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V/H/S シンドローム

知人がテレビを買うというので、付き合って家電量販店に行きました。
ボクは地デジ移行時に(嫌々ながら)テレビを買い替えましたが、
当時と比べると液晶テレビもかなり安くなってますね。
中には「4K」とかいうめちゃめちゃ高画質な高級テレビもあり、
普通の液晶テレビと並べて映像を比較できるように展示されていましたが、
これから普通の液晶テレビを選ぼうというボクらには酷な仕打ちです。
たしかにかなり映像に差があり、普通の液晶テレビの購買意欲を奪うほどですが、
ウチの安い液晶テレビでも比較対象に展示された液晶テレビより映像が綺麗な気が…。
咬ませ犬として、わざとイマイチに見える設定にしてあるような?
技術の進歩はめまぐるしいので、そんな4Kテレビも数年後には咬ませ犬になってるかも。
映像の綺麗さなんて追い掛けていたら、キリがないような気がします。
でも昔はボクもVHSの4倍録画でも何の支障も感じず見れてたのに、
人間の目って肥えるものですね。

ということで、今日はVHSの粗い映像が満載な映画の感想です。

V/H/S シンドローム
VHS.jpg

2013年7月13日日本公開。
タイ・ウェストら気鋭の映画監督が結集したオムニバスホラー。

とある古めかしい屋敷に侵入し、1本のビデオテープを盗み出してほしいという依頼を引き受けた、ゲイリー、ザック、ロックス、ブラッドの不良4人組。屋敷に忍び込んだ彼らの目に飛び込んできたのは、おびただしい数のVHSテープとその傍らにある死体だった。困惑しながらも報酬のために、膨大なビデオテープをかたっぱしから再生して指定のVHSを捜そうとするゲイリーたち。だが、それらには想像や人知を超えた恐ろしい映像が収められており、さらに再生するたびに仲間が一人ずつ姿を消していき……。(シネマトゥデイより)



6人の新鋭ホラー映像クリエイターによる、
6つのPOV(主観映像)ホラーから構成された本作は、
サンダンス映画祭やシッチェス映画祭で上映され話題になりました。
客の評判や批評家の評価も上々で、すでに続編も完成しています。
なのでボクも楽しみに観に行ったのですが、評判ほどではなかったかも…。
6つの作品の変則オムニバスなので仕方ないですが、玉石混淆状態で、
6本の中には面白いものもあればイマイチなものもあります。
その打率は贔屓目にみても5割くらいかな…。
そしてなにより、上映時間が長すぎます。
ホラー映画が盛り沢山に6本も入ってるんだから仕方ないですが、
POV特有のぶれまくる映像を2時間ちかく観るのは少々しんどいです。
特にあまり面白くないエピソードの時にやたら長く感じられ、
実質上映時間以上の長々しさを感じてしまいます。
思い返してみると、面白かったと思えたエピソードは、
どれもテンポがよかったような気がします。

オムニバスなので、各エピソード別に感想を書きます。
ネタバレもしていると思いますが、オチがイマイチ理解できなかったものも多いです。

「Tape 56」
オムニバスな本作ですが、一応このエピソードが枠物語です。
4人の犯罪者グループが、ある民家から1本のVHSテープの盗むという依頼を受けます。
その家に忍び込むと、家主と思われる人物が死んでおり、部屋には大量のVHSが…。
目的のVHSを探すため、手分けして1本ずつ再生し中身を確認するが、
そこに映っていたのは恐ろしい恐怖映像だった…、という話です。
彼らが再生したVHSの映像が、他のエピソードという構成になっており、
POVの劇中劇としてPOVが流されるという、ちょっと変わった構成ですね。
そのVHSを見た彼らは、ひとり、またひとりと姿を消します。
最後に残った主犯格ゲイリーが、消えた仲間を探していると、家主の死体が消えており…。
彼は仲間の首なし死体を発見したところで、家主のゾンビに襲われて幕を閉じます。
結局、彼らにVHSを盗み出す依頼をした人物の素性や目論み、
目的のVHSの中身が何だったのかなどは謎のままで、何ともスッキリしない結末です。
このエピソードの監督は続編『V/H/S/2』でも続投するらしく、
どうやらそこでこの続き(?)が描かれそうです。
でも枠物語としてあれだけ引っ張っておいて、意外性も全くない単なるゾンビオチなんて、
この監督の実力なんて推して知れるし、彼には続投してほしくないかも…。
もちろんこのエピソードは6本の中ではハズレな方です。

