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モンスターズ・ユニバーシティ

昨日はピクサーのアニメ映画『モンスターズ・ユニバーシティ』を観てきましたが、
ハリウッドのアニメ映画を観るのは、これが今年2本目になります。
いやー、日本ではハリウッド・アニメが本当に劇場公開され難くなってきてますね。
1本目は『シュガー・ラッシュ』でしたが、安定的に公開するのはディズニーだけです。
あ、あと『怪盗グルー』のイルミネーションも東宝東和配給なので公開されやすいかな。
でも『不思議の国のガーディアンズ(仮題)』や『ザ・クルーズ(原題)』も公開未定で、
あのドリームワークス・アニメでさえ、公開され難い状況が窺えます。
アーマンドの『ザ・パイレーツ!』もブルースカイの『エピック』も公開未定、
…というか、たぶん劇場公開されることはないでしょう。
全体的にはアニメ映画の劇場公開本数は増えてる気がするんですが、
日本のアニメよりもハリウッドのアニメが好きなボクとしてはちょっと複雑な気分です。
昨日の盛況ぶりを見ると、日本人もハリウッド・アニメが苦手ってことはないと思うけど、
やっぱりディズニー映画というブランドがないと観てもらえないのかな?

ディズニーと言えば、クラシックス53作目の邦題が『アナと雪の女王』に決まり、
先日予告編も公開され、日本では来年3月に公開になるそうです。
全米公開の結果を待たずに日本公開が決まるのはさすがディズニーですね。
Wヒロインのプリンセスものになるようで、とても楽しみにしていますが、
その前にピクサー作品『カーズ』のスピンオフ『プレーンズ』も年末に公開されるとか。
でもそれはピクサーではなく、ディズニートゥーンで制作するみたいです。
もともとはビデオシーケンスだったようですが、劇場公開されることになりましたが、
劇場公開しないと勿体ないくらいの面白い作品が出来たのかも?
しかも三部作らしいですが、本家『カーズ2』はコケたのに、かなり強気ですね。

ということで、今日はディズニー・ピクサー最新作の感想です。

モンスターズ・ユニバーシティ
Monsters University

2013年7月6日日本公開。
ピクサーの人気アニメ映画『モンスターズ・インク』の前日譚。

人間の子どもたちを怖がらせ、その悲鳴をエネルギー源として用いるモンスターの世界。そこに暮らすモンスター青年マイクは、明朗活発でポジティブな思考の持ち主だったが、仲間よりも体が小さくてルックスもかわいいことに劣等感を抱いていた。これでは子どもたちを絶叫させる“恐がらせ屋”にはなれないと、世界中のモンスターが憧れを抱く名門大学「モンスターズ・ユニバーシティ」に入学。期待に胸を膨らませる彼だが、そこにはサリーを筆頭に大きくて姿が恐ろしい“恐がらせ屋”のエリート候補生があふれていた。(シネマトゥデイより)



ピクサーの長編アニメ14作目となる本作は、
4作目『モンスターズ・インク』の前日譚(プリクエル)となります。
ピクサーがディズニーに買収されてからは続編ものが作りやすい環境になり、
近年『トイ・ストーリー3』『カーズ2』と、続編作品が公開されましたが、
プリクエルという形の続編ものはピクサー史上初めてです。
前作『モンスターズ・インク』は、ピクサー屈指の人気作で、ボクもかなり好きですが、
その続編がプリクエルとして制作されると聞いた時は、
サリーとマイクが帰ってくる嬉しさよりも、懸念の方が強かったです。

その理由のひとつは、前作はモンスターのサリーと人間の女の子ブーとの交流を描き、
そこが感動的な作品でしたが、本作にはブーは登場しないわかっていたから。
ブーは2歳児だから、数年前を描いたプリクエルに登場できるわけがないですが、
ブーがいない『モンスターズ・インク』の続編なんて、
イチゴが乗ってないショートケーキのようなものじゃないかと…。
(余談ですが、『トイ・ストーリー3』に少し成長したブーが出ているとの噂です。)
案の定、本作にブーはカメオ出演すらしていませんが、
ブーを超える魅力的なキャラクターも登場しなかったように思います。

