを見てるつもりで見てましたwwww

  • 2014/04/06(日) 12:15:49 |
  • URL |
  • 無記名 #zHTyKSPE
  • [ 編集 ]

このホラーは不条理さを楽しむものだと思うので、
頭がおかしくなるという反応は正解だと思います。
たぶん解釈もひとそれぞれだと思いますが、
ボクは妹・陽子を狙ったオチョナンさんが、
邪魔な誠二を過去に飛ばしたのだと感じました。

須賀健太って仮面ライダーだったんですか?
ボクは仮面ライダーを見てないのでそんな印象はなかったけど、
彼にはホラー映画をするような印象もなかったので、
彼が半分人間を演じているシーンはかなり意外でした。

  • 2014/04/07(月) 19:37:12 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

返信ありがとうございます。

須賀さんは正確には仮面ライダーではなく、

仮面ライダーウィザード&フォーゼの映画、

スーパーヒーロー大戦Zに出てくるサナギマンを演じていたんです。

自分も半分人間誠二のシーンはかなり意外でした。

ちなみに私は原作のほうが大好きです。

映画ではなくTVでやるべきでは?とよく思ってしまいますwww

  • 2014/04/10(木) 20:29:26 |
  • URL |
  • 無記名 #-
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ほー、原作漫画の方が面白いんですか。
本作はオムニバス形式の物語を映画としてうまく繋げているので、
その手腕が見事だと感心して、原作を超えてると思い込みましたが、
原作を知ってる人からすると、そうでもなかったのかな?
たしかにテレビだったら、1話15分から30分くらいのドラマで、
オムニバスのまま放送できるからいいかもしれませんね。
ただ今のご時世、自主規制が強くてテレビでホラーは難しいかも。
できるエピソードもあるでしょうが、半分人間はたぶんアウトです。

  • 2014/04/11(金) 21:55:06 |
  • URL |
  • BLRPN #-
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やっぱ自主規制ですか。それがなけりゃあなあ・・・と思ってしまいます。

ちなみに今更わかった事ですがお母さん役の女優さん、栗原瞳さんだと気づきました。
この人はお父さん役の津田さんと龍騎で共演しています。
龍騎の劇場版、次回作555の劇場版でも出演なさってます。
とくに栗原さんはホラーものに結構出演されていて、
最近では白石晃士監督の戦慄怪奇ファイル コワすぎ!の4作目
トイレの花子、5作目の劇場版序章・お岩の呪いに出演されていました。
須賀くん、津田さん、栗原さん、乾巧、半分人間、バイク、時間移動・・・
さらに兄妹が物語の重要な存在など龍騎と同じで、この不安の種は
あきらかに平成仮面ライダー(とくに龍騎、555、W、フォーゼのサナギマン)大好きな人が作っているとしか思えません。
ついでにラストの半分人間巧の動きはゾンビっぽく、このゾンビ動きする怪人は
仮面ライダーでよく見かけます。

  • 2014/09/02(火) 17:08:27 |
  • URL |
  • 無記名 #zHTyKSPE
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Re: タイトルなし

『コワすぎ!』の4作目は見ました。
正直、栗原瞳の顔はハッキリと思い出せませんが、
机に潰されて死んだ女の子かな?

本作と平成ライダーの出演者にそれだけ共通点があるのなら、
長江俊和監督が平成ライダーを好きな可能性はありますね。
彼が脚本を務めた『行方不明』にも、
出演者10人中4人が平成ライダー経験者のようです。
『行方不明』は面白くないのでオススメしませんが…。

  • 2014/09/02(火) 23:00:23 |
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