「Amateur Night」
枠物語で真っ先に発見され再生されることになるのがこのエピソードになります。
シェーン、パトリック、クリントの友達3人組は、
街でナンパした女の子をこっそりハメ撮りしようと、メガネに隠しカメラを仕込みます。
そのカメラの映像がこのエピソードですが、まさに目線カメラで、これぞPOVですね。
バーでリリーのお持ちりに成功し、ショーンが彼女とセックスを始めると、
リリーは彼を噛み殺し、更にパトリックも噛み殺されます。
クリントは慌てて部屋から逃げ出しますが、リリーは彼の後を追ってきて…。
非常階段でクリントに追いついたリリーですが、他の男とは違って攻撃せず、
「あなたが好きよ」といって、普通にフェラチオをしようとします。
しかしクリントはそれを拒否し、彼女がショックで泣き崩れた隙に野外に逃げ、
通りすがりの人に助けを求めた瞬間、上空からリリーに捕獲され…。
その時のリリーの腕は翼になっており、彼女はコウモリ女だったようです。
初っ端のエピソードが、クリーチャーものだったのは意外でしたね。
やはり一発目だから、最もインパクトのあるものを選んだのだと思われますが、
このエピソードは6本の中ではアタリだと思いました。
何がよかったのか説明は出来ませんが、強いて言えばリリーのサイコっぷりかな。
淫乱で凶暴で、パトリックを噛み殺す時に彼を去勢したのが印象的です。
でもなぜかクリントにだけは優しい、ツンデレ感が魅力的です。

「Second Honeymoon」
2本目に再生されるのがこのエピソードです。
ステファニーとサムの西部旅行をハンディカムで撮った映像です。
旅行中、あるモーテルに泊った2人ですが、その夜、大学生くらいの女の子が、
「明日、同乗させてほしい」とヒッチハイクの交渉に部屋を訪れます。
サムは断りますが、2人が寝静まった後、彼女は部屋に侵入し、
彼の財布から100ドル失敬し、彼の歯ブラシを便器に浸けて帰ります。
透明のフェイスマスクを装着した女の子でしたが、頼みを断られた腹いせに、
サムに対して嫌がらせをしたのかな、…と思ったら、
次の日の夜は、寝ている彼の首をナイフでぶッ刺すのです。
その後、彼女はステファニーと熱烈なキスをするのですが、もう意味不明な展開です。
なにより、このエピソードは、占いマシンのシーンとか崖の観光地のシーンとか、
プロットと全く関係ないシーンが多くて、無駄に長く感じます。
それにVHSでこの映像を見た男は、特に消えることもなく、
「これで終わりか?」と言って、すぐに次のVHSを見始めます。
長いし枠物語にも影響しないし、このエピソードは丸々なくてもよかったです。

「Tuesday the 17th」
その次のVHSに映っていたのがこのエピソードです。
湖に遊びに来た若者グループが、殺人鬼に襲われるという内容で、
訳すと「17日の木曜日」というタイトル通り『13日の金曜日』のオマージュですね。
しかしこのエピソードの殺人鬼は、ジェイソンと言うよりもプレデターです。
殺人鬼は2~3人いるみたいで、姿が見えません。
…いや、裸眼では見えているようなんですが、なぜかビデオカメラの映像には映らず、
VHSの映像では殺人鬼の姿は光学迷彩を着ているように透明に見えます。
裸眼では見えないけど電子機器には映る幽霊や怪物ってのはよく聞くけど、
その逆ってのは珍しく、なかなか興味深い演出だったと思います。