『カーズ』の主人公はマックィーンですが、続編は相棒メーターが主人公になりましたが、
本作でも前作の主人公サリーの相棒であるマイクが主人公になります。
ピクサーらしい興味深い演出だとは思うのですが、
サブキャラというのはその役割のためにキャラ設定されているので、
あまり主人公向きのキャラではないと思うんですよね。
『カーズ2』の評判が悪いのも、メーターが主人公キャラらしくなかったのが一因ですが、
本作は評判が悪いわけではないけど、マイクも主人公らしくない気がします。
前売券特典でもマイクのストラップは早々に売り切れたようで、
コミカルなマイクが人気があるのはわかるけど、サブで映えるタイプのキャラです。
異様なまでに自信家で前向きでネアカで、主人公としてはちょっとウザい性格です。
挫折したり嫉妬したりクヨクヨしたりするサリーの方が、
(モンスターだけど)人間らしくて、感情移入しやすいです。

しかしそれ以上に懸念したのは、プリクエルであるということです。
『モンスターズ・インク』は完璧な形で完結しているので、その後の話を作るのは難しく、
「続編を作るならプリクエルしかない」という発想はわからなくもないです。
近年流行りのプリクエルですが、過去の話を描くのって、なかなか難しいと思います。
観客は結末を知ってるから、その上でどうモチベーションを維持するかが問題です。
例えば『エイリアン』の前日譚である『プロメテウス』はエイリアン誕生の謎を描いたり、
『スター・ウォーズ』新三部作では、主人公の父がダークロードになる経緯を描きます。
これらは本編を鑑賞していれば当然気になることだと思うので、
例えアナキンがダースベイダーになる結末を知っていてもモチベーションは維持できます。
しかしサリーとマイクがモンスターズ・インクに就職した経緯なんて気になりますか?
しかも本作は、外見が可愛いモンスターであるマイクが、その不利を克服し、
どうやって「怖がらせ屋」になるのだろうか、という展開なわけだけど、
前作を鑑賞していれば、マイクが「怖がらせ屋」にならないと知っています。
彼は「怖がらせコンビ」として怖がらせ屋サリーのサポートに回るわけですからね。
結局いくら頑張っても怖がらせ屋にはなれないとわかっているマイクの無駄な頑張りを、
モチベーションを下げずに見続けるのはなかなか難しいです。
まぁそういう意味では、勉強嫌いで落第したサリーが、
エリートである怖がらせ屋になる経緯には多少関心も持てますけど。

マイクが憧れる「怖がらせ屋」は、人間界で子供を驚かせて悲鳴を上げさせる仕事です。
その悲鳴は悲鳴ボンベに詰められ、モンスターシティのエネルギーに活用されます。
しかし前作で、エネルギーは悲鳴よりも笑い声の方が効率がいいということが判明し、
怖がらせ屋の意義が完全に覆されてしまいますよね。
本作はそれ以前の話なので、「モンスターは怖くなければ価値がない」という世界観で、
怖いモンスターになるために頑張るモンスターの学生たちの奮闘が描かれますが、
数年後には無意味になる努力をしている彼らを応援する気持ちにもなりません。
というか、言いしれぬ虚しさを感じてしまいます。
でもそれらのことは前作を知っているから思ってしまうことであり、
もしこの順序が逆だったなら、本作もかなり楽しめる物語だったはずです。
以下、物語の感想を書くので、多少ネタバレも含みますが、
プリクエルってこと自体、ネタバレみたいなものですね。

物語の冒頭は、マイクが6歳の時、小学校での遠足のエピソードです。
この頃のちっちゃいマイクの可愛らしさといったら半端ないですが、
同級生からもバカにされて、少し可哀想なところが母性本能(?)をくすぐります。
前作ではマイクとサリーが小学校の時には知り合っていた設定のはずですが、
本作ではその設定は無視され、まだサリーは登場しません。
遠足でモンスターズ・インクに見学に訪れたマイクは、そこで働く怖がらせ屋に感動し、
「将来ぼくも怖がらせ屋になる」と心に決めます。
モンスターズ・インクはモンスターシティ唯一のエネルギー会社で、
超一流企業なので、学生が就職先として憧れるのはわかりますが、
怖がらせ屋は市民にとっても人気スポーツのプロ選手並みの憧れの存在のようで、
怖がらせ屋のトレーディングカードまで発売されているみたいです。