「The Sick Thing That Happened to Emily When She Was Younger」
これも興味深い手法のPOVで、全編ビデオチャットの映像です。
その手法が素晴らしいのは、単にPOVとして珍しいからではなく、
固定カメラなのでブレが少なく、映像としてもとても見やすいところですね。
ネット回線なので、映像に乱れが生じることがあるのですが、それも味です。
一人暮らしのエイミーは、彼女の部屋で夜な夜な奇妙な足音がすることを、
遠距離恋愛中のジェームズに相談します。
ジェームズは彼女とのチャット中に、彼女の後ろに小さな女の子が映るのを見ます。
その後、怪奇現象はどんどん酷くなり、彼女は女の子の霊と話をしようと考えますが、
その女の子の霊によって、気絶させられてしまいます。
その直後部屋に現れたのが、遠くにいるはずのジェームズで、彼はエイミーの腹を割き、
腕を突っ込んで彼女の体内から胎児らしきものを取り出すのです。
幽霊騒動に託けて、彼女を堕胎させる話かなとも思いましたが、
どうやらそんな単純な話ではないようで、これは宇宙人による陰謀で、
宇宙人はエイミーを保育器にして、宇宙人と地球人のハーフを作っているみたいです。
エイミーの腹は復元され、彼女の記憶も改竄されて、彼女は自分の心霊体験が、
統合失調症と双極性障害による勘違いだと思い込まされます。
心霊ホラーだと思ったらSFホラーという、とにかく意外なオチでした。

「10/31/98」
最後のエピソードですが、実はこれ、枠物語「Tape 56」の終了後に流されるので、
犯罪者グループが見たVHSの映像ではなく、一種のオマケの1本みたいな感じでしたが、
正直ここまでに何本も観てきたので、もうお腹一杯だし、蛇足感は半端ないです。
その上、かなりつまらない内容という、どうしようもない締めの1本で…。
タイトル通り、ハロウィンの日を舞台にした物語ですが、
目線カメラの映像というのは「Amateur Night」と被ってるし、
若者グループの惨劇というのは「Tuesday the 17th」と、
民家に不法侵入は「Tape 56」、家の怪奇現象は「The Sick…」と被ってます。
体力的にも疲れてきてるし、POVにも飽きてきた終盤で、
こんなに既視感の強いエピソードを見せられるのは、正直かなり辛いものがあります。
ハロウィンの日に、若者4人がパーティに出掛けるが、パーティ会場の家を間違え、
知らない人の家に上がり込んでしまいます。
その家の屋根裏で男たちが1人の少女を拷問しているのを目にし、その少女を助けますが、
彼女を車に乗せて逃げる途中で、車が踏切の上で動かなくなり…。
いつの間にか彼女の姿も消えており、彼らは列車にひかれてしまう、という話です。
おそらく屋根裏で行われていたのは拷問ではなく悪魔祓いで、
彼らは囚われの少女を助けたつもりが、魔女を自由にしてしまったのでしょう。

ゾンビホラー、吸血鬼ホラー、サイコホラー、殺人鬼ホラー、SFホラー、
そして悪魔ホラーと、いろんなホラーが一挙に観れる本作ですが、
やはりひとつひとつは小粒な印象です。
6本は多すぎるので、もっとエピソード数を絞った方がいいと思います。
「Second Honeymoon」と「10/31/98」を切って、4本にするのが理想かな。
しかし上には上があるもので、来週末公開のオムニバス・ホラー『ABC・オブ・デス』は、
なんと26本もの短編エピソードで構成されているのだとか…。
逆にそこまで多いと、玉石混淆は避けられないでしょうが、
一本当たりのテンポもかなりいいはずで、本作のように中弛みしなくて済むかも?
本作の制作サイドも長すぎたと自覚しているのか、
続編『V/H/S/2』はエピソードが5本となり、時間も短縮されたようです。
各エピソードの監督も、本作よりも実績のあるビッグネームが揃っており、
次こそは期待できるのではないかと思います。
まぁ本作のように若手にチャンスを与えるのも大切ですけど、
若手をフックアップするなら、枠物語は大物監督が担当すべきです。

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