怖がらせ屋になるために必死に勉強したマイクは、
超難関名門大学モンスターズ・ユニバーシティ「怖がらせ学部」に入学しました。
怖がらせ屋を輩出するための学部で、可愛い外見のマイクが合格できたのは不思議ですが、
たぶん入試は筆記試験のみだったんでしょうね。
それだと勉強嫌いなサリーも入学できているのがおかしいけど、彼は推薦入学かな?
まぁ(モンスターシティだけど)アメリカの大学って、入学よりも卒業が難しいていうし、
入学してしまってからが大変なのでしょうが、この大学もそうみたいで、
学期末のテストで怖がらせ屋になる見込みがない学生は、
ハードスクラブル学長によって、怖がらせ学部から追い出されます。
期末テストは「怖がらせシミュレーター」での実技テストなので、マイクはピンチです。
でもマイク自身は誰よりも怖がらせ理論を勉強しているので自信満々です。

マイクの学生寮でのルームメイトは、なんと前作の悪役ランディです。
彼が初対面時は人当たりのいい学生だったんで、ちょっとビックリですね。
ブーこそ出てきませんが、他にも前作の名物キャラが意外な形で登場します。
こういうのはプリクエルの楽しみのひとつですね。
あと、ピクサーではお馴染みの作品を超える遊び心として、
『カーズ2』のキャラが何台かカメオ出演しているようです。
あとピクサー次回作『グッド・ダイナソー(原題)』のキャラも小道具で出てるとか。

ナイト教授の初講義の時にマイクはサリーと出会うのですが、
サリーは伝説の怖がらせ屋ビル・サリバンの孫なので、皆から一目置かれ、
自分自身も持って生まれた怖がらせの才能に自惚れ、まじめに理論の勉強なんてしません。
才能はないが勉強は頑張るマイクとは正反対な性格で、2人は嫌いあっており、
期末テストの本番でケンカをはじめ、テストが受けられずに2人は学部を追い出されます。
でもケンカよりも、ケンカ中に学長の大切な悲鳴ボンベを割ったのが不味く、
陰湿な学長の怒りを買って、報復として追い出された感じですね。
学長は伝説的な女怖がらせ屋で、そのボンベは彼女が最高記録の悲鳴を取った時のもの。
そんな記録を後生大事にするなんて、彼女の器が知れるというものですが、
サリーはまだしもマイクは、どうせテストを受けても不合格だったでしょうね。

地味で不人気な「悲鳴ボンベ学部」に追放になった2人ですが、
マイクは学長肝煎りで始まった学生主催の「怖がらせ大会」で優勝することで、
学長に実力を証明し、怖がらせ学部に復帰させてくれるように頼みます。
絶対無理だと思っている学長は、その条件を飲みますが、
大会はチーム戦で、「学生クラブ」しか参加できません。
学生クラブというのはフラタニティとかソロリティとか言われる社交クラブのことで、
学生が自主運営する学生寮となっており、アメリカ特有のキャンパス文化で、
日本人、特に子供たちにはちょっとわかりにくい制度かもしれませんね。
大会出場のためには学生クラブに入る必要があるけど、人気クラブには入るのは難しく、
誰も入りたがらない不人気クラブ「オーケー(ウーズマ・カッパ)」に入ります。
オーケーのメンバーは、いわゆる落ちこぼれで、キャンパスカーストの底辺ですが、
みんな優しくていいモンスターばかりです。
マイクも入学当時は彼らのことを蔑んでいたのに、大会出場のために利用するなんて、
自分勝手でちょっと酷すぎるんじゃないかと思いました。
サリーはもともと超人気クラブ「ロアー(ロアー・オメガ・ロアー)」所属でしたが、
期末テストの失敗で先輩からクラブも追い出されてしまっていたため、
マイクに便乗し、オーケーに所属し大会優勝して学部復帰を目指します。

オーケー、ロアーの他にも、脳筋男子クラブ「ジョックス(ジョーズ・シータ・カイ)」、
体育会系女子クラブ「イーク(スグルマ・スグルマ・カッパ)」、
チアリーダーっぽい「ピンク(パイソン・ニュー・カッパ)」、
学長の出身クラブであるゴス系「ヒス(エータ・ヒス・ヒス)」の計6クラブで競います。
大会の競技は、怖がらせ屋に準えた演出の障害物競争、かくれんぼ、迷路などです。
競技毎に最下位1組が脱落するも、運とマイクの理論で決勝に勝ち上がるオーケーですが、
決勝戦は強敵ロアーとの「怖がらせシミュレーター」での直接対決です。
チームメイト6人がそれぞれ獲得した悲鳴の合計で勝敗が決まるのですが、
学長はオーケーに「ひとり全く怖くない人がいるから優勝は無理だろう」と言います。
つまりマイクのことを言っているわけですが、どう考えてもマイクより怖くない人が…。
それは2年生のスクイシーのことです。
彼は小柄なマイクよりも更に小柄で、朗らかな顔をした優しいモンスターで、
キャラとしては可愛くて魅力的だけど、そんなスクイシーをメンバーにしたら、
マイクの外見が可愛いという個性、キャラ設定が死んでしまう気が…。
まぁ、ぶっちゃけると本作に外見的に怖いキャラなんて1人もいないんですが…。

決勝戦でマイクが最高得点を叩き出し、奇跡的な大逆転勝利を収めるも、
それはサリーがマイクのために行った裏工作のお陰とわかり…。
ショックを受けたマイクは「実力でも勝てたのに!」と怒り、
それを証明するため、本物の人間の子供を怖がらせてみせようと、
工学部のドアの研究室から、ひとりで人間界に行ってしまいます。
ドアはサマーキャンプのクローゼットに繋がり、マイクは子供を怖がらせるどころか、
大勢の子供に囲まれてしまい大ピンチに…。
サリーは慌てて後を追い、和解した後マイクを連れ戻そうとするも、
人間の子供には毒があると信じている学長は、ドアの電源を落としてしまい、
2人は人間界に取り残され、そこに通報を受けた警官が大勢やってきて…。
人間界からドアを再起動させるためには圧倒的な量の人間の悲鳴が必要で、
一計を案じたマイクはサリーと協力し、警官たちを怖がらせるのです。

子供と違って大人に悲鳴を上げさせるのは難しいですが、
そこでマイクが勉強で培った理論が大活躍します。
音などで不安感を煽るホラー映画でよく見かけるような方法ですが、
実際にホラー映画でも観客を怖がらせるための理論というものが存在します。
日本では『リング』などにも影響を与えた「小中理論」なんかが有名です。
結局、異形のモンスターでなくても、人間の形をした幽霊でも怖いんだから、
人間が怖さを感じるのに、外見なんてあまり関係ないんですよね。
興味深かったのは、マイクたちが警察を怖がらせるシークエンスで、
観客の小さい子供たちが「怖い…」と、不安そうな声を出していたことです。
マイクたちの仕業だとわかっていても怖く感じるなんて、
かなり本格的なホラー理論を使っていたのだろうと思います。

その作戦は成功し、学長も認めざるを得ないほどの悲鳴を獲得したマイクたちですが、
結局、怖がらせ学部に復帰させてもらえず、退学処分となりました。
マイクは怖がらせ屋にならないから、復帰するという結末がないのは予想済みですが、
怖がらせ屋になるサリーまで学部復帰しなかったのは、意外だったかもしれません。
退学しても怖がらせ屋になるのは諦めていない2人は、
モンスターズ・インクの郵便係の求人に応募し、その後、清掃員、食堂従業員、
ボンベ倉庫管理を経て、怖がらせ屋の採用試験を受けて、怖がらせコンビになります。
別に怖がらせ学部出身じゃなくても、大卒ですらなくても、採用試験受けられたんですね。
まぁかなり遠回りにはなったように思いますが、実はもっと効率的になる方法もあります。
怖がらせ屋を輩出する名門校はモンスターズ・ユニバーシティだけではなく、
ティアーティックというライバルの名門大学もあったので、
退学後そちらに再入学するという手もあったはずです。
陰険なハードスクラブル学長もいないし、学部追い出された時に編入してもよかったかも。

ストーリーを重視するピクサーにしては、脚本が普通すぎると思ったし、
正直、期待を上回る内容でもありませんでしたが、アニメ映画としては十分佳作で、
けっこう人気作になるかもしれません。
本作がいくら大ヒットしても、本シリーズはこれ以上作られないでしょうが、
続編に積極的になったピクサーも、もうプリクエルなんて作らないでほしいです。
次の続編ものは『ファインディング・ニモ』の続編『ファインデイング・ドリー』です。
タイトルからすると、今度はスピンオフってことになるのかな?

あ、あと、本作と同時上映された短編『ブルー・アンブレラ』はなかなかよかったです。
かなり写実的なCGIアニメで、これなら実写にCG合成してもよかった気がしましたが…。

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コメント

ひねくれてますね

  • 2014/05/01(木) 12:31:57 |
  • URL |
  • 無記名 #-
  • [ 編集 ]

言われ慣れてますし、意図的にそうしてます。

  • 2014/05/01(木) 22:41:52 |
  • URL |
  • BLRPN #-
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